こんにちは。先週末にグランプリ・京都2018に廣澤 (遊太) 君と北山 (雅也) さんと参加してきたので、この度はその調整記をお届けしたいと思います。
僕の担当はレガシーで、使用したデッキは「グリクシス (青黒赤)・デルバー」でした。ゲストに《秘密を掘り下げる者》のスペシャリストである黒川 直樹さんをお迎えしたのぶおの部屋があるので、改めて僕が書く必要もないかなと思ってしまいましたが、今後振り返る際に役に立つかもしれないので、カード選択なんかで悩んだ箇所を中心にお送りしたいと思います。
デッキリスト
2 《Volcanic Island》
1 《Tropical Island》
4 《汚染された三角州》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《不毛の大地》
-土地 (18)- 4 《秘密を掘り下げる者》
4 《死儀礼のシャーマン》
3 《若き紅蓮術士》
2 《真の名の宿敵》
2 《グルマグのアンコウ》
-クリーチャー (15)-
今回使ったのは大本命である「グリクシス・デルバー」です。もともと《秘密を掘り下げる者》が好きなのもありますが、久しぶりにこのデッキを使ってみてあまりの強さにびっくりしたので、1ヵ月くらい前からこのデッキを使うと決意していました。
繊細なデッキなのでプレイングが難しい局面が多々ありますが、それはこのデッキに限ったことではありませんし、レガシーでプレイングが簡単なデッキなんてほとんどないと思います。むしろこのデッキは《ギタクシア派の調査》や《陰謀団式療法》で対戦相手の手札を見られる機会が多いため、もしかすると他のデッキよりも少しだけプレイングが簡単な部類に入るかもしれません。
リスト自体はテンプレートリストといって差し支えのないものですが、ここからは各カード選択の理由や不採用になったカードについてご覧ください。
カード選択 : メインボード
《Underground Sea》と《Volcanic Island》の枚数
少し前までは《Volcanic Island》3枚、《Underground Sea》2枚の形が一般的でしたが、ここ最近では《Underground Sea》が3枚で《Volcanic Island》が2枚というリストも増えてきました。僕自身もグランプリでは《Underground Sea》3枚、《Volcanic Island》2枚の形を使用しましたが、そこにいたるまでに考慮していたことは以下の通りです。
1つ目の項目は、デッキの中の能動的なカードの枚数によるものです。リストをご覧いただければ分かるように、「グリクシス・デルバー」は先手1ターン目に赤マナが必要な展開が皆無に等しいです。また、メインボードに関しては(赤)マナがふたつ必要なこともほとんどありません。
初手にあるのが《Volcanic Island》だったせいで《死儀礼のシャーマン》をキャストできないことが何回かありましたし、1ターン目の《死儀礼のシャーマン》はこのデッキの最高のアクションなので、可能な限りそれが実現しやすいマナベースにすべく《Underground Sea》が多い方がいいと思いました。
続く項目は、もともと《Underground Sea》×3のリストが流行り始めた理由そのものだそうです。サイドボードに(黒)(黒)を要求するカードを2枚以上採用するのであれば、《不毛の大地》や《リシャーダの港》で妨害されてもそれらを唱えられるように《Underground Sea》を3枚にした方がいいでしょう。
3つ目の項目は、自分自身が対戦相手の土地を《不毛の大地》をする際に “一般的なリストで少ない方の色マナを狙う” ことが多かったからです。2枚しか採用されていない方の色マナを狙えば、わずか2枚の《不毛の大地》のみでその色マナを封殺することができます。クリーチャーを出させないように黒マナを、除去呪文を打たせないように赤マナを、といった具合に展開に左右されることもあるでしょうが、対戦相手も《不毛の大地》を起動する際にデッキリストの流行り廃りを考慮することが多いと思いますので、世間の流行と逆の枚数にしておくと、もしかしたらそれだけで得ができるかもしれません。
《陰謀団式療法》 or 《呪文貫き》?
