これで安心!九印のマジック入門講座 vol.4 ~色の特徴を覚えておこう~

三輪 祐介

三輪 祐介

 あなたはどの色が好きですか? 九印えらりこと三輪です。

 さて、マジックには5つの色があります。あなたにも、好きな色がきっとあるでしょう。もしかしてデッキは単色ですか? それともお気に入りの2色? 実は、色にはそれぞれ得意なことと苦手なことがあって、それが各色にまったく別の特徴を与えています。その中から何をどう選ぶのか、それもまたマジックの楽しいところです。

 では、各色の特徴にはどんなものがあるのでしょうか? あなたが使っているデッキは、何ができて何ができないのでしょうか?

 それを知っておくと、デッキを作る時やデッキを使うときに、もっとうまくいくはずです。さっそく各色の特徴を見ていきましょう!

白-法と秩序を重んじる軍勢

 白が体現するのは法と秩序、守護と団結です。白が願うのは平和であり、全員が協力することでそれが達成されると信じています。そして、私利私欲のために自分勝手な行動をする者には、神聖なる処罰が与えられるのです。

 では、実際のカードにはどんな特徴があるのかを見ていきましょう。

白の長所-優秀なクリーチャーと、脅威に対処する力

 白には優秀な軽量クリーチャーが多数存在します。サイズでは緑に一歩譲ることもありますが、様々な能力を持っていて、支払うコストに対しての全体的なパフォーマンスはピカイチです。守りが得意な色らしく、先制攻撃や警戒、絆魂、飛行といった攻撃にも防御にも役に立つ能力を持っています。

 また白はそれらクリーチャーを並べて戦う団体戦術が得意な色でもあります。クリーチャーを多数展開し、全てのクリーチャーを強化することで一気に戦力を増強するのです。他にも、クリーチャーが並んでいると効果を発揮する呪文や能力がいくつかあります。トークン・クリーチャーを何体も作り出して団体戦術をさらに推し進めることも可能です。

不屈の護衛鼓舞する突撃レオニンの戦導者

 クリーチャーやプレイヤーを危険から守ることも、白の分野と言えるでしょう。例えば戦闘ではクリーチャーを一時的に強化しつつ能力を与えたり、破壊不能で呪文による除去を回避したり、ダメージを軽減することで戦いを有利に進めます。プレイヤーのことはプロテクションやライフ回復、攻撃の妨害といった手段で保護してくれることでしょう。

 白は自分に害意を成す存在に対して厳しく対処します。たとえば攻撃中のクリーチャーを除去する呪文などが多いです。また、対戦相手のパーマネントを追放領域に”拘置”するようなエンチャントも豊富です。他にも天の怒りを体現するがごとき全体破壊呪文も、白が振るうことのできる強力な呪文です。

治癒の恩寵秘儀術師の檻浄化の輝き

白の短所-カードが引けず復帰する能力が低い

 マジック入門講座の第2回で、カード・アドバンテージについてお話ししました。白は、このカード・アドバンテージを得るのが最も苦手な色で、特に直接カードを複数枚引けることはほとんどありません。そのため、手札を戦力として出し切り、それをすべて排除されてしまった場合、あとはライブラリーの一番上に期待し続けるしかなくなることが多いです。

 まれにオーラ呪文や装備品に関連したり、クリーチャーを利用することで継続的なアドバンテージを得ることができるカードが登場するので、デッキ構築次第で多少は弱点をカバーできるかもしれません。

白の得意とする代表的な戦略

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青-知識と計画を重んじる策略家

 青が重視するのは未来と計画であり、それを実現するための知識と学習です。青は完璧な未来を望み、その理想は知恵と理性による追求で実現可能だと考えています。冷静な判断と進化の可能性を妨げるものがあれば、得意の魔術でそれらを支配していくでしょう。

 では、カードではそれらはどう表現されているのでしょうか。

青の長所-類を見ない魔法の巧みさ、空と海の支配者

 打ち消し呪文。これはほぼ青の独壇場で、相手が唱える呪文がどんなに強力でコストがかかるものであっても無力化できるのが打ち消し呪文の強みです。また、青以外ではほとんど見られないもう一つの得意呪文が、バウンス呪文です。戦場に出ているクリーチャーやアーティファクトといったものを、その持ち主の手札に戻すことができます。

