Translated by Ryosuke Igarashi
(掲載日 2019/05/31)
序章
『灯争大戦』の加わったスタンダード環境はとどまるところを知らず、メタゲームも素早く移り変わっています。最も優先すべきこととしては、時代に取り残されないことでしょう。大きなアドバンテージを得ることができますからね。現在、このフォーマットは様々なデッキ……特に、『灯争大戦』の非常に強力なプレインズウォーカーをフィーチャーしたデッキが先導しています。
最初にこのセットについて考えたときは、特に3人のプレインズウォーカーがずば抜けているように思えました。《時を解す者、テフェリー》に《覆いを割く者、ナーセット》、そして《主無き者、サルカン》ですね。青白カラーでのプレインズウォーカー戦略は早くに目にしていましたが、《主無き者、サルカン》のために赤をタッチしないのは大きな過ちであるように思えました。
《主無き者、サルカン》は、その能力を全て活かせるデッキならば多角的な攻めが可能になり、結果として非常に強力なカードとなるのです。相手のプレインズウォーカーを除去することもできますし、《時を解す者、テフェリー》とは素晴らしいシナジーがあります。こちらのプレインズウォーカーたちを4/4のドラゴンに変化させても、除去されませんからね。
相手が除去を構えていると思ったら、[-3]能力を使って4/4のクリーチャーを生み出せばいいでしょう。4/4の飛行クリーチャーと《主無き者、サルカン》自身のどちらを除去するか選ばなければいけなくなり、相手にとってかなり厳しい選択になることが多いのです。こういったことを念頭に、私はデッキ構築を始めました。
blazed my way from gold to mythic with this w/ this new creation dropping only two matches along the way! fairly confident this is tier1. sarkhan is busted here. sideboard guide coming tomorrow if anyone interested in trying it out??@arenadecklists pic.twitter.com/AoqwBIHV6I
— John Rolf (@JRolfMTG) 2019年5月10日
「この新デッキで2マッチしか落とさず、ゴールドランクからミシックランクまで駆け上がりました。かなり自信を持って言えますが、このデッキはTier1ですよ。《主無き者、サルカン》は本当に強力なカードです。 」
4 《神聖なる泉》
4 《聖なる鋳造所》
4 《蒸気孔》
4 《氷河の城砦》
4 《硫黄の滝》
4 《次元間の標》
-土地 (26)- 4 《迷い子、フブルスプ》
2 《灯の分身》
-クリーチャー (6)-
1 《ヤヤの焼身猛火》
2 《ウルザの殲滅破》
2 《モックス・アンバー》
4 《覆いを割く者、ナーセット》
4 《時を解す者、テフェリー》
3 《支配の片腕、ドビン》
1 《大判事、ドビン》
2 《謎めいた指導者、カズミナ》
1 《炎の職工、チャンドラ》
4 《主無き者、サルカン》
-呪文 (28)-
2 《轟音のクラリオン》
2 《牢獄領域》
2 《放浪者》
1 《ヤヤの焼身猛火》
1 《魔術遠眼鏡》
1 《ボーラスの手中》
1 《盾魔道士、テヨ》
1 《炎の職工、チャンドラ》
-サイドボード (15)-
第一形態
《呪文貫き》はしっくりくるカードでしたね。マナを構えるのは難しかったのですが、1マナという軽さにはそれを補って余りある魅力がありました。 3ターン目以降はほとんどのマナを使ってしまうため、1マナという軽さが大事なのです。
勝率、そしてミシックランクに容易く到達できたことから、いいところに目をつけたのだとすぐに分かりました。ほとんど負けなかったうえ、誰も《主無き者、サルカン》には注目すらしてないように思えましたね。盤石に見えた盤面やライフを《主無き者、サルカン》がたったの1ターンで一変させるため、中には驚く対戦相手もいたことでしょう。
