こんにちは、Hareruya Prosの井川です。
マジック25周年記念プロツアーにレガシー担当で参加してきました。チームメイトは同じくHareruya Prosの原根 健太くん(スタンダード担当)と、九州を代表するトッププレイヤーである諸藤 拓馬さん(モダン担当)の2人です。
プロツアーの成績自体は「3-0での勝利はあるのに、0-3負けは一度もない」といった感じでなかなか勝敗が噛み合いませんでしたですが、なんとか3-6の崖っぷちから5連勝して最終成績は8-6。ギリギリで64位に入賞することができました!プロポイント4点、1,000ドル獲得!
64位まで10万 pic.twitter.com/ILWRO4Po3A
— Kenta Harane (@jsp_magic) 2018年8月5日
チームでの勝利は、個人プロツアーでの勝利よりも断然嬉しいものですね。最終戦全員で勝利したときの喜びたるや、一言では言い表せません。
日曜日には友人たちと観光を満喫しましたし、シーズン最後にふさわしい、楽しいプロツアーでした。
修学旅行感ある pic.twitter.com/wIIg6lPkr2
— kk (@katoken6017) 2018年8月5日
さて、今回のブログでは、同じHareruya Prosであり、チーム曲者でレガシーを担当したあんちゃん(高橋 優太)、くまぜみさん(熊谷 陸)と共に調整しプロツアーに持ち込んだ、グリクシス・コントロールについて簡単にご紹介していきます。今週末のETERNAL WEEKEND ASIAでグリクシス・コントロールを使おうと思っている方の助力に少しでもなれれば嬉しいです。
グリクシス・コントロールを選択した経緯
7月頭の禁止改定により《死儀礼のシャーマン》《ギタクシア派の調査》が禁止になり、その結果として僕の第1候補であったグリクシス・デルバーは大幅に弱体化してしまいました(BMOでもMOでも練習してたのにー><)。
ですが、これは近年のレガシー経験が不足していた僕にとってはチャンスでもあります。なぜなら、RUGデルバーやスニークショーがトップメタであった、ある程度レガシーをプレイしていた数年前に近いメタゲームに戻ることが想定されたからです。
時間の制約もあるため、エルドラージやデス&タックスといったデッキには触れず、《渦まく知識》《思案》を使った青いデッキに最初から狙いを定めていくつかデッキを回してみましたが……
RUGデルバー:使い慣れていたこともあり、手応えはそこそこ。ただし元々相性が悪かった上に相手だけ強化されているデス&タックス戦が鬼門。
スニークショー:メインボードは強いものの、サイドボード後はどのマッチも不安。そして下手。これもデス&タックス戦が鬼門。
奇跡コントロール:こちらは逆にサイドボード後は強いものの、メインボードが微妙。そして下手。時間がかかりすぎるのもプロツアー的にマイナス。
オムニテル:デス&タックスと戦える分スニークショーよりは手応えが良かったものの、《狡猾な願い》の関係でサイドボードが少なくサイド後が不安。プロツアーでの《紅蓮破》《赤霊破》祭を勝ち抜く自信がなく断念。
と、どれもイマイチしっくり来ず。何かいいデッキはないかなーと思ってLegacy Leagueの結果を見てみると、いいデッキがありました。
1 《沼》
4 《Underground Sea》
2 《Badlands》
2 《Volcanic Island》
4 《汚染された三角州》
3 《血染めのぬかるみ》
3 《沸騰する小湖》
-土地 (20)- 4 《瞬唱の魔道士》
4 《悪意の大梟》
2 《グルマグのアンコウ》
-クリーチャー (10)-
4 《思案》
3 《致命的な一押し》
2 《稲妻》
3 《トーラックへの賛歌》
2 《対抗呪文》
2 《悪魔の布告》
3 《コラガンの命令》
4 《意志の力》
1 《最後の望み、リリアナ》
2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文 (30)-
前環境の4Cレオヴォルドから《死儀礼のシャーマン》と《トレストの使者、レオヴォルド》をそのまま抜いたようなデッキですが、4cレオヴォルドが退場した⇒環境から《コラガンの命令》が減ったことで《石鍛冶の神秘家》を使ったデッキが増えていたこともあり、ポジション的には◎。
《壌土からの生命》が入ったデッキが不利で、特にメインボードが手も足も出ない土地単だけはほぼ絶対に勝てないレベルの相性差ですが、それ以外は極端にマッチ相性が悪いマッチアップもなく、手応えも◎。試行錯誤をしながらも勝利を積み重ねることができました。
練習開始からプロツアー終了までで100マッチ近くプレイしましたが、最終的に勝率70%オーバーで終わることになりました。安定感も◎。
◆井川の調整開始~プロツアー終了までのグリクシス・コントロール戦績
対戦相手 | 勝敗 | 勝率 |
---|---|---|
青白石鍛冶 | 8-0 | 100% |
リアニメイト | 3-0 | 100% |
エルフ | 2-0 | 100% |
グリクシスコントロール | 7-1 | 87.5% |
デス&タックス | 3-1 | 75% |
RUGデルバー | 3-1 | 75% |
死の影 | 3-1 | 75% |
