The Last Sun 2016もいよいよ佳境を迎えた。
古豪が意地を見せ、強豪が活躍し、新鋭が名乗りを上げたスイスラウンド全14回戦が終わった。
古今の戦士たちが密度高く邂逅する様は、グランプリでもプロツアーでも見られない独特のシチュエーションだった。
先日の【グランプリ・千葉2016】で導入されたオンラインペアリングアプリ「Smart Pairing」も活躍した。新時代を迎えた大会運営は非常にスムーズな進行となったが、ここからはこれまでと変わらず、古典的に参加者8人が勝ち抜きトーナメントにて死闘を繰り広げてゆくことになる。
この決勝トーナメント進出にわずか1勝が足りなかった者たちのなかには、市川 ユウキらを始めトップ・プロたちの姿もある。優勝の行く末を見守るべく、帰らずに残るプレイヤーたちで会場はいまだ賑やかだ。
そのなかで、晴れる屋トーナメントセンター中央にフィーチャー席が4組用意された。
1組には【BIGs】加藤 健介と【The Finals2011】王者・岡田 尚也が向かい合って座っていた。スイスラウンド4位と5位としてマッチアップが決定している。
―……両者は直前に記入した【トップ8プロフィール】用紙にて、来年のマジックへの抱負を上げている。
「楽しみながら真摯に取り組みたい」と書いた加藤。
ただ二文字、「殺意」と記した岡田。
”マジックへの姿勢”の形が違うことが感じられる一文だが、その実、「いかに真剣にマジックへ挑むのか」が彼らにとっての史上命題なのだろうか―……
互いに大規模トーナメントでのシングルエリミネーション進出経験のある者同士、気負い過ぎることなく実力を発揮することだろう。
スイスラウンド4位として上位となる加藤は、サイドボード後の展開まで含めながらフォーマット選択を悩んでいた。
スタンダードかモダンか。岡田のそれぞれのデッキリストに目を通し、また自らのリストとも照合してゆく。
やがて、時間めいっぱいをかけて「モダンで」と決定した。
互いのモダンデッキは既にカバレージ記事でも取り上げている。
- 2016/12/17
- Round 6: 長尾 泰貴(東京) vs. 岡田 尚也(長野)
- 森安 元希
岡田は《紅蓮術士の昇天》と《僧院の導師》、《氷の中の存在》を勝ち筋とする“トリコ昇天”だ。
- 2016/12/17
- Round 8: 木村 憲太(東京) vs. 加藤 健介(東京)
- 森安 元希
加藤は”普段回し慣れていない”としながら、そのデッキポテンシャルに惹かれて“ジャンド”を選択している。”ジャンド”加藤 対 “トリコ昇天”岡田の時間無制限マッチアップが決定した。
(ちなみに加藤のスタンダードデッキは”白黒ビートダウン”。岡田は”エスパービートダウン”。互いにTeir 1ではないデッキの持ちよりであり、興味深いマッチアップとなっていたかもしれない。)
Game 1
The Last Sunのシングルエリミネーションは、混合フォーマットのスイスラウンド以上に独特だ。スイスラウンド上位者は「フォーマットの選択権」を持ち、実際のゲームの先手後手はランダムで選ぶ形となる。ダイスロールの結果、岡田が先手となった。
その岡田はハンド7枚をチェックし、悩む素振りもなくマリガンを選択。リスト公開戦ということからキープ・オア・マリガンもより細密になっていくことだろう。
《花盛りの湿地》を含めた土地4
《コジレックの審問》
《ヴェールのリリアナ》
《ヴェールのリリアナ》
手札破壊の重要性を強く意識した加藤がこれをキープした。
《氷の中の存在》
《氷の中の存在》
《ギタクシア派の調査》
《彼方の映像》
《山》
《沸騰する小湖》
フィニッシュブローを決めるカードを含めた6枚をキープを宣言した岡田は、ゲーム前の占術では《魔力変》をライブラリートップに維持した。