見ての通り、このデッキの核は《時を解す者、テフェリー》や《覆いを割く者、ナーセット》、《主無き者、サルカン》です。これらは4枚から減らそうと思いませんでしたし、今でもその気持ちは変わっていません。枚数を減らすのは大きなミスでしょうね。
《時を解す者、テフェリー》と《覆いを割く者、ナーセット》は、忠誠度能力と常在型能力のいずれも非常に強力です。《時を解す者、テフェリー》はシミックネクサスをメタゲームから追い出し、《覆いを割く者、ナーセット》によって《ハイドロイド混成体》や《薬術師の眼識》といったカードは冗談のような存在になってしまいました。
残りのカードは彼らのサポート役になります。3、4マナ域のプレインズウォーカーを数多く採用しているのは、《主無き者、サルカン》を最大限に活かす狙いです。 3ターン目:プレインズウォーカー、4ターン目:プレインズウォーカー、5ターン目:《主無き者、サルカン》で相手のプレインズウォーカーを落とす……というのはよくある動きですし、この確率をできるだけ高めたいと考えました。
《次元間の標》はスタンダードの隠れた名カードですね。マナ基盤を安定させてくれるうえに、誘発型能力によるライフゲインも素晴らしいものです。このカードのおかげで、赤単アグロに負けることはほとんどありません。各ターン毎に数点のライフを得る……ということが時々あるため、相手の《ショック》や《稲妻の一撃》は大幅に効力を減らすのです。
ですがそのほかの部分には、まだ熟考の余地がありますね。《謎めいた指導者、カズミナ》(特に先手の場合)や《呪文貫き》には思い入れがあったのですが、序盤に使えるカードがもっと欲しかったのです。このデッキは基本的に3ターン目から動くデッキでしたからね。
第二形態
最初のリストは粗削りなもので、更なる調整が必要なことは明らかでした。調整を進めるにつれ、《ウルザの殲滅破》や《ヤヤの焼身猛火》はあまりにも遅いカードだと気付きましたし、ドビンはどちらも信じられないほど弱いカードでしたね。
序盤の干渉手段がもっと必要だったので、《轟音のクラリオン》と《ショック》をメインデッキに採用しました。《轟音のクラリオン》については、Savjzのアイデアです。すごくしっくりきましたね。
その後も調整を続け、MTGアリーナのミシックランクで1位を取ることもできました。その過程でかなりの数連勝したりもしましたね。無敵……正直、自分自身の他には負けないと思ってさえいましたよ。
ですが、新環境でのプレミアムイベントが複数行われたにも関わらず、《主無き者、サルカン》、そしてジェスカイプレインズウォーカーというアーキタイプにさえ、プレイヤーたちはなぜか見向きもしなかったのです。
9-0'd from rank #9 all the way to the #1 spot with my trusty jeskai walkers list
— John Rolf (@JRolfMTG) 2019年5月17日
faced a lot of elderspells along the way – that card means business 🙂
deck still feels insane, shout out to the twitter sickos that helped contribute to the list! @ArenaDecklists pic.twitter.com/T01AMLwbfZ
「信頼できるジェスカイプレインズウォーカーで9位から9-0で1位に。道中で《古呪》もたくさん打たれましたが……。あのカードは本当に厄介ですね🙂このデッキの完成度はかなり高いと思います。協力してくれたTwitterのみなさんに感謝!」
おっと、1位を達成したリストがこちらですね。
4 《神聖なる泉》
4 《聖なる鋳造所》
4 《蒸気孔》
4 《氷河の城砦》