奇跡コントロール | 6-3 | 66.7% |
ANT | 4-2 | 66.7% |
スニークショー | 4-2 | 66.7% |
パニッシングアブザン | 2-1 | 66.7% |
エルドラージ | 5-3 | 62.5% |
プリズン | 3-2 | 60% |
グリクシスデルバー | 1-1 | 50% |
土地単 | 0-3 | 0% |
その他 | 17-7 | 71.4% |
トータル(全98マッチ) | 71-27 | 72.4% |
あんちゃん、くまぜみさんも好感触ということで、3人とも手応えや良し!ということで、調整メンバー3人で自信を持ってプロツアーに臨むことができました。
大口を叩くようですが、今年1年間のプロツアーは、ラムナプ・レッド、トロン、赤黒ミッドレンジと毎回ベストデッキを選ぶことができたと自負しています(個人成績が良かったかどうかは別の話です、悲しいことに)。
今回はそれらのデッキよりも手応えのある、今シーズンで最もデッキに自信があったプロツアーでした。
グリクシス・コントロールの魅力
このデッキの魅力は、なんといってもその安定感。
先述したとおり、個人的にプロツアーでは少ないであろうと思っていた(そしてその読みは正解でした)土地単を除けばどんなデッキにも対等以上に戦えますし、特に《石鍛冶の神秘家》系のデッキにはかなり有利がつきます。奇跡にも僕は有利だと思っているので、《Tundra》を置かれるのが常に嬉しかったです。
デッキの目指すべきゴールは基本的にただ1つ。《瞬唱の魔道士》《悪意の大梟》《トーラックへの賛歌》《コラガンの命令》といった「1対2交換」をできるカードを連打して相手とのアドバンテージ差をつけ、最終的には《精神を刻む者、ジェイス》もしくは《瞬唱の魔道士》+《コラガンの命令》で蓋をして勝利します。
《致命的な一押し》のような除去が腐ってしまう分、コンボ相手にはメインを落としやすいですが、その分サイドボード後に最適化されるようになっています。もちろんコントロールデッキですので各マッチアップでの致命的なカードや攻守の切り替えなど、覚えるべきことは多いですが、レガシーにおける「フェアデッキの王」と呼ぶのにふさわしいデッキだと思います。
プロツアーで使用したデッキリストの解説
今回使用したリストはこちら。
2 《沼》
1 《山》
2 《Underground Sea》
1 《Badlands》
1 《Volcanic Island》
4 《汚染された三角州》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《沸騰する小湖》
-土地 (21)- 4 《瞬唱の魔道士》
4 《悪意の大梟》
1 《グルマグのアンコウ》
-クリーチャー (9)-
4 《思案》
3 《致命的な一押し》
1 《思考囲い》
1 《稲妻》
1 《紅蓮破》
3 《トーラックへの賛歌》
2 《悪魔の布告》
3 《コラガンの命令》
4 《意志の力》
1 《最後の望み、リリアナ》
3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文 (30)-
使用したのはあんちゃん、くまぜみさんと調整したグリクシスコントロール。ローム系デッキ以外に極端な不利マッチがない、良いデッキでした。 pic.twitter.com/RqR8LSmY4f
— Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) 2018年8月4日
くまぜみさんのリストは僕と75枚自体は同じで、メインサイドの《グルマグのアンコウ》《基本に帰れ》が1枚入れ替わっています。これはどのデッキを意識したかの違いで、デッキの方向性は変わりません。
※あんちゃんだけ音楽性の違いにより、メイン・サイドとも少しカード選択が違うリストになっています。気になる人はこちらからご覧ください。
《グルマグのアンコウ》の枚数について
《グルマグのアンコウ》は白いデッキ=《剣を鍬に》を使っているデッキ以外にはかなり強く、《トーラックへの賛歌》からの王道パターンで速やかにゲームを終わらせてくれることが多いです。
ですが「探査」の都合上複数枚引くことにはデメリットがありますし(《渦まく知識》があるとはいえ、奇跡には除去を、デスタクには《紅蓮破》など、戻したいカードはいくらでもあります)、もちろん上記の通り相手によって強さにムラがあるカードです。なので僕は「メインは1枚、サイドに1枚の合計2枚」という体制にしました。75枚に1枚ではなく2枚である一番の理由は、RUGデルバーの存在です。
《精神を刻む者、ジェイス》の枚数について
一般的なリストだと2枚に抑えられている《精神を刻む者、ジェイス》ですが、僕たちは3枚採用しています。
これは蓋として一番優秀であること、4ターン目以降は多くの状況でトップデッキしたいカードであること、また多めに採用することで《意志の力》のコストとしても切りやすくなることなどから、従来のリストよりも多く採用することにし、その結果勝率も目に見えて上がりました。
前環境の4Cレオヴォルドや奇跡などの経験が豊富にあり、調整初期から一貫して「《精神を刻む者、ジェイス》は3枚」と主張してくれたあんちゃんに感謝!
