週刊 統率者戦デッキを作る 「能力土地を試そう」
みなさんこんにちは。統率者戦大好きいってつです。昨晩は《否定の契約》の支払いを忘れてうっかり死にかけました。マジで気を付けましょう。
統率者戦は100枚もカードが選べる!好きなカード入れ放題だ!……と思ったら思ったより100枚のスロットは狭くてどのカードを抜くか悩んだ経験のある方は多いと思います。
墓地対策カードを入れたいけれど抜けるカードがない。そんな時は能力土地を試してみましょう!
土地は基本的にマナを出すためのものですが、マナ能力以外の能力を持つ土地もたくさんあります。
「固有色と異なる色マナを出す土地」はもちろん、マナは無色しか出せない土地でも、起動型能力のコストにデッキの固有色と異なる色マナが含まれている土地はデッキに入れることができません。
今回紹介するのは固有色の制限にまったく引っ掛からない能力土地です!つまり、これからお見せする土地はすべてのデッキに入れることができるのです。
あなたのデッキの悩みを解決する土地がきっと見つかりますよ!
ドローする土地
コストパフォーマンスはイマイチですがドローで確実なアドバンテージを獲得できます。ドローが苦手なデッキや終盤手札が切れたときのリソース確保、青いデッキが打ち消しを構えながらドローにつなげられます。
全員に影響が及びますが、より低コストでドローできる土地です。単純なドロー要員というより、全員がドローすることを逆手に取った戦法をとられることが多いようです。
対戦相手の《Demonic Consultation》《タッサの神託者》コンボをけん制するのにつかわれることがあります。デモコンでライブラリーをすべて追放した状態で、神託者の誘発型能力を解決することで勝利するコンボですが、ライブラリーが0になったところで《海の中心、御心》を起動することでライブラリーアウトに追い込むことができます。これに対応するのは困難で、起動型能力を打ち消す《もみ消し》を構えたり、デモコンではなく《汚れた契約》でライブラリーを残り2枚まで減らすなど別のプランに移る必要があります。
緑単統率者が《輪作》から《ガイアー岬の療養所》を持ってきてライブラリーアウトに追い込むという、大逆転劇に遭遇したことがあります。苦し紛れの行動だろうと高をくくって、《輪作》を打ち消さなかったコンボデッキの哀れな最後です。
相手のドローを咎めるカードとも相性抜群です。引けないだけならまだしも、《ガイアー岬の療養所》はハンデスとして機能するようになります。
統率者をサポートする土地
統率者をバックアップすることに特化した土地もあります。
《統率の灯台》は何度も除去されて統率者税が高くなってしまった統率者を唱えなおすチャンスをくれるだけではなく、《ドラニスの判事》の束縛を回避することもできます。
オパールの宮殿は統率者を唱えなおすごとにどんどんサイズを上げていってくれる土地。何度も唱えやすい軽量な統率者や、統率者税をライフで支払える《薄暮の埋葬布、リーサ》との組み合わせがよさそうです。
《祖先の道》はタップインながら事実上5色出る土地です。占術も行えてお得です。多色デッキを使いたいけれど土地に回す予算がない方、ぜひ。
おまけつきのマナ
いずれもマナが出る土地ですが、マナのほうに能力が乗っています。《魂の洞窟》は登場時に選んだクリーチャータイプを唱えるのに使うと、そのクリーチャー呪文が打ち消されなくなります。《すべてを護るもの、母聖樹》はインスタント・ソーサリー呪文を打ち消されなくします。青を含まないデッキが切り札を通すのに使いたいですね。
《山賊の頭の間》はクリーチャーに速攻を持たせられます。攻撃に伴う誘発やタップでの起動型能力を持つ統率者でぜひ使いたいです。
アーティファクト関係
アーティファクトを多用するデッキにおすすめの土地たちです。
《発明博覧会》は条件を満たせばアーティファクトをライブラリーから手札に入れることができます。起動コストがやや重いですが、アーティファクトでのコンボを狙うデッキならおすすめです。
《埋没した廃墟》《隔絶した隠し場所》は墓地からアーティファクトを拾い上げることができます。肝心要のコンボパーツが落ちてしまったらこれで再チャレンジ。
アーティファクトでもある土地です。特別な能力はありませんが「親和(アーティファクト)」や「金属術」を扱うデッキならアーティファクトの数増しに使えます。《ダークスティールの城塞》以外は色マナが出ますので、固有色に合わせてお使いください。
