第4期レガシー神決定戦: 川北 史朗(東京) vs. 斉藤 伸夫(東京)

晴れる屋

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By Atsushi Ito


 2014年7月5日。

 今から1年と少し前、【第1回レガシー神決定戦】が開催された日付だ。

 その【決勝戦】で、2人は戦った。

 300人のレガシープレイヤーの頂点を決める戦い。今やシルバーレベルプロとなった瀧村 和幸やモダン挑戦者にしてエルフマスター・高野 成樹など、これ以上なく豪華な面子が揃ったトップ8で、決勝まで勝ち上がった2人。「奇跡」コントロールの同型戦。

 《精神を刻む者、ジェイス》に愛された男。

 勝ったのは川北 史朗で、負けたのは斉藤 伸夫だった。

 「神」となった川北は、それから【第2期神決定戦】では高鳥 航平【第3期神決定戦】では入江 隼からの挑戦を退け、「神」の座を守り続けた。

 そして、川北が「神」となって1年と少し経った今日。

 斉藤が、再び川北の目の前に現れた。

 もちろん2人は自分が勝てるゲーム、自分が勝てる大会を勝っただけであり、この再戦が意図して実現されたものとは思えない。

 しかしそれでも。

 川北は斉藤が挑戦者の資格を獲得する日を「待っていた」のであり、斉藤も川北が「神」であるからこそここまで勝ち上がってこれたのだ。

 そう、この邂逅はきっと必然だった。

 なぜなら。

 なぜなら良きライバルというものは、必ず惹かれあう運命にあるからだ。





 【事前のインタビュー】では「斉藤さんは私にとって間違いなくこれまでで一番厄介な挑戦者」と珍しく弱気な一面も見せた「神」・川北だが、それだけ斉藤が手ごわいということなのだろう。

 誰よりもレガシーを識る男……何せ斉藤は【近年のレガシー大会の対戦動画は大体目を通して】いるというのだ。膨大な数のレガシーのゲームを動画鑑賞で疑似体験することによって培われた経験則の連なり。それをインプットした斉藤を相手にするということは、言ってしまえば近年のレガシーの歴史すべてを相手にしているようなものだ。

 川北が「勝ちへの嗅覚」で三たび防衛を果たすのか。

 斉藤が「経験則」で「レガシー神」初の神殺しを成すのか。

 第4期神決定戦。

 いま、最後の戦いが始まった。






Game 1


 ダイスロールで先手を取った川北が《Tropical Island》から《死儀礼のシャーマン》を送り出す。一方斉藤は《Underground Sea》を置くのみ。

 この段階では斉藤のデッキはわからないが、まさか「ANT」を持ち込んでいるわけでもないだろう。小手調べにと川北が《不毛の大地》を置いて即起動。すると斉藤は青マナを浮かせ、川北が戦闘に入ろうとしたところで自分を対象に《思考掃き》をプレイ。斉藤が親友の土屋 洋紀とともにそれらしいデッキをかなり以前から調整していたことは川北も知っており、斉藤のデッキが「探査」を主軸にしたコントロールであることはどうやら間違いなさそうだ。

 そうとわかれば攻めるほかない川北は続けて第2メインに《死儀礼のシャーマン》のマナと合わせて《若き紅蓮術士》をプレイ。まだ1枚もパーマネントがない状態の斉藤は《目くらまし》の可能性も承知の上で、これを《Force of Will》を切って《Force of Will》するしかない。


若き紅蓮術士Force of Will


 ここで川北はこれを《Force of Will》返し……できない。川北の手札はこの時点で土地が多く、《Force of Will》の他には《目くらまし》はおろか青いカードが1枚もなかったのだ。虎の子の《若き紅蓮術士》はあえなく墓地に落ちる。

 こうなると川北が2枚目の《不毛の大地》すらも引いていないこともあり、どうにか最序盤の攻防をしのいだ格好となった斉藤は、3ターン目に《渦まく知識》、さらに《ギタクシア派の調査》とプレイ。川北の手札に《Force of Will》《稲妻》しかスペルがないのを確認しつつ土地をのばしにかかる。

 対して川北は引き込んだ《思案》も即座に《紅蓮破》され、毎ターンの《死儀礼のシャーマン》の能力起動で地道に墓地のカードを追放しつつ斉藤のライフを詰めることくらいしかできない。





