あなたの隣のプレインズウォーカー 第114回 カズミナの謎とミスティカルアーカイブ

若月 繭子

コラボセットがやって来る

こんにちは、若月です。まずはこちらを語らせてください。

先日、新セットについての発表がたくさんあり、7月発売のセット『フォーゴトン・レルム探訪』の情報も少しですが公開されました。そのキーアートを飾っていたのは、ダンジョンズ&ドラゴンズにおいては超がつく有名人!!

白髪の青年はドリッズト・ドゥアーデン、善良な心を持って生まれたドラウ(いわゆるダークエルフ)です。二刀流の剣の腕前は達人級であり、邪悪な故郷を離れて地上世界を放浪し、辛い旅の果てに真の友を得ます。隣の黒豹は相棒の魔法生物グエンワイヴァー。獰猛で忠実、しばしば苦悩する主人へと優しく寄り添います。両者とも、コラボセットが発表された当初からファンの間で登場が期待されていました。

書籍「ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイヤーズ・ハンドブック」P.21「ドラウの闇」より引用

1人の名高い例外がなかったなら、ドラウ族はことごとく嫌われ、さげすまれ、ののしられていたことだろう。多くの者にとって、ドラウというのはデーモンをあがめ、略奪をこととする輩、ふだんはアンダーダークの深みに住まうが、真の闇夜に限って地上に姿を現し、彼らが日ごろから見下している地上の者どもを相手に略奪と殺戮の限りをつくす輩である。

(略)フォーゴトン・レルム世界において“北方”の地のレインジャー、ドリッズト・ドゥアーデンは、弱き者、罪なき者を守る心正しい人物として自らを証しだてた。ドリッズトは血の宿命に従うことを拒み、地上世界に――彼を恐れとさげすみの目で見る世界に――流れ着いた。彼と同じ道をたどり、故郷アンダーダークの邪悪な社会を離れて生きようとする少数のドラウにとって、ドリッズトは一つの手本である。

ドリッズトを主人公とする小説はたくさん出ており、いくつかはコミックにもなっています。これが本当に面白いんですよ!ぜひ、マジック側にも知ってほしいキャラクターと物語でいっぱいなんです。 絶対解説書きます!!!

……って書いてこの記事原稿を提出したら掲載前に来ました。かっけぇぇぇ!!!!!(5月21日追記)

さて、のっけから盛り上がってしまいました。今回は『ストリクスヘイヴン』をもうちょっと取り上げていきます。ストーリーは完結しましたが、気になるところはたくさんありますよね?

1. カズミナ・謎の二乗

謎めいた指導者、カズミナ

『灯争大戦』にて、新規プレインズウォーカーの一人として登場したカズミナ。当時の物語ではほぼ名前が出ただけで、詳しいことはまったくわかっていませんでした(第84回参照)。ですがその後『ストリクスヘイヴン』が発表されると、魔法学園ものということで「指導者」のカズミナが関わってくるのかな……とは予想されていました。

謎の賢者、カズミナ

そしてその通りに、カズミナは『ストリクスヘイヴン』にて再登場。『エルドレインの王権』のあとにケイレム次元(『バトルボンド』の舞台)を訪れたウィル・ケンリス&ローアン・ケンリスに、ストリクスヘイヴンへの入学を勧めた……とメインストーリー第1話で明かされました。ついでに『エルドレインの王権』→『バトルボンド』→『ストリクスヘイヴン』という時系列が確定、また双子はガラクの保護を離れたこともわかりました。つまりリリアナとガラクの遭遇はない、これは安心したような残念なような……

Magic Story『ストリクヘイヴン』メインストーリー第1話「新学期、到来」より引用

ローアンはうめいた。「カズミナさんはきっと今も待ってるわよ」

ウィルは溜息をついた。カズミナさん。あの女性はストリクスヘイヴンが差し出せるものについて何もかも、たっぷりと語ってくれていた。だが彼女の招待状はどこからともなく届いたのだった。自分たち二人だけで十分にやっていけるとガラクが認めてくれた、ほんの数日後のことだった。カズミナとはここケイレムでそれほど長く一緒にいたわけではない。そしてその言葉だけで、全く新しい世界へ赴く? ウィルは本の山へと向き直った。「あの人なら気にしないと思うよ」

