『カラデシュ』が発売されて、もうすぐ2週間。
このスタンダード・デッキ・ピックアップでも、様々なデッキをご紹介してきました。前環境で活躍した【緑白トークン】や、【現出】は新戦力によって強化され、「バントカンパニー」は【バントアグロ】へと姿を変え、新たな力を発揮しつつあります。
また、【赤緑ビートダウン】のように、新カードの強さが際立つデッキも、環境に姿を登場しています。
本日ご紹介するのは、新カードによって環境に姿を現した、『カラデシュ』以前には存在しなかった“新たなアーキタイプ”です。
3 《森》 1 《島》 1 《山》 4 《進化する未開地》 4 《霊気拠点》 4 《植物の聖域》 3 《尖塔断の運河》 2 《獲物道》 -土地 (22)- 4 《光り物集めの鶴》 4 《導路の召使い》 3 《つむじ風の巨匠》 4 《新緑の機械巨人》 3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 1 《約束された終末、エムラクール》 -クリーチャー (19)- |
4 《霊気との調和》 4 《蓄霊稲妻》 2 《慮外な押収》 4 《ガラス吹き工の組細工》 4 《霊気池の驚異》 1 《サヒーリ・ライ》 -呪文 (19)- |
4 《放浪する森林》 4 《否認》 4 《密輸人の回転翼機》 3 《不屈の追跡者》 -サイドボード (15)- |
【遊々亭さん】の【カラデシュ・プレ裏スタンダード】で見事優勝を果たした《霊気池の驚異》デッキは、新環境の中で確固たる地位を築いています。
このデッキの動きは、既存のアーキタイプとは一線を画するものであり、晴れる屋の【デッキ検索】でも、「霊気池の驚異/Aetherworks Marvel」という新たなるアーキタイプが登録されました。
デッキの中心となっているのは、もちろんこちら。
《霊気池の驚異》。
6個のエネルギーを消費することで、ライブラリーのトップ6枚を見て、その中の呪文1つを唱えることができます。しかも「マナコストを支払うことなく」!
この効果を用いて《絶え間ない飢餓、ウラモグ》や《約束された終末、エムラクール》などのマナコストを踏み倒して勝利を掴む動きは、まさに霊気がもたらす驚異!
《霊気池の驚異》自身が溜められるエネルギーは「パーマネントが1つ墓地に置かれるたび」に1個と微々たるものですが、『カラデシュ』には様々なエネルギー貯蓄手段が存在します。
中でも、各色に存在する「組細工」の1枚、《ガラス吹き工の組細工》は抜群の相性で、場に出たときに2個(占術2)、生け贄に捧げて2個(占術2)、墓地に落ちたのでさらに1個と、あっという間にエネルギーを貯蓄できます。
占術2でライブラリートップをあらかじめ確認できるので「エネルギーが溜まった!やっと使える!……6枚全部土地!?」という悲劇を防ぐことができます。有効活用していきましょう。
マナコストを踏み倒す候補は、各種エルドラージ、そして《慮外な押収》です。《慮外な押収》は『カラデシュ』で登場したコントロール奪取呪文です。唱えることでエネルギー4個は獲得できるので、最低でも4マナまでのパーマネントを押収することが可能です。
《霊気池の驚異》の能力は「場に出す」ではなく「唱えてもよい」なので、エルドラージの「唱えたとき」という能力も誘発しますし、インスタントやソーサリーがめくれても嬉しいですね。
さらに、「《霊気池の驚異》で、各種エルドラージを唱える」というプランに特化したデッキも結果を残しています。
6 《森》 1 《島》 1 《山》 4 《霊気拠点》 4 《植物の聖域》 4 《尖塔断の運河》 2 《獲物道》 -土地 (22)- 4 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 2 《大いなる歪み、コジレック》 4 《約束された終末、エムラクール》 -クリーチャー (10)- |
4 《霊気との調和》 3 《安堵の再会》 2 《蓄霊稲妻》 3 《コジレックの帰還》 4 《発生の器》 4 《ガラス吹き工の組細工》 4 《織木師の組細工》 4 《霊気池の驚異》 -呪文 (28)- |
3 《払拭》 3 《侵襲手術》 3 《自然のままに》 3 《否認》 2 《蓄霊稲妻》 1 《コジレックの帰還》 -サイドボード (15)- |
クリーチャーは、エルドラージの3柱のみ。60枚の内、10枚がクリーチャーなので、単純な計算ですが《霊気池の驚異》で6枚めくれば、1枚は「当たり」を引けるはずです。
エネルギーを貯蓄するには、どうしても数ターンの時間が必要になります。その間に戦線を構築してくる速いアグロデッキはやはり強敵なのですが、そこで大きな力となるのが、《コジレックの帰還》です。
「《霊気池の驚異》で、各種エルドラージを唱える」というプランに噛み合った1枚です。全体火力によって序盤を凌ぐことが可能ですし、先ほど述べたとおり《霊気池の驚異》は「マナコストを支払うことなく唱えてもよい」なので、墓地にある《コジレックの帰還》が誘発します。
マナコストを踏み倒してエルドラージが盤面に降り立ち、同時に盤面を一掃する5点火力! 圧倒的に有利な状況を活かして、そのまま勝利を掴みましょう。
緑の組細工、《織木師の組細工》も相性抜群の1枚です。戦場に出して能力を起動すれば、《霊気池の驚異》を起動するためのエネルギー6個と、ライフレースを巻き戻す貴重なライフ6点を獲得できます。
手札に来たエルドラージを唱えられる可能性は極めて低いため、《安堵の再会》で墓地に送ってしまうべきでしょう。
なお、《霊気池の驚異》を使用する際、残りのカードはライブラリーの一番下に「無作為の順番で」置かなければなりません。「望む順番で置く」ことができた《集合した中隊》とは異なりますので、大会で使用する場合はご注意を!
『カラデシュ』から環境に現れた「《霊気池の驚異》デッキ」は、従来の「エルドラージ・ランプ」とは違った方法でエルドラージを盤面に登場させます。アグロデッキの速度に耐えうる新たなエルドラージの「驚異」。「プロツアーでも活躍するのでは?」と私が楽しみにしているアーキタイプの1つです。新しいカード、そしてメカニズムの活躍を見ることができるのも、プロツアーの楽しみですからね。
では、また明日!
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