赤緑ランプ徹底分析

Petr Sochurek

Translated by Takuma Kusuzawa

原文はこちら
(掲載日 2017/09/04)

こんにちは、ペトルです!

今日は先週試してみて、グランプリ・トリノ2017に持ち込む候補になったデッキを紹介します。このGPでは青黒コントロールを使用したRobin Dolarが優勝しましたね。僕はというと、病気になってしまって結局GPには参加できなかったのですが、ランプというアーキタイプについて分かったこと伝えられればいいな、と思っています。

赤緑か白緑か?

今回は赤緑ランプについて話していきますが、白いバージョンの方が良い可能性も大いにあります。全てはあなたの予想するメタゲーム次第なのですが、白い方は《燻蒸》で大きなクリーチャーでも殺せるため、コントロール、ティムールエネルギーと黒緑巻き付き蛇に相性が良いです。赤いデッキではタフネスが6を越えたクリーチャーを倒せず、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》、またはそれを唱えるための十分な土地を引けないとかなり辛いです。

奔流の機械巨人放浪する森林新緑の機械巨人

一方で、《削剥》を擁する赤緑バージョンは小さなクリーチャーや《王神の贈り物》には強く、ランプミラーでも優位に立てると思います。ミラーでは、《世界を壊すもの》を先にプレイできるかどうかが全てで、サイドボードから入る《反逆の先導者、チャンドラ》の助力があまりに大きいのです。

世界を壊すもの反逆の先導者、チャンドラ

私が学んだこと

このデッキを使い始めたときは、今と大きく違うリストでした。3マナもかかる重いマナ加速呪文を唱えて《世界を壊すもの》につなげるという動きはひどく思えたので、軽い除去や《チャンドラ》たちを大量に入れて、重い呪文は少なくしていたのです。

これが良くないことだというのは、すぐに気付きました。この構成はラムナプ・レッドに対してメインから勝ちやすいかもしれませんが、それ以外ではひどいミッドレンジに成り下がってしまいます。ランプではフェアゲームができるはずもなく、《反逆の先導者、チャンドラ》は相手の分からないゲームで使うにはイマイチなのです。ランプを使うときは、ほとんどの相手に対して自分のやりたいことをただやるべきなのです。何度かマナ加速して、盤面を流して、でかいやつを呼べば勝てます。バカっぽくみえますが、結局このアプローチが一番なのです。

初めは、常にランプの課題でありつづける土地の引きすぎや引かなすぎを解決するために、《苦しめる声》《安堵の再会》のようなカードすら使っていました。

今日のランプは往時のランプと比べてかなり遅いものの、採用しているマナ加速の呪文にはドローする選択肢もあるため、こういった問題は起こりづらくなっています

奇妙な森開拓+精神砂の下から

デッキリストはこのようになっています:


ペトル・ソフーレク「赤緑ランプ」
テストデッキ

3 《森》
3 《山》
4 《隠れた茂み》
2 《獲物道》
4 《ハシェプのオアシス》
3 《ラムナプの遺跡》
1 《不屈の砂漠》
3 《見捨てられた神々の神殿》
2 《ウギンの聖域》

-土地 (25)-

4 《世界を壊すもの》
3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

-クリーチャー (7)-
4 《削剥》
1 《木端+微塵》
4 《コジレックの帰還》
2 《砂の下から》
2 《開拓+精神》
4 《約束の刻》
3 《破滅の刻》
4 《奇妙な森》
4 《楽園の贈り物》

-呪文 (28)-
4 《難題の予見者》
4 《反逆の先導者、チャンドラ》
2 《マグマのしぶき》
2 《チャンドラの敗北》
1 《大いなる歪み、コジレック》
1 《木端+微塵》
1 《生命の力、ニッサ》