 もちろん手札に戻すだけなので、戻したカードを相手に再びプレイされてしまうかもしれません。しかし、それを戦場に出すためにもう一度コストを支払わせることができますし、それがクリーチャーであればすぐには攻撃できません。少しトリッキーですが、相手の除去呪文に対して自分のクリーチャーを退避させるためにも使えます。青らしい策略を実現するための呪文ですね。

取り消し分散排斥する魔道士

 ほかにも青には強力な呪文が数多く存在します。カードを引くことも得意ですし、相手のパーマネントの支配権を奪い取ることも可能です。ライブラリー切れを狙うカードも青には多数あります。多種多様な魔法を状況に応じて使いこなすのが青なのです。

 ほとんどのクリーチャーはあまり直接的な戦闘には向いていませんが、代わりに飛行、呪禁、瞬速、果敢といった能力を持っていることが多く、相手を翻弄しながらうまく戦うことができます。幻術を使ってブロックされなくなったり、他のクリーチャーの姿をまねるものもいますし、インスタントやソーサリーと協力するクリーチャーも多いですね。

予言どんでん返しエイヴンの風魔道士

青の短所-戦場に出てしまったものを処理するのが難しい

 青は直接的な暴力に訴える色ではありません。生き物を殺したり、物を破壊するような行為は知的で冷静な青らしくないでしょう。そして打ち消し呪文は呪文しか打ち消せません。出てしまったものにはもはや干渉できないのです。そのため戦場に出てしまったものに対抗するには、パワーを下げるなどして時間を稼ぐか、コントロールを奪取するか……やや婉曲ですが、バウンス呪文で戻してから打ち消すこともあります。ここが知恵の使いどころでしょう。

青の得意とする代表的な戦略

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黒-犠牲をいとわない力への渇望

 黒は死と腐敗を操る、欲望と邪悪の色です。しかし黒は言うでしょう。「力を持つものが、やりたいようにやるだけだ」と。力があれば何でもできるし、力を得るために遠慮や我慢などをする必要はないのです。やりたいことを邪魔するものがいれば、それを排除するためにその力を使うでしょう――どんな方法を用いてでも。

黒の長所-死を操る力と、犠牲をともなう契約の威力

 黒は死の力を振るうことで、いともたやすく生命を奪うことができます。邪魔なクリーチャーやプレインズウォーカーを簡単に排除してのけるのです。ちょっと弱らせるだけの手軽な呪いから、確実な死をもたらす魔法まで、あなたの気分に応じてどれでも好きなものを選べますよ。

 また、墓地からクリーチャーをアンデッドとして蘇らせるのも黒の得意技です。自力で墓地から手札や戦場に戻るクリーチャーもいれば、自分の、あるいは相手の墓地にあるクリーチャーを自分の手下として戦場に引っ張り出す呪文もあります。

殺害ヴラスカの侮辱墓場からの復活

 マジックでは相手に考えを放棄させたり狂気に追い込む卑劣な技術は手札破壊として表現されており、黒はそんな相手の精神を破壊する方法も熟知しています。どんな強力な呪文であっても、そもそも手札(頭の中)になければ無意味でしょう。

 他にも相手の生命力を奪う呪文何度死んでも蘇るようなしぶといクリーチャー(何しろゾンビやスケルトンは一度死んでいますからね!)も黒の専売特許です。これらも頼りになる連中ですが――黒は目的を達成するためならば手段や仲間を選びません。力を得るためであれば、多少の自己犠牲も気にしないのです。そのため、大きな効果を得る代わりに追加のコストやライフを要求する呪文や能力がいくつもあります。ご利用は計画的に。

強迫吸血鬼の君主惨劇の悪魔

黒の短所-命を持たないものは管轄外

 そんな黒でも、生と死の循環の外にあるものへは対処できません。つまり、人工物であるアーティファクトや魔法の結界であるエンチャントです。一度出てしまったそれらを破壊することは、黒にはほぼ不可能です。黒にできることは、手札破壊で出される前に捨てさせること、機能される前に直接決着をつけること、そして邪悪な力に身をゆだねて別の方法で勝利を手に入れることぐらいでしょう。