2 《断崖の避難所》
2 《硫黄の滝》
4 《次元間の標》
-土地 (25)- 4 《迷い子、フブルスプ》
2 《灯の分身》
-クリーチャー (6)-
3 《呪文貫き》
1 《稲妻の一撃》
3 《轟音のクラリオン》
1 《モックス・アンバー》
4 《覆いを割く者、ナーセット》
4 《時を解す者、テフェリー》
1 《黒き剣のギデオン》
2 《謎めいた指導者、カズミナ》
4 《主無き者、サルカン》
2 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-呪文 (29)-
ジェスカイ・プレインズウォーカーは当時も、そして今日になっても進化し続けているのです!シラキュースで行われたSCG Openでは、Team Lotus Boxがこのリストを基に、《崇高な工匠、サヒーリ》と《選択》、《総動員地区》をメインデッキに、《軍勢の戦親分》をサイドボードに加えていました。
4 《聖なる鋳造所》
4 《蒸気孔》
3 《氷河の城砦》
3 《硫黄の滝》
1 《断崖の避難所》
4 《次元間の標》
2 《総動員地区》
-土地 (25)- -クリーチャー (0)-
4 《ショック》
3 《呪文貫き》
1 《稲妻の一撃》
3 《轟音のクラリオン》
2 《モックス・アンバー》
4 《覆いを割く者、ナーセット》
4 《時を解す者、テフェリー》
3 《崇高な工匠、サヒーリ》
2 《ウルザの後継、カーン》
4 《主無き者、サルカン》
1 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-呪文 (35)-
Top8のエイブ・コリガン/Abe Corrigan、そして優勝したザン・セイド/Zan Syedはおめでとうございます!彼らのプレイスキル同様、デッキにも本当に素晴らしい変化が起きていたのです。
私もそのバージョンを回してみたのですが、少なくともMTGアリーナのメタゲームでは《崇高な工匠、サヒーリ》の入っていない、《迷い子、フブルスプ》型の方が好みなことに気づきました。《迷い子、フブルスプ》は単体では全く強力ではありませんが、3ターン目よりも前に盤面に登場しつつもドローを円滑に進めてくれる、という重要な役割があります。もちろん、私の考えに偏りがあることも確かですが、《崇高な工匠、サヒーリ》は今使いたいカードではなかったのです。
1、2ターン目に盤面に影響を及ぼすカードが最優先で、そのうえ、3ターン目には《時を解す者、テフェリー》か《覆いを割く者、ナーセット》を唱えたいことがほとんどでした。他のプレインズウォーカーたちと違い、様々な面で《崇高な工匠、サヒーリ》は好きになれなかったのです。
Lotus Boxは《崇高な工匠、サヒーリ》と《ウルザの後継、カーン》の相性の良さを見抜いていましたが、私は《謎めいた指導者、カズミナ》のほうが好みだった……というのも《崇高な工匠、サヒーリ》に気が向かなかった一因ですね。《謎めいた指導者、カズミナ》の忠誠度能力は2/2のクリーチャーと、1枚のルーティングを同時に行ってくれますが、《ウルザの後継、カーン》はクリーチャーとカードアドバンテージ、どちらかを選ばなければいけません。
それに加え、《謎めいた指導者、カズミナ》には(プレインズウォーカーを対象に取る呪文のコストが重くなる)常在型能力がありますから、なおさら彼女に肩入れしてしまいますね。ではLotus Boxのリストの《ウルザの後継、カーン》を《謎めいた指導者、カズミナ》と入れ替えれば良いじゃないかと思うかもしれません。それが悪い考えだとは思いませんが、賛同はできないですね。
ただ、ミラーマッチでの《崇高な工匠、サヒーリ》はいいですね。生み出す1/1のトークンたちが驚くほど試合に影響を及ぼしますし、すぐさま手に負えなくなることもあります。
マナフラッドは問題になりがちですし、特殊な能力を持った土地は喉から手が出るほど採用したいものです。しかし、デッキにそのような土地を加えるたび、唱えたいときに《ショック》や《轟音のクラリオン》を唱えられる確率は下がっていくのです。