この初手から推測できる予定の通り、後手1T目。加藤の《コジレックの審問》からゲームが開幕する。《氷の中の存在》1枚が墓地へと送られた。
先手2T目、岡田は《氷の中の存在》をプレイ。その後に《ギタクシア派の調査》をペイライフで払って氷カウンターを減らすところまでのセットプレーだ。この調査によって加藤のファースト・ドローが5枚目の土地であったことが曝される。
その後《稲妻のらせん》を引いた岡田は3T目の選択肢が広い。《彼方の映像》からの《魔力変》で赤青2色を出した。ドローした時点で手札のスペルは《稲妻》と《稲妻のらせん》、《撹乱する群れ》。
悩んだ末、《稲妻》をプレイヤーへ打つことなく、火力を溜めた。《氷の中の存在》は変身しない。既に3T目にプレイが確定している《ヴェールのリリアナ》を越えられない以上、ここでライフを攻める理由は少ないと判じていた。
勿論、《ヴェールのリリアナ》が変身前の《氷の中の存在》を生け贄に捧げさせる。ここから、岡田がメインに動くことが非常に少ない展開が続いた。
《ヴェールのリリアナ》のマイナス能力で《撹乱する群れ》を捨てた上で、《コジレックの審問》でもう1度ハンドを曝されることになる。ドローしていた《稲妻》が落ちて、ハンドは変わらず《稲妻》と《稲妻のらせん》だ。《ヴェールのリリアナ》のプラス能力が少しずつ手札を蝕んでゆく。
ハンドにある火力を《ヴェールのリリアナ》へ撃ち込まない岡田だが、これは墓地を肥やして《紅蓮術士の昇天》+《彼方の映像》のコンボ・ルートがあることも意味している。より具体的にクロックを形成してくるクリーチャーたちの展開に備え、ギリギリまで火力を保有し続けた。
岡田 尚也 |
そうしているうちに5回、ターンが往復した。
《ヴェールのリリアナ》がプラス能力で忠誠値を6にしたころ。奥義が決まるターンの前に辛うじて《僧院の導師》に辿りついた岡田が、動いた。そのまま《稲妻》をプレイし、モンクトークンを製造しながら《ヴェールのリリアナ》の忠誠値を減らす。
加藤は慌てず、《稲妻》で《僧院の導師》を焼く。《ヴェールのリリアナ》のマイナス能力でモンクトークンも退場させ、自らのリソース消費は最低限に、再び岡田の戦線を空にすると、追加で《闇の腹心》を戦場へ送り込んでいく。
一気に盤面の差がついたなか、ハンドのない岡田は”根本的な解決策”を見つけだせるのか。
トップデッキは、《稲妻》。これで即座に《闇の腹心》を焼いてカードを引かせない。
その翌翌ターンには《血清の幻視》から《紅蓮術士の昇天》を見つけた。設置までつながり、薄暗がりのなかだが、希望の一縷を探し出してゆく。
だが加藤は岡田が準備を進めるなか、《怒り狂う山峡》で2回のアタックにしており、既にライフを2にまで詰めていた。既にギルドランのショックインさえできない数値だ。
空のハンドである岡田が、”なにか”を引かなければならない状況で、ドローした。
―…ここで引いたのは―…《彼方の映像》だ。
加藤が驚く。岡田が、それ以上に驚いた。
その驚きは、綺麗に揃えられた岡田の墓地が、ちょうど20枚であることを指し示していたからだ。
1マナ3ドロー。
青最古のドローカード《Ancestral Recall》亜種の1枚として、面目躍如のトップデッキだ。
加えて、《紅蓮術士の昇天》に探索カウンターが1つ乗る。そのまま引いた《ギタクシア派の調査》をマナを払ってプレイ。探索カウンター2つ目がのる。探索が達成した。
さらに《思考掃き》を(加藤を対象にし)プレイ。加藤のライブラリーが4枚削られ、岡田のハンドが増えてゆく。
しかし、ハンドは急速に回復したが、残る浮きマナは《山》からの(赤)のみ。状況は変わらず、加藤の《怒り狂う山峡》の攻撃が通ればゲームは決まる。