妨害
相手の攻撃を邪魔する土地たち。迷路に迷い込んで攻撃し損ねてしまうようです。3枚それぞれメリットデメリットがあります。
《イス卿の迷路》は起動にコストがかかりませんが、マナが出ません。
一方《スコフォスの迷宮》《惑いの迷路》は起動に4マナかかってしまいますが、これ自身からもマナを出すことができます。
行動を阻害する土地は厄介ながら対応も困難です。戦闘ダメージを与えることで動き始めるデッキを沈黙させられます。
墓地対策をする土地と言えば《ボジューカの沼》が有名ですが、黒を含まない統率者では使うことができません。《屍肉あさりの地》ならすべての色で採用できますし、全員の墓地からすべてのカードを追放できます。いつでも墓地追放ができるという点も《ボジューカの沼》に勝る点です。
どんなデッキでも採用できる墓地対策と言えば、《大祖始の遺産》や《魂標ランタン》があげられますが、土地であることは大きな利点です。土地を置く行為は打ち消されることがありませんし、墓地追放にあまり意味がなければおとなしくマナを出しておけばいいのです。もっとも、《屍肉あさりの地》は自分の墓地も巻き込みますので、自分が墓地利用をするデッキなら注意が必要です。
コントロール奪取に対するクリティカルな解決策です。《金粉のドレイク》《不実》といったコントロール奪取がすべてパーになります。生贄に捧げる必要がなく、毎ターン起動できるのが強力ですね。ニッチすぎるので土地事故を起こさないように計算をして搭載しましょう。
統率者戦採用実績トップと言えば《稲妻のすね当て》《速足のブーツ》でしょう。呪禁や「被覆」を与えてシステムクリーチャーを守りますが、それを台無しにする土地です。もともと呪禁を持っている《悟った達人、ナーセット》を除去するにも役立ちます。
分類困難な土地たち
能力を持つ土地の中には独特すぎるものも多く、分類が困難なものが多数あります。
各競技フォーマットで悪さをしまくったこの土地も統率者戦なら合法。土地加速ギミックを持ったデッキならとりあえず入れて損はなさそうです。壁にしたり生贄要因にしたり、2/2ゾンビはなかなか優秀。対戦相手が基本土地と冠雪基本土地両方を使っていたら《死者の原野》の存在を疑ってかかるべきでしょう。
クリーチャーを生贄に捧げることでライフを1点回復できます。重要なのはコストとしてクリーチャーを生贄に捧げられる点で、この活用方法はたくさんあります。
などなど。起動にコストがかからない生贄手段(通称サクり台)としては《アシュノッドの供犠台》《臓物の予見者》などほかにも優秀なものがたくさんあります。しかしながら能力土地の「破壊されにくい」「必要なければ毎ターンマナを出せばいい」といった利点が大きいです。入れておくといつか助けられる場面があるでしょう。
『時のらせん リマスター』のおかげで入手しやすくなった土地です。
《宝石の洞窟》は初手にあり自身が後手だと土地を一枚置いた状態でゲームが始められるお得な土地。もっとも、ゲーム開始時に置けなければ無色しか出ない残念な土地なのですが……
《ヴェズーヴァ》は便利な土地の数増しをしたり、対戦相手の高級な土地を使わせてもらうことができます。うっかり伝説の土地をコピーしないようにお気を付けください。フレーバーテキストが素敵。
ヴェズーヴァは似たカードに《演劇の舞台》があります。今のところコピーしたい土地がないというときでもとりあえず無色マナを出すことができます。コピーとなるのは戦場に出た後であるため、《水蓮の谷間》といった戦場に出るときにデメリットが発生する土地をコピーするとお得です。
最高のコピー先としては《暗黒の深部》があげられるでしょう。戦場に出たときに乗る10個のカウンターを取り除くことができれば20/20で飛行かつ破壊不能の「マリット・レイジ」トークンが生まれます。無限マナでもないとカウンターを取り除くのが困難ですが、《演劇の舞台》で《暗黒の深部》をコピーすることでいきなりマリット・レイジを呼び出せます。
ややコストが重いですが、《ならず者の道》を使えば強引に攻撃を通すことができます。「感染」持ちやサイズの大きい統率者のダメージを通すのにいいですね。
《爆発域》。爆発します。対象をとらず破壊するので呪禁や「被覆」を持っているパーマネントを破壊できるチャンス。チャージと起爆は同じターンにはできないので《ドラニスの判事》の「2」や《船殻破り》の「3」など、前もってチャージして構えておくとよいでしょう。
とにかくいっぱいマナが欲しい!
