高橋純也のデッキ予報 vol.17 -飽和する《ドロモカの命令》-

高橋 純也



 こんにちは。らっしゅです。

 いよいよ『異界月』のプレビュー祭りを迎えて、次なる新環境が気になる時期になりました。今週の連載は、先週末に行われた2つのグランプリを現環境の締めくくりとして振り返りつつ、環境終盤に登場したテクニックに注目していきたいと思います。

 現環境の登場人物については、【Kenta Hiroki】の連載をご覧ください。



【話題1】緑白に支配された環境

 ここ数週間に渡って「緑白トークン」「バントカンパニー」が強いとしか言ってこなかったので、もう耳にタコかとは思いますが、先週末の【グランプリ・台北2016】【グランプリ・ピッツバーグ2016】の上位を支配したのはまたしてもそれら2つの緑白のデッキタイプでした。

 ただ、ひとつ誤算があったとすれば、その2つがぶっちぎりで強すぎたことです。


ドロモカの命令


 緑白のデッキタイプの核となる1枚こと《ドロモカの命令》は、ピッツバーグのTop8に28枚、台北では26枚と、なんとも異様な枚数が採用されていました。最大でも32枚までと考えると、「惜しい。あと少しで最大だったな」なんて無駄な感想すら覚えるほどの活躍です。






※画像は【Magic: the Gathering 英語公式ウェブサイト】より引用させていただきました。


 さて、この図は2つのグランプリの2日目のデッキ分布になります。

 集計方法が違うので厳密な比較はできませんが、いくつか簡単な共通点は見つけられます。「緑白トークン」が最も多く、「バントカンパニー」と「白系人間」がそれに続いている。その3種類(「バントカンパニー」を分類すると4種類)のデッキタイプだけで会場の半分以上が占められている。

 これまでの連載においても近しいデッキ分布の話はしてきましたが、地球の反対側で同時開催されているにも関わらず、大型トーナメントの分布がこれほど似通うことは珍しいことです。

 「緑白トークン」が約30%、「バントカンパニー」が約20%。合計して会場の50%前後がどちらかのデッキタイプに属していたわけですが、最終的にプレーオフに進出した16のデッキのうち14はそのどちらかだった、という結果には更なる驚きがあります。数が多い上に勝率も高い、ということなのですから。

 一般的な最大勢力のデッキタイプは、より多く想定される同型のマッチアップの勝率が50%前後で落ち着くため、トーナメントを通しての平均勝率が異様に高くなることはありません。ただ、今回は「緑白トークン」と「バントカンパニー」は共に同型を除くマッチアップに不利がつくものが少なかったのでしょう。その結果、会場の分布以上の割合をTop8に送り込むことになったようです。


巨森の予見者、ニッサ


 デッキ分布の他にある面白い共通点は、《巨森の予見者、ニッサ》の使用率です。両トーナメントにおける《巨森の予見者、ニッサ》の使用率は、共にTop32において約75%と高い数値を記録しています。カードの性質上、使用枚数では《ドロモカの命令》《森の代言者》に負けますが、その圧倒的な使用率から環境の姿は朧気ながら見えてきます。

 「緑白トークン」と「バントカンパニー」らは中速同士の戦いを制するために《巨森の予見者、ニッサ》を採用し、他のデッキタイプも彼らのアドバンテージ量に対抗しようと水源を求めた結果、同様に《巨森の予見者、ニッサ》に辿り着いたという形です。

 《不屈の追跡者》《巨森の予見者、ニッサ》といった緑のアドバンテージ源は優秀で、全色を見渡しても優秀なドロー呪文が《骨読み》程度という環境においては、中速以降を戦うミッドレンジやコントロールの選択肢は自然と狭まります。


不屈の追跡者ゼンディカーの同盟者、ギデオン集合した中隊


 最終的に緑白ばかりになってしまった背景には、《集合した中隊》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》といったパワーカードの存在の他に、それを支えるアドバンテージ源の選択肢が限られていたことがありそうです。『異界月』で環境に変化がもたらされるか否かは、新たなるアドバンテージ源の在り処が鍵となってきます。