―……のだが、この赤マナの存在に対し明確に《稲妻》の気配を察している加藤は、《ヴェールのリリアナ》プラス起動から、《大渦の脈動》をプレイ。《紅蓮術士の昇天》を割ってから《闇の腹心》を展開するルートを選択した。
望外に生き残った岡田が《僧院の導師》から《彼方の映像》プレイ。これまでの繰り返しの手札破壊はその痕跡を完全に消していた。
加藤 健介 |
マスクごしにわずかに加藤の吐息が漏れる。それは徒労への嘆きか。
岡田はそのまま、フェッチランド起動から《ギタクシア派の調査》プレイでハンドを更に補充してゆく。
これでライフ回復手段を持たない岡田のライフは1。クリーチャー1体のアタックもスペル1点の火力も通さない意気込みで、逆転手を模索してゆく。
盤面には、2体のモンクトークンと《僧院の導師》、タップアウトの土地。
《闇の腹心》で《タルモゴイフ》をめくった加藤は先ず《コジレックの審問》プレイからメインフェイズを始める。ハンドを見る前に「”攪乱する群れ”を落としたい」とハッキリ口にしながら。モダンでは数少ないピッチ・カウンターの存在が、加藤の警戒心を高めさせていた。
《稲妻》
《稲妻のらせん》
《稲妻のらせん》
《撹乱する群れ》
ここから宣言通り《撹乱する群れ》をディスカード。これでハンドの《終止》の見えざる制限が外れ、《僧院の導師》を焼けるようになった。
《終止》プレイののち、互いの墓地にプレインズウォーカー・カードがないことを確認後、《ヴェールのリリアナ》がマイナス起動で丁度忠誠値を0にしつつ、自らを犠牲にモンクトークン1体も生け贄に捧げさせる。
この後プレイした《タルモゴイフ》が6/7で、”3点火力2枚”では落とせない状況にしたのだ。(土地・クリーチャー・ソーサリー・インスタントの4種パッケージに加え、《思考掃き》によって《紅蓮術士の昇天》が落ちている)
そして、この巨大な《タルモゴイフ》への回答が、岡田は見つけられなかった。
加藤 1-0 岡田
岡田「いやあ、良い試合だなぁ」
加藤「あそこで”アンリコ”はなあ!」
誰より岡田本人が驚いたトップデックの《彼方の映像》からのゲームの仕切り直しは、それまでの彼のプレイングが生み出したトップデックだった。
《ヴェールのリリアナ》へ、どう干渉すべきだったかも話し合いながら次ゲームの準備が進む(メインが2戦行われるため、この地点でサイドボーディングは行われていない)。
やはり奥義を打てるようになる忠誠値6のタイミングで切り込むあそこがベストだったのだろう。と二人で話していた。
Game 2
Game 1と異なり、お互い勢いよく7枚キープを宣言。
岡田は先手の利を活かし《溢れかえる岸辺》から《神聖なる泉》ショックイン。《血清の幻視》を唱える。
加藤も順当な滑り出しだ。《花盛りの湿地》から《コジレックの審問》をプレイ。
《僧院の導師》
《稲妻》
《思考掃き》
《血清の幻視》
《彼方の映像》
《硫黄の滝》
という公開から、《僧院の導師》を抜く。
2T目、岡田《血清の幻視》プレイ。後手2T目、加藤《タルモゴイフ》プレイ。この着地時点でスペルは数枚消費されており、既に墓地のカードタイプは4種だ。
先手3T目。岡田は早々ともいえるターンで《紅蓮術士の昇天》を設置できた。これの探索が達成されれば加藤を完封することさえ可能だろう。
しかし、探索が始める前に《大渦の脈動》で《紅蓮術士の昇天》を割る加藤。エンチャントを墓地に落として《タルモゴイフ》を5/6に育てながら、ライフを削っていく。
岡田はこの劣勢に全く動揺せず、2つ目の《紅蓮術士の昇天》を設置する。そのまま《彼方の映像》、《血清の幻視》とキャントリップ呪文を続けてプレイ。ハンドを減らさず一気に探索を達成する。
これで土地をタップアウトして、ライフが10。ここから《ギタクシア派の調査》を打つかでどうかをほとんど声に出して悩む岡田。