ここまでマナ能力以外の能力を持つ土地を紹介してきましたが、ここからはとにかく多くのマナを出すことができる土地の紹介です。《ガイアの揺籃の地》や《ファイレクシアの塔》が有名ですが、ここでは引き続き固有色にとらわれず採用できる土地を紹介します。
いずれも無色2マナが出る土地です。もっとも見かける機会が多いのは《古えの墳墓》でしょうか。ダメージを受け続けるものの、ずっと2マナを供給し続けます。《魔力の墓所》と併用するとあっという間にライフがなくなるので気を付けましょう。
《裏切り者の都》はほかの土地を置いてしまうと生贄に捧げなければならないデメリットがあります。デメリットが大きすぎて使いにくいようにも見えますが、基本土地二枚を置いた場合と比較してみましょう。
1ターン目から4ターン目までそれぞれ基本土地を置いた場合
各ターンに生み出されるマナの合計は10マナ1ターン目、《裏切り者の都》、2,3,4ターン目に基本土地を置いた場合
各ターンに生み出されるマナの合計は10マナ
このように、《裏切り者の都》が「生み出す追加マナ」と、生贄に捧げたことで「失なわれたマナ基盤」が±0になるまで意外と時間がかかり、印象ほどディスアドバンテージは大きくないことがわかります。統率者戦では無色2マナから優秀なマナアーティファクトを次々並べることができるので、序盤の行動数を増やしながら将来のマナ基盤を整えていくことができます。もちろん、大きく動くためにとっておくのも手です。
《水晶鉱脈》もこれに似ています。平時は1マナを供給し続け、いざというときは追加1マナを捻出してくれるのでディスアドバンテージよりも恩恵が大きいでしょう。
信心4以上を達成するとトク。そうでなくても無色マナを生み出せます。特に単色デッキで光るカードになっています。
めっちゃマナ出るけど戦場に出るときに土地サクらないといけないシリーズです。土地をアンタップする《パリンクロン》や《草原のドルイド僧》といったカードと組み合わせると無尽蔵にマナを生み出すようになります。前述の《演劇の舞台》とも抜群のシナジーを持ちます。その一方で、破壊されたときに大損こいたりします。
クリーチャーになる土地
自身の能力でクリーチャー化する土地です。初登場の《ミシュラの工廠》から「ミシュラランド」と呼ばれます。
《変わり谷》は統率者戦においては特定部族クリーチャーが攻撃したことで誘発する能力のタネになるのをよく見かけます。
デッキにゲームを決着しうるクリーチャー1体だけを入れておき、《変身》《異形化》で戦場に直接出すコンボのタネにするといった悪さに利用することもできます。
土地破壊
ここまで紹介してきた素敵な土地を台無しにする「土地を破壊する土地」のご紹介です。対戦相手の強力な土地に困ってしまった。そんな経験をされたかとも多いのではないでしょうか。ちょっと1枚忍ばせておくだけでゲームが大きく変わるかもしれません。
土地破壊は考えなしに使うと損をしてしまいます。一見1:1交換のようですが、土地破壊を免れたプレイヤーもいるので1:1:0:0交換になってしまうのです。よって、せっかく壊すなら《ガイアの揺籃の地》といったデッキのかなめとなる強力な土地を狙いたいところです。《ラムナプの採掘者》や《世界のるつぼ》で再利用することもできます。