黒の得意とする代表的な戦略

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赤-情熱のまま生き、炎を操ること竜のごとし

 赤にあるのは炎と稲妻、そして感情と自由です。「自分の心の声に正直に従い、今を精一杯生きる」それだけを赤は望んでいます。自分、仲間、感情、衝動、生きるために大事なのはそういったものであり、抑圧や障害があれば、それらを焼き尽くして先に進むでしょう。

赤の長所-便利な火力呪文と電光石火のクリーチャー達

 赤と言えば、何といっても火力呪文です。クリーチャーが邪魔ならクリーチャーに、そうでないときは直接プレイヤーにダメージを与えることも可能なため、どんなときでも無駄になりません。不利な状況であっても、プレイヤーを直接焼き切って勝利できる可能性があるのは素晴らしいことです。

 そんな火力呪文を含め、赤は呪文の扱いも得意な色です。主なものだと、熱や暴力を用いてアーティファクトを破壊したり、戦闘中のクリーチャーのパワーを高めたり、あるいはカードを捨ててから引く、ややギャンブル性の高いドロー呪文もあります。

稲妻の一撃溶解苦しめる声

 そして、呪文と協力するクリーチャーもたびたび現れます。呪文を使うことでパワーが上がるものや、呪文を回収して再び唱えられるようにするもの、呪文を唱えるたびにダメージを与えるものなど、さまざまです。 赤は力押しだけでなく、炎に稲妻、溶岩に爆発と様々なものを使いこなすすべを知っているのです。

 何よりも赤が得意としているものの一つが、速攻クリーチャーです。戦場に出てすぐに攻撃に参加できるそれらは、相手の計画を狂わせて大きな成果をあげることも可能です。赤にはパワーが高くタフネスが低い攻撃重視の生物が多く、我慢できずに毎ターン攻撃を仕掛けるものもいますが、先制攻撃、威迫、トランプルなど赤のクリーチャーの素早さや獰猛さを表す能力を持っていることが多いため、安心して戦闘を任せましょう。

どぶ潜みボガートの粗暴者火山のドラゴン

赤の短所-巨大生命と形を持たないエンチャント

 赤はクリーチャー除去を火力呪文に頼るため、巨大なクリーチャーを倒すのが苦手です。また、実態を持たない魔法的結界であるエンチャントは焼いたり壊したりできず、出てしまえばもう対処できないので、炎といかずちを対戦相手に直接飛ばしてゲームを終えるしかありません。どちらの方が覚悟が強いか、見せつけてやりましょう。

赤の得意とする代表的な戦略

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緑-自然と共に生き、自然と共に戦う

 緑は自然と生命、協調と野生の色です。自然は時にやさしく、時に厳しいものですが、緑に生きるものはそれに寄り添い、あるがままを受け入れます。もしそれを脅かすものがあるとすれば、自然そのものがその荒々しい力で立ち向かうでしょう。

緑の長所-マナとの繋がり、自然に鍛え上げられたクリーチャー

 緑と言えばクリーチャーの色です。支払うコストに対してパワーやタフネスが高いものが多く、野性的な巨体を生かしたトランプル、体の毒で敵を寄せ付けない接死、そして自然の中にカモフラージュして身を隠す呪禁など、自然の中を生き延びるために身に着けた能力が戦闘の役に立つでしょう。エレメンタルやビースト、ワームやハイドラといった緑の大型クリーチャーは、その圧倒的サイズで敵を圧殺します。

 そして、それらの巨大クリーチャーを戦場に出すための緑のもう一つの力が、マナ加速です。土地を追加で出したり、マナを生み出す能力を持ったクリーチャーを使うことで、通常よりもずっと早いターンに大量のマナを獲得できるのです。溢れ出るマナを使えばコストが高い大型クリーチャーも出せますし、複数のクリーチャーをどんどん並べることもたやすいでしょう。

蔦草牝馬ギガントサウルス灰からの成長

 さらに、そうして戦場に出したクリーチャーを強化することも得意です。オーラ呪文や+1/+1カウンターでパワーとタフネスを永続的に増強することもあれば、インスタントで瞬間的に強化して戦闘の結果をひっくり返すこともあります。これにより、クリーチャー戦はより有利になるはずです。

