神が選ぶ『基本セット2019』注目カードトップ3!

晴れる屋メディアチーム

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 先週末の7月14日(金)、ついに最新セット『基本セット2019』が発売されました!

風景の変容暴君への敵対者、アジャニ破滅の龍、ニコル・ボーラス

 『マジック・オリジン』以来、久々の基本セットということで、《風景の変容》《全知》といった強力なカードが再録されています。また基本セットならではの5色すべてに収録されたプレインズウォーカーや、『マジック・オリジン』の《ヴリンの神童、ジェイス》を彷彿とさせる両面プレインズウォーカー・神話レアの《破滅の龍、ニコル・ボーラス》など、構築意欲をかき立てるものばかり。

 魅力的なカードが揃った『基本セット2019』を見ると、どのカードやデッキが強いのか、どのカードを買えばいいのか、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?

 そこで各フォーマットを代表する実力者である第10期「神」の5人に、「『基本セット2019』で注目するカード トップ3」を聞いてみました!

■ 「神」とは?

晴れる屋が主催している、「神決定戦」という大会の暫定王者。
スタンダード・フロンティア・モダン・ヴィンテージ・レガシーの5フォーマットそれぞれで行われており、予選大会 (挑戦者決定戦) と決勝大会 (神決定戦) を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。

詳しくはこちらをご覧ください。→神決定戦特設ページ

 各フォーマットを熟知した者ならではの視点から、鋭い意見が飛び交いました。「神」の目には何が映り、彼らは何を考えたのでしょうか。

◆ 第10期スタンダード神 岡井 俊樹

『基本セット2019』カードセット全体の印象

 帰ってきた基本セットということですが、僕がマジックを始めたのは最後の基本セットとして出された『マジック・オリジン』の頃なので、当時わからなかった基本セット感が再録カードや定番カードがわかるようになって少し感じられるようになったのが個人的には面白いです。

 個々のカードとしては低レアリティのカード能力はすっきりしたものが多い分、レア・神話レアにデッキの軸になりそうなカードが固まっている印象を受けます。

墓地の司令官練達飛行機械職人、サイ火の血脈、サルカン

 また、2色レア土地サイクルが収録されなかったので環境に与えるインパクトは少し小さそうですが、環境第2線級のデッキを底上げしそうなカードが多くパワーバランスを変えてくれそうな予感がします。

『基本セット2019』スタンダード注目カードトップ3!

1位 《破滅の龍、ニコル・ボーラス》

破滅の龍、ニコル・ボーラス覚醒の龍、ニコル・ボーラス

 皆さん注目の両面プレインズウォーカーとして新たに登場したボーラスですが、これまでは《ドミナリアの英雄、テフェリー》《ゴブリンの鎖回し》デッキに押されている印象を受けていた《スカラベの神》デッキを強力にするカードとして期待されます。

 グリクシスエネルギーでは《ヴラスカの侮辱》を使う都合4マナ域の強力な他の色のタブルシンボルのカードが使いにくかったのですが、このカードは《再燃するフェニックス》などに比べて遥かに安定して運用できて、なおかつ出してすぐアドバンテージに繋がりフィニッシャーにもなるのでデッキの方向性にもマッチしていそうです。

 よく言われていることですが、ルールに関する注意として

「ドラゴン」なので《栄光をもたらすもの》の能力が当たらない

両面プレインズウォーカーなので《スカラベの神》でトークンにすると変身できない、コントロールを奪ったものを変身させるとオーナーのコントロールに戻ってしまう

 ことに気を付けましょう。

2位 《呼び覚ます者イザレス》

呼び覚ます者イザレス

 優秀なスタッツに終盤まで活躍できる能力のついた、黒の期待の3マナ域です。

 同じく黒で2マナの除去の的になる《光袖会の収集者》や、強化条件を達成して殴りにいける《善意の騎士》などは相性が良さそうです。

 《才気ある霊基体》《戦慄の影》に今回収録された《墓地の司令官》など黒のシンボルの濃い優秀なクリーチャーが揃ってきたので黒単タッチ《スカラベの神》のようなデッキにしたり、人間であることに着目して《悪意の騎士》《帆凧の掠め盗り》《光袖会の収集者》などの優秀な黒い人間達を《手付かずの領土》を使って白黒騎士に組み込んだりできそうです。

3位 《エルフの再生者》

エルフの再生者

 マナ加速のできる3マナのクリーチャーですが本体は1/1と貧弱なので、ランプ・コントロールデッキではこちら、ミッドレンジでは《翡翠光のレインジャー》で土地を置きながら展開というように使い分けられそうです。

