スタンダード情報局 vol.77 -『神河:輝ける世界』環境総括-

富澤 洋平

はじめに

みなさんこんにちは。晴れる屋メディアチームの富澤です。

『神河:輝ける世界』期のスタンダードも終わりが近づくと同時に、『ニューカペナの街角』の足音が聞こえてきました。本日か明日には全カードリストが公開になるはずです。

新カードの情報をご紹介したい気持ちをグッとこらえて、今回は『神河:輝ける世界』期のスタンダードの総括をお届けします。

『神河:輝ける世界』期の振り返り

2004年以来の神河次元が舞台となった『神河:輝ける世界』ですが、当初の予想を遥かに上回る活躍を見せてくれました。週替わりで新しいアーキタイプが登場して上位に食い込む様はスタンダードが健全で多様性ある環境へと戻ったことの証明であり、デッキ構築欲を刺激してくれたのです。注目デッキとともにメタゲームの移り変わりを振り返っていきましょう。

《暁冠の日向》

暁冠の日向マグマ・オパス

前環境に引き続きオルゾフミッドレンジとイゼットドラゴンがけん引する序盤戦となりましたが、その2つのアーキタイプへ割って入る存在が現れます。《暁冠の日向》《マグマ・オパス》をキーカードに持つジェスカイオパスです。

新登場の《暁冠の日向》の能力を最大限に利用して複数の対象を取ることで《マグマ・オパス》のマナコストを大幅に引き下げます。2~3マナ程度で小型クリーチャーを一掃しつつ、マナロックとトークン生成、ドロー2枚を一挙動で成すこのコンボは、ゲームレンジが極端に異なるミッドレンジでは対処が難しかったのです。オルゾフミッドレンジに強く、さらにイゼットターンを彷彿とするカラーボードのコンボということもあり、人気を集めました。

#2aデッキ名

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ワンショットキル

しかし、ジェスカイオパスの天下も長くは続きません。エンチャントを生かしたビートダウン戦略にコンボ要素を取り入れたナヤルーンが頭角を現してきます。

樹海の自然主義者ルーン鍛えの勇者強力のルーンスカルドの決戦

中核を成すのは《樹海の自然主義者》+《ルーン鍛えの勇者》によるコスト軽減から《ルーン》の連打。横にII章の《スカルドの決戦》《気前のいい訪問者》、もしくは《無常の神》がいることで加速的に成長していきます。引いた《ルーン》の枚数にも依存しますが、気が付けばパワーが二桁を超えることもあり、インスタントの干渉手段なしには生き残れません。

《スカルドの決戦》があるため全体除去からのリカバリーも容易であり、中長期戦にも強いデッキでした。

#2aデッキ名

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同時期にジェスカイオパスから姿を変えたトレジャーギャンビットも登場します。このデッキは《黄金架のドラゴン》がいる状況で呪文を連鎖させてから《自身の誇示》を唱え、サイズアップしつつ宝物・トークンを生成します。後は攻撃するも良し、パワーが足りなければ《溺神の信奉者、リーア》で墓地の呪文を再度使いまわすも良しと猛威をふるいました。

白単アグロ

スレイベンの守護者、サリア

スタンダードは再びコンボが支配する環境へ。多くの人が《アールンドの天啓》の恐怖を思い出して嘆いたのも束の間、呪文に対して効果抜群のデッキがメタゲームのトップへと躍り出ます。《スレイベンの守護者、サリア》擁する白単アグロです。

同一ターン中に複数の呪文を唱えるコンボに対して《スレイベンの守護者、サリア》が要求する1マナは重くのしかかります。呪文を軸としたコントロールにも優秀なクリーチャーであり、強力なプレインズウォーカーである《放浪皇》を得たことで日本選手権2021 FINALを制しています。

#2aデッキ名

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あまりにもコンボ憎しと、一部のプレイヤーは《エメリアのアルコン》まで採用するほどでした。