 それでも実は斉藤も《渦まく知識》、フェッチ起動、《思案》とプレイしつつも手札を整えることしかできておらず、さらに川北が2枚目の《若き紅蓮術士》を引き込んでプレイすると、スタック《思考掃き》でも何も引き込まなかったか、今度はこれが通ってしまう。

 返すターンに斉藤も《若き紅蓮術士》をプレイするが、これは解決後に斉藤がフェッチを起動したところでスタックの《稲妻》で処理される。それでも2体目の《若き紅蓮術士》を着地させるが、既に手札は2枚、ライフは残り9点しかない。

 そして。この局面で川北のトップが値千金の《渦まく知識》

 3枚引いた手札が《秘密を掘り下げる者》《目くらまし》《Force of Will》《霧深い雨林》。どうする?


秘密を掘り下げる者目くらましForce of Will霧深い雨林


 たっぷりと時間をかけてプランを検討した川北は、《秘密を掘り下げる者》とフェッチを手札に残し、次のターンに《秘密を掘り下げる者》を「変身」させつつアップキープにライブラリをシャッフルするプランを選択する。

 そして、トークン2体分の優位ができた以上もはや役目は済んだ《若き紅蓮術士》をレッドゾーンに送り込んで斉藤の《若き紅蓮術士》と相打ちさせると、トークンのアタックと《死儀礼のシャーマン》の能力起動で斉藤のライフを残り6とし、そのまま《秘密を掘り下げる者》を戦場に送り出す。

 それでも斉藤はここで3体目の《若き紅蓮術士》の後、「川北に」《思考掃き》をプレイ。《秘密を掘り下げる者》の「変身」を防ぎにいく好プレイを見せる。

 しかし。

 しかしここで《秘密を掘り下げる者》は、さらなる秘密を掘り下げた。

 川北のライブラリトップは。


渦まく知識


 《渦まく知識》

 斉藤もやむをえず《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》に《稲妻》を当てるものの、これにより川北の《死儀礼のシャーマン》を排除する術を失ってしまい。

 2枚目の《稲妻》に辿りつけなかった斉藤は、「負けました」と宣言した。


川北 1-0 斉藤



斉藤 「この練習ね、一番やったわ。100ゲームくらいやった。統計とったもん」

川北 「こっちはしてなーいw でもプレイミスはなかったかな……いや見え見えの《紅蓮破》《思案》で突っ込んだのは良くなかったかも。それにしても、いやーいい試合だったなーもう終わりにしようぜwww」

斉藤 「いやこっからだから。メインは不利なのわかってるから。サイド後は有利だし!」

川北 「なーるほど。つまりサイド含めて有利という結論に至ったということですね?」

斉藤 「それはどうでしょう。まあでも一通り当てたけどね。無理なところは諦めてるけど。マーフォークとか土地単とか」

川北 「そうマーフォーク!読んでた? 使う選択肢あったんだよねー」

斉藤 「俺もあったよ。でも地力が弱いからやめた」

川北 「だよねー」

斉藤 「いや、良いデッキだよ? 良いデッキだけど、なんか何にでも負けない?」

川北 「そう、そういう感じ。だからやめた」


 ゲームが終わると2人は怒涛の勢いでトラッシュトークを交わし始めた。これだけでも2人がこの日の対戦をどれだけ心待ちにしていたかがわかるというものだ。

 だが、やがて次のゲームに向けて口数が少なくなってゆく。そう、ここからはメイン戦以上に複雑なサイド戦。相手のデッキには、一歩読み間違えれば一瞬で詰みかねないようなサイドカードが大量に用意されているかもしれないのだ。






Game 2


 後手の川北がマリガンながらも《死儀礼のシャーマン》を送り出したのに対し、斉藤は2ターン目に《思案》プレイからセットフェッチでターンを終える。そしてマナを構えた川北に対し、斉藤はさらにフェッチを置いてから、《仕組まれた爆薬》を「X=1」でプレイ。さらにお互いが1枚ずつ《Volcanic Island》を置き、ほとんど何事もなく川北の後手4ターン目を迎える。1ゲーム目と打って変わってお互いアクションが少ない、かなりゆっくりとした立ち上がりだ。

 だがここで川北が4枚目の土地、フェッチランドを置いて即起動すると、《渦まく知識》で仕掛けにいく。これにはスタックで斉藤の《渦まく知識》が飛び、「手札は何枚?」「4枚。」というやりとりを挟んで2人の視線と思考が交差する。熟考の末に川北はこれを通すが、手札を整理した斉藤は解決後、川北の方の《渦まく知識》には当然《紅蓮破》を当てる。

 しかし川北とて無策で突っ込んだわけではない。そのまま川北のエンド前、斉藤が立っていた2枚のうち1枚のフェッチを起動したところで、川北はスタックして《渦まく知識》をプレイ!