基本地形の枚数と《基本に帰れ》について
上記の通りKnotvalleyのリストから調整をスタートして、「基本地形が少ないため、《不毛の大地》デッキに負けやすい」「土地系にある程度勝てるようにしたい」という話になり、基本地形を増やしつつ、苦手な土地コンボ系をメタって行く方向に。
まずは「《島》2枚・《沼》2枚+サイドに《血染めの月》」という形も試しましたが、感触はイマイチ。
2 《沼》
3 《Underground Sea》
2 《Badlands》
1 《Volcanic Island》
4 《汚染された三角州》
4 《沸騰する小湖》
3 《血染めのぬかるみ》
-土地 (21)- 4 《瞬唱の魔道士》
4 《悪意の大梟》
1 《グルマグのアンコウ》
-クリーチャー (9)-
4 《思案》
2 《致命的な一押し》
2 《稲妻》
1 《狼狽の嵐》
1 《紅蓮破》
3 《トーラックへの賛歌》
2 《悪魔の布告》
1 《対抗呪文》
3 《コラガンの命令》
4 《意志の力》
1 《最後の望み、リリアナ》
2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文 (30)-
その理由は明白で、「(青)(青)(黒)を供給できないとデッキが動かないため、《島》《島》《沼》を確保してからでないと《血染めの月》をプレイしづらい/できない」というもの。
この問題点をクリアしてくれたのが、次にくまぜみさんが発案してくれた「《島》2枚・《沼》2枚・《山》1枚+《基本に帰れ》」でした。
《基本に帰れ》であれば、《血染めの月》と違い設置した後でもフェッチランドを駆使して基本地形を並べることができるので3ターン目に気兼ねなく置くことができますし、不要な2枚目は《意志の力》のコストに充てることもできます。
また《基本に帰れ》の採用に合わせて《山》も採用したのですが、これについてもRUGデルバーに対する《紅蓮破》やデスタクに対する《コラガンの命令》など、「赤マナは欲しいけど特殊地形を置きたくない」問題をクリアしてくれました。
今回のマナベースにしたことにより、くまぜみさんも述べていた通りプレイが非常に難しくなりましたし、《対抗呪文》の採用は見送ることとなりましたが、
・土地系デッキに対するキラーカードである《基本に帰れ》を運用できるようになった
・《不毛の大地》への耐性が上がり、勝率が安定するようになった
・奇跡コントロールの《基本に帰れ》やスニークショーの《血染めの月》など、従来のリストであればマストカウンターになっていた土地メタカードをある程度無視できるようになった
と、デッキの地力を上げてくれることに寄与しました。
個人的にはこのマナベースが他のリストとの一番大きな違いであり、最大の勝因だと感じています。くまぜみさんに感謝!
プロツアー本戦のマッチアップと成績
ちなみにプロツアー本戦の結果はこんな感じでした。どどん。
ラウンド | 対戦相手 | 結果 |
---|---|---|
Round 1 | グリクシスデルバー | ×〇〇 |
Round 2 | スニークショー | 〇〇 |
Round 3 | RUGデルバー | 〇〇 |
Round 4 | スニークショー | 〇〇 |
Round 5 | エルドラージポスト | ×〇〇 |
Round 6 | グリクシス・コントロール | 〇〇 |
Round 7 | スニークショー | ×〇× |
Round 8 | エルドラージストンピィ | ×× |
Round 9 | スニークショー | ×〇× |
Round 10 | スニークショー | 〇〇 |
Round 11 | 青黒《死の影》 | 〇×〇 |
Round 12 | エルフ | 〇〇 |
Round 13 | 青白石鍛冶 | 〇〇 |
Round 14 | 奇跡コントロール | 〇〇 |
事故やマリガンが極端に少なかったり、また良いタイミングで《瞬唱の魔道士》や《精神を刻む者、ジェイス》といったカードを引き込めるなどの幸運もあり、11-3!
