デッキには、コンセプトというものがあります。
「特定のカード」を活かすデッキや「キーワード能力」に着目したデッキは、どの環境でも存在します。「強力なカードを集めて、強力なデッキを作る!」というのも立派なコンセプトでしょう。
そして、「クリーチャー・タイプ」をコンセプトとするデッキも、やはり環境には存在します。
今回はクリーチャー・タイプのシナジーを活かしたデッキをご紹介していきます。まずはこちら。
5 《平地》 5 《山》 4 《霊気拠点》 4 《感動的な眺望所》 4 《鋭い突端》 1 《ハンウィアーの要塞》 -土地 (23)- 4 《スレイベンの検査官》 4 《発明者の見習い》 4 《サリアの副官》 4 《ハンウィアー守備隊》 3 《ピア・ナラー》 2 《異端聖戦士、サリア》 -クリーチャー (21)- |
4 《蓄霊稲妻》 4 《石の宣告》 4 《密輸人の回転翼機》 2 《高速警備車》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文 (16)- |
2 《無私の霊魂》 2 《断片化》 2 《神聖な協力》 2 《永遠の見守り》 2 《停滞の罠》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《騎乗追撃》 1 《粗暴な協力》 1 《空鯨捕りの一撃》 -サイドボード (15)- |
白赤「機体」の、そして《密輸人の回転翼機》の強力さは広く知られていますが、こちらのデッキでは同じ白赤という色を基調とし、クリーチャー・タイプを人間でまとめている点に特徴があります。
人間を中心に構築したデッキの強さは言うまでもなく、前環境では「白単人間」という人間の強さを活かしたデッキや、人間を中心に《集合した中隊》を活かした「バント人間」も活躍していました。
注目の新カードは、《ピア・ナラー》。生み出すトークンのサイズは1/1と非常に小さいものですが、飛行を持っていることも重要ですし、何よりも《密輸人の回転翼機》に「搭乗」させることが可能な点を忘れてはなりません。自身も《高速警備車》に「搭乗」することが可能ですし、余ったマナを注ぎ込みダメージを伸ばすこともできますね。2種類の「機体」を活かせる強い母……注目です!
人間でまとめる最大のメリットは、《サリアの副官》でしょう。周囲を強化しつつ、自身は強化される、という能力は言うまでもなく強力ですし、特に《ハンウィアー守備隊》との組み合わせは想像以上の強さです。
また、『カラデシュ』で直接的に強化されたわけではありませんが、メタゲームの変遷によって姿を見せ始めたクリーチャー・タイプも存在します。それが、スピリットです。
8 《島》 8 《平地》 4 《港町》 4 《大草原の川》 -土地 ()- 3 《霊廟の放浪者》 4 《無私の霊魂》 4 《鎖鳴らし》 3 《ネベルガストの伝令》 4 《呪文捕らえ》 2 《往時の主教》 3 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー ()- |
3 《革命的拒絶》 3 《非実体化》 3 《停滞の罠》 2 《ドビン・バーン》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文 ()- |
3 《否認》 3 《神聖な協力》 2 《断片化》 2 《即時却下》 2 《隔離の場》 2 《秘密の解明者、ジェイス》 1 《停滞の罠》 -サイドボード (15)- |
スピリットは『イニストラードを覆う影』、そして『異界月』で数を増やしたクリーチャー・タイプです。前環境でこのクリーチャー・タイプを主軸にしたデッキは、そこまで大きく爪痕を残したわけではありませんでしたが、【世界選手権2016】では、強豪Seth Manfieldが「バントカンパニー」のスピリット版である「バントスピリット」を使用したことで話題になりました。
それ以前から、優秀なスピリットは各種アーキタイプで活躍していました。《呪文捕らえ》と《無私の霊魂》です。
『異界月』で登場した《呪文捕らえ》は新環境でも相変わらず強力!呪文を打ち消す効果はもちろんですが、「2/3、飛行」というスペックも見逃せる大きさではありません。「《呪文捕らえ》を持っているかもしれない」と思わせるだけでも大きなプレッシャーになるので、相手のゲームプランを崩すことが可能でしょう。
《無私の霊魂》は、盤面全体に影響を与える《光輝の炎》と《コジレックの帰還》を無力化できます。全体火力に限らず、様々な場面で活躍する可能性があるため、スピリットデッキに限らず白のデッキならば採用される1枚と言えるかもしれません。先ほど紹介した「白赤人間」でもサイドボードに採用されていますね。
また、同じように「白赤人間」と「白青スピリット」の両デッキが採用しているカードである《神聖な協力》は新環境で評価を上げているインスタント呪文です。ここでは「攻撃クリーチャー1体を生け贄に捧げる」という効果に注目してみましょう。
生け贄に捧げさせる、という効果は言うまでもなく強力ではあるのですが、【以前ご紹介した】「赤緑ビートダウン」で活躍していた《顕在的防御》や《逆毛ハイドラ》といった呪禁に対して効果的です。
そして、クリーチャーをアンタップするモードは、ブロッカーを用意するだけでなく、「機体」に「搭乗」させるクリーチャーを用意する場面でも重要です。1体のクリーチャーを複数の「機体」に「搭乗」させることも可能なので、覚えておくと良いかもしれません。
《革命的拒絶》《非実体化》《否認》《即時却下》、そして《呪文捕らえ》と、相手の呪文を打ち消す手段も豊富なので、相手の動きを抑制しつつ、スピリットで相手のライフを削っていきましょう。
クリーチャー・タイプは、時に見落とされがちではありますが、マジックにデザインされた1つのメカニズムです。「バントカンパニー」が「バント人間」と「バントスピリット」へ発展したように、クリーチャー・タイプでまとめたデッキは、時に強力な結束力を見せてくれます。プロツアー『カラデシュ』、そしてこれからの環境での活躍に注目してみましょう。
では、また明日!
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