 2枚あるからこそ1枚目は気軽に撃ったのだ。

 そして。

 それが川北の致命傷となった。

 もう片方のフェッチを起動した斉藤がプレイしたカードは。


狼狽の嵐


 《狼狽の嵐》!!

 《渦まく知識》《渦まく知識》《紅蓮破》《渦まく知識》で「ストーム=4」はさすがにかわせず、川北の仕掛けは無為に終わる。

 ならば今度は斉藤が攻める番とばかりに、《思考掃き》プレイから、墓地のカードをまとめて追放しようとする「探査」特有の仕草。《時を越えた探索》か?

 否。


グルマグのアンコウ


 《紅蓮破》を握っていた川北に絶望を突きつける、《グルマグのアンコウ》

 あまりにも巨大すぎる5/5というサイズ。しかも《仕組まれた爆薬》《稲妻》で川北のクリーチャーはことごとく除去され、斉藤の「5点。」という声だけが響く。

 それでも《不毛の大地》起動で斉藤の《時を越えた探索》を釣りだし、スタックで《稲妻》《稲妻》《紅蓮破》と手札を全て使い切りつつも《グルマグのアンコウ》《時を越えた探索》を同時に処理した川北だったが。

 《紅蓮破》を失った川北に、続けて斉藤がプレイした《真の名の宿敵》に対処する手段は、もはや存在しないのだった。


川北 1-1 斉藤



川北 「マリガンが痛かったなぁ」

斉藤 「(バンクーバー・マリガンで)『占術』したじゃん」

川北 「ないよりはマシだけど、相手のハンドが良いとその程度では埋まらないね」

斉藤 「まあそれはそうかもね」

川北 「いやーそれにしても、楽しいねぇ」

斉藤 「うん、楽しい」


◆ 川北のサイドボード

変更なし

◆ 斉藤のサイドボード

In
1 《Force of Will》

Out
1 《ギタクシア派の調査》




Game 3


 先手で《Volcanic Island》から《秘密を掘り下げる者》を送り出した川北だったが、《若き紅蓮術士》をプレイせずに斉藤の《Underground Sea》を即座に《不毛の大地》してまで稼いだターンを使った2回のチェックを経ても、これを「変身」させることができない。逆に《思考掃き》で墓地を肥やした斉藤に、後手3ターン目に《グルマグのアンコウ》をプレイされてしまう。





 それでも3度目のチェックでようやく《時を越えた探索》をめくって「変身」させることに成功し、ドロー前に《Volcanic Island》《不毛の大地》を起動されたところで《稲妻》2枚で《グルマグのアンコウ》をも処理。一方的にクロックを定着させることに成功したかのように思われた。

 だが斉藤は2枚目の土地を置き直すとフルタップで《終止》。《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》を落とされた上に、《目くらまし》がないことも察知されてしまう。

 クロックがない上に土地が詰まっている川北は《若き紅蓮術士》を送り出すが、フルタップを確認した斉藤が返しでプレイしたのはまたしても《真の名の宿敵》

 しかもこれを突破するべく2体目の《若き紅蓮術士》を送り出したところで、斉藤の《湿地での被災》が突き刺さる!!


湿地での被災


 同じターンの《若き紅蓮術士》はトップした《目くらまし》で処理し、次のターンの2枚目の《若き紅蓮術士》《青霊破》で弾くものの、その間も3点ずつライフが減っていく。

 頼みの綱の《死儀礼のシャーマン》も即座に《稲妻》されると、やがて川北はカードを片付けた。


川北 1-2 斉藤



 これまでの神決定戦。【高鳥】【入江】も、ともにフルセットまで川北を追い詰めはしたものの、先に3本先取へのリーチをかけていたのは常に川北の方だった。

 だがここにきて初めて。「神」川北が挑戦者に先に2本目を許したのだ。

 もちろん相性差もあるだろう。傍目から見ても、この対決はサイド後なら斉藤の方が有利に見える。

 ついに。ついに第1期より君臨し続けた「レガシー神」が陥落するのか。

 運命の4本目が始まる。


◆ 川北のサイドボード

変更なし

◆ 斉藤のサイドボード

変更なし




Game 4


川北 「先手後手、実は先手の方が不利なんじゃないかなー……うーん……」

 ひとしきり悩んだ川北はしかし結局「先手で」と宣言。順調に《死儀礼のシャーマン》スタートを切ると、2ターン目にはフェッチを置いてから《渦まく知識》をプレイ、手札の密度を高める。