 なんといっても《約束の刻》との相性の良さが注目の1枚です。既に存在するデッキとしては黒緑で組まれた砂漠コントロールが代表的ですが、このデッキは2色デッキの割りに「《約束の刻》までに砂漠が必要」、「《森林の墓地》のために基本土地が欲しい」、「《約束の刻》から持ってこられる能力土地(《オラーズカの拱門》《屍肉あさりの地》《廃墟の地》など)を採用したい」と要求が高く、砂漠から色を出してかなりダメージをもらったり、逆に砂漠がなくて《約束の刻》で盤面が支えられないことが心配でした。

 《楽園の贈り物》や各種基本土地サーチと違ってある程度持ってくる土地を選べるこのカードは安定性向上に繋がりそうなので、黒緑型の強化はもちろんですが他のカラーリングを試す価値もありそうです。

◆ 第10期フロンティア神 木原 惇希

『基本セット2019』カードセット全体の印象

 懐かしの基本セットが帰ってきましたね!DCINo8桁の老害の私としては嬉しい限りです。

 最近の他のセットと比べてしまうと全体のカードパワーは低く感じますが、何枚かのカードには特定の構築で光るものを感じます。

悔恨する僧侶霧の呼び手冥府の報い

 単純に強すぎるカードはほぼ無いように見えますが、下の環境(フロンティア・モダン・レガシー・ヴィンテージ)で特定のデッキに対して強いアンチカードはたくさん収録されているので、サイドボードとして下の環境で『基本セット2019』のカードをよく見ることになりそうです。

『基本セット2019』フロンティア注目カードトップ3!

1位 《エルフの部族呼び》

エルフの部族呼び

 前回の『ドミナリア』の《ラノワールのエルフ》に続いて、エルフデッキが強化されます!

 欲しかったロードを得たことで手が付けられないほど早く対戦相手を蹂躙するでしょう。

 また、『基本セット2019』には他の部族ロードも収録されているので、フロンティアは部族まみれの環境になるかも?

2位 《技量ある活性師》

技量ある活性師

 歩くハサミ

 3マナになった代わりに1/3のクリーチャーが付いてきます。

 除去耐性が無く除去されやすいですが、《アーティファクトの魂込め》ビートダウンには間違いなく入り、速やかに対戦相手のライフを削りきるでしょう。

3位 《陽光浄化者》

陽光浄化者

 カウンターアンチクリーチャー!

 第11期フロンティア神挑戦者決定戦でも優勝した《霊気池の驚異》デッキ、や《硬化した鱗》デッキに対するいいサイドカード。

 2マナと軽く、《集合した中隊》《オジュタイの命令》などでも戦場に出せることから、《厳粛》より優先してサイドボードに取られることになるでしょう。

◆ 第10期モダン神 渡邉 真木

『基本セット2019』カードセット全体の印象

 僕はモダンしかプレイしないので他のフォーマットからの視点では判断できませんが、モダンプレイヤーとしてこのセットを見てみると、特定の戦略に対する強力な対策カードが多数収録されているという印象を受けました。

安全の護符疎外悔恨する僧侶

 また、メジャーな部族のロードや、単体で強力なカードも入っているので、全体的にモダンのメタゲームに絡む可能性があるカードは多いと感じています。下で紹介していないカードでも、《安全の護符》《疎外》《悔恨する僧侶》はかなりの注目度です。

『基本セット2019』モダン注目カードトップ3!

1位 《高山の月》

高山の月

 『ドミナリア』の《減衰球》に続いて、再び強力な土地コンボの対策カードが登場しました。《減衰球》はトロンとチェインコンボという対策範囲でしたが、こちらの《高山の月》はトロンとヴァラクートの両方を対策できます。

 1マナという軽さで、この両デッキをここまで対策できるというのは今までになかった性能と思います。ジャンドやジェスカイといった赤を含むフェアデッキや、赤緑トロンやヴァラクートがミラー対策として採用しそうです。

 現実のモダンの大会にはトロンとヴァラクートを憎んでいるプレイヤーが多いので(笑)、Magic Onlineよりも採用数は増える傾向があるかもしれませんね。

2位 《至高の幻影》

至高の幻影

 モダンで今まで地道な活躍を続けてきたスピリットデッキに強力な新戦力が加入しました。

 今までのスピリットデッキには《ドラグスコルの隊長》しかロードが存在しませんでしたが、2マナロードの登場は相当な強化になりそうです。

 特にロードクリーチャーと《霊廟の放浪者》の組み合わせは非常に強力で、スペル中心のデッキからすると膨大な追加マナ要求を構えられながら、止められない飛行クリーチャーに殴られ続けるという展開になってしまいます。《呪文捕らえ》《流刑への道》も採用できますし、妨害力とクロックを高い水準で両立できるデッキになったなという印象を受けます。

