皆さんは、1ターンに最大何点のダメージを受けたことがありますか?
私は先日、40点を超えるダメージを受けました。もちろん、スタンダードで。
「『カラデシュ』から登場したカードを組み合わせると、こんなに強いの!?」
と、負けた悔しさを忘れてしまうくらいの驚きを味わいました。未知のデッキに出会えるのも、環境初期の魅力ですからね。
本日最初にご紹介するのは、そんな一撃必殺を持つ『カラデシュ』製のデッキです。
11 《森》 10 《山》 -土地 (21)- 4 《静電気式打撃体》 4 《シャイラ専有地の賢者》 4 《導路の召使い》 4 《通電の喧嘩屋》 3 《逆毛ハイドラ》 -クリーチャー (19)- |
4 《顕在的防御》 4 《撃砕確約》 4 《アドレナリン作用》 4 《気宇壮大》 4 《放たれた怒り》 -呪文 (20)- |
3 《高木背の踏みつけ》 3 《蓄霊稲妻》 3 《自然の流儀》 2 《乗っ取り》 1 《逆毛ハイドラ》 1 《多用途な逸品》 1 《街の鍵》 1 《高速警備車》 -サイドボード (15)- |
デメリットを持たない2マナ、3/2である《通電の喧嘩屋》が公開されたとき、「これは前のめりな赤緑ビートダウンが組まれるのかなぁ」と思っていた人も多いと思いますが、このデッキは前のめりをさらに前に倒したかのような速度が魅力です。そして、その鍵をにぎるのが、こちら。
《静電気式打撃体》。
エネルギーを3つ使って、パワーとタフネスが倍!もう一度起動すれば、さらに倍!
1/1で起動しても2/2にしかなりませんが、少し強化して3/3なら6/6、さらに強化して5/5なら10/10、と強化されればされるほど、見逃せない存在感を放ちます。
この能力を活かすために、採用されている呪文はすべてパワーとタフネスを増加させ、しかもトランプルや二段攻撃のおまけ付きのものです。
2ターン目《シャイラ専有地の賢者》(エネルギー・カウンター3個)、3ターン目《静電気式打撃体》(エネルギー・カウンター3個追加、合計6個)と動けば、エネルギー充電完了。すでに相手のライフは射程圏内です。
シンプルに《気宇壮大》を打って、5/5、トランプル。そこから《静電気式打撃体》の能力を2回起動すれば、20/20、トランプルの完成です。どれだけ相手がブロッカーを用いても、10点以上のライフを削ることが可能でしょう。
相手の除去に対しては、《顕在的防御》の呪禁が頼りになります。「3ターン目に《静電気式打撃体》を出しても除去されそうだな」と判断した場合は、《顕在的防御》を唱えられるように1ターン待つことも重要です。次のターンには大きくライフを削ることができるはずなので、焦る必要はありません。
相手が数ターンを凌いだら、《放たれた怒り》を唱えるマナが揃っているはずなので、二段攻撃を叩き込みましょう。私が味わった40点オーバーの一撃必殺は、こうやって生み出されたわけです。
一撃必殺が抱える最大の弱点は、「その一撃が不発に終わったとき」。その場合は大ダメージに執着せず、各種クリーチャーを呪文で強化しながらライフを削っていき戦線の崩壊を防ぎましょう。そして、そんな状況で頼りになるのが、《逆毛ハイドラ》です。
エネルギー・カウンターを3個消費することで、+1/+1カウンターと呪禁を得るため、《シャイラ専有地の賢者》などをプレイしていれば、数枚の除去から身を守りつつ、パンプアップできます。《静電気式打撃体》が除去された際には、彼が残したエネルギー・カウンターも活用して戦線を維持し、次のチャンスを待ちましょう。
対戦相手の1/1クリーチャーが瞬く間に巨大化し、一撃でライフを削りきる凶悪さ。このデッキと対戦すると、開始数ターンで「ひょっとして、もう負けてる?」という感覚に襲われることでしょう。
そして、その感覚を味わった私は、こう宣言したいと思います。
「このデッキは、スタンダードの『感染』だ」。
さて、もう1つ赤緑ビートダウンをご紹介しておきましょう。
4 《燃えがらの林間地》 9 《森》 4 《獲物道》 7 《山》 -土地 (24)- 4 《通電の喧嘩屋》 4 《牙長獣の仔》 4 《導路の召使い》 4 《ラスヌーのヘリオン》 4 《逆毛ハイドラ》 4 《新緑の機械巨人》 -クリーチャー (24)- |
4 《蓄霊稲妻》 4 《集団的抵抗》 4 《高速警備車》 -呪文 (12)- |
4 《ラムホルトの平和主義者》 4 《真鍮の災い魔》 3 《焼夷流》 2 《溶岩の地割れ》 2 《アーリン・コード》 -サイドボード (15)- |
こちらはシンプルな赤緑ビートダウンで、一撃必殺のギミックはありませんが、《集団的抵抗》などの呪文を採用したことで、安定して殴り続けることが可能です。
注目は、「3マナ、4/4、速攻」という優秀なスペックを持つ《ラスヌーのヘリオン》。戦場に居座るにはエネルギー・カウンターを2個支払う必要があるのですが、支払うタイミングは「あなたの終了ステップ」なので、次ターンも攻撃に参加することができます。《導路の召使い》《通電の喧嘩屋》《牙長獣の仔》といったエネルギー・カウンターを得る手段もあるので、数ターン活動させる選択肢も視野に入れておきましょう。
《ラスヌーのヘリオン》は3マナ4点火力として考えることもできますが、そうすると《高速警備車》は4マナ5点火力に相当します。このデッキに採用されているクリーチャーは全員「搭乗」できるので、盤面を何度も駆け抜けて突撃を繰り返すことが可能となっています。
エネルギー・カウンターの使い道としては、《蓄霊稲妻》も存在します。プレイヤーを対象とすることはできませんが、ブロッカーを除去して、優秀なクリーチャー軍団が思う存分殴れる環境を整えましょう。
【緑白トークン】でご紹介した《新緑の機械巨人》も採用されています。アグロやミッドレンジ、そしてコントロールにも姿を見せており、「緑マナが出るデッキならば、どんなデッキにも採用される」と評価されつつあり、今後も活躍する姿を見ることは多そうです。
サイドボードに積まれた《真鍮の災い魔》は、3マナ、3/3、速攻、デメリットなしという非常に優秀なクリーチャーです。《ラスヌーのヘリオン》と使い分けて、相手のライフを詰めていきましょう。
ラヴニカギルドの「グルール」、そして往年のファンにとっては「ステロイド」という呼び名で知られる赤緑にとって「火力呪文を唱えながら、クリーチャーをサポートしてビートダウンする」という動きは、理想的なものです。本日ご紹介したデッキならば、その動きを思う存分味わえますし、工夫次第で「感染」のような必殺技を放つことも可能です。
『カラデシュ』のカードとギミックを余すことなく活用したこちらのアーキタイプ。ビートダウンが流行している今こそ、おすすめです!
次回の掲載は週明け、10月11日(火)の予定です。この週末でどんなデッキが活躍するのかを楽しみにしながら、私も週末を過ごそうかと思います。
それでは、また来週!
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