この1ヶ月間ひたすらレガシーを練習してきましたが、それでも僕はプレイが上手い部類のプレイヤーではありません。プロツアー中も自分で気付いた/指摘してもらっただけでも数回はミスをしましたし、気付かない部分を含めると大量にミスをしたと思います。実際にR7・R9のスニークショー戦はどちらも微妙なプレイミスでマッチを落としてしまい、チームに迷惑をかけました。
とはいえ、そんな僕でもプロツアーでこういった好成績を残せたのは、ひたすらデッキが強かった、の一言に尽きます。今回のようなデッキを、今後も調整仲間と一緒に作り上げれるよう精進していきたいですね。
今後の改良点
エルドラージや《死の影》に対するガードが少し低かったのが、今回のリストの個人的な反省点です。
今後グリクシス・コントロールを使うのであれば、以下のカードをオススメします。
入れておけばよかったカードランキングNo.1。調整用カードとして一応持参しており、実際に話題には出たのですが、結局試しもせずに採用を見送ったのが悔やまれます。
エルドラージへの追加の確定除去として機能しつつ、サイドから出てくる《ウルザの後継、カーン》や《精霊龍、ウギン》にも対処できます。
青黒《死の影》デッキにも《死の影》《グルマグのアンコウ》《通りの悪霊》《最後の望み、リリアナ》と敗因となるパーマネントすべてに対処できるので、次回トーナメントに出る際は75枚に1枚は必ず入れるつもりです。
こちらはメタに合わせて入れる枠。大流行中の青黒《死の影》に劇的に強いです。一応ミラーでも《最後の望み、リリアナ》を触れるので検討に値します。
用途自体は《戦慄掘り》とほぼ同じで、かつサイドインできる範囲は狭いですが、《瞬唱の魔道士》での再利用や、対戦相手の《不毛の大地》《目くらまし》を考えると、この1マナの差は非常に大きいです。今週末にオススメの1枚。
最近Magic Onlineで勝っているリストで採用されていた1枚。
エルドラージストンピィや青黒《死の影》には出せばほぼ勝ちですし、《暗黒の深部》系デッキやスニークショーなどにも強いため、見た目より幅広く使えるナイスサイドです。グリクシス・コントロールはあまりアーティファクトを使わないため、対策されづらいのも加点要素。
簡易サイドボーディングガイド
最後に恒例の簡易サイドボーディングガイドを。
レガシーは奥が深く、まだまだマスターからは程遠い状態なので、「へー、こんな風に考えてるんだ」程度で見てもらえると嬉しいです。
もちろん異論反論大歓迎です。TwitterのリプライなりDMなり、リアルで会ったときなり色々ご意見ください!
vs.ミラーマッチ
vs. ミラーマッチ
お互い無駄牌がなくなるため、基本的に超アドバンテージゲーになります。なので僕はカードカウントを損する《意志の力》をすべてサイドアウトした上で、できれば後攻を取るようにしています。お互い《トーラックへの賛歌》や《コラガンの命令》の「手札破壊+クリーチャー回収」を何度も打ち合うゲームなので、後攻の手札1枚分のアドバンテージが大きく響くと感じています。もしミラーマッチと知っているなら、メインボードも後攻を選択します(プロツアーでも、実際にあんちゃんと対戦した際はメインから後攻を選びました)。
今回のリストでは《グルマグのアンコウ》をサイドインしましたが、自分のリストに《最後の望み、リリアナ》《湿地での被災》が少ないようなら、《グルマグのアンコウ》は1枚もしくは0枚でもいいと思います。相手の《悪意の大梟》をいかに損せずに除去ることができるかで判断してください。
vs.奇跡コントロール
vs. 奇跡コントロール
リソースを削りあった末の叩きつけの勝負になりがちですが、基本的にはこちらの方が1:2交換を取るカードが多いので若干有利だと感じています。
メインの主な負けパターンは《相殺》《アズカンタの探索》の2種に活躍されるパターンで、これらを意識するためにもメインに《紅蓮破》を採用しています。
例によってサイド後は《意志の力》はそこまで強くないのですが、《僧院の導師》絡みの攻防のときだけは欲しいのである程度残すようにしています。サイドボードの枚数によっては4枚残しても良いでしょう。
vs.RUGデルバー
vs. RUGデルバー
後攻は1枚《トーラックへの賛歌》を減らして《意志の力》を多めに残したり、相手のサイドボードやプレイに合わせたり、その日の天気や気分で臨機応変に変えています。要するに自信ないです。
