Translated by Ryosuke Igarashi
(掲載日 2019/05/30)
はじめに
みなさん、こんにちは。環境に白単アグロや赤単アグロ、エスパーミッドレンジにシミックネクサス……といったデッキが多かった時期に、数週間くらいエスパーコントロールを回していい成績を残せていました。
今でもエスパーコントロールに興味があるという方のために、リストとサイドボーディングを載せておきますが、できることなら他のデッキを使うことをお勧めします。なぜなら、以前ほどには立ち位置が良くないと思っているからです。
エスパーコントロール
2 《ドビンの拒否権》
2 《暴君の嘲笑》
1 《渇望の時》
4 《吸収》
1 《屈辱》
3 《ケイヤの怒り》
2 《ヴラスカの侮辱》
2 《アズカンタの探索》
2 《ケイヤの誓い》
4 《覆いを割く者、ナーセット》
3 《時を解す者、テフェリー》
4 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-呪文 (34)-
メタゲームは毎週変わっていますが、プレインズウォーカーデッキの台頭により、エスパーコントロールでは相手の脅威を捌き切ることが難しくなってきました。対処しなければならないカードが多いため、《ドミナリアの英雄、テフェリー》も[-3]能力でパーマネントを処理しなければならなくなり、フィニッシャーとしての信頼度が下がってしまったうえ、デッキから勝ち手段がなくなってしまう危険性も出てきます。しかし、エスパーコントロールを回していた際に採用していた、プレインズウォーカーたちには感銘を受けましたね。
さて、現在は打ち消し呪文が非常に弱い環境になっています。《時を解す者、テフェリー》が解決されてしまえば、全ての打ち消し呪文はただの紙切れになってしまいますからね。それにこちらが後手の場合は、他の脅威にも対処しつつ《時を解す者、テフェリー》のために《吸収》を構えておく、なんて余裕がないことが多いです。
このデッキには、「こちらが優勢のときにすぐにゲームを終わらせてくれる、勝ち手段となるカード」と「こちらが不利なときに巻き返せるカード」が欠けていると確信しました。《戦慄衆の将軍、リリアナ》や《人知を超えるもの、ウギン》も試してみましたが、6ターン目に2/2のクリーチャーを1体出したいわけではないのです。
4色《戦慄衆の指揮》デッキと対面したマッチでは、いつも《戦慄衆の指揮》のカードパワーに感動していましたね。そこで、エスパーカラーで《戦慄衆の指揮》を試してみたところ、唱えるたびにオーバーパワーなカードだと感じるほどでした。他のカードで勝つことはほとんどありませんでしたね。デッキを回して最初のリーグで5-0を達成することができましたよ。
エスパープレインズウォーカー
回してきて調整した結果、リストはこのようになりました。オリヴァー・トマコ/Oliver TomajkoがエスパープレインズウォーカーでSCG Openを準優勝したことも、自分のデッキ選択に自信を持てるようになった一因です。
ESPER PLANESWALKERS SB GUIDE
— Arne Huschenbeth (@Huschenmtg) 2019年5月20日
Here the Guide & updated list to the deck my good friend @OliverTomajko took to a 2nd Place at #SCGNY. This deck has almost no bad matchups and it's certainly ahead against Jeskai Planeswalkers, just not against @zan_syed I guess. @ArenaDecklists pic.twitter.com/cZrF2QihXq
「友人のオリヴァーがSCG Openで準優勝したリストのアップデート版、そしてサイドボーディングです。不利なマッチアップはほぼ存在せず、ジェスカイカラーにも間違いなく相性がいいです。ゼン・セイド/Zan Syedさえ相手にしなければ……。」
2 《渇望の時》
2 《暴君の嘲笑》
1 《古呪》