-サイドボード (15)-
hareruya

カード選択: メインボード

マナ加速呪文

マナ加速呪文の組み合わせ: エンチャントによる加速が特に良いと思うので、他のランプ呪文を検討する前にしっかり4枚にしておいたほうが良いでしょう。《楽園の贈り物》はライフゲインが効果的でない相手にはイマイチに見えるかもしれませんし、土地を探してくるわけではないので《見捨てられた神々の神殿》との相性がいいわけでもないですが、それでもラムナプ・レッド相手には《贈り物》から《約束の刻》へと繋げるだけで勝ててしまえるので、採用すべきだと思います。

楽園の贈り物約束の刻

残りの選択肢について: 《開拓+精神》を1枚だけ引けるとマナフラッド対策となり安心できるのですが、大体遅すぎてゲーム終盤に唱えることになり、切り札を引けていない場合でないと仕事をしません。一方で、3枚目の土地が必要なときに《砂の下から》のサイクリングがとても重要なこともあるので、この辺りは散らしておくといいと思います。

開拓+精神砂の下から

1 《木端+微塵》

木端+微塵

軽い呪文がもう1枚ほしいと思っていて、他の除去呪文では満足できなかったので《木端+微塵》を1枚いれています。ミラーや青赤コントロール相手にサイドボードから入れるカードがあまりなく、《難題の予見者》《氷の中の存在》を倒せるため、採用しています。

難題の予見者氷の中の存在

3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

絶え間ない飢餓、ウラモグ絶え間ない飢餓、ウラモグ絶え間ない飢餓、ウラモグ

2枚しか入れないと言う人がいますし僕もそうしていましたが、このカードはあなたがこのデッキを使っている理由そのものです。《ウギンの聖域》でサーチできるとは言え、しっかりと引きたいカードです。

このデッキにはたくさんのマナ加速が入っていて、特に《約束の刻》があれば、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を唱えることはそこまで難しくありません。またウラモグが手札にないとき、《砂の下から》や土地のサイクリングを考えますが、手札にウラモグがあれば基本的にはそのまま使います。ウラモグが強力すぎて唱えれば大体ゲームが終わってしまうので、他のリソースの損得はほとんど関係ありません。コントロールなどのように、ウラモグだけでゲームが終わらない相手には、しっかりとデッキのパワーを発揮したいため、適宜サイクリングしましょう。どの道ウラモグを唱えるために必要な土地はいずれ引くでしょうしね。

カード選択: サイドボード

4 《反逆の先導者、チャンドラ》

反逆の先導者、チャンドラ反逆の先導者、チャンドラ反逆の先導者、チャンドラ反逆の先導者、チャンドラ

サイドボードですが、入れるカードが多く決まっているため、劇的に変えるスペースはあまり残っていません。《反逆の先導者、チャンドラ》は相性の良い相手にはとんでもなく強いですが、機能しない相手が多いので、メインデッキには入れられません。あまりクリーチャーが入っていないデッキ相手にはひどく相性が良いです。そういった相手には除去カードを減らしたいのですが、サイドボード後に出てくる問題児に対処しなければなりません。《反逆の先導者、チャンドラ》であれば、しっかりと対処してくれ、なんでもこなしてくれるので、4枚入れるべきだと思います

4 《難題の予見者》

難題の予見者難題の予見者難題の予見者難題の予見者

《難題の予見者》はチャンドラと似たようなマッチアップでサイドインしますが、こちらはアンフェアな戦略に対して最善のカードでもあります《新たな視点》などのアンフェアデッキはそんなに人気があるわけではないのですが、それでも全てのアンフェアデッキを合計するとかなりの数になります。このカードをサイドインすることによって相性が改善するほどとは言いませんが、チャンスは生まれます。それにこのカードはミラー、コントロールやミッドレンジなど、他の多くのデッキに対しても効果的です。

1 《生命の力、ニッサ》

生命の力、ニッサ

ここは変える余地があると思いますが、相手を詰められるインパクトか安めの脅威として動けるカードが欲しいと思いました。おそらく《否認》を嫌ってのことだと思うのですが、《不屈の追跡者》をいれる人もいます。ただ私は、《不屈の追跡者》では十分なインパクトにならないと考えています。

