統率者戦、結局何が強いの?
来週末、3月5,6日には初の開催となる統率者神決定戦が開かれます。予選ラウンドからyoutubeで実況生放送が行われ、ハイレベルな統率者戦を普段プレイしない方の中にも興行としての統率者戦を楽しむ方がいらっしゃるでしょう。
そこで今回はハイレベルな統率者戦に興味が出てきた方に向けてどんなカードやコンボが統率者戦のメタゲームを定義づけているのか見ていきましょう。「これが登場したらゲームが大きく動く!」というカードを知っておくだけでゲームを見るのが面白くなるはずです !今回は「強力な統率者のランキング」ではなく、どんな色にどんな強いカードやコンボがあるのか見ていきます!
- 2022/01/26
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- いってつ
オラクルコンボ
自身のデッキを削り切ることで勝利する《タッサの神託者》コンボ。
肝心のライブラリーを削り切る方法ですが、《Demonic Consultation》《汚れた契約》が最もシンプルな方法です。《Demonic Consultation》はライブラリーにないカードを宣言することでライブラリーのカードを全て追放でき、《汚れた契約》ではライブラリーの底まで掘り進めることができます。
すきなだけドローすることができたり、追加ターンを毎ターン得ることができるようになれば、その果てに《タッサの神託者》が待っています。
基本土地カードを1枚も採用せずに《隠遁ドルイド》の能力を起動するとライブラリーの中のカードが全て墓地に置かれます。あとは墓地から《タッサの神託者》を吊り上げてフィニッシュというわけです。
クリーチャーをサーチするカードが豊富な緑では《新生化》などで《タッサの神託者》が突然戦場に表れることもあります。
青を含む統率者デッキの多くはライブラリーを削り切り、《タッサの神託者》や《神秘を操る者、ジェイス》の能力での勝利を目指しています。一辺倒でつまらなく感じるかもしれませんが、その肝心のライブラリーを削りきる手段、そのコンボパーツを集める方法、コンボを押し通すための打ち消しに個性が現れます。
ブリーチコンボ
《死の国からの脱出》が戦場にある状態で、《ライオンの瞳のダイアモンド》から青マナ3つを作り、《思考停止》を自分を対象に唱えます。墓地に置かれたカードを「脱出」コストに当てながら《ライオンの瞳のダイアモンド》《思考停止》を繰り返し唱えることで青マナが増えていきます。墓地に落ちていくカードを脱出で唱えることもできます。
最終的にストームを稼いで対戦相手のライブラリーを削り切ってしまったり、《タッサの神託者》の能力を解決する事での勝利を目指します。
青を含まないデッキでは《思考停止》の代わりに《研磨基地》を採用、0マナのアーティファクトでループが可能です。それがマナアーティファクトならマナを増やしながらコンボパーツを探すことも可能です。
《研磨基地》で自分のライブラリーを切削、墓地から《オパールのモックス》を唱えて戦場へ。《研磨基地》がアンタップされます。《オパールのモックス》からマナを出してから《研磨基地》を起動して再び自分のライブラリーを切削します。墓地の枚数は増えていかないのである程度墓地にカードを貯めておく必要があるものの、これでライブラリーを切削し続け、コンボパーツを探すことができます。
禁止カード候補筆頭?波止場の恐喝者
《波止場の恐喝者》は統率者戦において圧倒的なマナ加速を実現する有力なカードでありながら、コンボパーツでもある強力な1枚です。
《波止場の恐喝者》が戦場に出ると対戦相手が展開しているアーティファクトとエンチャントの数だけ宝物トークンを生成し、簡単に大量のマナを生み出します。このカードが存在することで、じっくりと置物を展開していくデッキは赤いデッキが頭痛のタネになっています。
先日2月7日のCommander RC(統率者戦ルール委員会)の定例ルールアップデートでは《タッサの神託者》とともにこのカードを名指しし、「インターネットでやり玉にあがるカード」だとしています。RCの評価は「私たちが注視している統率者戦(参加したプレイヤーみんなが楽しむことを第一目標にする統率者戦を意味していると思われる)では問題ない」とのこと。つまり競技的にプレイされているハイレベルな統率者戦では「強すぎる」のかも……?
