コヴァルスキ先生のジェスカイファイアーズ講座 ~MC 9位入賞~

Grzegorz Kowalski

Grzegorz Kowalski

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2019/11/15)

朝礼:トップメタを避ける価値

おはよう生徒諸君!私はミシックチャンピオンシップVI(MC VI)から戻ってきたところだ。今回の記事で書くことがあるとすれば、”アレ”しかない。そう、緑を含まないデッキとしてはMC VIで最も優れていたジェスカイファイアーズだ。

今年になって私はマジックへの取り組み方を変えた。このシーズン中、私は”ベストデッキ”と呼ばれているものをほとんど使ってこなかったのだ。他のプレイヤーがミラーマッチに夢中になっている隙に、”警戒されていない”デッキのなかから最も優れているものを見つけ、環境最強の敵に合わせた調整を施し、使い方をマスターする

大会で際立った成績を出せなかったものの、この取り組み方には大満足しているし、後悔していない。今後もこの戦略を掘り下げていくつもりだ。参考のために戦績を紹介しておくと、“ミシックチャンピオンシップ・ホガーク”では青白コントロールを使用して12-4(13位)、“ミシックチャンピオンシップ・ゴロス”ではバントランプを選択して4-3(25位。タイブレイカーで2日目を逃した)。そして先日の“ミシックチャンピオンシップ・70%フード”で緑を含まないデッキを持ち込んで12-4だった(9位)。

他のプレイヤーに意識されていないデッキを使うことは、”最善のデッキ”よりも理論上は数%劣るデッキを使うことだと言えるかもしれない。だが、不慣れなデッキに対して相手がミスをしやすいことから、”ベストデッキ”にはない大きなアドバンテージを得ることができる。実際にMC VIで相手がとったプレイを例に挙げてみよう。

ここに挙げたような例に加え、相手はマリガンでライブラリーに戻すカードを誤ったり、細かなミスをしたりするため、相手が調整中に仮想敵としてあまり練習してこなかったデッキを使うアドバンテージは大きい

椅子に座ってこの記事を読んでいるあなたはこんなことを思ったかもしれない。「え?なんでそんなミスするの?どれもわかりやすいものじゃないか!」と。だが少し待ってほしい。ミシックチャンピオンシップに参加しているのは世界中から集まったおよそ500人のトッププレイヤーたちだ。大会にかかっているものは大きいし、時間制限のプレッシャーも受けるし、その他にもさまざまな重圧がある。しかも不慣れなマッチアップともなれば、ミスが起きるのも当然だ

王冠泥棒、オーコ

私自身も青白コントロールとの一戦で同じようなことをした。大接戦の3ゲームのなかで私は小さなミスを何度も犯し、それが原因でマッチを落としたのだ。もしも事前に青白コントロールともっと戦い、経験を積んでいれば、このマッチに勝てた確率はかなり高いだろうと思う。しかし、私は限られた調整時間をオーコデッキに対する立ち回り方をマスターするために使うと決めた。それが本大会で最も価値が高いだろうと思っていたからだ。この判断が原因で青白コントロールとの試合には敗れたが、自分の取り組み方は間違っていなかったと確信している。6度に渡るフードとのマッチをあれだけ自信を持って戦えたのだから。

デッキリストと解説

デッキ相性

各種デッキとの相性は以下の通りだ。

非常に良い:

– スゥルタイフード (《戦争の犠牲》がなければ)

《大釜の使い魔》《魔女のかまど》のコンボ(キャットオーブンコンボ)を使ったあらゆるデッキ

– ゴルガリアドベンチャー、セレズニアアドベンチャー(相手がサイドボードに対策を豊富に用意している場合は、「非常に良い」から「良い」に下がり得る。いずれにしても1ゲーム目は抜群の相性だ。)

良い:

– シミックフード

– 赤単

– グルールアグロ

– 黒単 / ラクドスアグロ

《願いのフェイ》ではなく《砕骨の巨人》を採用したジェスカイファイアーズ

悪い:

– 青白コントロール

– ティムール再生

一言で言うなら、相手のデッキに(できれば小型の)クリーチャーが多いほど相性が良い!