 《霊気の薬瓶》型や《集合した中隊》型など、様々なバリエーションがありますし、今後の活躍が楽しみです。

3位 《民兵のラッパ手》

民兵のラッパ手

 またもや5色人間が強化されてしまうのでしょうか。

 能力については、拾えない《カマキリの乗り手》を除いても人間デッキには30枚以上の「当たり」が入っているので質の高い手札補充が期待できますね。

 今まで人間デッキは雑多なコンボデッキに対しては非常に強力なものの、除去デッキには少し分が悪いとされてきました。お手軽なアドバンテージ源になり、素のスペックも「2/3・警戒」と優秀な《民兵のラッパ手》は、除去デッキを厚く見た構築ですと採用される可能性はありそうです。

 去年、人間カンパニーが登場して以降、新セット発売の度に次々と強化されて続けてきた人間デッキ。いったいどこまで強くなるのでしょうか。

◆ 第10期ヴィンテージ神 飯野 彬

『基本セット2019』カードセット全体の印象

 懐かしのエルダードラゴンシリーズが復活している点がまず目を惹きました。遥か昔、『レジェンド』で登場した時は、二度見してしまうようなマナコストの重さに加えて、リアニメイトでマナコストを踏み倒してもアップキープに維持コストを要求されるという非常に使い勝手の悪いものでした(その中で唯一と言っていい《ニコル・ボーラス》が、随分昔に「ニコルシュート」という名のデッキで活躍した実績があります)。

クロミウム変遷の龍、クロミウム

 しかし、今回のものは次元が変化したためか、コストの側面から言っても、かなり使い勝手が上がっているように見受けられます。ただ、各自で特色のある能力を持っているとはいえ、アドバンテージを稼いだり、戦場を支配するほどの影響力はないため、高速でリアニメイトしたり、墓地を経由せず《ドルイドの誓い》からファッティを出すようなデッキが溢れるヴィンテージの環境であっても、あまり活躍は期待できないでしょう。

『基本セット2019』ヴィンテージ注目カードトップ3!

1位 《霧の呼び手》

霧の呼び手

 ヴィンテージでは不思議に思われるかもしれませんが、意外なことにコンボやコントロールを抑えてレガシーのデッキのようなビートダウンが勝ち上がってくることがあります。

 その中でも《Ancestral Recall》《Time Walk》を惜しげなく使える青のビートダウンの一角としてマーフォークがあり、その戦力の一つとして使われるのではないかと思います。マーフォークは色的に《ドルイドの誓い》相手には《墓掘りの檻》くらいしか対抗策はなかったのですが、このクリチャーは1ターンのみとはいえ、《魂の洞窟》からキャストすれば《精神的つまづき》にも引っ掛かることなく、《ドルイドの誓い》設置からの悪夢のような惨劇を先延ばしにしてくれることでしょう。

 本家の《封じ込める僧侶》のように瞬速で相手をあっと言わせたり、存在するだけでコスト踏み倒しを許さない支配力はないものの、マーフォークには《幻影の像》が入っていることが多いので、2枚目、3枚目とコピーすることで先延ばし効果を継続し、全体強化も相まってそのまま殴りきれてしまうかもしれません。

2位 《高山の月》

高山の月

 ヴィンテージのダークホースはビートダウンだけではありません。ヘイト系と呼ばれ、相手の好きなようにはさせないカードが散りばめられたデッキも存在しています。

 その中で《血染めの月》《月の大魔術師》の厄介さは、《Bazaar of Baghdad》《Mishra's Workshop》といった特殊地形が飛び抜けて強いヴィンテージにおいても例外ではなく、これらと比較しても格段に軽い第3の月は、《Bazaar of Baghdad》《Mishra's Workshop》を単なる色マナ源に変えてしまうことで相手のデッキコンセプトを崩壊させてくれることでしょう。

 また、ヘイト効果が相手だけというのも見逃せません。ただし、1マナという軽さから《精神的つまづき》で打ち消されてしまうのと、特殊地形を封じるとはいえ色マナは出せるようになることから、ドレッジを相手にする時は本来であれば《虚空の力線》《安らかなる眠り》を割るために入れている《薄れ馬》《自然の要求》による反撃を許すことにもなるため、悠長にお月見などとうつつを抜かしているのは禁物です。