この枠は一般的に《呪文貫き》が採用されることが多いスロットです。《陰謀団式療法》は《若き紅蓮術士》との組み合わせが脅威的で、序盤から爆発的なアドバンテージを稼ぐことができる点が最大の魅力です。その一方で、《若き紅蓮術士》や《ギタクシア派の調査》がないと一発目を気軽にキャストしづらいという難点があります。
対する《呪文貫き》は堅実性を絵に描いたようなカードで、どの土地からでもキャストできますし、《陰謀団式療法》と違って気兼ねなくキャストすることができます。中盤以降に無駄カードになりやすいという欠点こそありますが、それは《陰謀団式療法》も似たようなものですし、《意志の力》のコストに充てられる分《呪文貫き》の方が様々な面で優れているという印象を受けています。
ではなぜ《陰謀団式療法》にしたかと言いますと、「ANT」や「スニーク・ショー」といった代表的なコンボデッキを意識して《陰謀団式療法》を75枚中に2枚以上採用したかったものの、メインボードを《呪文貫き》にしてしまうとそのスロットが捻出できなかったからです。
あとは練習時間の多くを《陰謀団式療法》型に費やしていたため、上記リストの方がサイドボーディングに慣れていたこと、徐々にではありますが練習中に《陰謀団式療法》の精度が上がってきたことも加味してこの枠は《陰謀団式療法》にしました。
ただ「赤単プリズン」のように、初動を確実に抑え込むことが大切なマッチアップが多いときは《呪文貫き》にした方がいいと思います。《陰謀団式療法》で《月の大魔術師》・《血染めの月》・《虚空の杯》のいずれかを当てるのは至難の業ですが、《呪文貫き》ならばこれらのうち最も致命的な2種類に対処できますからね。
《二股の稲妻》 or 《死亡+退場》?
この2種類は《暗黒の深部》の入ったデッキをどれくらい意識するか、それに加えサイドボードに《マリット・レイジトークン》対策を何枚用意できるか次第です。
《二股の稲妻》は《若き紅蓮術士》&《エレメンタル・トークン》 or 《秘密を掘り下げる者》や、《悪意の大梟》×2など思いのほか2対1交換を取れる機会が多く、フェアデッキに対して使い勝手が良いことが利点です。たかが2点のダメージとは言え、本体火力になる点もデッキの方向性に合致しています。
《死亡+退場》ならではの利点は、《マリット・レイジトークン》に触れることです。
「グリクシス・デルバー」のメインボードで《暗黒の深部》+《演劇の舞台》コンボに干渉できる手段が《不毛の大地》しかないことは周知の事実なので、対戦相手はこちらが《不毛の大地》できないタイミングかつ可及的速やかにそのコンボを狙ってきます。そこで《退場》さえあればグッと勝利が近づくというわけですね。
メインボードの1枚だけで見るとそこまでの差はないかもしれませんが、 “75枚中に《マリット・レイジトークン》対策を何枚入れられるか” という観点で見ると《死亡+退場》の採用は大きな意味を持ちます。
この辺りはデッキ全体のバランス次第で、サイドボードに《湿地での被災》や《最後の望み、リリアナ》などタフネス1のクリーチャー対策を大量に入れるようなら《死亡+退場》を、逆にタフネス1のクリーチャー対策が薄めで《悪魔の布告》を2枚以上採用するなら《二股の稲妻》を優先するといいと思います。
《もみ消し》型はどう?