個別カード解説

目新しいカードを採用していたので、Twitterで多くの方から採用理由を訊かれた。この場を借りて解説することにしよう。

1x 《予見のスフィンクス》

予見のスフィンクス

1

おそらく最も気になる人が多い箇所だろう。他のデッキにはない、私のデッキを特徴づけるカードだ。まずひとつ断っておきたいのだが、これは決して”お楽しみ要素”ではない。《予見のスフィンクス》がジェスカイファイアーズの1枠に値すると固く信じている

なぜか。序盤のゲームプランはとにかく土地を見つけて、《創案の火》を設置することだ。このエンチャントを設置できれば、このデッキは桁違いに強くなるため、何としてでもライブラリーから探し当てる必要がある。そこで《予見のスフィンクス》の占術3があれば、ライブラリーを深く掘り進めることで《創案の火》を見つけやすくなる。また、マナスクリューするリスクを抑えてくれるため、呪文は強いが土地が2枚だけの初手をキープできる。つまり、キープ基準を下げられるのだ。

対して、《創案の火》の設置後は、命運を分ける4ターン目を生き残ることが何よりも重要になる。土地が5枚目まで伸びれば、唱えられる呪文のカードパワーが一気に上がる。だが、それまでに《創案の火》で唱えられる有効な防御手段は《轟音のクラリオン》しかない。その点、《予見のスフィンクス》は盤面を作る有効な手段であり、ターンが返ってくれば占術もできる。しかも、昨今ではタフネス4のブロッカーは実に対処困難だ。どんな相手が攻めてこようとも、4ターン目に《創案の火》をプレイした後に展開するカードとして《予見のスフィンクス》は最善であることが多い。信じて欲しい、このクリーチャーは抜群の働きをする!

4x 《願いのフェイ》

願いのフェイ

4

どういうわけか、《願いのフェイ》を採用しない構成も存在している。私からすれば、それはミスだ《願いのフェイ》の重要性を理解するには、ジェスカイファイアーズのコンセプトを掘り下げる必要がある。

このデッキの呪文は大きく分けて3つのカテゴリーに分けられる。まず《轟音のクラリオン》《牢獄領域》といった守備的な呪文、そして《創案の火》《抽象からの抽出》のようなコンボパーツ、さいごに《炎の騎兵》などの脅威だ。いずれかひとつでも欠ければ、非常に苦しむことになる。守備的な呪文が引けなければ、強力な5マナ域を活躍させる前に負けてしまうかもしれない。《創案の火》が引けずに5マナ払って「騎兵」を唱えるのでは間に合わないかもしれない。脅威を引き込めなければ、相手のプレインズウォーカーを前に全体除去があふれる手札を抱えたまま負けるかもしれない。

そのようななかで《願いのフェイ》は一人三役をこなす!2マナ1/4飛行というスペックはアグロや大鹿の群れに対するブロッカーとして機能し(守備的な呪文)、《創案の火》がなければサイドボードから《目覚めた猛火、チャンドラ》を手札に運び(コンボパーツがなくても戦えるようになる)、そして《創案の火》が設置されていれば大きな脅威となる(サイドボードからジェスカイカラーではない1枚挿しのカードを手札に加える)。このように《願いのフェイ》は貴重な安定感をもたらす。正直なところ、この枠に《砕骨の巨人》を入れるのは信じられない。騙されたと思って《願いのフェイ》にチャンスを与えてやってほしい。二度と《砕骨の巨人》に戻ろうと思わないはずだ!

2x 《帰還した王、ケンリス》

帰還した王、ケンリス

2

0~1枚の構成が一般的だ。私の見解では、概して《帰還した王、ケンリス》はあらゆる「騎兵」よりも優れている。最大の弱点はメインデッキの《害悪な掌握》の格好の的を作ってしまうことだが、よく考えてみれば《害悪な掌握》をメインデッキに入れているデッキの大部分はスゥルタイフードかゴルガリアドベンチャーだ。いずれも非常に相性が良い相手であり、多少不利になっても大したことではない。その見返りとして、強力でバラエティーに富んだ起動型能力を持つマナの使い道を採用できる。念のため言っておくが、《創案の火》があれば《帰還した王、ケンリス》を0マナで唱えられる。着地してすぐに、余ったマナで能力を起動できるのだ。

