はじめに
みなさんこんにちは!
現在レガシーは《甦る死滅都市、ホガーク》が一大ブームですね。
かつてはジャンドホガークやスゥルタイホガークなどが流行したこともありましたが、現在流行しているものはそれらと少し違うようです。
「レガシー探訪」第4回では、かつての《甦る死滅都市、ホガーク》を振り返りながら、現在のレガシーでどのように使われているのかを見ていきましょう!
レガシーにおける《甦る死滅都市、ホガーク》の黎明期
ジャンドホガーク
レガシーで最初に結果を出していたのは、ほとんどモダンのホガークヴァインと同じ構成のジャンドホガークでした。
異なる点といえば、マナベースがレガシー仕様になっている点と《朽ちゆくインプ》《陰謀団式療法》《憤怒》といったモダンではイリーガルなカードが採用されている点です。
基本的には《信仰無き物あさり》や《縫い師への供給者》で墓地を肥やし、墓地や手札から《墓所這い》を唱えて《復讐蔦》を誘発させたり、《恐血鬼》を「上陸」で戦場に戻して召集要員を確保するなどして《甦る死滅都市、ホガーク》を早期に唱え、ビートダウンで勝つというプランを取ります。
ビートダウンプランが完遂できない場合などは、《狂気の祭壇》と《黄泉からの橋》を絡めたコンボで対戦相手をライブラリーアウトに追い込むこともできる、ビートダウンとコンボの2軸を備えたデッキです。
- 2019/07/03
- ホガークヴァインデッキガイド~環境を支配するもの~
Jacob Nagro
スゥルタイホガーク
スゥルタイホガークも基本的なプランはジャンド型と同様ですが、《信仰無き物あさり》の代わりに《入念な研究》や《面晶体のカニ》を採用していました。特に《面晶体のカニ》のおかげで土地が戦場に出るたびに3枚切削されるため、墓地が肥える速度はジャンド型をしのぐものがありました。
ただ、《面晶体のカニ》は《甦る死滅都市、ホガーク》の「召集」要員にはできないといったデメリットが小さいながらもありました。
スゥルタイホガーク(《サテュロスの道探し》型)
マナコストは1マナ重くなるものの、墓地を最大4枚肥やせる点や、土地を手札に加えることができ《面晶体のカニ》と相性がよい点から《サテュロスの道探し》を採用している型も存在しました。
- 2020/12/03
- レガシーで甦るホガーク~デッキガイド~
Javier Dominguez
ホガークデプス
ホガークデプスはその名の通り、《甦る死滅都市、ホガーク》と《暗黒の深部》コンボを組み合わせたデッキです。
《甦る死滅都市、ホガーク》の「召集」要員として、通常のデプス系デッキでは採用されない《カルニの庭》が採用されています。
逆風の時代と新たな試み
2021年に『モダンホライゾン2』がリリースされると《甦る死滅都市、ホガーク》は苦しい立ち位置へと追いやられていきます。
《敏捷なこそ泥、ラガバン》が一世を風靡したことで環境に《カラカス》が増加、さらに《濁浪の執政》という《甦る死滅都市、ホガーク》よりも大きくなる可能性を秘め、そのうえ飛行持ちのためブロックすることもできないクリーチャーの登場は、たいへんな向かい風でした。
ディミーアホガーク(《アンデッドの執事》型)
テンポデッキで《甦る死滅都市、ホガーク》を使うという発想自体は2022年ごろからあり、後述する現在のディミーアホガークの原型ともいえるデッキはこの時点で登場していました。
ただ、墓地を肥やすためのカードは、《縫い師への供給者》と《アンデッドの執事》、スペルでは《入念な研究》もしくは《思考掃き》といった構成でした。
《アンデッドの執事》も戦場に出たときに3枚切削できますが、2マナとテンポも悪く積極的に採用したいクリーチャーとは言いにくいと思います。
またクロック面についても、《甦る死滅都市、ホガーク》に依拠するところが大きく、意欲的な構成のデッキでしたがメタ上位に食い込むことはありませんでした。
スキャムホガーク
《悲嘆》禁止前にディミーアスキャムの亜種として登場したのがスキャムホガーク。
とどのつまりは《悲嘆》+《再活性》のスキャムパッケージに《甦る死滅都市、ホガーク》が加わったデッキです。
こちらについても墓地を肥やすための能力は十分とはいえず、フィニッシャーの枠が《甦る死滅都市、ホガーク》である必然性は低かったように思います。
《甦る死滅都市、ホガーク》復活の立役者
では、そんな《甦る死滅都市、ホガーク》がここにきて息を吹き返したのはどうしてでしょうか?