 さらに斉藤に《稲妻》《死儀礼のシャーマン》を焼かれた返しで《不毛の大地》《Volcanic Island》を割り、2体目の《死儀礼のシャーマン》を送り出す。そして斉藤の《思案》《紅蓮破》し、返すターンに2枚目の《不毛の大地》《Volcanic Island》をも破壊!




 頼む、土地よ止まってくれ。そんな川北の願いも空しく、斉藤はさらに《Underground Sea》をセット。土地は、止まらない。

 しかも川北が送り出した《若き紅蓮術士》《終止》で、さらに2体目も《若き紅蓮術士》プレイから《稲妻》で処理される。その間も1本目同様に《死儀礼のシャーマン》が地道に斉藤のライフを削り続けるが、ここにきて川北のドローは、3連続で土地。

 ダメ押しに斉藤の《真の名の宿敵》が、ついに降臨してしまう。

 ようやく引き込んだ《渦まく知識》《紅蓮破》で阻まれ、斉藤のフルアタックを受けてライフは川北が12点。斉藤も8点まで落ち込んでいるが、このままでは間に合わない。

 だがここで川北のトップは《グルマグのアンコウ》

 プレイすることは確定だが、5枚目の土地として《渦まく知識》用に手札に溜めていた2枚の土地のうち1枚をここで置くべきかが難しい。

斉藤 「何かアクションある?」





 長い熟慮の果てに川北は《渦まく知識》ではなく《時を越えた探索》ドローをケアするためにセットランドを選択。《グルマグのアンコウ》をプレイしてターンを返す。

 返すターンに斉藤も《思案》から《渦まく知識》へとつなげる。エレメンタル・トークンが3体になり、《真の名の宿敵》3点アタックでエンド。斉藤の手札は2枚。

 その斉藤のエンド前。フェッチを起動した川北は《Underground Sea》から2点ルーズ……に行きかけるが、シャッフルのためにライブラリを渡す手前で思いとどまる。このターン4枚ものカードを掘った斉藤が手札に抱えるカードは何か? 最悪のケースは……

 何かを察知した川北はフェッチのサーチ対象を《Tropical Island》に変更し、《死儀礼のシャーマン》の能力を「ライフゲインで」「自分の墓地のクリーチャーを対象に」起動。ライフは川北が10点、斉藤が8点。

 その解決後に斉藤は、このターン引き込んだカードを公開する。


時を越えた探索


 それは川北が察知したように《時を越えた探索》。「《溢れかえる岸辺》1枚を立たせて」のプレイ。もし《死儀礼のシャーマン》の能力を「相手の墓地のカードを対象に」起動していたら、対象としたカードを「探査」のコストに充てられて能力をかわされていたところだ。

 だがそれでも川北にとっては絶望的なことに変わりはない。トップ7枚のうちの2枚。そこに《紅蓮破》《赤霊破》でもあればほぼ絶望だ。《稲妻》でも厳しい。そしてこのゲームは、絶対に落としてはいけない1ゲームだったのだ。そのゲームが、今実質的に終局を迎えようとしている。

 ライフ8点の斉藤が手札3枚を抱えながらターンを返し。

 川北のドローは《時を越えた探索》。しかし斉藤の《時を越えた探索》が解決した直後というこのタイミング、何という間の悪さ。《溢れかえる岸辺》が立っている以上、この《時を越えた探索》が通ることは99%ない。それが川北の経験則だった。

 それでも、1%でも可能性があるのならば。

 川北はフェッチ起動後、全ての墓地をリムーブして《時を越えた探索》をプレイ!

斉藤 「どうぞ」

 どうぞ?

 斉藤の残りマナは《溢れかえる岸辺》のみ。

 なら《狼狽の嵐》か。あるいは《青霊破》か? だが今さら後には退けない。もしかしたら、斉藤は本当に何も持っていないのかもしれない。ならば、この7枚で《稲妻》2枚を見つければ勝ちだ。7枚を見る。頼む!