1 《肉儀場の叫び》
3 《ケイヤの怒り》
2 《戦慄衆の指揮》
2 《アズカンタの探索》
4 《ケイヤの誓い》
4 《覆いを割く者、ナーセット》
4 《時を解す者、テフェリー》
1 《ウルザの後継、カーン》
4 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-呪文 (34)-
カード選択について
ここからは、それぞれのカードについて説明していこうと思います。
《ケイヤの誓い》:4枚
このデッキにとって、なくてはならないカードです。
クリーチャーやプレインズウォーカーを除去しつつ、《戦慄衆の指揮》を唱えるためのライフも得ることができます。《時を解す者、テフェリー》の能力と組み合わせれば、《ケイヤの誓い》を再利用しながらカードを引くこともできます。コンボですね。多くのプレインズウォーカーを採用しているため、誘発型能力もかなり役に立ちますね。相手がこちらのプレインズウォーカーを除去しようと攻撃してきても、ゲームを掌握するまでの時間稼ぎになるのです。
《アズカンタの探索》:2枚
《アズカンタの探索》はドローを円滑にしつつも墓地を肥やす助けになる、大好きなカードです。《水没遺跡、アズカンタ》で探すことのできる、盤面への影響力が大きいカードをたくさん採用しているのに、《アズカンタの探索》を採用しないのは構築ミスですね。
対ミッドレンジ、コントロールでは、そのマッチアップに必要な特定のカードに向かって掘り進められるため、相手のリソースを削りきる助けになります。
《古呪》:1枚
《覆いを割く者、ナーセット》を4枚、《アズカンタの探索》を2枚採用していますから、こういったピン挿しのカードを探すのはお手の物です。《覆いを割く者、ナーセット》や《時を解す者、テフェリー》のようなプレインズウォーカーは、忠誠度1の状態で場に残っていることが多く、これらを《古呪》で破壊すれば《ドミナリアの英雄、テフェリー》の奥義を即座に放つこともできるのです。これもちょっとしたコンボですね。
相手のプレインズウォーカーを全て除去することで、全く勝ち目のない盤面を覆せる状況もあります。
《肉儀場の叫び》:1枚
イゼットフェニックスの台頭を考えると、対策カードを1枚入れておくと便利ですね。
《時を解す者、テフェリー》:4枚
基本的に、このデッキに必要なのは時間稼ぎです。大抵のプレインズウォーカーたちは忠誠度能力を一度使用すれば元が取れるため、除去されてしまっても構わないのです。《時を解す者、テフェリー》は[-3]能力でテンポを取りつつも、生き延びれば更なるカードアドバンテージを生み出すこともありますね。
対戦相手への妨害手段
3ターン目にはプレインズウォーカーを安全に着地させたいので、2ターン目に唱えられる妨害手段を8枚は採用しておきたいですね。
《戦慄衆の指揮》:2枚
このデッキをまとめ上げてくれるカードです。こちらはコントロールデッキですから、相手のクリーチャーやプレインズウォーカーを除去、もしくは手札破壊で墓地に落とすことでこちらの味方として蘇らせる……なんてこともできます。現在の環境は、優勢時に直ちに決着をつけられるカードがなければ咎められてしまう要素で溢れかえっているのです。
《人質取り》:サイドボードに3枚
ジェスカイプレインズウォーカーの使う《軍勢の戦親分》を人質に取るのにハマっています。サイドボード後は、《時を解す者、テフェリー》のバウンス以外では対処できませんからね。
また、相手が基本的に除去を抜いてくることもあり、クリーチャーデッキに対して常に役立つカードです。
サイドボーディングガイド
赤単
有利なマッチアップです。《渇望の時》が2枚に《ケイヤの誓い》が4枚と、相手の火力呪文と相殺できるくらいには十分ライフを得ることができます。
《時を解す者、テフェリー》は《ケイヤの誓い》をバウンスし、更なるライフを恵んでくれますね。
サイドボード後は、火力呪文をほとんど抜いて《無頼な扇動者、ティボルト》、《危険因子》や《炎の職工、チャンドラ》、《実験の狂乱》といったカードを入れてくることでしょう。こちらのゲームプランは変わらず、序盤のクリーチャーを抑えて《ドミナリアの英雄、テフェリー》や《永遠神の投入》で勝つのみです。