過去に何度か《もみ消し》型も試していたのですが、今回は《もみ消し》型に時間を割かないとあらかじめ決めていました。その理由は、個人的に最も鬼門だと感じている「グリクシス・デルバー」ミラーマッチの後手番であまり強くないカードだと思っているからです。
ただし「青白奇跡」に対してはフェッチランドや 「奇跡」 の誘発を消せるため《もみ消し》は非常に頼りになるので、もしも「青白奇跡」がかつてのような勢いを取り戻すようであれば再び試してみようと思っています。
カード選択 : サイドボード
タフネス1対策:《湿地での被災》・《最後の望み、リリアナ》・《イゼットの静電術師》・《硫黄の精霊》
タフネス1のクリーチャー対策は、相手のデッキ次第で強弱が異なります。
相手のデッキ | 効果的なカード |
---|---|
ミラーマッチ | 《湿地での被災》>《リリアナ》>《イゼットの静電術師》 |
デス&タックス | 《硫黄の精霊》>《湿地での被災》>その他 |
エルフ | 《イゼットの静電術師》≒《リリアナ》>《湿地での被災》 |
対ミラーマッチは相手が《呪文貫き》と《目くらまし》を残すであろうことを加味すると、極力軽いカードの方がいいと思いました。《若き紅蓮術士》から大量の《エレメンタル・トークン》を出されてしまった際の解決策はこれしかありませんし、《真の名の宿敵》を除去できる点も《湿地での被災》と《最後の望み、リリアナ》の大きな違いですね。
対「デス&タックス」戦で最強なのは、間違いなく《硫黄の精霊》です。《イゼットの静電術師》や《最後の望み、リリアナ》は、《ルーンの母》でクリーチャーを守られたあとに前者は《剣を鍬に》で、後者は戦闘で死んでしまうことが多く、決して劇的とは言えませんでした。
その点《硫黄の精霊》であれば戦場に出た時点でタフネス1軍団を壊滅させることができますし、「刹那」のおかげで “1” を指定している《聖域の僧院長》が攻撃してきた際にも、《ルーンの母》で対応されることなく安全に打ち取ることができます。
《湿地での被災》も《ルーンの母》や “1” を指定した《聖域の僧院長》を無視できるのでかなり強力ですが、「キッカー」が必要な場合は少しコストが重いので《硫黄の精霊》よりかは劣るかなという印象。
対「エルフ」は《突然の衰微》されてしまう危険性こそあるものの、継続的にクリーチャーを除去できる2種が重宝します。《湿地での被災》は《ワイアウッドの共生虫》がいると被害を最小限に食い止められてしまうことがあるので、少しムラがあるのかなと思います。
各マッチアップ間の差異はこのように感じていますが、何はともあれ間違いなくミラーマッチが最多となるので《湿地での被災》の優先度が最も高いですね。
《紅蓮破》2枚、《赤霊破》0枚
《紅蓮破》に統一する明確なメリットは、《若き紅蓮術士》がいる際に能動的にトークンが出せる点です。《赤霊破》が青い呪文か青いパーマネントがないとキャストすらできないのに対し、《紅蓮破》はなんであれパーマネントがあればとりあえずキャストすることができるので、《若き紅蓮術士》で《エレメンタル・トークン》を生み出すことができます。
ミラーマッチで《悪魔の布告》をサイドインするのが主流になっている今、この違いは非常に大きいと感じていますし、グランプリ本戦でも《赤霊破》ではトークンが出せないタイミングで《紅蓮破》でトークンを出したゲームがありました。
逆に《紅蓮破》に統一するデメリットとしては、《翻弄する魔道士》や《陰謀団式療法》で指定された際に困ってしまう可能性があること。ただし、《翻弄する魔道士》の入ったデッキは基本的に《稲妻》などを指定することが多いので、問題が表面化してしまうことは少ないです。《陰謀団式療法》で指定されるであろうマッチアップはほぼ「ANT」のみで、そのデメリットがミラーマッチで能動的にトークンを出せるメリットを上回ることはないかなと思うので、環境に大きな変化がない限りは今後も《紅蓮破》2枚の形を使用する予定です。
《削剥》と《古えの遺恨》の用途
この2種類の主な役割は《虚空の杯》対策です。どんな展開であれ《虚空の杯》X=1は致命的なので、最低でも2枚は《虚空の杯》に触れるカードがあった方がいいと思います。