《ショック》や赤/白の呪文をタイミングよく唱えなければならない状況は多々あります。実際は無色土地が何枚かあっても回るとしても、今は可能な限り安定性を高めておきたいですね。もし《ラノワールのエルフ》や《培養ドルイド》を採用したデッキが減り、環境が遅くなったうえでプレインズウォーカーデッキが増加するなら、特殊能力を持つ土地の追加には完全に納得がいきます。
今のところはマナベースについては保守的に考えていますが、特殊能力を持つ土地を入れた形で結果を出しているプレイヤーもいるようなので、私の頭が固すぎる可能性もありますね。
ミラーが多いと予想しているなら、《軍勢の戦親分》をサイドボードに追加すると素晴らしい活躍をしてくれることでしょう。プレインズウォーカーと同様に、クリーチャーによる攻めも追加されるので、より多角的な攻撃が可能になるのです。除去などクリーチャーに強いカードというのは、得てしてプレインズウォーカーには効かないものですからね。
とはいっても、サイドボードの枠を4枚も占領してしまう点だけはいただけませんね。現在はサイドボードに《軍勢の戦親分》を採用していないものの、相手はどっちみち《軍勢の戦親分》を警戒して立ち回らなければいけないため、幸運にもその恩恵を受けることができています。
ミラーマッチにおいて《ショック》をサイドアウトできなかったり、クリーチャーを除去する以外に大した役割を持てない、怪しいカードを残さざるをえなかったり……これも《軍勢の戦親分》の恐怖ですね。
ミラーマッチでは、私は《ショック》を《軍勢の戦親分》(いい的ですね)のために残しますが、相手は《ショック》を有効活用することが難しいのです。忠誠度能力を何度か使い、カードアドバンテージを得たあとのプレインズウォーカーにとどめを刺すこともありますが、それだけしか役割がないのならば、あまりいいカードとはいえません。
このデッキは進化を続けていますが、取り巻く状況も絶えず変化し続けています。今後数週間で、今までよりも大きな革新が来るのではないかと思っていますが、どの構成にも選ぶ理由がありますし、あるタイプに落ち着いたとしても納得です。記事を執筆している段階では4色《戦慄衆の指揮》がMTGアリーナで流行しており、このアーキタイプにとって厄介な存在です。ですから、これからご紹介するデッキリストとサイドボードはそのマッチアップを意識した構成となっています。
現在のデッキリストと採用候補のカードたち
こちらが今お勧めするデッキリストになります。更新したらツイートしますので、ぜひ私のTwitterもチェックしてみてくださいね。
4 《聖なる鋳造所》
4 《蒸気孔》
4 《次元間の標》
4 《硫黄の滝》
3 《氷河の城砦》
2 《断崖の避難所》
-土地 (25)- 4 《迷い子、フブルスプ》
-クリーチャー (4)-
2 《呪文貫き》
2 《ドビンの拒否権》
1 《稲妻の一撃》
3 《轟音のクラリオン》
2 《牢獄領域》
1 《モックス・アンバー》
4 《覆いを割く者、ナーセット》
4 《時を解す者、テフェリー》
1 《無頼な扇動者、ティボルト》
2 《謎めいた指導者、カズミナ》
4 《主無き者、サルカン》
2 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-呪文 (31)-
2 《黎明をもたらす者ライラ》
2 《悔恨する僧侶》
2 《トカートリの儀仗兵》
2 《イクサランの束縛》
1 《轟音のクラリオン》
1 《ドビンの拒否権》
1 《ナーセットの逆転》
1 《牢獄領域》
-サイドボード (15)-
以下はサイドボーディングガイドや、このデッキに関する小ネタになります。ですが、まず最初に、「現在のリストには採用されていないものの、メタによっては採用を考えうるカード」のリストを置いておきましょう。もちろん、全てを網羅してるわけではありませんけどね。
サイドボードガイド