合格通知導師の導き

《合格通知》フレイバーテキスト

手紙が開き、双子をストリクスヘイヴンへと招いた。ウィルは秘儀を研究する機会を期待し、ローアンは力を得る機会を期待した。

《導師の導き》フレイバーテキスト

カズミナはその双子に受験を勧めた。ストリクスヘイヴンでは魔法の才能のみではなく、人格も試されるからだ。

カズミナはこの次元出身なのかと尋ねられたとき、「ここの大学には長くいるけど、故郷ではない」と返答していました。そしてウィルとローアンを大学まで案内しますが、そこで早々に二人からは離れてしまいます。その後はこの次元を訪れた別のプレインズウォーカー、ルーカを監視する姿が見られました。

それはいいのですが、疑問なのはどうも物語からはカズミナが、当初思われたような教授職であるような様子が見られなかったこと。フラクタルトークンを出す能力は緑青の大学クアンドリクスとの関係を示しており、カズミナ自身の色も同じです。それでもオニキス教授や各学部長とは異なり、カズミナは大学内の動向にほとんど関わりませんでした。一応、秘密結社オリークに組して大学を襲撃するルーカを止めようとしてはいましたが。

才能の試験

ここで思い出したのが、2020年10月発売の書籍「The Art of Magic: The Gathering – War of the Spark」におけるカズミナの記述です。

書籍「The Art of Magic: The Gathering – War of the Spark」P.201より訳

カズミナは古から存在する秘密のプレインズウォーカー組織、神秘的な目的を持つ謎の秘密結社のリーダーです。彼女の大々的な目的は不明ですが、最近は新人勧誘に注力しています。カズミナが好む手法は「火花たち」、プレインズウォーカーの灯を持ちながらも未だ点火していない魔導士を見分けるというものです。彼らの才能の発現を助け(灯が点火するために、多少のトラウマを植え付けることになったとしても)、そして自分たちの組織のやり方を教え込みます。

カズミナは迫りくる争いに備えているというのは明らかです。それはニコル・ボーラスとの戦いですら、些細な利害関係を巡るつまらない喧嘩に思えるようなものになると彼女は信じています。ですがカズミナの最大限の奮闘にもかかわらず、彼女の活動はほかのプレインズウォーカーたちの注意を集め始めており、ゲートウォッチと――自分たちの力を善いことに用いるべきだという彼らとの対立は、避けられません。

「古から存在する秘密のプレインズウォーカー組織」。私も心当たりはありません。かつてボーラスが保持していた「無限連合」は目的がはっきりしていましたし、そうであれば無限連合と書くでしょうし。物語では、ルーカの過去をある程度知っているような描写もありました。ひょっとしたら『イコリア:巨獣の棲処』の黒幕プレインズウォーカー(第112回参照)とも関係があるのでしょうか? あっちは男性らしいので、カズミナ本人ではないと思いますが。

今回のカズミナのカード能力も、確かにほかのプレインズウォーカーと関わるものです。また、メインストーリー第3話におけるカズミナとルーカのやり取りからは、「新人勧誘に注力している」の部分も察することができます。

Magic Story『ストリクヘイヴン』メインストーリー第3話「課外授業」より引用

「この道は更なる苦しみしかもたらさない、それがわかるくらいには。あなただけの為じゃない。ルーカ、あなたを放っておくわけにはかないのよ」この時のカズミナの声は、思慮深くも寛大でもなかった――氷のように冷たかった。

「こう生きろとか命令されるのはうんざりだ」 ルーカは怒鳴った。「そして俺は誰の手駒でもない。この学校を動かす魔道士どもは、自分たちは他の誰よりも優れていると思い込んでいる――そしてそれに頷いて従うこの世界もうんざりだ。そんなものは間違いだと俺が示してやろう」

「あなたはまだ仲間になれるかもしれないって思っていた。あなたの才能を共通の善のために役立てられるかもしれないって」カズミナは溜息をついた。「けれど、過大評価だったみたいね」

ただ、上記の書籍は所々で情報がちょっと古いままなんですよ。設定段階から物語執筆の間に変更されたのであろう箇所について、更新がされていない部分があります。

たとえばジアン・ヤングーの項目に、ムー・ヤンリンはラヴニカに来ていないとありましたが、小説では彼女も登場していました。またアングラスの項目には、「不滅の太陽が失われるとファートリと共に旅立ち、広大な多元宇宙を彼女に見せる」と書かれていました(実際にはアングラスは故郷へ帰り、ファートリはカラデシュを訪れてサヒーリに出会いました)。それはそれですげー見たかったな……仲良く喧嘩するあの二人が大好きです。