基本的に、《帰還した王、ケンリス》はより軽いマナコストで速攻を付与できる5~6枚目の《炎の騎兵》だ(トランプルも付与できるため、完全な上位互換の能力になることもある)。対ビートダウンでは、毎ターン10点もライフを回復すれば、ビートダウンはほぼ勝てなくなる。盤面がこう着しているのであれば、いずれにしろ使い道のなかったマナを有効活用してドローに変換することができる。仮に《帰還した王、ケンリス》が伝説でなかったら3枚まで増加させていただろう。しかし、実際には伝説というデメリットを抱えていたとしても、1枚以下にする構築は考えられない

2x 《厚かましい借り手》(サイドボード)

厚かましい借り手

2

みなさんが興味を抱く箇所だろう。マジックの基本的な考え方からすれば、全く異様な存在である。サイドボードのカードというのは、役割が狭く、特定のマッチアップで真価を発揮するものだと考えられている。15枚という限れた枠のなかで《厚かましい借り手》のようなカードをサイドボードに入れるのは極めて贅沢だ。

しかし、ジェスカイファイアーズのサイドボードには《願いのフェイ》による”不動”の枠が7つ存在するため、実質的なサイドボードの枠は8つしかない。メインデッキには(《霊気の疾風》《轟音のクラリオン》《時の一掃》などの)”腐る可能性がある呪文”が多く採用されているため、そういった呪文が腐る相手に共通して有効なカードをサイドボードに搭載し、有事の際に入れ替えられるようにしておく必要がある

実質的なサイドボードの枠に採用された《魔術遠眼鏡》は普遍的に有効なカードではないが、シミックフードに対してあまりにも強力であるため、2つの枠を使って採用することにした。これにより、メインデッキに空いた穴を埋める普遍的に有効なカードを入れる枠は6つになる

青白コントロールに対してサイドアウトしたい呪文は8枚あるが、《魔術遠眼鏡》が有効でないため、これ以上は青白コントロールに対してサイドインできない枠は増やしたくない。ティムール再生に対しても8枚をサイドアウトしたい(《霊気の疾風》は悪くないが、《牢獄領域》が好ましくない)ので、青白コントロール戦と同様に6枚はサイドインするカードが欲しい。そして、ラクドスアグロには《霊気の疾風》2枚が不要となる。この3つの条件を組み合わせて考えると、導き出される答えは明らかだ。青白コントロール、ティムール再生、ラクドスアグロの全てに対してサイドインできるカードをサイドボードの枠に2つ確保すること……。どのデッキも色合いの異なるデッキであるため、何にすれば良いのか迷うかもしれないが、その枠に求められる条件は”極めて”汎用性が高く、比較的マナコストが軽いことだ。そこで見つけたのが《厚かましい借り手》というわけさ!こんなピッタリな人材がいてありがたい限りだ!

《願いのフェイ》用のサイドボード枠

まずは大原則から解説しよう。以下のカードはサイドボードからメインデッキに移してはいけない!

永遠神の投入

1

時の一掃

1


戦争の犠牲

1

次元を挙げた祝賀

1


龍神、ニコル・ボーラス

1

目覚めた猛火、チャンドラ

1

呪われた狩人、ガラク

1

ここに挙げたカード群は《願いのフェイ》で手札に加えられるようにしておく《目覚めた猛火、チャンドラ》は例外的な存在で、《創案の火》が戦場になくとも通常のマナコストで唱えられる。そのため、青白コントロールとの戦いにおいても《目覚めた猛火、チャンドラ》はサイドインせずに《願いのフェイ》からサーチできるようにしておこう。

これはビートダウンに対する《時の一掃》にも言えることで、ライブラリーに3枚入れるよりも、メインデッキ2枚:サイドボード1枚の比率にした方が良い。なぜなら、サイドボードに1枚残しておけば、《願いのフェイ》4枚と合わせて実質的にメインデッキに6枚搭載していることになるからだ。

実質的なサイドボード枠

神秘の論争

3

厚かましい借り手

2


魔術遠眼鏡

2

解呪

1

1 《解呪》

解呪

《解呪》についても説明が必要だろう。先にも伝えたように、実質的なサイドボードの枠には汎用性が求められる《解呪》はあまり見かけないカードかもしれないが、(青白コントロール、ティムール再生、ミラーなどの)全体除去が不要な相手に対して有効なのだ。それだけでなく、私が求めている軽量な妨害手段でもある。だからこそマナコストの重い《真実の愛の口づけ》ではなく《解呪》を優先させた。《創案の火》が戦場にあって、《願いのフェイ》で手札に加える場合は《真実の愛の口づけ》の方が好ましいが、サイドインするとなればわけが違う。仮に《創案の火》が設置されているとしても、アーティファクトやエンチャントを破壊したいなら《戦争の犠牲》をサーチした方が良いはずだ