最近では「赤単プリズン」の活躍を加味してか、《虚空の杯》のみならず《血染めの月》・《月の大魔術師》をも対処できる《突然の衰微》を採用したリストも登場しています。
残念ながら《突然の衰微》を試す時間がありませんでしたが、苦手意識が強く、「赤単プリズン」よりも数が多いと思っていた「デス&タックス」戦においては色マナ拘束が少ない方がいいだろうと判断したこともあって、アーティファクト対策は上記2種類にしました。
《真髄の針》0枚
「グリクシス・デルバー」が苦手とする「土地単」、「ターボデプス」、「デス&タックス」などに強く、汎用性にも長けた1枚。今回はスロットの都合で採用できませんでしたが、優先順位としては16~18枚目くらいなので、次回以降に採用する可能性は非常に高いです。
《発展の代価》0枚
《発展の代価》は「土地単」や「エルドラージ」など、苦手なデッキに対して劇的な1枚です。しかし効果が大きい半面でサイドインできるマッチアップが限られているので、優先順位は《真髄の針》よりも少し下かなと思います。
サイドボーディングメモ
対クリーチャーデッキでサイドアウトしやすいカード:《陰謀団式療法》2枚・《意志の力》4枚
代用コストでキャストした際のカード消費が激しいため、コンボデッキ以外のデッキに対して《意志の力》をサイドアウトするという手法は昔から広く知られています。僕も現時点ではミラーマッチで全ての《意志の力》をサイドアウトするようにしていますが、例外として考えられるのが(1)相手のデッキに《もみ消し》が入っている場合でなおかつこちらが後手の場合、(2)相手がサイド後に《意志の力》を残している場合です。
対戦相手が先手で《もみ消し》を構えてきた場合、 “フェッチランド” を消されてしまうとそのまま負けてしまうことがあります。こちらが先手なら先にアクションを起こして《もみ消し》を構える余裕を与えないようにできますが、後手の場合はそれが叶いませんし、後手の場合は1枚分カードが多いので《意志の力》を2~3枚残してもいいと思います。
また、《もみ消し》を度外視しても《真の名の宿敵》や《グルマグのアンコウ》といった重要な呪文を打ち消せるため、ミラーマッチで《意志の力》を数枚残すというプレイヤーもいます。市川 (ユウキ) さん対松本さんの3本目では、両者ともに《意志の力》をキャストしていますね。
もしも対戦相手が《意志の力》を残している場合にはカードカウントを過度に気にする必要はないので、この場合にも《意志の力》を複数枚残してもいいと思います。
対コンボデッキでサイドアウトしやすいカード:《真の名の宿敵》2枚・《稲妻》4枚・《二股の稲妻》1枚
こちらは非常に分かりやすいと思います。これら7枚をサイドアウトすることが多いので、各コンボデッキに対して、最低でも7枚以上サイドインしたいカードがサイドボードに用意してある状態が理想ですね。
ミラーマッチの《目くらまし》の是非
ミラーマッチの後手だと《目くらまし》を抜いた方がいいんじゃないかという意見をよく聞きましたが、個人的には逆の考えで、むしろ後手の方が《目くらまし》が必要になると思っています。相手がクリーチャー→《目くらまし》というアクションだった場合、それに対して最も効率の良い返し方は除去→《目くらまし》ですからね。それにお互いが《不毛の大地》を擁していることもあり、《目くらまし》はほとんどのゲームにおいてほぼ確実に刺さるタイミングがあります。
《狼狽の嵐》をサイドインするマッチ
《狼狽の嵐》は主にコンボデッキに対してサイドインしますが、それ以外だと《トーラックへの賛歌》対策として最適なので、それが入ったデッキに対してもサイドインします。他の打ち消し呪文だと《目くらまし》や《意志の力》で追撃されると最悪の結果を招きかねないので、対戦相手が追いかける意志が失せる《狼狽の嵐》が最良の解答となります。
また、《輪作》や《ギャンブル》といった重要なカードを打ち消せることが多いので、最近では「土地単」に対してもサイドインするようになりました。
サイドボーディング
ミラーマッチ