その点、《廃墟の地》は面白い土地破壊です。起動にマナコストを要しますが、各プレイヤーが基本土地をライブラリーから持ってくることができます。今度は土地破壊を免れたプレイヤーが基本土地1枚分得をし、またしてもアドバンテージ損ではあるのですが、土地事故を起こしたプレイヤーを援護することもできます。
土地破壊ではないのですが、延々と土地を機能不全に追い込む土地が《リシャーダの港》です。起動に追加1マナかかってしまいますが、《ガイアの揺籃の地》といった大量のマナを生み出す土地を使われるよりマシ。アップキープで寝かせてしまいましょう。ほかにも、自分が大きく動く前に相手の《島》を倒して打ち消し呪文を打たれないようにするなど、意外に器用です。
超 高 額 土 地 の 世 界
ここから先は読み物だと思ってください。ぜひ通販ページで価格をご覧いただき、マジックの世界の深淵を感じていただきたいです。もちろんこんな高額カードを持っていなくても十分、十分統率者戦は楽しめますのでご安心ください!
《Mishra’s Workshop》をタップすると一挙3マナ出てしまいます。アーティファクトを唱えるためにしか使えないマナですが、アーティファクト主体のデッキで使えばとんでもないパワー。1ターン目に《三なる宝球》を置かせてくれる魔法の土地です。ウルザの土地がやべーのは有名ですが、ミシュラの土地もやべーです。
《Bazaar of Baghdad》は毎ターン2枚引いて3枚捨てることができる土地です。どんどんどんどん手札が減っていってしまうように見えますが、墓地を派手に利用するデッキや《常智のリエール》との恐るべきシナジーから統率者戦で大人気です。
《The Tabernacle at Pendrell Vale》
すべてのクリーチャーが自身のアップキープ毎に1マナ支払わなければ破壊されてしまいます。ここまでくると僕でも実際にプレイされているのを見たことがありません。実際に置かれてしまったら……クリーチャーを横並びすると使えるマナが大幅に減ってしまいます。その一方で死亡の伴う誘発型能力はつぎつぎと誘発します。土地であるため破壊するのも難しく、戦場に置かれてしまったらゲームは混乱必至です。
お持ちの方、ぜひ僕と一局お願いいたします。
能力土地を採用するときに気を付けたいこと
単色のデッキに数枚入れるくらいは問題ありませんが、多色のデッキに10枚となってくると「点数は足りているけれど色が足りない!」なんてことになりかねません。何ターン目までにどれだけのマナが必要かしっかり計算しましょう。
もし土地をコンボに組み込むのなら、土地をサーチするカードも欲しいところです。緑には土地サーチが豊富。《探検の地図》ならどんなデッキでも採用できます。
呪文を唱えるのと違い、土地を置くときにはカード名が発声されなかったり、能力の確認がおろそかになりがちです。ただマナが出るだけならともかく、《家路》や《イス卿の迷路》のようにゲームを左右する妨害能力を持っている土地を置いたことが相手に伝わっていないとトラブルの元です。お互いに紳士的にプレイしましょう。
まとめ
あなたの統率者の悩みを解決できる土地は見つかりましたか?たくさんの能力土地を紹介しましたが、これでもごく一部です。ぜひあなたの統率者にうってつけの素敵な土地を探してみてください!
次回の「週刊 統率者デッキを作る」では『ストリクスヘイヴン:魔法学院』と同時発売の統率者デッキを特集します!
お楽しみに!