ちなみにカズミナの設定については、マローの記事にこんな情報もありました。

公式記事「こぼれ話:『ストリクスヘイヴン』 その2」より引用

カズミナが魔法学校の世界に関連付けられることは彼女が作られたときから決まっていた。『灯争大戦』版のプレインズウォーカー・カードにも、ウィザードを生成する能力がある。一時期、カズミナを『エルドレインの王権』の物語に登場させ、マーリンのような役割をさせることを検討していたが、それは物語を具体化する中で変更されたのだ。

マーリンのような役割。確かに、『エルドレインの王権』には双子を導く魔法使いのお姉さん的なキャラクターがいました(カードにはなっていませんが)。ストーリー漫画にも登場していますので、未読の人は是非に。

まあともかく、カズミナはそのカード名のとおり、最後までかなり謎のままでした。メインストーリーの最終話でもやはり教授職らしい描写はなく、あくまでプレインズウォーカーたちを観察するだけに留まっていました。

Magic Story『ストリクヘイヴン』メインストーリー第5話「最終試験」より引用

キャンパスの隅で、梟は彼女を見つけた。カズミナはその先に広がる荒野を見つめ、心はルーカを追うその鳥に流れ込んだ。その眷者はミラとオリークの残党数人とともにさまよっていた。食料と隠れ場所を探しながら、何かを企んでいるのは間違いなかった。

だがあの男を監視する価値はもうない。今、カズミナが注目しているのはローアンの方だった――あるいは双子の両方か。

カズミナもまた『イコリア:巨獣の棲処』の黒幕や『カルドハイム』におけるヴォリンクレックスの存在のように、『灯争大戦』以後の物語の大局を組み上げていく要素の一つなのかもしれません。

なお、カズミナもその『灯争大戦』に参加していたわけですが、オニキス教授=リリアナ・ヴェスだと気づいているのかどうかは不明でした。何せ二人が接触する場面も、互いの存在に言及するような場面もなかったので。気づいていないのか、あるいは気づいているにしても自分たちの目的にはそぐわないとして、あるいはもはや無害だとして放置しているのか……それはわかりません。

2. 多元宇宙と神秘の魔法庫

ストリクスヘイヴンは知識の宝庫です。ではこの施設を擁するアルケヴィオス次元において、多元宇宙やプレインズウォーカーについてはどの程度知られているのでしょうか。

全知

新規次元が登場すると「その次元において多元宇宙やプレインズウォーカーの存在はどの程度知られているのか」という疑問が出てきます。たとえばドミナリアでは古くから多くのプレインズウォーカーが歴史的事件に関わっているため、ごく一般的な知識となっているようです。

最近の例としては、カルドハイムはそれ自体が複数の小次元とも言うべき「領界」の集合体であるため、テーロスやゼンディカーといったほかの次元が「失われた領界」「英雄譚にも語られない辺境の領界」であるように受け取られていました。イコリアでは「ほかの世界が存在する可能性は研究者が示唆している」「『異邦人』の伝説もあるがみんなただの物語だと思っている」とルーカが説明していました。

では今回のアルケヴィオス次元、ストリクスヘイヴンで多元宇宙の扱いはどんな感じなのでしょうか。まずは「案内」にあったこちらの記述を。

公式記事「プレインズウォーカーのためのストリクスヘイヴン案内」より引用

神秘の魔法庫、ミスティカルアーカイブは大図書棟の中に存在しています。ありえないほど広大なその区画には、多元宇宙の開闢以来のあらゆる呪文の複製が保管されていると言われています。

大図書棟

「多元宇宙の開闢以来のあらゆる呪文の複製が保管されている」……でっかく出た。そうであれば蔵書の中には、特定の次元でしか意味をもたない呪文もあるでしょう(アルケヴィオスに存在しない種族を参照する呪文とか)。そして複数のフレイバーテキストを見るに、この蔵書は生徒たちも利用できるようです。魔法を学ぶ際にはその由来にも触れるでしょう。ならば多元宇宙、アルケヴィオス以外の世界の存在は広く知られているのだろう……と考えるのが自然だと思います。

多元宇宙の知識については、話中でもこんな描写がありました。サイドストーリーの第2話において、ウィザーブルームの生徒《魂浸し、ダイナ》が魔法的儀式の材料を集める場面です。