3位 《安全の護符》

安全の護符

 何でも雄牛に変えてしまう魔法の杖と迷いましたが、一風変わった置物を選びました。

 これは《苦悶の触手》《ぶどう弾》といったプレイヤーを対象にとるストーム系の呪文を強く意識したものですが、プレイヤーに呪禁を与える置物は過去にもありました。ただ、ストーム使いがその裏をかいてエンドカードを《巣穴からの総出》に切り替えてくるのは常套手段ではあるので、これはそれら両方の勝ち手段を1枚で対処する置物であるといえるでしょう。

 また、《Mishra's Workshop》系のデッキとストーム系のデッキが戦うときは、結局は《ハーキルの召還術》を打てるか打てないかの争いに陥ることが多いため、《Mishra's Workshop》のデッキにとっては追加のマナ拘束カードとして採用されるかもしれませんし、他にも《ドルイドの誓い》にとっては《禁忌の果樹園》で与えたスピリットトークンに殴り殺されるパターンがなくなるのは副次的な利点になるでしょう。

◆ 第10期レガシー神 有田 浩一朗

『基本セット2019』カードセット全体の印象

 お久しぶりです。グリクシスデルバーを組み、初めてのマッチが決着する直前に禁止改定が発表されたレガシー神です。

 基本セットということもあり見たことがあるカードもそれなりにありますが,やはり最近の基本セットは再録だけではないというのが嬉しいところですね。

疎外秘紋のアルマサウルス

 《死儀礼のシャーマン》が禁止されたことにより新しいカードである《疎外》《秘紋のアルマサウルス》などの期待値は下がってしまいましたが、新しい環境を活躍しそうなカードを選んでいきたいと思います。

『基本セット2019』レガシー注目カードトップ3!

1位 《冥府の報い》

冥府の報い

 非常に残念なことに《引き裂かれし永劫、エムラクール》《約束された終末、エムラクール》には当たりませんが、その他のエルドラージであればなんでも当てられます。

 《作り変えるもの》を除去する際に誘発型能力を気にする必要もなく、《難題の予見者》を対処する際は《致命的な一押し》のように「紛争」を達成する必要もありません。《現実を砕くもの》《終末を招くもの》に対してはそもそも対処可能なカードがほとんどないデッキも少なくなかったですが、これなら1マナで対処可能です。

 ライフゲインもついているので高い打点を持つエルドラージに非常に有効な能力となっています。対エルドラージに悩んでいる方は是非検討してみてください。(※《虚空の杯》には別途対処が必要です。)

2位 《ゴブリンの損壊名手》

ゴブリンの損壊名手

 《死儀礼のシャーマン》がいなくなったことにより明らかに攻撃が通しやすくなった、《ゴブリンの従僕》をキーカードとしている「ゴブリン」の新メンバー候補です。

 今までの「ゴブリン」におけるアーティファクト対処手段は《タクタクの潰し屋》が採用されていましたが、《ゴブリンの女看守》《棘鞭使い》など誘発型能力がメインのゴブリンを生け贄にすることで1枚と言わず複数枚のアーティファクトが破壊できます。

 また、パワー・タフネスを強化するロード能力を持っていることからメインに採用しやすい点も良いですね。

3位 《霧の呼び手》

霧の呼び手

 こちらは「マーフォーク」の新メンバー候補です。《霧の呼び手》の起動型能力は《死儀礼のシャーマン》の呪縛から解放されたリアニメイト、そして《実物提示教育》《騙し討ち》擁するショーテル系デッキに有効となります。

 どちらのデッキもメイン・サイドともにクリーチャー除去は少ない構成となっているため対処されづらく、カウンターが入っているショーテルですら《魂の洞窟》経由では打ち消せず、《意志の力》以外は《呪文貫き》《狼狽の嵐》という「クリーチャー呪文を対象にとれない」カウンターを採用していることもメリットです。

 《霊気の薬瓶》をカウンター1個で置いておくだけで、非常に強い牽制になるようになったことも大きいですね。


 「神」ならではの柔軟な発想と鋭い着眼点から、各フォーマットの『基本セット2019』の注目カードをレビューしてもらいました。

 彼らは、そして世界中のプレイヤーたちは、これらのカードをどう使うのでしょうか?

 今後の各フォーマットの大会結果をお楽しみに!!

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