Translated by Daijiro Ueno
(掲載日 2018/04/26)
『ドミナリア』の世界へようこそ。プレリリースが行われたし、『ドミナリア』がMagic Onlineに導入されたから週末中はマジックが本当にたくさんプレイされたね。
俺たちはいつも、新カードが全部公開されたらフォーマットがどんな風に変わっていくか議論するが、実際に試合が行われるようになってからじゃないと確かなことはわからないんだ。みんなマジックの起源に戻って昔の体験を懐かしんだり、テンポの遅いじっくりとしたプレイができるとワクワクしているだろう。
『アモンケット』が出てから、どのフォーマットにおいても試合展開はもっと遅くなると思っていた。今回俺が確信しているのは、リミテッドが4ターン目に決まるようなものにはならないだろうということだ。今回のリミテッドは遅いし、みんなは「キッカー」カードや終盤に強いボムを使いたがっている。どの色も2マナ域を欠いてるし、ランプする良い方法があるからね。それにしても、《ラノワールのエルフ》や 《エルフェイムのドルイド》、《灰からの成長》は本当に厄介なカードだ。こいつらから感じたランプの力はホンモノだったし、基本的にこいつらは序盤でアドバンテージを得る唯一の手段だ。
Twitterではこのフォーマットにおいて、先手後手どちらを選択するのが正解かたくさんの議論があるね。俺はほとんどの場合後手が正解だと思うけど、1ターン目の 《ラノワールのエルフ》や2ターン目の《エルフェイムのドルイド》から4マナ域に繋いで、「キッカー」込み6マナのカードを4ターン目にキャストするような動きには太刀打ちできないという至極真っ当な意見もある。この2枚に対して《灰からの成長》はそんなにアンフェアではないけど、デッキをよりパワフルなものに変えるのに本当に役立つんだ。
みんなにこのフォーマットを説明するためにできる限りたくさんシールドをやってみた。以降は『ドミナリア』に触れてから2日後の時点での俺の見解だ。
サンプルプール1
サンプルプール1
このプールは今まで見た中で最も刺激的なプールだったね。じゃあさっそくプールを見てみようか。
俺はいつもレア、多色、アーティファクトを真っ先にチェックする。早い段階からデッキの方向性を決めてくれるかもしれないからね。俺がいつもよく使うコモンの特殊地形は『ドミナリア』にはない。アーティファクトは《這い回る偵察機》と《先祖の刃》 の2枚だけだ。
だが、手にした多色カードはすさまじく強い。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》は狂気じみたボムで、向こう2年間ずっとスタンダードで彼を見ることになるだろう。もしまだHareruyaWayfinderデッキリストを見てないなら、そこで《ドミナリアの英雄、テフェリー》デッキをぜひチェックしてみてくれ!手に入れたのは《ドミナリアの英雄、テフェリー》だけじゃない。なんと《水底のドルイド、タトヨヴァ》も2枚獲得できた。
このカードを初めて見たとき、あまりに強いからきっとレアだろうと思ったよ。こいつらによって「白青緑」みたいなデッキを目指そうというモチベーションが生まれたんだ。
それから黒をチェックしたけど、すぐにこの色はあきらめた。《喪心》以外にまともなカードがなかったからね。《ヤヤ・バラード》というもう一枚のプレインズウォーカーもいたが、2枚の《シヴの火》に惹かれただけで他の赤いカードにもピンとこなかったね。
《シヴの火》はこのセットにおけるベストコモンと言われるだけの余地があるし、ちょっと赤を散らしてみる気にさせるね。
次は白のチェックだ。たくさんの飛行クリーチャーと《セラの天使》、なにより《祖神の使徒、テシャール》に注目だね。
赤と黒を捨てることにしたので、他の三色をうまいこと回す必要があるが、白は単純すぎてあまり役に立たない。でも《ドミナリアの英雄、テフェリー》みたいなボムレアは白を散らす真っ当な理由になるね。
それから青を見てみよう、2枚の《アカデミーのドレイク》と1枚《中略》があるものの、他は良くない。
さて、こうなると緑に本領を発揮してもらわないと困るわけだ。見たところたくさんのマナ安定剤とランプ、トークン生成に《新緑の魔力》というボムに恵まれている。
こいつはかつて構築級のカードだったんだ。だから一度戦場に着地すればすさまじい効果を発揮することは簡単に想像できるだろう。除去が少々寂しいので当初の予定から逸れて他の色をもう少し散らしたくなるが、実際にそれを達成できるだけの余裕があった。こちらがプレイすることになったデッキリストだ。
それで、デッキは重く、4色になったわけだが、実際にはかなり良い動きをしてくれたからデッキ全体を変える気はまったく起こらなかったね。マナ基盤は問題ないから《アカデミーの修士魔道士》じゃなく《喪心》を入れるべきだったけどね。《アカデミーの修士魔道士》は単純に、想像したほど強くはなかった。クリーチャーはかなり不足していて、これは1敗を喫する原因になったね。戦績は4-1で、こちらが俺のお気に入りの場面だ。
サンプルプール2
じゃあ、この「《新緑の魔力》デッキ」から次のデッキに移るとしよう。
サンプルプール2
またしても愛する《ドミナリアの英雄、テフェリー》を手にし、黒で注目に値するカードは一枚もないという状況だ。だからスタート地点はさっきのプールとかなり近いね。残念なことに、一般的なプールに比べてカードパワーはかなり低いので、いろいろなものを組み合わせて形にすることにした。
俺はできるだけデッキをアグロに寄せたんだが、期待とは程遠いパフォーマンスだった。こちらがプレイすることになった内容だ。
別のシールド環境だったらこのデッキは素晴らしかったかもしれないが、『ドミナリア』ではもっと期待したくなる。飛行クリーチャーを軸にしたテンポ指向のデッキは序盤に十分なプレッシャーをかけることができず、結局はより良く、大きいカードたちに駆逐されてしまうね。
《巨大戦車》はおそらく今までの歴史の中で一番悪い環境にいる。ライフを押せるが、盤面を作ることができず、どんなカードとでも交換になってしまうからね。
十分な枚数の除去は確かに入っているが、問題は《マーフォークのペテン師》 と 《エイスサーの滑空機》が終盤のゲーム作りに寄与しないということなんだ。最初のデッキは素晴らしく、プレイしていて楽しかったが、このデッキはそれとは対照的だね。
まとめ
2つのデッキを紹介、解説してきたが、俺が今までに発見した一般的なヒントをいくつか示そう。
さて、今回はこんなところだな。『ドミナリア』のリミテッドをもっとプレイするのが楽しみだし、もっといろんなことが発見できれば素晴らしいね。
読んでくれてありがとう。また別の記事で会おう!
オリヴァー・ポラック=ロットマン