サイドボードガイド

スゥルタイフード

対 スゥルタイフード

Out

抽象からの抽出 抽象からの抽出
帰還した王、ケンリス 願いのフェイ

In

神秘の論争 神秘の論争
魔術遠眼鏡 魔術遠眼鏡
ゴルガリの女王、ヴラスカ神秘の論争戦慄衆の将軍、リリアナ

3枚目の《神秘の論争》をサイドインしないのは、《ゴルガリの女王、ヴラスカ》《戦慄衆の将軍、リリアナ》などがいるからだ。ご存知だとは思うが、《創案の火》が戦場にある場合、打ち消し呪文の価値はほとんどなくなってしまう(厳密には自分のターンなら唱えられるが、はっきり言ってそんな状況は滅多に巡ってこない)。そのため、ありったけの打ち消し呪文を入れることはリスクが大きく、ゲームが長引くほど無価値なカードを引いてしまう可能性を高めてしまう。入れ替えるときはぜひ注意して欲しい!

シミックフード

対 シミックフード

Out

霊気の疾風 炎の騎兵 予見のスフィンクス
抽象からの抽出 抽象からの抽出

In

神秘の論争 神秘の論争 神秘の論争
魔術遠眼鏡 魔術遠眼鏡
神秘の論争厚かましい借り手願いのフェイ

《神秘の論争》はシミックフード戦の方が活躍しやすい《害悪な掌握》はなく、《厚かましい借り手》《霊気の疾風》など、青の要素が強いからだ。逆に言えば、《ゴルガリの女王、ヴラスカ》がいないため、《霊気の疾風》は弱体化する。シミックフードは《害悪な掌握》を使ってこないことから、こちらでは喜んで《帰還した王、ケンリス》を2枚とも残す。また、4枚搭載されている《厚かましい借り手》がいるため、《予見のスフィンクス》よりも《願いのフェイ》の方がブロッカーとして優秀だ。シミックフードに対しては、よりマナコストが軽い、1/4飛行の方が重要である。

スゥルタイサクリファイス

対 スゥルタイサクリファイス

Out

風の騎兵
抽象からの抽出

In

魔術遠眼鏡 魔術遠眼鏡
王冠泥棒、オーコ魔術遠眼鏡魔女のかまど

《魔術遠眼鏡》は主に《王冠泥棒、オーコ》の対策だ。《魔女のかまど》《魔術遠眼鏡》を入れるほどジェスカイファイアーズに有効ではない。とはいえ、相手が《王冠泥棒、オーコ》を持っておらず《魔女のかまど》を引いている場合は《魔女のかまど》を指定して良いだろう。

(緑を含まない)キャットオーブンコンボ

対 (緑を含まない)キャットオーブンコンボ

Out

霊気の疾風 霊気の疾風

In

厚かましい借り手 厚かましい借り手
厚かましい借り手

先ほど言ったように、《王冠泥棒、オーコ》がいない《魔女のかまど》デッキには《魔術遠眼鏡》を入れない《霊気の疾風》の価値が低いため、今こそジョーカーカードである《厚かましい借り手》の出番だ。

ゴルガリ / セレズニアアドベンチャー

入れ替えは不要だ

ティムール再生

対 ティムール再生

Out

轟音のクラリオン 轟音のクラリオン 牢獄領域 牢獄領域
時の一掃 時の一掃

In

神秘の論争 神秘の論争 神秘の論争
厚かましい借り手 厚かましい借り手 解呪
軍勢の戦親分轟音のクラリオン砕骨の巨人

代わりに入れるカードが不足しているため、やむなく残すカードが出てくる。どれかを選ぶとすれば、《轟音のクラリオン》になるだろう。《軍勢の戦親分》《砕骨の巨人》を使ったアグロプランへの保険になる。絆魂を付与するモードが有効な場面もときおりある。《発展/発破》で一撃必殺されないライフ水域まで回復し、そこで発生した返しの1ターンが勝利に結びつく可能性があるのだ。《パルン、ニヴ=ミゼット》入りの構成だったとしてもサイドアウトしてくると思われるので、《牢獄領域》はほとんど必要性がない