【話題2】環境を牽引する2つのデッキの最終形

 ここでは環境を支配した2つのデッキタイプの最終形を見ていきたいと思います。環境黎明期から活躍を続けてきたデッキたちはどのような姿になったのか。次の環境へと移る前にちょっと文脈を整理してみましょう。



Steve Rubin「緑白トークン」
グランプリ・ピッツバーグ2016(4位)

10 《森》
8 《平地》
4 《梢の眺望》
4 《要塞化した村》

-土地 (26)-

4 《搭載歩行機械》
2 《棲み家の防御者》
4 《森の代言者》
3 《大天使アヴァシン》
-クリーチャー (13)-
4 《ドロモカの命令》
1 《石の宣告》
2 《悲劇的な傲慢》
4 《ニッサの誓い》
2 《進化の飛躍》
4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文 (21)-
3 《ラムホルトの平和主義者》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
2 《狩猟の統率者、スーラク》
2 《保護者、リンヴァーラ》
2 《石の宣告》
2 《隔離の場》
1 《棲み家の防御者》
1 《次元の激高》

-サイドボード (15)-
hareruya



 これはピッツバーグでTop4に入賞したSteve Rubinの「緑白トークン」です。いわゆるMichael Majors型と呼ばれるもので、メインボードから《悲劇的な傲慢》《進化の飛躍》が2枚採用されています。


悲劇的な傲慢進化の飛躍


 最新の「緑白トークン」の雛形となったGerry型との違いは、2枚の《悲劇的な傲慢》です。Gerryは【先週の連載】でも紹介したように、「緑白トークン」をメインボードではプロアクティブなミッドレンジとして評価していたため、対応に回った際に活躍する《悲劇的な傲慢》の評価を低くつけていました。サイドボード後から対応するならば《次元の激高》のほうがいいとしていたくらいです。

 しかし、環境が整理されてからというもの、「バント人間カンパニー」及び「白系人間」が数を増やし、同型戦も《進化の飛躍》が一般的な選択肢となりました。このことから前提として不利な戦場を作られることを想定して、よくも悪くも柔軟な《悲劇的な傲慢》を採用する構築が許容されるようになったのです。同型戦を睨んだ《隔離の場》も試されましたが、「人間系」の展開力にも対応できる《悲劇的な傲慢》のほうが安定した選択だと言われています。



Huang Yung-ming「緑白トークン」
グランプリ・台北2016(2位)

9 《森》
7 《平地》
4 《梢の眺望》
4 《要塞化した村》
2 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地 (26)-

4 《搭載歩行機械》
1 《棲み家の防御者》
4 《森の代言者》
4 《大天使アヴァシン》

-クリーチャー (13)-
4 《ドロモカの命令》
2 《石の宣告》
2 《悲劇的な傲慢》
4 《ニッサの誓い》
1 《進化の飛躍》
4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文 (21)-
2 《棲み家の防御者》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
2 《保護者、リンヴァーラ》
2 《石の宣告》
2 《次元の激高》
2 《停滞の罠》
1 《荒野の確保》
1 《天使の粛清》
1 《進化の飛躍》

-サイドボード (15)-
hareruya



 台北で2位に入賞したHuang Yung-Mingも同型のリストでした。彼は先々週にWMCQを優勝し、先週末はグランプリ台北で準優勝と、全く同じ75枚のデッキリストで勝ち続けています。とても綺麗なデッキリストで、正直ケチの付け所が見当たりません。

 その圧倒的な成績は、彼自身のプレイスキルによるところは大きいとは思いますが、それと同じくらいに精緻なデッキリストも貢献したことでしょう。1枚単位の是非まで検討されたデッキリストは、差のつきにくい環境終盤を勝ち抜くためには欠かせません。



市川ユウキ「バントカンパニー」
グランプリ・台北2016(1位)

4 《森》
3 《平地》
1 《島》
1 《荒地》
4 《大草原の川》
3 《梢の眺望》
4 《進化する未開地》
4 《ヤヴィマヤの沿岸》
2 《伐採地の滝》

-土地 (26)-

4 《薄暮見の徴募兵》
4 《ヴリンの神童、ジェイス》
4 《森の代言者》
4 《反射魔道士》
3 《変位エルドラージ》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
4 《不屈の追跡者》