ストリクスヘイヴン サイドストーリー第2話「束縛の鎖」より引用

数週間をかけたが、ダイナの調査は実を結ばなかった。イーシスというのは別の植物種の古い名前なのかもしれない。あるいは絵が不正確なのかもしれない。そういった仮定からの調査も全て行き詰まり、アルケヴィオスにイーシスの木は存在しないという結論を出さざるを得なかった。アルケヴィオスの外の場所で手に入れる? ダイナは調査の方向を転じた、理論的にひとつの次元から異なる次元へと渡れるかもしれない秘儀的儀式を行い、アルケヴィオスから、イーシスが豊かに育つ場所へ行く。だが間違いなく、そういった呪文はほぼ理解不能で、彼女の能力を遥かに超えており、死よりも酷い運命を約束していた。

魂浸し、ダイナ死に至る醸造

ダイナは伝説のクリーチャーとして登場していますが、何ら特別ではない生徒の一人です。プレインズウォーカーでもなく、それでもアルケヴィオス次元の外で云々と考えている。「ほかの次元は存在し、そこへ行くことも技術的に不可能ではないが、とうてい独力でできるものではない」というくらいの認識ですかね。我々の次元で例えれば「火星へ行って石を拾ってくる」くらいの雰囲気でしょうか。ミスティカルアーカイブのカードには、生徒たちがアルケヴィオス外の世界の物事に言及しているようなものもいくつかあります。

青の太陽の頂点青の太陽の頂点

ミスティカルアーカイブ版《青の太陽の頂点》フレイバーテキスト

「五つの太陽よ!軌道計算がどんなに複雑か想像できる?そんな方程式に挑戦できるというなら、何だって差し出すわ!」――クアンドリクスの魔道生徒、ジモーン

……なるほど、数学の天才なら「天体の軌道計算」に目を向けるわけだ。ある意味現実的なフレイバーテキストかもしれない。五つの太陽とミラディン(新ファイレクシア)次元本体、計六つ。「三体問題」どころじゃないもんな。

灯の燼滅灯の燼滅

ミスティカルアーカイブ版《灯の燼滅》フレイバーテキスト

「屈辱を受けてすべての力を失った暴君の話?それだけで刺激的だよ!」――シルバークイルの魔道生徒、キリアン

それ、かなり最近の出来事なんですけど!!!当事者この大学にいるんですけど!!!オニキス教授が大図書棟でこの呪文を見つけたらどんな顔をするのだろうか。ちなみにその「屈辱を受けてすべての力を失った暴君の話」――『灯争大戦』の物語はとても面白いんですよキリアン君、おすすめです。

またマジックのカードにレアリティがあるように、呪文によって危険度は異なります。ミスティカルアーカイブ版《審判の日》のフレイバーテキストによれば、特に危険な呪文はこのアーカイブでも特別扱いを受けているようです。そうすると、たとえば再録禁止カードの呪文なんかは「稀覯書」として厳重な鍵のかかった保管庫に管理されていたりするのでしょうかね。想像が膨らみます。

そして個人的に、「ミスティカルアーカイブ」という特殊な形式で収録のカードが、そのセットの世界の中できちんと意味を持っているというのが素晴らしいと思います。そこは『戦乱のゼンディカー』~『破滅の刻』のマスターピースに近いのかもしれません。

寺院の庭太陽の指輪滅び

Zendikar Expeditionsは「ゼンディカーの風景」、Kaladesh Inventionsは「発明博覧会の出展品」、Amonkhet Invocationsは「アモンケットの神々やボーラスが振るう術」として描かれています。ときどき「?」と思うようなものもありますが。その《血染めの月》は月じゃなくて太陽だ。

ところで、ストリクスヘイヴン大学が設立されたのは約700年前です。ドミナリアの暦でいえば(そして各次元で時間の流れが同じであれば)現在が4560ARなので、3860ARくらい。トレイリアのアカデミー設立が3285AR、ファイレクシアのドミナリア侵略開始(『インベイジョン』)が4205ARになります。つまり、ストリクスヘイヴンの設立は大雑把にウルザブロックのころということになります。

何が言いたいのかというと、この700年というのは、多元宇宙の歴史においては凄く昔というわけではない気がするのですよ。それでもミスティカルアーカイブには「多元宇宙の開闢以来のあらゆる呪文の複製が保管されている」。ひとつの学校の歴史として700年は非常に長いと思いますが、多元宇宙の歴史に比較すれば短いでしょう。ちなみにラヴニカの10のギルドには一万年の歴史があります。ゼンディカーにエルドラージが最初に封印されたのは六千年以上前です。

そもそもアルケヴィオス外の呪文や知識が収められていることから、大学自体にプレインズウォーカーが関わっているのは明白です。そして大図書棟の規模を考えるに、ひとりやふたりではないでしょう。60年前、大修復以前は次元間ポータルが機能していたので、プレインズウォーカーでなくとも集めて来られたかもしれませんが……ひょっとして、カズミナが長を務めるという秘密組織そのものが関わっていたりして?