すでに多くの人がご存じかとは思いますが、『リアリティ・フラクチャー』に収録されたとあるカードが大きな要因です。
それは《暗黒物質の操り手》です。《縫い師への供給者》のように戦場に出たときに3枚切削ができます。
《縫い師への供給者》と《暗黒物質の操り手》、2種8枚体制になったことで安定して序盤から墓地を肥やしやすくなりました。そのうえ、《暗黒物質の操り手》は墓地のカード7枚につきパワーが+2修整されるため、ゲーム後半に引いてもアタッカーとしての運用が可能です。
《月影》もまた、墓地を増やす過程を攻撃力に変えられるクリーチャーです。つまり、新しい構築では墓地を肥やすことが《甦る死滅都市、ホガーク》の準備であると同時に、ほかのクリーチャーを脅威に育てる行動にもなっています。
新時代の《甦る死滅都市、ホガーク》
ディミーアホガーク
ディミーアホガークは、《暗黒物質の操り手》《縫い師への供給者》で墓地を肥やしながら、《甦る死滅都市、ホガーク》を展開するデッキです。《渦まく知識》《目くらまし》《意志の力》などを採用し、早期に《甦る死滅都市、ホガーク》を出したあとも相手の行動に干渉できます。
もっとも、すべてが同一の構成というわけではなく、《思案》や《思考囲い》《致命的な一押し》《不毛の大地》などの採用枚数には差があります。
従来型との大きな違いは、2022年型と同じく《黄泉からの橋》や《狂気の祭壇》によるライブラリーアウトギミックは採用せず、打ち消し呪文でクロックを守りながら勝つ、いわゆるクロックパーミッション戦略を採用している点です。
《マネドリ》はこのデッキにおける追加の《暗黒物質の操り手》《縫い師への供給者》であり、《月影》でもあります。さらに、《意志の力》のピッチコストにもなれる貴重なブルーカウントとして、いぶし銀な活躍をみせるカードです。
ゴルガリホガーク
《暗黒物質の操り手》登場以前から存在した、ゴルガリ系のクリーチャーデッキを基盤とする型。《聖遺のワイト》や《エルフの開墾者》を使った土地の生け贄とサーチを、墓地利用と組み合わせた構築です。
《森を護る者》は土地を生け贄に捧げてクリーチャーを除去から守れるため、《甦る死滅都市、ホガーク》を戦場に残す助けになります。
ディミーアが打ち消し呪文を重視するのに対し、こちらは土地とクリーチャーの能力を活用して戦う点で違いがあります。
《マダラの鉤爪門》や《ボジューカの沼》といった土地をメインから採用しており、クレイドルコントロールの後継、あるいは亜種といった趣が強いデッキといえます。
ラクドスホガーク
除去として《稲妻》の採用、さらに「山」をコントロールしていれば自身のクリーチャーに速攻を付与できる《憤怒》が3枚も採用されており、非常に攻撃的な構成になっています。
《稲妻》で対処が難しい大型クリーチャーなどは、出来事呪文の《合同火葬》で《甦る死滅都市、ホガーク》を生け贄に捧げて対処できます。《甦る死滅都市、ホガーク》は墓地からも唱えられるので生け贄コストとしては最適ですね。また、《合同火葬》はパワーを参照するので、墓地が豊富にあればパワーに+修整の入る《暗黒物質の操り手》を生け贄に捧げてもよさそうです。
ジャンドフェニックスホガーク
従来のホガークに近いジャンド型も、《暗黒物質の操り手》を取り入れて強化されています。《黄泉からの橋》と《狂気の祭壇》のコンボを残しつつ、《夜光のフェニックス》を採用しています。飛行クリーチャーを攻防に使えるため、地上に偏りがちだった従来型とは異なる角度からプレッシャーをかけられます。
《狂気の祭壇》のみならず、《悪意の閃光》のピッチコストや《陰謀団式療法》のフラッシュバックコストでもクリーチャーを生け贄に捧げることができ、《夜光のフェニックス》の誘発条件を満たしやすい構成になっています。
《甦る死滅都市、ホガーク》をめぐる攻防
《甦る死滅都市、ホガーク》が増えれば、当然ながら対策も進みます。
代表的な墓地対策である《虚空の力線》は、墓地を肥やす戦略そのものを否定するため、《甦る死滅都市、ホガーク》にとって厄介な存在です。
また、《甦る死滅都市、ホガーク》は伝説のクリーチャーなので、《カラカス》によるバウンスが可能です。そのため《甦る死滅都市、ホガーク》を触りにくいデッキがサイドボードに《カラカス》を採用することも少なくないでしょう。
ディミーアホガーク:Eternal Weekend North America 2026入賞
実際に、11月1日~2日かけてアメリカのピッツバーグで行われた『Eternal Weekend North America』で5位に入賞したディミーアホガークを見ると、サイドボードに《カラカス》が2枚採用されており、ミラーマッチを強く意識していたことがうかがえます。
この《甦る死滅都市、ホガーク》が《甦る死滅都市、ホガーク》を対策するという構図は、現在の流行を象徴するものといえるでしょう。
おわりに
かつての《甦る死滅都市、ホガーク》は、墓地からクリーチャーを大量展開するアグロ・コンボの象徴でした。しかし現在は、ディミーアのクロックパーミッションからゴルガリ系のクリーチャーデッキまで、さまざまな構築で活躍しています。
2022年前後にはすでにディミーアホガークという試みは存在していましたが、当時は環境に定着しませんでした。それから数年を経て、《暗黒物質の操り手》という新戦力を得たことで《甦る死滅都市、ホガーク》が、再びレガシーの舞台に戻ってきました。
新しいカードの登場によって、かつて活躍したカードに違ったかたちでスポットライトがあたるのも、エターナルフォーマットであるレガシーの魅力のひとつですよね。
それではまた次回~。
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