-クリーチャー (25)-
4 《ドロモカの命令》
4 《集合した中隊》
1 《オジュタイの命令》

-呪文 (9)-
4 《ラムホルトの平和主義者》
3 《否認》
3 《悲劇的な傲慢》
2 《石の宣告》
2 《オジュタイの命令》
1 《巨森の予見者、ニッサ》

-サイドボード (15)-
hareruya



 また、綺麗なデッキリストといえば台北を制した市川 ユウキの「バントカンパニー」は外せません。Brian Braun-Duinがグランプリコスタリカ2016のTop8に残った75枚のまま優勝まで駆け抜けました。先手後手差の大きい《オジュタイの命令》の是非が議論されていたリストでしたが、メイン1枚サイド2枚の原案のままとなっています。


変位エルドラージオジュタイの命令反射魔道士


 同大会の上位には多くの「バントカンパニー」が入賞していましたが、高橋 優太の土地25枚のリスト、Lee Shi Tianの《跳ねる混成体》入りのリストなど、「緑白トークン」と比較すると、まだデッキリストには若干の幅が見られます。「バント人間カンパニー」や「白系人間」など戦場のテンポを意識したデッキタイプの登場に乗じて、《跳ねる混成体》に再注目したLee Shi Tianの発想は面白いものでしたが、あと一歩及ばなかったようです。

 Brian Braun-Duinの活躍以後に数を増やした「バントカンパニー」は、爆発力はあるがムラっけもある「バント人間カンパニー」と比較されることが多く、「人間型」にはない安定性の高さを売りにしています。ピッツバーグでは「人間型」が20%に「通常型」が7%と差が見られましたが、台北ではほぼ同数とシェアは割れているようです。最終的にどちらに軍配が上がるかは話題の1つでしたが、最終盤の今となっても割れている様子を見ると、一長一短の評価のまま落ち着きそうです。

 僕個人としては、現状では「通常型」が好みです。「白系人間」を除いては中速ばかりの環境に適した速度感をもっているほか、プロツアー直後に問題視されていた「緑白トークン」とのマッチアップも大きく改善され、メインサイドの戦略ともに整理されているからです。「人間型」はシナジーを重視したデッキなので、グッドスタッフばかりのメタゲームのなかで飛び抜けたスケールを持っていますが、その分融通がきかず、サイドボード後の戦略にはまだ不安を抱えています。

 サイドボードも含めた75枚の戦略においては、「緑白トークン」と「通常型のバントカンパニー」が一際抜けた完成度を誇っています。これは他のデッキタイプとは桁が違うほどテストされたからこその完成度でもあるので、時間さえあれば他のデッキタイプから2つに匹敵するものが登場するかもしれませんが、残念ながら『異界月』の名前を聞く季節になっては時間切れでしょう。



【話題3】惜しかったデッキタイプとアイデア

 結論は”緑白系のデッキタイプが最強”で変わりないのですが、環境終盤となった今あらためて見直されている、それらに一矢報いうるデッキタイプとアイデアを紹介します。

 「緑白トークン」と「バントカンパニー」は中速同士の戦いに強く、それこそが彼らに確固たる立場を約束させました。1枚1枚を比較するような戦いでは彼らに匹敵することすら難しかったのです。そこで速度やスケールという手法で戦い始めた「白系人間」や「《謎の石の儀式》」は確かに彼らを追い詰めはしたのですが、それらは揃いもそろって「黒系コントロール」に弱いなど致命的な弱点を抱えていたため、環境を支配するデッキタイプの”天敵”ながらも極端に数を増やすようなことはありませんでした。

 しかし、環境には「黒系コントロール」に強く「緑白系」にも強いデッキタイプは残されていました。それは「緑赤ランプ」です。



Matsukasa10「緑赤ランプ」
Standard PTQ #9835703(5-1)