《雲石の工芸品》といったクリーチャーをバウンスできるカード、《祝福されたエミエル》といったクリーチャーをブリンクするカードと組み合わせることで無限宝物トークンに達します。
《死の国からの脱出》と並んで、統率者戦で赤い統率者を使う理由とも言えるでしょう。
理由はむかつき
自身のマナ総量を超えるマナを生み出せるマナアーティファクトや《暗黒の儀式》、《波止場の恐喝者》という存在が《むかつき》というカードの価値を押し上げています。
《むかつき》を採用したデッキではデッキのマナ総量の平均が2.0を下回り、20~30枚ほどの手札を獲得できます。黒には万能サーチも豊富なので、《むかつき》を解決することでコンボパーツと十分なマナを獲得してそのまま勝利することができてしまいます。
ゲーム開始時のライフが40点であることが《むかつき》をバグらせている理由の一つでもあります。そう、《むかつき》への対抗策は打ち消しだけではありません。対戦相手が《むかつき》を放つ前にライフを大きく削いでおけばよいのです。
黒には他にも《ボーラスの城塞》や《ネクロポーテンス》といったライフをリソースに大量のアドバンテージを獲得するカードが多く、戦場ががら空きなら《ラノワールのエルフ》でさえ黒い統率者を攻撃します。
《森の知恵》を戦場に出したなら、それもまた「殴られる理由」になります。
ウィノータ
白赤というカラーは統率者戦で最も弱い2色の組合せと言われてきました。どちらも継続的にアドバンテージを取り続けることが苦手な色だからです。しかし《軍団のまとめ役、ウィノータ》の登場がゲームを変えました。
対戦相手の行動を阻害するクリーチャーを並べたかと思えば、そこからさらに妨害クリーチャーが飛び出したり、《刃の歴史家》や《アングラスの匪賊》が一気にライフを詰めにかかります。ハイレベルな統率者戦であってもいわゆる無限コンボを用いずに勝利することができる数少ない統率者が《軍団のまとめ役、ウィノータ》です。
《軍団のまとめ役、ウィノータ》の能力を誘発させるクリーチャーがほんの2,3体でもめくれるカード次第では敗北する可能性があります。コマンダーサミットで開催される最強統率者決定戦でもよく見かける統率者で、制限時間内に見事に3人を殴り切っています。
勝利宣言
せっかくコンボパーツを揃えたのに対戦相手に打ち消されては意味がありません。これに対抗するにはこちらも打ち消しを構えるしかないのでしょうか。
いいえ、そもそも唱えさせなければいいのです。
《沈黙》を解決させてしまうと、もはや打ち消しや除去で妨害を仕掛けることは不可能になります。対戦相手がこうしたカードを繰り出してきた場合、それは半ば「勝利宣言」となってしまいます。
もちろんこうしたカードを打ち消すことで「待った」をかけることは可能ですが、これで打ち消しを1枚吐き出させることに成功しました。結果、打ち消しを吐き出しきってしまって肝心のコンボを止められなかった……なんてこともしばしばおこります。
統率者神決定戦にむけて
神決定戦で登場するであろうコンボやカードをすべて紹介することは到底できませんが、なんとな~~~~くの雰囲気が伝わりましたでしょうか。逆に普段ハイレベルな統率者戦を楽しまれている皆さんは「表層も表層」「なんの参考にもならないじゃないか」と感じたかもしれません。メタゲームブレイクダウンをお楽しみに。
当日までは環境解説&最強統率者決定戦の模様をお伝えしたカバレージ記事もご覧ください!
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晴れる屋としては初となる競技的に統率者戦で戦うイベントになりますが、ふだん競技的にマジックに打ち込んでいるプレイヤーの方もたくさん参加されるようです。いったいどんなゲームが繰り広げられるのでしょうか。ハイレベルな統率者の経験がない方にも生放送を楽しんでいただければ幸いです!
それではみなさん、トーナメントセンターでお会いしましょう!