Tireless Tracker

2 《マグマのしぶき》 & 2 《チャンドラの敗北》

マグマのしぶきマグマのしぶきチャンドラの敗北チャンドラの敗北

初めは、ラムナプ・レッドを意識して《チャンドラの敗北》を4枚、《マグマのしぶき》を2枚採用していたのですが、そうするとサイドボーディングの際にデッキの中核となるカードを外さないといけなくなり、デッキが良くならなかったので、この枠を削減して有意義に使うことにしました。

この組み合わせにしているのは、《マグマのしぶき》はゾンビ相手に良いですが、元々相性が良いので2枚でほどよいと思いますし、《チャンドラの敗北》は相手のチャンドラ相手に優位になれます。《マグマのしぶき》《地揺すりのケンラ》を追放したり、《ボーマットの急使》を倒すことは頻繁に起こる、分けるのをオススメします。

追加の《木端+微塵》

木端+微塵

黒緑やゾンビなど大きなクリーチャーを倒すことが重要な対戦もあるので、もう1枚入れておくのが好みです。軽い火力を引きすぎると、大きくなった《戦墓の巨人》に簡単に倒されてしまいます

1 《大いなる歪み、コジレック》

大いなる歪み、コジレック

コントロール相手のときなどは、《大いなる歪み、コジレック》を入れると圧倒的になれます。土地がたくさん並び、《天才の片鱗》《ヒエログリフの輝き》《奔流の機械巨人》を唱えられていて、ウラモグで土地を二枚追放するだけでは倒せないことがありますが、《大いなる歪み、コジレック》による圧倒的なカードアドバンテージを覆すのは相手にとって大変です。純粋に長引きそうな試合での切り札として投入するのも良いでしょう。

豆知識

デッキを回す上での豆知識です。これらのことは、何ゲームか回せばすぐに気付けるとは思うのですが、私自身、気付くまでに何度か失敗してしまったことです:

1) 赤マナを集める

基本的には赤マナを可能な限り確保するのが良いです。マナ加速エンチャントの対象を選ぶときに重要で、何度も盤面を流して、マナこそ出るけどでかい奴らを引けていないときなどに、《破滅の刻》《削剥》を唱えた次の相手ターンに《コジレックの帰還》を唱えたり、戦闘前後で赤い呪文を唱えたいときがあるのです。

2) 砂漠は早めにプレイする

《約束の刻》を引いた時には砂漠が盤面にあってほしいので、砂漠は可能な限り早くプレイするのが基本的には正しいです。そうすることで、《ウギンの聖域》《見捨てられた神々の神殿》、二色土地を探す余裕ができます。

3) 《獲物道》を使うにあたって

《獲物道》があるので、《森》《山》を手札に持っておきましょう。

4) マナ加速呪文はエンチャントより先にソーサリーを

エンチャント呪文よりも《砂の下から》《開拓+精神》を先に唱えたほうが良いです。エンチャントされた土地はすぐに2マナを出せるので、エンチャント呪文は実質2マナで唱えられます。

5) 《見捨てられた神々の神殿》《ウギンの聖域》より良いとは限らない

次のターンにウラモグが唱えられるとしても、《約束の刻》から《見捨てられた神々の神殿》を2枚持ってくるのがいつも正しいとは限りません。あなたにはまだ時間もあるし、相手が回答を持っているかもしれません。もちろんこの動きが強いことに変わりはないですが、《ウギンの聖域》を持ってきて、ウラモグを唱えるのはもう少し遅くにした方が安全なのは確かです。

6) 《慮外な押収》に突っ込むな

もしエネルギーデッキ相手で、まだウラモグを唱えなくても大丈夫そうなら、2枚目のウラモグを引くまで唱えない方がいいときもあります。さもなければ《慮外な押収》に抗うことはできないでしょう。

慮外な押収

結論

まだNationalsに持ち込むデッキは決めていませんが、ランプデッキも間違いなくいい候補だと思っています!

いつも読んでくれてありがとうございます。

ペトル

この記事内で掲載されたカード


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