 また、クリーチャーとシナジーしてカードを引いたりすることも可能です。緑の戦略は、とにかくクリーチャーを中心に動くということですね。他にも自然ならざる構築物や魔法の束縛、つまりアーティファクトやエンチャントを破壊することも得意ですし、時には自然の恵みをライフ獲得という形で受け取ることもできます。

樫変化巨大な威厳帰化

緑の短所-空が飛べず、相手のクリーチャーを呪文で直接倒せない

 緑には飛行クリーチャーがほとんどいないため、相手の飛行クリーチャーの攻撃には到達能力を持ったクリーチャーで対抗するしかありません。また、生命を尊ぶ緑はクリーチャーを除去することも苦手です。もしも相手にこちらよりも強いクリーチャーを出されたら? 自然の摂理に従うしかないでしょうね。

緑の得意とする代表的な戦略

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色を組み合わせるということ

 さて、ここまででそれぞれの色の得意なことと苦手なことがあるとお分りになったでしょうか? デッキが単色だと、苦手分野はどうしても克服できません。ではどうすればいいでしょうか?

 「デッキの色を増やせばできることも増えるんじゃない?」

 その通りです! 色を増やすことで、お互いの苦手分野をフォローしあい、得意なことを生かせるようになります。

 しかし、色は単純に増やせばいいというものでもありません。出している土地から出るマナと手札の呪文の色が合っていなければ、せっかくの呪文も使えません。そして色を増やせば増やすほど、手札と土地がかみ合わない色事故が発生しやすくなるのです。

 それも踏まえて、最もバランスが良いのは2色でしょう。上で述べたように短所を減らして長所を伸ばせますし、手札が全く使えなくなる可能性も低いです。

 例えば白と青を組み合わせると、白のドローができないという弱点を青がフォローし、青の戦場に出てしまったものに対処できないという弱点を白がフォローできます。その結果、白がクリーチャーを大量展開し、青が消費した手札を補充して息切れを防ぐ、という戦い方や、青が打ち消しやドローで相手の行動を妨害し、それをすり抜けて戦場に出たものを白の除去で排除する、という戦法が取れるようになります。

雲先案内人法をもたらす者、アゾール農場+市場

 あるいは黒と赤の組み合わせならどうでしょう。この組み合わせではエンチャントに対処できないという欠点はそのままですが、火力とドレインというお互いの長所を合わせてさらに苛烈に本体を直接攻めることも考えられますし、手札破壊とアーティファクト破壊と火力とクリーチャー破壊で相手の戦場も手札もめちゃくちゃにしてしまうこともできるでしょう。

炎鎖のアングラス蓋世の英雄、ネヘブ蠍の神

 黒緑なら、クリーチャー除去を黒が、エンチャントやアーティファクトの除去を緑が担当することで欠点がなくなりますし、粘り強くていやらしいクリーチャー戦略が取れるようになるでしょう。

ジャングルの化け蔓毒矢尻の射手密航者、スライムフット

 こういった色の組み合わせについても、いずれくわしく説明できればと思います。2色や3色の組み合わせはマジックのエキスパンションのテーマになることもあるので、こういった色の特徴を覚えておくと役に立つかもしれませんよ!

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おわりに

 少々長くなってしまいましたが、自分の使うデッキの色の特徴はつかめたでしょうか?

 「どうも〇〇が苦手だと思ったけど、このデッキの色だと相手がしにくいのか!」

 「苦手分野に対処するためにこの色を足したデッキを組もう!」

 そんな風に、今回の記事がみなさんの各色の理解を深めたりデッキを組む際の参考になれば幸いです。

 色の弱点を補う方法として、アーティファクトを利用するというものもあります。ほとんどのアーティファクトは色マナを必要としないので、どのデッキにも入れることができます。その分、必要なマナは割高になることも多いですが、検討の余地はあるでしょう。

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 今回の記事はここまでとなります。この色の特徴に関する記事が役に立った、あるいは始めたばかりのプレイヤーに見せたい記事だと感じてもらえたなら、ぜひTwitterやFacebookなどで宣伝していただければと思います。

 弱点を補うか、長所を伸ばすか……勝つための道はあなた自身で選んでください!

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