仮定の積み重ねでしかありませんが、そんなことを思った次第です。もちろん合っているかどうかはわかりません。ところでプレインズウォーカーとの関わりといえば、この2枚を見比べていただきたいのですが……

情報収集歯車式司書

そっくり。《歯車式司書》は『コンスピラシー』のカード、つまりパリアノ次元のアーティファクトです。ここにもアカデミーがあり、プレインズウォーカーのダレッティが所属していました……ダレッティ、もしかしてストリクスヘイヴンに来たことあったりする?まるで客員教授のように『統率者2021』で再録されていますし……ちなみにアルケヴィオス次元にもゴブリンはいます。カードでは入学を《却下》されていますが、物語ではゴブリンの生徒もいると明記されています。ちなみに、ダレッティの経歴にはこのようにありました。

屑鉄の学者、ダレッティ

ダレッティ略歴より引用

彼は爆発で両脚を失うものの生き延びました……そして目を開いた時、そこには探究しうる知識と工芸の果てしない世界が広がっていたのです。ダレッティは自分用に精巧なカラクリ仕掛けの乗り物を作り、フィオーラと他の世界で工匠としての実験を続けています。

その「他の世界」の中にアルケヴィオス次元も含まれていたりしませんか? まあ、私のいつもの当たらない予想のひとつと思っていただければ。

公式記事「こぼれ話:『ストリクスヘイヴン』 その1」にて、マローは「すでにリリアナとカズミナという2人のプレインズウォーカーの教授がいるので、それ以外は真剣に検討はしていない」と言っていました。それでもその性質的に、既存のプレインズウォーカーが過去にアルケヴィオス次元を訪れ、何らかの形で大学に関わったとしても何らおかしくはありません。逆に言えば、この先リリアナの死亡偽装がバレる危険も常にあるってことなんですけどね……。

また、それほどの蔵書をボーラスが放っておくわけはなかったと思います。設定ができた時期というメタな事情を抜いて解釈するなら、煩雑なので下僕を用いて必要な書物を確保する手はずは整えていた、とかでしょうか。

3. 私が選ぶミスティカルアーカイブ

さて、真面目な解説と考察は以上です。最後におまけを。

こちらが面白かったので、私もマネして「好きなミスティカルアーカイブのイラスト」を3枚選出しました。どうしてもストーリーやキャラクターが強調されているものになってしまいますが、構いませんよね?

《コジレックの審問》

コジレックの審問

よ、妖怪だーーー!!!ダイダラボッチ的な?そういえばコーの神格タリブ(マーフォークの神格がコーシ。こちらのほうが有名か)として信仰されたコジレックは大地の神だった。それでいうとウラモグは海坊主になってエムラクールは何だ。どう見ても妖怪なのにしっかりコジレックだとわかりますし、得体の知れなさもコジレックそのもの。これにはやられました。

《命運の核心》

命運の核心

うわあああウギンとボーラスが東洋龍になってる!!!それでいて2体の角の形状、ボーラスの角の間の宝玉、羽毛のようなウギンの翼もしっかり再現されています。マダラ帝国やタルキール次元と、アジアモチーフに何かと縁のある2体ということもあってナイスアレンジだなあこれは。

《ウルザの激怒》

ウルザの激怒

これは初めて見たとき心底びっくりしました。めっちゃ格好いいな!!《力の鎧》が文字通りの鎧になった。これまでにも数度書いてきましたが、私はプレインズウォーカーの衣装替えというのが大好きです。『アモンケット』でのギデオン、『霊気紛争』でのテゼレットなど、普段と一味違う雰囲気をまとった彼らの姿は新鮮で良いものです。

ウルザは過去のキャラクターであるため、新規アートが登場した際も常に同じ衣装でした。それがまさか鎧武者のウルザを拝めるとは思わなんだ。このウルザが持つ杖の先は鉤爪になっていますが、これ《力の鎧》の右手部分の再現だとしたら芸が細かいですよ。

それではまた次回に。『モダンホライゾン2』で何か書けるかな?

(終)

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若月 繭子 マジック歴20年を超える古参でありながら、当初から背景世界を追うことに心を傾け、言語の壁を越えてマジックの物語の面白さを日本に広めるべく奮闘してきた変わり者。 黎明期から現在までの歴代ストーリーとカードの膨大な知識量を武器にライターとして活動中。 若月 繭子の記事はこちら