このサイドボーディングガイドをただ真似するだけではいけませんよ。特定のマッチにおいて、どのカードがより優れていると私は思っているのか……という一般的な指針であり、このデッキではサイドボーディングも先手か後手かで多く変わってきます。
たとえば、後手では《謎めいた指導者、カズミナ》を抜くことが多く、《呪文貫き》なんかは後手で実力を発揮できるカードです。同様に、《迷い子、フブルスプ》は先手の方が活躍を期待できます。後手では展開する余裕があまりないですからね。サイドアウトしがちなカードとしては、《呪文貫き》や《無頼な扇動者、ティボルト》、《謎めいた指導者、カズミナ》に《迷い子、フブルスプ》といったところでしょうか。
赤単
対 赤単
4色《戦慄衆の指揮》
対 4色《戦慄衆の指揮》
このマッチアップが一番厳しいので、プランを完璧にしておきたいところです。
相手のデッキの長所、短所を考えてみると、おそらく3つの選択肢があるのではないか……と思っています。そしてそれは3つとも、《戦慄衆の指揮》に関するものです。3つの要素を組み合わせた対応が最善なのでしょうが、それは時間と調整のみぞ知ることでしょう。
1)相手の墓地を追放することに専念する
当初は《夢を引き裂く者、アショク》も採用して墓地対策をしていましたが、ライフ回復を阻止する方が断然良いアプローチでしたので、今は採用を控えています。しかし、《悔恨する僧侶》は《戦慄衆の指揮》への解答として便利なだけでなく、相手のプレインズウォーカーへの攻撃要員にもなります。
2)相手のライフ回復の阻止に専念する
回復を阻止できたなら、相手にとっては《戦慄衆の指揮》を唱えることがリスキーになりますね。こちらは手札や盤面の《主無き者、サルカン》によって一撃必殺を食らわすことができますから。
《野茂み歩き》への《溶岩コイル》や、《無頼な扇動者、ティボルト》が適任です。《無頼な扇動者、ティボルト》なら、《マーフォークの枝渡り》や《翡翠光のレインジャー》など「探検」クリーチャーによる序盤の攻撃も防げます。《トカートリの儀仗兵》を最近採用するようになったのはこのマッチアップを意識した結果なのですが、今のところ手ごたえは良いですね。
3)《戦慄衆の指揮》を打ち消す、もしくはコピーしてしまう
ここで《ドビンの拒否権》や《ナーセットの逆転》の出番です。《ナーセットの逆転》を使えば、《戦慄衆の指揮》をコピーすることで全てのプレインズウォーカーを場に戻し、相手が行動する前に決着をつけることができます。
欠点としては、相手にはこちらの打ち消し/コピー呪文を紙きれにしてしまう《時を解す者、テフェリー》や手札破壊呪文があることですね。賢い対戦相手なら、《戦慄衆の指揮》を打つ前に《強迫》を唱えてくることでしょう。先に述べたプレインズウォーカー達や《悔恨する僧侶》ならこのような問題は生じません。
白単/アゾリウスアグロ
対 白単/アゾリウスアグロ
《時を解す者、テフェリー》や《ベナリア史》、《黒き剣のギデオン》と《議事会の裁き》を打ち消せるので、後手なら《呪文貫き》を残しておいてもいいでしょう。とはいえ有効なカードは十分サイドインしているので、必要ないかもしれませんね。
バント/バントフラッシュ
対 バント/バントフラッシュ
このマッチアップでのサイドボーディングは非常にややこしく、相手の構築、そして先手後手どちらかで大きく変わってきます。たとえば、後手の方が盤面を巻き返す必要性が高いでしょうから、《轟音のクラリオン》は後手向きのカードというわけです。
シミック《集団強制》
対 シミック《集団強制》
積極的にマナクリーチャーを除去していくことが一番大事です。そうすれば、動きがかなり鈍くなることでしょう。《轟音のクラリオン》は最高の1枚ですね。サイドインしたいカードが他にもあるなら、《謎めいた指導者、カズミナ》がサイドアウトの最有力候補です。
エスパー/グリクシスコントロール
対 エスパー/グリクシスコントロール
《ショック》は《軍勢の戦親分》や《正気泥棒》のために残しておきます。《黎明をもたらす者ライラ》はサイド後のグリクシスコントロールに対して強力ですね。
