Hareruya Prosと一緒にドラフトしよう! ~『灯争大戦』編Part2~

Jeremy Dezani

Translated by Ryosuke Igarashi

原文はこちら
(掲載日 2019/05/21)

みなさんこんにちは。今回も『灯争大戦』をドラフトしていきましょう!

1パック目の8手目までをシミュレーションし、4人のHareruya Prosたちに何をピックするか聞いてみました。

この度の記事に参加してくれた親切なプレイヤーたちを紹介しましょう。

彼らについてもっと詳しく知りたい方はHareruya Prosの選手ページをご覧ください。

彼らが同じカードを選択するのかどうか、今回も気になりますね。

1手目

灯の分身リリアナの勝利死者の災厄、ケイヤ心温まる贖罪執行官のグリフィン空戦域の大梟雷のドレイク破滅犬ダスクマントルの調査員叫ぶ落下兵日和見吸血鬼アン一門の侵略者呪文喰いの奇魔連帯

イマニュエル・ゲルシェンソン

死者の災厄、ケイヤ

明らかにパックで一番強いカードだね。白と黒どちらかだけで唱えることができるから、受けも広い。

グジェゴジュ・コヴァルスキ

死者の災厄、ケイヤ

もちろん、環境で最もいいアンコモンだ。迷うことはないね。《灯の分身》も好きだが、《死者の災厄、ケイヤ》ほどではない。ほとんどのデッキに入れることができるし、2体も追放できればゲームに大きな影響を与えることができる。

「増殖」や《テフェリーの時間改変》《救出のスフィンクス》といったカードと組み合わせることができれば、さらに強力だ。

マルク・トビアシュ

灯の分身

《クローン》能力はリミテッドにおいていつでも強力だった。『灯争大戦』のように強力な脅威が多く、比較的遅めな環境でも例外ではないね。

パスカル・フィーレン

死者の災厄、ケイヤ

《灯の分身》《死者の災厄、ケイヤ》で迷うパックですね。どちらも素晴らしいカードですが、今回は《死者の災厄、ケイヤ》を取りましょう。2体のクリーチャーを除去でき、「増殖」や《負傷者の手当て》などと組み合わせることで更なる働きを見せてくれます。それに、混成マナのため基本的にはデッキに採用できるでしょう。

2手目

洞察の絆流束の媒介者力線をうろつくもの幸運な野良猫鉄覆いのクロヴァド飛びかかるオオヤマネコ造反者潰しラゾテプの肉裂き燃え立つ預言者ナヒリの石刃巨大化プリズマイトギルド門通りの公有地

イマニュエル・ゲルシェンソン

ラゾテプの肉裂き

このパックでもっとも強力なわけではないが、《死者の災厄、ケイヤ》のために色を絞っておくことが狙いだ。それに、あまりいい2マナ域がいないこの環境では、優秀な方のカードだよ。

グジェゴジュ・コヴァルスキ

流束の媒介者

初手が《死者の災厄、ケイヤ》だし、喜んで「増殖」しようじゃないか。このパックでもっとも強いカードだし、初手とのシナジーもある。これも簡単だね。

マルク・トビアシュ

力線をうろつくもの

優秀なクリーチャーだし、強力な多色デッキへ切り込むこともできる。ここで青に固執してもいい結果にはならないね。

パスカル・フィーレン

力線をうろつくもの

『灯争大戦』にはカードパワーの高いカードが多く、かなりゆっくりとした環境です。緑を中心に、手に入れた強力なカードをほぼ全てタッチするアーキタイプは強力ですね。初手の《死者の災厄、ケイヤ》はまさに、ゆったりとしたゲーム展開に噛み合いながらも、とても頼もしい1枚です。《力線をうろつくもの》はマナを安定させる上に単体でも優秀なクリーチャーのため、今回はこのカードに決まりですね。

3手目

ティボルトの憤怒鬼群れの声、アーリン心温まる贖罪テヨの光盾叫ぶ落下兵侵略の代償日和見吸血鬼心火砲塔のオーガ連帯ケンタウルスの養育者クロールのとげ刺し

イマニュエル・ゲルシェンソン

侵略の代償

また?と思うかもしれないが、もっとも強力なわけではない。ただ、黒のカードを絞れる上に、『灯争大戦』リミテッドではメインデッキでのこのカードをかなり気に入っているんだ。こんな強力なセットでは、相手が物凄いカードを持っている可能性も高くなるからね。