青白コントロール

対 青白コントロール

Out

轟音のクラリオン 轟音のクラリオン 轟音のクラリオン 轟音のクラリオン
時の一掃 時の一掃

In

神秘の論争 神秘の論争 神秘の論争
厚かましい借り手 厚かましい借り手 解呪
霊気の疾風創案の火

ここでも代わりとなるカードが2枚不足している。とはいえ、これは強力な《願いのフェイ》を使う代償としてあらかじめ覚悟していたものだ。入れ替えるカードが不足する事態になるとしても、それだけの価値があるという考えに変わりはない。今回のやむなく残すカードは《霊気の疾風》だ。《裏切りの工作員》《集団強制》でコントロールを奪われた《目覚めた猛火、チャンドラ》を取り返せるだけでなく、相手の打ち消し呪文の対象となっている《創案の火》をライブラリートップに戻せば再度唱えることができる。

裏切りの工作員集団強制牢獄領域時を解す者、テフェリー

《裏切りの工作員》《集団強制》と対峙するにあたっては、《牢獄領域》《時を解す者、テフェリー》のコンボを知っておくと良い。相手にパーマネントを奪取されたら、まずは《牢獄領域》で追放する。そして《時を解す者、テフェリー》《牢獄領域》を手札に戻すのだ。こうすれば、奪われていたパーマネントをこちらの戦場に戻し、《時を解す者、テフェリー》の[-3]能力でドローし、《牢獄領域》を再利用できる。まさに莫大なアドバンテージだ!

ミラー

対 ミラー

Out

轟音のクラリオン 轟音のクラリオン 轟音のクラリオン 轟音のクラリオン
時の一掃 時の一掃

In

神秘の論争 神秘の論争 神秘の論争
厚かましい借り手 厚かましい借り手 解呪
霊気の疾風創案の火神秘の論争

全体除去が弱いマッチアップだ。《時の一掃》に期待したいかもしれないが、実際には全く機能しない。相手の戦場に《創案の火》が設置されており、《時の一掃》の唱えがいがある盤面になっていたとしても、すでに相手が大きく有利な状況になっているのが普通で、《時の一掃》を使っても負けてしまうだろう。マナコストの重い全体除去で状況を打開しようとするのではなく、もっと序盤の展開に焦点を合わせ、《創案の火》を対処することを考えた方が賢明だ

先生、禁止後はどうなるの?

なかなか難しい質問だ。ジェスカイファイアーズから禁止が出ないのは(ほぼ)間違いないだろう。一番現実的な筋書きは、フードが弱体化することだ(《王冠泥棒、オーコ》、あるいはそれを取り巻くカードの禁止)。もしそうなれば、ジェスカイファイアーズにとってかなりの追い風となる。これまでアグロはフードによって抑えつけられていたため、フードが弱体化すれば復権する可能性が生まれる。ここまで丁寧に講義を受けてくださったみなさんなら、ジェスカイファイアーズは相手のデッキにクリーチャーが多いほど戦いやすくなることをご存知だろう。

敬虔な命令魔術遠眼鏡ドビンの拒否権

もし《王冠泥棒、オーコ》がいなくなれば、サイドボードから《魔術遠眼鏡》をなくし、他のマッチアップで有用なカードを採用できるようになる。黒や赤を軸にしたアグロが台頭してくると思うなら《敬虔な命令》かもしれないし、青白コントロールが立場を強くすると予想するなら《ドビンの拒否権》かもしれない。メタゲームがどうなっていくのかはわからないし、禁止になるカードもわからないが、確かなことがある。それは、禁止制限告知後も私はジェスカイファイアーズを調整し続けるということだ。もしもジェスカイファイアーズが好きになり、禁止後の環境に適応させた構成が気になるという方は私のTwitterをフォローして欲しい!

本日もお付き合いいただきありがとう。また次回の講義で。

グジェゴジュ “ウルリッチ” コヴァルスキ (Twitter / Twitch)

この記事内で掲載されたカード

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Grzegorz Kowalski

Grzegorz Kowalski ポーランド出身。 【グランプリ・リール2012】、【グランプリ・ブリュッセル2015】でトップ8入賞。【グランプリ・サンティアゴ2017】では見事準優勝を果たした。 その高い実力はプロツアーでも発揮され、多数の上位入賞、マネーフィニッシュを経験している。 Grzegorz Kowalskiの記事はこちら