こういったリソース勝負になるマッチアップでは、後手の際に《次元間の標》を1枚サイドアウトしてもいいかもしれません。
エスパーミッドレンジ(《第1管区の勇士》)
対 エスパーミッドレンジ(《第1管区の勇士》)
ここのサイドボーディングも、相手の構築に大きく左右されます。《ショック》は《正気泥棒》や《第1管区の勇士》への解答として優秀です。
グルール
対 グルール
ミラーマッチ
対 ミラーマッチ
小ネタ集
1)《主無き者、サルカン》の[+1]能力を使い、プレインズウォーカー達を4/4のドラゴンにしたあとなら、彼らの忠誠度を0にしてしまってもターン終了時まで死ぬことはありません。例えば、《時を解す者、テフェリー》の忠誠度が3のときに《主無き者、サルカン》の[+1]能力でドラゴンに変化させたとしましょう。このとき《時を解す者、テフェリー》の[-3]能力を使ったとしても、彼はまだ盤面に残り攻撃することができるのです。
2)《主無き者、サルカン》の[+1]能力を使い、プレインズウォーカー達を4/4のドラゴンにしたあとなら、《時を解す者、テフェリー》の[-3]能力でバウンスすることができます。クリーチャー扱いですからね。たとえば、相手が《古呪》を持っていそうなときや、忠誠度をリセットしたいときは、攻撃した後に手札に戻せばいいですね。
3)《時を解す者、テフェリー》は《モックス・アンバー》をバウンスし、マナ加速することができます。タップしてマナを出し、バウンス。もう一度場に出してタップするだけですね。
カードを引きたいときは《迷い子、フブルスプ》をバウンスしてもいいですし、《牢獄領域》を使いまわして占術してもいいでしょう。バウンスして、唱えて、占術。あとは同じ(望むなら別の)カードを対象に取れば大丈夫です。相手が《ハイドロイド混成体》なんかを使っている場合には、この動きは極めて優秀ですね。《ハイドロイド混成体》は返ってくるものの、0/0になり死んでしまいます。
4)《主無き者、サルカン》で変化させた4/4のドラゴンたちに《轟音のクラリオン》で絆魂を付与し、大きくライフゲインできるようなターンを準備しておきましょう。[+1]能力を使ってからでないと絆魂は付与されないことに注意!
5)《時を解す者、テフェリー》の[+1]能力を忘れないようにしましょう。《轟音のクラリオン》や《溶岩コイル》をインスタントタイミングで唱えられますし、ミラーマッチでは4/4のドラゴンになったプレインズウォーカーたちを除去できることもあります。もしこちらにドラゴンと《主無き者、サルカン》がいれば、《主無き者、サルカン》の常在型能力で1点以上と《轟音のクラリオン》で3点……合わせて4点以上与えることができるのです。
6)返しに除去されてしまうとしても、《時を解す者、テフェリー》や《覆いを割く者、ナーセット》の忠誠度能力で時間稼ぎをしたり、カードを引いたりすることを恐れないでください。みなさんの直感に反するかもしれませんが、時間を稼いで盤面をコントロールしておくことの方が往々にして重要なのです。
7)《時を解す者、テフェリー》を使うデッキに対し、《牢獄領域》などのエンチャントでプレインズウォーカーを追放するのはリスキーだ、ということを心の片隅に置いておいてください。[-3]能力でこちらのエンチャントをバウンスし、プレインズウォーカーを再利用されてしまいますからね。
打ち消し呪文も《時を解す者、テフェリー》に対して強くもあり、弱くもあるカードです。《時を解す者、テフェリー》自身を打ち消すことができたら最高ですが、すでに盤面にいるときは最悪ですからね。プレイを考えるときはこれらを念頭に置き、適宜方向転換しましょう。
おわりに
このデッキを使う方々へ、ご武運を!いつも通り、もしもなにか質問があればお尋ねください。腑に落ちない点や、もっと詳細な解説が欲しい点についても同様です。このデッキを限界まで強化したいものですね。次はどのように進化するのか楽しみです。