グジェゴジュ・コヴァルスキ

ケンタウルスの養育者

最初の2枚に続くようなカードが全くないから、緑多色に移ることを考えよう。このアーキタイプにとってマナクリーチャーは欠かせないのだが、《ケンタウルスの養育者》はブロックもしやすく、ライフを恵んでもくれる。その上、どの色のマナでも出してくれるんだ。5色デッキを組む際に非常に大事な点だね。

マルク・トビアシュ

ケンタウルスの養育者

マナを安定させてくれるカードを早めに取っておきたい。その中でもこいつはかなり優秀だね。

パスカル・フィーレン

群れの声、アーリン

どのようなコモンなら《群れの声、アーリン》より優先してピックするのか、私にはわかりませんね。間違いなく、彼女をピックします。《連帯》《ケンタウルスの養育者》も流れてきましたし、緑は空いていることでしょう。

4手目

波乱の悪魔王神の立像執行官のグリフィンギデオンの犠牲キオーラの堰破りナーガの永遠衆ケイヤ式幽体化怒り狂うクロンチ砲塔のオーガ巨大化自然への回帰

イマニュエル・ゲルシェンソン

キオーラの堰破り

《死者の災厄、ケイヤ》はコントロール寄りのデッキで使う方が強力だと思っていてるので、ここで《キオーラの堰破り》をピックできるのは嬉しいね。サイズがいい上に、「増殖」で《死者の災厄、ケイヤ》の手助けをしてくれる。

グジェゴジュ・コヴァルスキ

執行官のグリフィン

まだどんなデッキをドラフトすることになるか定かでないから、ここまででピックした色と合ったベストカードをピックするだけだ。《執行官のグリフィン》なら緑白「増殖」や緑多色、青白飛行などのアーキタイプで採用することができる。どれに落ち着くにしろ、こいつは使えるだろう。

マルク・トビアシュ

巨大化

どの色にも欲しいカードはないね。《巨大化》はかかるマナに対してかなり効率のいいカードで、デッキに採用する可能性もなくはない。

パスカル・フィーレン

執行官のグリフィン

このピックはちょっと普通ですね。私の好むアーキタイプで、重要な役割を果たすようなカードがパックに1枚もありません。一番デッキに入りうる《執行官のグリフィン》を取るでしょう。

5手目

陽刃の天使野生造り、ジアン・ヤングー目的のための殉教者破滅犬灯の収穫鎖鞭のサイクロプス王神への敬意轟く角獣ビビアンの灰色熊護法鱗のクロコダイル

イマニュエル・ゲルシェンソン

灯の収穫

非常に優秀な除去だ。この時点で、俺の席では黒が空いている……といういいサインだね。

グジェゴジュ・コヴァルスキ

ビビアンの灰色熊

我々にとって強力なカードも、青いカードもない。つまりは今回、青いデッキは組めないということだろう。こうなったら緑のランプデッキを狙っていきたいところだ。《ビビアンの灰色熊》は終盤、マナの使い道として優秀なカードだね。

マルク・トビアシュ

野生造り、ジアン・ヤングー

これもまた、色マナを安定して出せる優秀なカードだ。+1/+1カウンターによって多少アドバンテージを得ることもできるしね。

パスカル・フィーレン

灯の収穫

ここでは《灯の収穫》をピックします。相手のプレインズウォーカーまで除去できる、万能な除去ですね。多くの場合は5マナ支払うことになるでしょうが、クリーチャーを生け贄にする選択肢もあるため、多少柔軟に扱うことができます。