このマッチはいかに《島》と《沼》を揃えるかがポイントになります。最序盤で《不毛の大地》を食らうとアクションが取れずそのままターンが飛んでしまうこともありますので、うまく土地を並べつつアクションを取っていきましょう。
相手側のキラーカードが《硫黄の渦》や《冬の宝珠》なので、そのどちらの上からでも殴り勝てる《グルマグのアンコウ》がMVP。このマッチや後述する《死の影》が多いようなら、《グルマグのアンコウ》はメイン2枚のほうがいいでしょう。
vs.デス&タックス
vs. デス&タックス
「《霊気の薬瓶》+土地ハメ+十分なクロック」の3点セットが揃うと簡単に負けますが、そうでない限りは有利にゲームを進めることができます。安定して《コラガンの命令》をプレイできるようになる、《山》が輝くマッチアップ。
プロツアーでは結局マッチアップしませんでしたが、Magic Onlineではかなり勢力を伸ばしていたので今回のリストはサイドボードを厚めに取りました(-1/-1系が計3枚)。そのため、サイド後はさらに有利に戦うことができます。ただし、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と《大変動》だけは要注意。
vs.スニークショー
vs. スニークショー
練習中はあまりマッチングしなかったため、今回のリストは少しガードを下げてしまっています。プロツアー本戦では5回もマッチングした上、プレイミスもあって3-2と2回も負けてしまいました。このマッチを意識するなら《青霊破》や追加の《真髄の針》を採用するべきです。
スニークショーは弾が多く、1ゲーム中に数回に渡って仕掛けてくることが多いです。特に無駄牌が多いメインボードではすべてを捌き切るのは難しいので、第1波を捌いたら速やかに《精神を刻む者、ジェイス》を出して、「+2」で勝つのが最良の戦略だと思っています。
一番の負けパターンが、《紅蓮破》や《悪魔の布告》を構えている状態での「《騙し討ち》+《グリセルブランド》」なので、常に自分の手札と相手の仕掛け方のパターンを考えるように。自分から軽く仕掛けられる《思考囲い》が特に効果的です。
vs.エルドラージ
vs. エルドラージストンピィ
vs. エルドラージポスト
ストンピィかポストかで、サイドボーディングやプレイ方針が若干変わりますが、大筋は変わりません。序盤を捌いて、《基本に帰れ》か《精神を刻む者、ジェイス》で蓋をするのが目標となります。
今のリストだと少し手薄になっているので、先述の通り、できればサイドに《戦慄掘り》か《罠の橋》を取りたいところです。
vs.青黒《死の影》
vs. 青黒《死の影》
このマッチについてはあまり自信がないですが、流行のデッキなので一応。「プロツアーのときはこんな感じでサイドしたよ」っていうぐらいの温度感で。
デルバー系(RUGデルバーやグリクシスデルバーなど)には基本的に《基本に帰れ》は入れないのですが、このマッチは赤くない=《紅蓮破》系で割られないので1枚までなら許容できそう。実際プロツアーでは《基本に帰れ》で勝ちました。
サイド後は相手も《思考囲い》《トーラックへの賛歌》から仕掛けてくるので、《紅蓮破》系の入れすぎは禁物。《意志の力》も打ちづらい。
相手の《最後の望み、リリアナ》が一番のガンで、奥義一直線で負けそうになるので《真髄の針》は入れても良いと感じました。
おわりに
グランプリ・京都2015(カバレージ)、グランプリ・千葉2016(主催)とどちらも仕事でパスしていたので、僕にとって今回のプロツアーがプレミアイベントでレガシーをプレイする初めての機会でした。
他のフォーマットとは一味も二味も違う、お互いの一挙手一投足に集中しあうのはまさにレガシーならでは。チーム戦という緊張感もあるなか、とても良い経験ができました。
プロツアーも終わり、今シーズンも残りわずか。最高のスタートを切ったにも関わらず終盤で失速に失速を重ね、現在のプロポイントは33点といまだゴールドレベルには届いていません。マジックは中々勝てないですね。だから面白いとも言えます。
今月末のグランプリ・リッチモンド2018(レガシー・スタンダード)、日本選手権(スタンダード・ドラフト)、そしてグランプリ・香港2018(モダン)と、チャンスは少なくなってきましたが、悔いが残らないよう全力で走り抜けたいと思います。
もちろん、今週末のETERNAL WEEKEND ASIAも参加します!会場でお会いしたり対戦する際には、どうぞよろしくお願いします!
それでは、また次のブログでお会いしましょう!
井川