ミラーマッチは、クリーチャーを盤面に残せたプレイヤーが大きくリードすることになります。特に序盤の《死儀礼のシャーマン》が生き残ってしまうとゲームにならないので、何がなんでも除去するように。
基本的に消耗戦になることが多いので、《若き紅蓮術士》は最低でもトークンが1体以上出せる状態でキャストするようにしましょう。また、対戦相手が《若き紅蓮術士》+《エレメンタル・トークン》の状態になった場合に便利なので、《二股の稲妻》よりも《稲妻》を先に使うようにすると吉です。
《意志の力》は主にクリーチャーに対してキャストすることになるでしょうが、可能な限り《目くらまし》だけにはひっかからないタイミングでキャストしたいですね。
対 ミラーマッチ
サイドボード後もメインボード戦と同じように、ひたすらリソースの交換を繰り返すゲーム展開になります。ここ最近で《湿地での被災》を採用するリストが増えているので、メインボードよりも《若き紅蓮術士》や《真の名の宿敵》の信頼性が低くなっている点に注意です。
4色レオヴォルト
ミラーマッチと似ている部分もありますが、《瞬唱の魔道士》・《コラガンの命令》を擁する対戦相手の方が明確に終盤戦に強いので短期戦を目指します。対戦相手が《目くらまし》をケアできないくらい前のめりに行動できると理想的ですね。
対 4色レオヴォルト (先手)
対 4色レオヴォルト (後手)
《狼狽の嵐》は《トーラックへの賛歌》・《毒の濁流》・《コラガンの命令》といった致命的な呪文や、ドロー呪文を打ち消すことができます。ドロー呪文を打ち消すか、それとも後の重要な呪文に備えるかはダメージクロックがどれだけあるか次第ですが、賞味期限のあるカードなのであまり引っ張りすぎないように注意しましょう。
《紅蓮破》も《悪意の大梟》・《瞬唱の魔道士》・《トレストの使者、レオヴォルド》・《精神を刻む者、ジェイス》などなど、マッチの鍵を握る多くのカードに対処可能です。
もしこちらの《死儀礼のシャーマン》が生き残った際には、《瞬唱の魔道士》に再利用されたくないカードから追放するようにし、《死儀礼のシャーマン》の能力に対応して《瞬唱の魔道士》を出されてしまわないようなタイミングで起動するようにしましょう。
青白奇跡
《相殺》の有無にもよりますが、無駄カードが多いためメインボードは少し不利です。《意志の力》はほぼ《終末》専用と言って差し支えありません。対戦相手のプレイング次第で《目くらまし》はすぐに機能しなくなるので、序盤にドロー呪文などを消せるタイミングがあればどんどん打ち消していきましょう。
対 青白奇跡
《外科的摘出》は2枚目以降の《終末》対策が主な役割です。2枚目の《終末》を「奇跡」されたところで墓地にある《終末》に《外科的摘出》を唱えると、対戦相手の手札とデッキから《終末》を追放することができるので、その「奇跡」能力が解決することはありません。《瞬唱の魔道士》から《剣を鍬に》などを再利用されそうなタイミングでも重宝しますね。
《目くらまし》は展開次第で無駄カードになってしまいますが、対戦相手が《相殺》・《基本に帰れ》・《僧院の導師》のいずれも不採用ということはないでしょうし、それらに対して最も無理なく対処できるカードなので残すようにしています。
サイドボード後はこちらも無駄カードが減って長期戦も戦いやすくなるので、《僧院の導師》・《アズカンタの探索》・《相殺》・《基本に帰れ》・《精神を刻む者、ジェイス》といった勝ち手段を潰すこと、《終末》にアドバンテージを取られすぎないようにすることの2点を意識してプレイしましょう。
デス&タックス
事前に予想していたよりも遥かに相性が悪かったマッチアップ。こちら側の理想の展開としては、《石鍛冶の神秘家》以外の全ての地上の戦力を無視して飛行クリーチャーのみに的を絞り、《秘密を掘り下げる者》か《真の名の宿敵》で殴りきってしまうことです。
「デス&タックス」には《魂の洞窟》があるため、打ち消し呪文が効果的とは言えません。しかしながら、こちらにとって癌となる飛行クリーチャーはクリーチャー・タイプが “天使” や “エレメンタル” など、「デス&タックス」が《魂の洞窟》で指定したいクリーチャー・タイプである “人間” とは異なるため、《霊気の薬瓶》さえなければ打ち消し呪文で弾ける機会が多いです。