岡田「どうしようかな」
勿論カード名を実際に出したりはしないが、能動的に動ける0マナのアクションは1種類しかない。しかしここでライフをペイ2してライフを8にすると、《タルモゴイフ》5点と《稲妻》の3点1枚で丁度負けてしまう。逆に《稲妻》がなければ《撹乱する群れ》等も含めて、リターンが大きいともいえるのだが―……
岡田「常識的に考えて、ね」
言葉少なく、思考を〆る。岡田はここで動かずターンエンドを宣言した。
明けて加藤のターン。《大渦の脈動》を《紅蓮術士の昇天》に合わせる。
岡田「このパターンが、ね」
リターンを取りにいかなかった結果かどうかはさておき、タップアウトで唯一《大渦の脈動》に対抗できるピッチ・カウンターを切る動きはない。岡田はおずおずと《紅蓮術士の昇天》を墓地に置かざるをえない。そのまま《タルモゴイフ》が岡田のライフを攻め立て続ける。
翌ターン。正式にマナを支払い、《ギタクシア派の調査》を唱える岡田。
《漁る軟泥》
《闇の腹心》
《闇の腹心》
《終止》
という加藤のハンドを確認しつつ《魔力変》から赤マナを2つ出し、《稲妻》2枚で《タルモゴイフ》を落とす。
その後、《闇の腹心》を追加する加藤。岡田、再び《稲妻》で《闇の腹心》を対処してゆく。
墓地の枚数が「21」であることを確認したあと、加藤が《漁る軟泥》をプレイ。枚数を意識していたのは、特に《彼方の映像》を無力化することを見据えたのだろうか。
しかし岡田、更にトップデックの《稲妻》でこれに応える。浮きマナ1つしかない加藤の《漁る軟泥》が耐えるすべはない。
1:1交換が続くなか、加藤が待ち遠しにしていた4マナにようやく辿りついた。
《高原の狩りの達人》プレイ。
既にほとんどの除去を打ち尽くしていていた岡田は、狼男と狼のタッグに遂に屈した。
加藤 2-0 岡田
3本目の準備が始まる。The Last Sunの決勝トーナメントはいわゆるBO5(最大5試合を行う3本先取)形式だ。メイン2戦が終わり、ここからようやく本来のサイドボーディングが行われる。
Game 1,2の”岡田が《紅蓮術士の昇天》を出し、加藤が《大渦の脈動》で割る”という動きが展開の軸となったメイン戦とは異なる戦法が、互いに介入してくる可能性が高い。
サイドボーディングにて《大爆発の魔道士》のインを悩む加藤。タッチカラーがあるためショックランドに頼る構成であり土地破壊は有用なようにもみえるが、逆に岡田のデッキに《天界の列柱》のようなミシュラ(マンランド)が採用されていない点も懸念材料だろうか。結局はインしないことを選んだようだが、果たしてどのような結果に転ぶのか。
そして、このサイドボーディング中。会場別所で開催されていた招待制イベント「ドラフトマニア」の決勝が終わり、その優勝者が発表された。
会場アナウンス「優勝は、加茂 里樹さんです!」
加藤「加茂くん、勝ってるよ(笑)」
普段から親しみ深い友の活躍を笑い、その勝利を讃える加藤。
加藤はTOP8プロフィールにて、「コミュニティを大切にしたい」とも書いていた。それが建前ではなく本心なのだろうと思わせる、友の勝利への微笑みであった。
Game 3
フォーカスは再びゲームに戻る。
後手の加藤。このマッチ幾度目となるのか、《コジレックの審問》プレイでスタートの合図を切った。
《流刑への道》
《僧院の導師》
《紅蓮術士の昇天》
《島》
《島》
《神聖なる泉》
から、《紅蓮術士の昇天》を躊躇いなく選択して捨てさせる。岡田の先手1T目のセットランドは《沸騰する小湖》であり、赤マナの供給は確保されているのだ。
《紅蓮術士の昇天》を抜かれて2T目の動きをなくした岡田はドロー・ゴーとなった。
対して、《思考囲い》で3T目の動きとなる《僧院の導師》を抜く加藤。岡田は先手先手を取られ続け、動き出せない。