負けるとしたら《実験の狂乱》なので、それを対処できる《ドミナリアの英雄、テフェリー》は温存しておきましょう。
対 赤単
エスパーミッドレンジ
相手の《人質取り》や除去が腐るため、1ゲーム目はこちらが有利です。とはいえ、対処できなければ《正気泥棒》で負けてしまうこともありますね。
サイドボード後は、プレインズウォーカーや手札破壊呪文、打ち消し呪文が入ってきます。このマッチアップはまさにシーソーゲームで、どちらがよりいい引きをするかにかかっています。非常に不利な状況であっても、プレインズウォーカーを全員蘇らせればそれだけで形勢逆転できるため、《戦慄衆の指揮》が輝くマッチアップです。
対 エスパーミッドレンジ
白単/アゾリウスアグロ
赤単アグロと似たマッチアップですが、1ゲーム目は圧倒的に楽ですね。除去がたくさんありますし、必要なら《ケイヤの怒り》で盤面をリセットすることもできます。
サイドボード後は、打ち消し呪文や《暴君への敵対者、アジャニ》、《黒き剣のギデオン》が加わります。
このマッチアップでは、《軍団の上陸》を変身させないように気をつけましょう。《一番砦、アダント》を綺麗に処理する方法はなく、毎ターン1/1のクリーチャーを生み出されてしまってはたまったもんじゃありません。
対 白単/アゾリウスアグロ
エスパーコントロール
エスパーコントロールでは、プレインズウォーカーを全て対処することは非常に難しいため、相性のいいマッチアップですね。
《覆いを割く者、ナーセット》はその常在型能力により、《薬術師の眼識》や《ドミナリアの英雄、テフェリー》のドローを防ぐことができます。
プレインズウォーカーが打ち消されたり除去されたとしても、《戦慄衆の指揮》を唱えることができればまだ勝負はわかりませんよ。
サイドボード後は、《正気泥棒》のために数枚の除去を残しておきましょう。
対 エスパーコントロール
4色《戦慄衆の指揮》
何度か対戦しましたが、最も厳しいマッチアップだと思っています。《戦慄衆の指揮》を唱え、すぐさま勝負を決めない限り、カードアドバンテージや《伝承の収集者、タミヨウ》によるループの前に敗れてしまうことでしょう。
このマッチアップで大活躍の《古呪》の力を借りて、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の奥義を目指すのもありですね。
対 4色《戦慄衆の指揮》
ジェスカイプレインズウォーカー
このマッチアップで鍵となるのは、《軍勢の戦親分》と《主無き者、サルカン》です。一度着地してしまえば、こちらのプレインズウォーカーを全てたやすく除去することができます。
《ケイヤの誓い》は相手の《覆いを割く者、ナーセット》や《時を解す者、テフェリー》にとどめを刺しつつも、ライフを得ることができますね。
警戒するだけの余裕があるか、もしくは後続が続かないような場面では《呪文貫き》をケアしてプレイしましょう。
《戦慄衆の指揮》と《古呪》はどちらも形勢を逆転できるカードです。
《軍勢の戦親分》やそのゴブリントークン、《崇高な工匠、サヒーリ》による霊気装置トークンを対処するため、《肉儀場の叫び》をサイドインしましょう。
対 ジェスカイプレインズウォーカー
シミックネクサス
《水没遺跡、アズカンタ》+《荒野の再生》によるカードアドバンテージに押しつぶされる前に決着をつけられるかどうかですね。《覆いを割く者、ナーセット》か《時を解す者、テフェリー》のどちらかでもいれば、相手はコンボを始動する前にそれらを処理せざるを得ないため、減速が見込めます。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》の奥義のために《古呪》を唱えてもいいですね。
カウンターが3つ乗った《爆発域》は《覆いを割く者、ナーセット》と《時を解す者、テフェリー》の両方を除去し、ロックから抜け出すことができるので気をつけましょう。
対 シミックネクサス
おわりに
さて、今回の記事はここまでです。
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最後までご覧いただきありがとうございます!
ケルヴィン・チュウ (Twitter)