対 デス&タックス
現在のリストでは対策が薄めで苦戦を強いられると思うので、「デス&タックス」を意識するなら《硫黄の精霊》や《真髄の針》、2枚目の《湿地での被災》などの採用を検討しましょう。
エルフ
僕の「エルフ」への理解が乏しいだけかもしれませんが、かなりトリッキーで組みしづらいマッチだと感じています。
《自然の秩序》は通すとだいたい死ぬので常に打ち消して問題ないものの、《垣間見る自然》を打ち消すべきかどうかの判断は難しいです。基本的には多くの状況において打ち消すべきだと思いますが、ゲームが長引きそうな状態だと《意志の力》を誘うためであったり、少しドローを進めるためだけにキャストしている可能性もあるので、自身のダメージクロックや手札と相談して《意志の力》を使うかどうかを慎重に判断しましょう。
対 エルフ
《魔の魅惑》
実は練習中に最も多く当たったデッキが「《魔の魅惑》」でした。Magic Onlineで当たったのはグランプリ・京都2018でトップ4に残ったような白入りではなく、3色の形が多かったです。相手のコンボはあくまでおまけ程度の存在で、それよりも盤面が劣勢になりすぎないようにということを念頭においてプレイしましょう。
展開次第では相手の《魔の魅惑》を通し、それを利用してクリーチャーをキャストすることもあるので、あらかじめ《魔の魅惑》が設置されそうなターンが分かっている状況であれば、クリーチャーの展開を遅らせても問題ありません。
《陰謀団式療法》の指定は、《魔の魅惑》よりもクリーチャーを落として対戦相手の動きを減らす方が楽なことが多いです。《悪意の大梟》・《断片無き工作員》などのアドバンテージを稼げるコンボパーツや、生き残ると大問題になる《トレストの使者、レオヴォルド》を狙っていきましょう。
対 《魔の魅惑》
サイドボード後に注意が必要なのは《花の絨毯》ですね。そのため、後手のゲームに関しては《目くらまし》よりも《意志の力》を残した方がいいかもしれません。
対戦相手が《湿地での被災》を入れている場合には、《グルマグのアンコウ》ではなく《若き紅蓮術士》を抜くようにしましょう。
黒赤リアニメイト
レガシーでも屈指のスピードを誇る「黒赤リアニメイト」。1本目は初手次第といったところですが、2本目以降は対策カードが豊富になるのでかなり戦いやすくなります。特にゲーム開始前に《別館の大長》を公開された際にも無理なく使用できる《外科的摘出》や《狼狽の嵐》は重宝しますね。
対 黒赤リアニメイト
ANT
個人的に試合をしていて1番楽しいのが「ANT」戦です。毎ターンハラハラドキドキするような気の抜けない展開がずっと続きますし、これぞレガシー!といった呪文の応酬が心行くまで味わえるマッチアップです。
「ANT」には《強迫》や《陰謀団式療法》があるので、打ち消し呪文を溜め続けるプレイは効果的ではありません。対戦相手が完璧な手札を揃えるまで野放しにしておくと打ち消し呪文の1枚や2枚は容易に乗り越えてくるので、他のコンボデッキ以上にドロー呪文を積極的に打ち消すようにしています。
対 ANT
サイドボード後はメインボードよりも《巣穴からの総出》で仕掛けてくる可能性が高いので、《湿地での被災》や《イゼットの静電術師》などを採用しているのならば全てサイドインしましょう。
スニーク・ショー
「スニーク・ショー」は手札に特定のカードを2枚必要とするコンボデッキなので、《陰謀団式療法》が最も輝くマッチです。
《水蓮の花びら》・《古えの墳墓》・《裏切り者の都》で急にマナが増えたり、最近だと《猿人の指導霊》が入ったリストもあるので、《目くらまし》は積極的に序盤のドロー呪文に使用した方がいいと思います。
対 スニーク・ショー
サイド後は《防御の光網》や《血染めの月》に注意が必要です。もしもサイドボードに《突然の衰微》が用意してあれば、《外科的摘出》の代わりにサイドインしましょう。
土地単