加藤、勢いのままに《闇の腹心》プレイで攻勢を作り出す。
岡田は《魔力変》から《思考掃き》で墓地を肥やしつつ、《稲妻》で《闇の腹心》を即座に退場させる。
加藤は岡田にひたすらカードを消費させることを目的とするように、《闇の腹心》を再展開する。見えている《流刑への道》を釣りだすためのものだ。
岡田は《タルモゴイフ》のような高P/Tクリーチャーに備えて溜めておきたい気持ちもあったろうが、火力呪文は途切れたため、《流刑への道》を《闇の腹心》に当てざるを得ない。
そして加藤、本命の《高原の狩りの達人》を通していく。打ち消さず、除去もせず動かない岡田。
《高原の狩りの達人》が変身し、岡田のライフをガリガリとかみ砕いてゆく。
岡田は真剣な面持ちで盤面を見つめ、加藤の挙動を注力する。加藤もそれに合わせて、各種の動きを丁寧に行っていく。
この”トリコ昇天”が、一発逆転にも繋がるアドバンテージ回復の手立てを用意できるデッキタイプであることは、何よりGame 1にて加藤が実感している。隙を見せず、最後ライフを詰め切るまでは慢心しない。
岡田も、そうした加藤の真剣さに応え、良いゲームをメイクアップしようとしていた。敗けたGame 1で、相手に先んじて「良いゲームだった」と言葉にできるプレイヤーは少ない。
―…だが、悲しきかな。岡田のハンドには、無力な土地カードたちしか集まってはこない―…
加藤 3-0 岡田
岡田「メインボードが2戦なのは、厳しかった」
加藤の”ジャンド”が採用する《大渦の脈動》と《突然の衰微》、《ヴェールのリリアナ》は、岡田の”トリコ昇天”が「除去されにくい」ことを一番の採用理由とする《氷の中の存在》や《紅蓮術士の昇天》に簡単に触れる。相対的な枚数としてもほとんど変わらぬ上、手札破壊も含めて昇天側が用意するコンボが成功するパターンの幾つかは塞がれている。
加えて、序盤のアドバンテージ対決に持ち込む上でメインに4枚採用している《撹乱する群れ》はどうしても足を引っ張りかねず、本人にしてみてもこのマッチアップでは最も不要牌だったとハッキリ口にしている。
そうした相性差を感じている上でメイン戦が2回行われることには、開始前から懸念があったのだろう。
しかし、結果としてみれば「事前に予想されたデッキの相性通りにストレートでマッチが決まった」という見方もできるが、特にGame 1はどちらに転ぶともしれない展開にまでもつれこんでいたのは事実だ。
岡田は【Round6】にて練習量不足を嘆いていたが、勝ち筋を信じてドローを掘り進めていく姿には老練の風格があった。それは決してデッキの相性差に勝敗の理由を託すことなく、勝つも負けるも自らの手腕次第と言わしめるようであった。
加藤「やっぱりGame 1のあそこでの”アンリコ”が凄かったね」
岡田を征した加藤も、やはりGame 1の明確な転換タイミングとなった”岡田の《彼方の映像》トップデック”が印象的であったようだ。そして、そこから岡田に逆転を許さなかったのは加藤が隙を見せないプレイに徹したからだ。
(プレイヤーが強いのではなく)「デッキが強い」と自らを謙遜する加藤。
しかし場面場面で選択が迫られたとき、口に手指を当てながら、はたまた時に実際に目的を口に出しながら、ハッキリとした計画や意志を持って動いていることは当事者でない者たちにも空気として伝わっている。
加藤も岡田も間違いなく”強いプレイヤー”だ。ゲームスコアには見えてこないかもしれないが、ゲーム展開にはそれが反映されている。
その強い加藤が強いジャンドという最高の愛機を握り、準決勝へと駒を進めた。その対戦相手は【今期ミスターPWC】、三宅 恭平だ。
加藤 vs. 岡田にも負けず劣らず好カードとなった。
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