王道のミッドレンジへ

光輝王の野心家漆月魁渡

マナカーブとテンポ、そして《スレイベンの守護者、サリア》を武器に台頭した白単アグロ。直線的な戦略ながらメタクリーチャーの存在は大きく、一時は独走状態にありました。白単アグロが有利だった理由の一つにコントロール側の構築の難しさがあげられます。アグロ以外にもミッドレンジやコンボなどカバーしなければならない範囲が広く、防御に全振りした構築では受けきれなかったのです。

ならば対抗馬となるのは攻守両面に優れたミッドレンジです。オルゾフミッドレンジ環境初期に比べてクリーチャー構成が大きく変化し、《光輝王の野心家》を採用するなど攻撃的に変化していました。受けも攻めも両刀でこなす器用な立ち回りはまさにミッドレンジの王道。オルゾフはシーズンを通して常に安定した立ち位置におり、ミラーマッチを見越して《漆月魁渡》をタッチしたエスパーミッドレンジなども登場しました。

霜剣山の製錬者鬼流の金床命取りの論争

もうひとつはラクドスサクリファイス。《霜剣山の製錬者》《鬼流の金床》などアーティファクトを生け贄に捧げてリソースへと変換するカードが増えたことで登場します。奇しくも『イニストラード:真紅の契り』で登場した血・トークンと相性抜群。地上を止めつつ《食肉鉤虐殺事件》《鬼流の金床》でチクチクとライフを攻める嫌らしいデッキでした。

#2aデッキ名

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大サクリファイス時代

鎮まらぬ大地、ヤシャーン

爆発的に増えたラクドスサクリファイスの勢いはとどまるところを知らず。対抗馬として《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》を主軸に据えたセレズニアミッドレンジが登場します。マナ加速から高速で《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》で動きを止め、後はサイズで押すクリーチャーベースのデッキでした。

しかし、ラクドスサクリファイスは死ななかったのです。《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》用に除去を増やしたこともありますが、1枚の英雄譚がこのデッキをさらなる高みへといざないます。

鏡割りの寓話鏡割りの寓話

《鏡割りの寓話》はマナ加速、ルーティング、2体のクリーチャーを1枚でこなす破格のカード。この英雄譚の登場により単なるシナジーベースのサクリファイスデッキから、リソース勝負にもより強く、さらに《鏡割りの寓話》2枚を用いた相互コピーコンボまで内蔵する仕様へと変化します。《鏡割りの寓話》は単体除去では交換枚数で損をしてしまうため、出される側は対処の難しいカードでもありました。

右も左もキキジキ

鏡割りの寓話鏡割りの寓話

環境初期には見向きもされていなかった《鏡割りの寓話》は瞬く間に広がり、スタンダードを席巻したといっても過言ではありません。ありとあらゆるデッキがアーキタイプの垣根を越えて、こぞってこの英雄譚を採用し始めたのです。そのなかでもティムールミッドレンジやナヤルーンは成功した部類のデッキといえるでしょう。

再びコンボへ

自身の誇示強力のルーン

環境の終着点、先週末に開催されたオンライン大会ではジェスカイギャンビットとナヤルーンが上位に残り、再びコンボ時代を到来を予感させています。ミッドレンジやコントロールの増加、そして白単アグロの減少はコンボ軸のデッキが望んでいたメタゲームであり、その隙を効果的に突いた形となりました。

やはりすべてはメタゲーム。この難解なパズルの解読こそが勝利への近道なのです。

#2aデッキ名

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おわりに

今回は『神河:輝ける世界』期のスタンダードの総括をお届けしました。毎週のように目まぐるしく動くメタゲームは見ていて飽きず、次から次へと登場する新しいデッキは使いがいがあるものばかりと、最初から最後まで充実したスタンダードライフだったように思います。『ニューカペナの街角』後も楽しみですね。

次回もスタンダードの情報をお届けしたいと思います。それでは!

この記事内で掲載されたカード

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富澤 洋平 晴れる屋メディアチームスタッフです。《黄金架のドラゴン》のカードパワーに圧倒される毎日です。 富澤 洋平の記事はこちら

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