対「土地単」は一般的にかなり相性が悪いとされていますが、個人的には4-6くらいかなと思っています。1枚きりの《The Tabernacle at Pendrell Vale》が非常に重要で、これさえ《死儀礼のシャーマン》で追放できればゲーム運びがとても楽になります。もしも《The Tabernacle at Pendrell Vale》が戦場に残ってしまうとクリーチャーを生存させるだけで精一杯という苦しいゲーム展開を強いられてしまいますし、《若き紅蓮術士》のトークン戦略も封じられてしまうため、《イス卿の迷路》で凄まじく時間を稼がれていずれ敗北してしまいます。
メインボードもサイドボード後も《暗黒の深部》+《演劇の舞台》が1番の負け筋となりますが、こちらの対策カードが増えて他の勝ち筋が潰しやすいサイドボード後の方が「土地単」側のこのコンボへの依存度が高くなります。
対 土地単
サイドボード後に《不屈の追跡者》・《虚空の杯》・《抵抗の宝球》を見かけたら、《狼狽の嵐》を減らして《削剥》や《古えの遺恨》を入れましょう。
ただし、経験上「土地単」側が後手の場合は上記カードを入れてこないことが多いので、「土地単」が先手の場合にのみ検討するくらいでいいと思います。
赤単プリズン
《呪文貫き》ではなく《陰謀団式療法》にしてしまったことが最も大きく響いてしまうマッチアップです。1本目に《ギタクシア派の調査》/《陰謀団式療法》・《目くらまし》・《意志の力》がある手札をキープできていればいいのですが、そうでなかった場合には即座に敗北してしまいますし、1本目の勝率が低いのでマッチを通じて相性は悪いですね。
対 赤単プリズン
エルドラージ
《虚空の杯》が着地するかどうか次第ではありますが、体感では五分か少し不利くらいのマッチアップ。一度盤面の優位を確立できれば《全ては塵》か《精霊龍、ウギン》以外で負けることはなくなるので、打ち消し呪文は全体除去用に温存しておきましょう。
《不毛の大地》は2マナ土地を壊せるので、実質《Time Walk》のように機能します。基本的に《裏切り者の都》は無視で、対戦相手が2枚目を持っている際に効果が薄くなってしまうので、「伝説の土地」である《ウギンの目》よりも他の土地を狙うようにしましょう。序盤から《秘密を掘り下げる者》でライフを攻めているときには、あえて《古えの墳墓》を無視することもあります。
対 エルドラージ
グランプリ・京都2018の結果
グランプリ本戦の結果はこんな感じでした。
ラウンド | 対戦相手 | 結果 |
---|---|---|
Round 1 | 黒赤リアニメイト | 〇〇 |
Round 2 | 土地単 | ×〇〇 |
Round 3 | スニーク・ショー | ×× |
Round 4 | 4色レオヴォルト | 〇〇 |
Round 5 | グリクシス・デルバー | ×〇- |
Round 6 | 土地単 | ×〇× |
Round 7 | グリクシス・デルバー | 〇〇 |
Round 8 | 4色レオヴォルト | 〇〇 |
個人成績は5勝2敗 (5回戦はチームの敗北が決定してしまい、3本目の途中で終了) で、チームの成績は5勝3敗で初日落ちでした。
6回戦の「土地単」で痛恨のoyaoyaをやらかして敗北→チームも敗れてしまったので、チームメイトに迷惑をかける結果となってしまいました。対「土地単」は、はまさん (金川 俊哉) とEternal Festival Tokyo 2013優勝の清水 俊樹さんに練習にお付き合いしていただいていた (お二人とも本当にありがとうございました!) のでがんばりたいところでしたが、最後の最後でプレイが雑になってしまい猛省。
今回は前回のモダンの反省を生かして、不安があった特定のマッチアップを集中的にしたりと得るものもあったので、次回以降の糧にしていければと思います。
次に参加する大きな大会は、おそらくプロツアー『ドミナリア』です。チーム「Final Last Samurai」としても正念場なので、なんとかしてトップ16に残れるようにがんばってきたいと思います!
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。
コガモ