7 《森》
4 《山》
4 《燃えがらの林間地》
4 《獲物道》
1 《森林の地溝》
4 《荒廃した森林》

-土地 (24)-

3 《果てしなきもの》
2 《竜使いののけ者》
4 《薄暮見の徴募兵》
4 《森の代言者》
2 《エルフの幻想家》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
4 《龍王アタルカ》
1 《世界を壊すもの》
2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

-クリーチャー (24)-
4 《コジレックの帰還》
4 《ニッサの巡礼》
4 《爆発的植生》

-呪文 (12)-
4 《引き裂く流弾》
4 《ラムホルトの平和主義者》
4 《龍詞の咆哮》
3 《世界を壊すもの》

-サイドボード (15)-
hareruya



 これは「緑赤ランプ」のなかでも珍しい構成ですが、Matsukasa10はこの形の「緑赤ランプ」で先月のMOPTQを優勝しています。好成績を残している割には流行しないデッキタイプの1つです。

 ピッツバーグと台北ではデッキの分布に大きな差異は見られませんでしたが、5番手のデッキタイプに若干の違いがありました。ピッツバーグではこれまでの多くのトーナメントと同じように「黒白コントロール」が鎮座していたところ、台北では「緑赤ランプ」が顔を見せていたのです。


龍王アタルカ果てしなきもの絶え間ない飢餓、ウラモグ


 元より「緑白トークン」には強いデッキタイプだったので、再び登場するのは時間の問題とも思えましたが、得意にしていた「黒系コントロール」が数を減らしたことでなかなか現れることはありませんでした。台北では「緑白系」の流行と、環境の低速化を睨んで登場したのでしょう。はたしてTop8には1人が古典的な形の「緑赤ランプ」で入賞しました。

 この結果を成功と見るかは微妙なところですが、使用率とデッキリストの変遷を見る限りは、まだまだ伸び代を残したデッキタイプだと思います。スタンダードのローテーション・サイクルが短くなったことで、使用率の低いデッキタイプと使用率の高いデッキタイプのリストの完成度には差が生まれたようです。シーズンが短いからこそ研究されつくされないまま眠ってしまうデッキタイプはこれからも増えていくことでしょう。「緑赤ランプ」は『異界月』以後も見かける可能性のあるデッキタイプだと思うので、これからの進歩に期待したいところです。



行弘 賢「バント人間カンパニー」
グランプリ・台北2016(10位)

6 《平地》
3 《森》
1 《島》
3 《大草原の川》
2 《梢の眺望》
4 《進化する未開地》
4 《要塞化した村》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》

-土地 (25)-

4 《スレイベンの検査官》
4 《ラムホルトの平和主義者》
4 《サリアの副官》
3 《薄暮見の徴募兵》
2 《白蘭の騎士》
4 《反射魔道士》
4 《不屈の追跡者》
2 《大天使アヴァシン》

-クリーチャー (27)-
4 《ドロモカの命令》
4 《集合した中隊》

-呪文 (8)-
3 《徴税の大天使》
3 《否認》
3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
2 《棲み家の防御者》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
2 《悲劇的な傲慢》

-サイドボード (15)-
hareruya



 これは行弘 賢の「バント人間カンパニー」です。あと一歩届かず10位に終わったことは残念でしたが、彼らしい独特の発想はTop8のデッキたちに負けず劣らずの輝きをみせています。


徴税の大天使


 その輝かしいアイデアとは《徴税の大天使》です。膠着しがちな地上の戦線を突破する秘密兵器として活躍します。《大天使アヴァシン》を構えられても何のその、単純な戦闘に限れば攻守ともに最強の天使が再びスポットライトを浴びました。

 環境黎明期には《永遠の見守り》とのシナジーが評価されて「白系人間」などで姿を見ましたが、プロツアーを境に全く見かけなくなったカードの1枚です。色マナ拘束や重さがネックとされていましたが、「バント人間カンパニー」のマナベースが白基調であることに注目して抜擢されました。

 4マナ域の呪文ということで《集合した中隊》との折り合いをどうつけるかは問題ですが、今再び《徴税の大天使》が注目されたことは大きな収穫です。このテクニックが定着するかには最後まで目が離せません。