6手目

新生化防壁の巨人果敢な一撃目的のための殉教者論議を呼ぶ計画ナーガの永遠衆破砕瀬戸際の勇気ギルド門通りの公有地

イマニュエル・ゲルシェンソン

ギルド門通りの公有地

未だに2色目が何になるか定かでないが、ここで色マナを安定させられるのはいいね。ピックできたならタッチするような、黒混じりの優秀な多色カードはたくさんあるんだ。

グジェゴジュ・コヴァルスキ

ギルド門通りの公有地

1パック目は今のところ普通な感じだから、色マナを安定させて、2~3パックの優秀なカードをどんな色でも使えるようにしておこう。

マルク・トビアシュ

ギルド門通りの公有地

後に流れてくる爆弾レアを全てピックできるようにするプランだが、うまくいっているね。

パスカル・フィーレン

ギルド門通りの公有地

今回のピックは《ギルド門通りの公有地》。未だに、流れてくる強力なカードは全てタッチしようと思っています。《ギルド門通りの公有地》をピックできたので、タッチがより楽になりますね。

7手目

新生化目的のための殉教者造反者潰しキオーラの堰破りヴラスカの懐刀強制着陸ビビアンの灰色熊サヒーリの銀翼

イマニュエル・ゲルシェンソン

サヒーリの銀翼

6マナ域のカードを序盤にこれ以上ピックしたくないので、《キオーラの堰破り》ではなく《サヒーリの銀翼》だ。《ヴラスカの懐刀》も優秀な3マナ域ではあるが、このデッキ全体のプランとしては《サヒーリの銀翼》の方が合っていると思うね。

グジェゴジュ・コヴァルスキ

ビビアンの灰色熊

先に述べた通り、終盤にマナの使い道として素晴らしいカードだ。

マルク・トビアシュ

ビビアンの灰色熊

長期戦を見据えたピックをしているのだが、このカードなら序盤に敵の攻撃から身を守りつつも、終盤になるとカードアドバンテージを生み出してくれるんだ。

パスカル・フィーレン

ビビアンの灰色熊

ここでは《ビビアンの灰色熊》ですね。面白いカードというわけでもないですが、終盤はカードアドバンテージを生み出し、早いターンにもそれなりのサイズではあります。

8手目

飛びかかるオオヤマネコ論議を呼ぶ計画テフェリーの時間改変ダブリエルの影忘ラゾテプのビヒモス心火自然への回帰

イマニュエル・ゲルシェンソン

テフェリーの時間改変

非常に過小評価されているカードだと思っているよ。プレインズウォーカーの忠誠度をリセットし、クリーチャーを除去から守ることもできる。青黒というカラーリングでは、戦場に出たときの能力を持つクリーチャーも十分多いため、かなり優秀なカードだね。

グジェゴジュ・コヴァルスキ

テフェリーの時間改変

このカードは非常に過小評価されているが、プレインズウォーカーでいっぱいのセットでは本当に良く働いてくれる。《死者の災厄、ケイヤ》の能力を2度起動し、相手は彼女を墓地へ送ろうと攻撃してくる。そこで《テフェリーの時間改変》を唱えれば忠誠度が満タンになって帰ってきて、さらに2回も能力を使えるんだ。これがたったの2マナで!?

マルク・トビアシュ

論議を呼ぶ計画

カードを1枚引いて、「増殖」。正しいデッキで使えば、カードアドバンテージを得ることができるね。

パスカル・フィーレン

論議を呼ぶ計画

どうしてか、このフォーマットでの《論議を呼ぶ計画》が好きなんですよね。ひどいときは「サイクリング」するだけで終わりますが、上振れが凄まじいカードです。《ラゾテプのビヒモス》も悪くはありませんが、こういった雑多なファッティをピックするのは難しくありません。選択肢を広げるためにも、《論議を呼ぶ計画》をピックするでしょうね。

まとめ

カードのレアリティはそのカードパワーの目安になりますが、実際は異なることもあります。《死者の災厄、ケイヤ》はレア級の強さを持ったアンコモンで、そのため実際のレアである《灯の分身》と票が割れたのでしょうね。

ジェレミー・デザーニ (Twitter / Twitch)

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Jeremy Dezani 2013-2014年シーズンのプレイヤー・オブ・ザ・イヤー獲得プレイヤー。 プロツアー『テーロス』では、「青単信心」を使いこなし見事優勝の栄冠に輝いた実績を持つ。グランプリのトップ8入賞回数は14回にも上り、優勝3回、準優勝4回を記録している。 海外のプレイヤーとしては初のHareruya Pros加入となる。 Jeremy Dezaniの記事はこちら