Evan Petre「緑白トークン」
グランプリ・ピッツバーグ2016(1位)

8 《森》
7 《平地》
4 《梢の眺望》
4 《要塞化した村》
2 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地 (25)-

4 《搭載歩行機械》
4 《森の代言者》
3 《ラムホルトの平和主義者》
1 《棲み家の防御者》
1 《巨森の予見者、ニッサ》
4 《大天使アヴァシン》

-クリーチャー (17)-
4 《ドロモカの命令》
2 《悲劇的な傲慢》
3 《ニッサの誓い》
1 《進化の飛躍》
4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文 (18)-
3 《死霧の猛禽》
2 《棲み家の防御者》
2 《狩猟の統率者、スーラク》
2 《石の宣告》
1 《巨森の予見者、ニッサ》
1 《優雅な鷺、シガルダ》
1 《神聖なる月光》
1 《悲劇的な傲慢》
1 《グリフの加護》
1 《停滞の罠》

-サイドボード (15)-
hareruya



 【先週の連載】でコントロール化する「緑白トークン」についての話をしましたが、その議論の際に注目されていたのが”『大変異』システム”でした。環境の低速化によって《棲み家の防御者》が活躍するようになり、それとともに《死霧の猛禽》の名前もあがったのです。


死霧の猛禽棲み家の防御者


 環境初期は《石の宣告》《反射魔道士》と「白系人間」に虐げられ、プロツアーが終われば除去系コントロールが衰退する。間の悪さから活躍する機会を逃していた《死霧の猛禽》でしたが、再びの注目を集めています。

 その理由は2つ。ひとつは《棲み家の防御者》が使われるゲーム速度になったこと。またひとつは「バント人間カンパニー」のようにサイズを強みにしたデッキタイプが登場したことで接死持ちのブロッカーに価値が生まれたからです。



Aleksa Telarov「スゥルタイコントロール」
グランプリ・ピッツバーグ2016(8位)

5 《森》
5 《沼》
1 《島》
4 《進化する未開地》
4 《風切る泥沼》
4 《ラノワールの荒原》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》
1 《伐採地の滝》

-土地 (26)-

4 《森の代言者》
2 《棲み家の防御者》
4 《不屈の追跡者》
3 《巨森の予見者、ニッサ》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
2 《ギトラグの怪物》
2 《龍王シルムガル》

-クリーチャー (19)-
4 《究極の価格》
2 《闇の掌握》
3 《破滅の道》
3 《衰滅》
3 《ニッサの誓い》

-呪文 (15)-
4 《死霧の猛禽》
3 《強迫》
2 《棲み家の防御者》
2 《死の重み》
2 《悪性の疫病》
1 《破滅の道》
1 《衰滅》

-サイドボード (15)-
hareruya



 Brad Nelsonが制作した「スゥルタイコントロール」にも同様のアイデアで採用されています。かつての違う環境では「アブザン大変異」などの原動力となった強力なパッケージでしたが、いつの間にか忘れ去られていたアイデアです。《徴税の大天使》とは境遇は違うものの、煮詰まった環境終盤になって登場するアイデアは、常識で曇ったメガネを晴らすだけの衝撃を秘めています。

 「緑赤ランプ」、《徴税の大天使》《死霧の猛禽》。表立ったものはこの3つですが、まだまだ忘れてしまったアイデアは環境に眠っていることでしょう。そろそろ新環境を迎えますが、そのちょっと前にまだ試し切れていないアイデアはないか、見直してもいいのかもしれません。



【まとめ】最後まで緑白でした

 言い訳のしようがないくらい緑と白のデッキに支配された『イニストラードを覆う影』スタンダード環境でしたが、それもあと数週間で『異界月』を迎えることでお別れです。

 ローテーション落ちはありませんが、きっと真新しい環境になるでしょう。はたして《龍王ドロモカ》の配下ばかりのスタンダード環境に青や赤のデッキは登場するのか。気になるというか、ほぼ心配に近い心境ですが、新環境には期待がかかります。

 それでは残りわずかとなった現環境を最後まで楽しみつくしましょう!また次回!



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