 7枚の中には、《稲妻》《思案》《目くらまし》《狼狽の嵐》。2枚目の《稲妻》は、見つからない。

川北 「負けかねー、これは」

 そう言いながらも一応《思案》《稲妻》をもらう。前のターンにセットしておいた5枚目の土地のおかげで、マナは足りている。《思案》を撃っても、まだ3マナは残る。《死儀礼のシャーマン》の能力と合わせて、ちょうど8点。

 お願いだ、2枚目の《稲妻》

 プレイ《思案》。3枚は、《ギタクシア派の調査》《ギタクシア派の調査》《時を越えた探索》

 シャッフル。

 そのワンドローで。


稲妻


斉藤 「……負けました」

 1%。

 川北が勝利を、引き寄せた。


川北 2-2 斉藤



川北 「これはノッたでしょ!さすが、勝ちへの執念!」

 絶対負けたと思った場面で、1%を拾った奇跡のようなトップデッキ。興奮が収まらない川北だが、勝負はまだ終わっていない。決着の5本目が残っている。

 だが誰よりも動揺していたのは、実は斉藤の側だった。

 実はこのゲーム、斉藤が最後の最後で致命的なミスを犯していたのだ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 斉藤の最後の《時を越えた探索》。場には《島》《Underground Sea》《Volcanic Island》《Volcanic Island》《溢れかえる岸辺》があり、《思案》《渦まく知識》からプレイして残り《Underground Sea》《Volcanic Island》《溢れかえる岸辺》

 ライフは8点。ここから斉藤のエンド前、川北の《死儀礼のシャーマン》の「ライフゲイン」能力の解決後に、《紅蓮破》用に《溢れかえる岸辺》を立たせて《Underground Sea》《Volcanic Island》から《時を越えた探索》をプレイした。

 しかしこの時点で、斉藤のライブラリーには《Volcanic Island》が存在しなかったのだ。


Volcanic Island


 だから斉藤は手札に《紅蓮破》があったにも関わらず、川北がラストターンにトップした《時を越えた探索》に蓋をすることができなかった。

 ゲームの最序盤、事故勝ちを目論んだ川北が斉藤の《Volcanic Island》《不毛の大地》で2枚とも割っていた。斉藤はそのことを失念し、《Volcanic Island》を立たせずに《時を越えた探索》をプレイしてしまった。

 川北が《死儀礼のシャーマン》の能力を「ライフゲイン」で起動した時点で、斉藤のライフが8でも7でもいずれにせよ《稲妻》2枚が必要なことに変わりはない。だからその段階で《溢れかえる岸辺》を起動し、《Underground Sea》をサーチしてから《Volcanic Island》を立たせて《時を越えた探索》を撃っていたなら、勝負はまだわからなかった。いやむしろ《時を越えた探索》の分だけ、斉藤が有利だっただろう。

 しかし現実にはそうはならず、斉藤は自ら隙を作りだし、そして川北にその隙を突かれたトップデッキでこの4ゲーム目を、勝てたであろう4ゲーム目を落としてしまった。

 その事実が、斉藤の心を激しく動揺させた。


◆ 川北のサイドボード

変更なし

◆ 斉藤のサイドボード

In
1 《対抗呪文》

Out
1 《ギタクシア派の調査》




Game 5


 その結果。斉藤は極めてリスキーな7枚をキープしてしまう。


溢れかえる岸辺紅蓮破赤霊破稲妻
仕組まれた爆薬仕組まれた爆薬真の名の宿敵


 普段の斉藤ならマリガンできたはずの初手だが、4ゲーム目のミスから立ち直れなかった斉藤はキープを宣言。川北の初動《思案》を秒で《赤霊破》して出鼻を挫くものの、2枚目の土地が置けない。

 そして川北の2ターン目《若き紅蓮術士》への《稲妻》《目くらまし》されてしまう。

 なおも土地が引けない斉藤。続く川北の《思案》《紅蓮破》した返しでようやく土地を引き込むが、既に川北の場には《若き紅蓮術士》とエレメンタル・トークンが2体。

 《仕組まれた爆薬》を「X=0」で起動して耐えようとするものの、トークンを生み出す元を絶たなければ焼け石に水だ。





 意を決してメインで《時を越えた探索》をプレイするも、そこにダメ押しの《目くらまし》が突き刺さる。

 そして冷静にダメージを計算した川北が《稲妻》を本体に撃ちこむと、斉藤の2枚目の《仕組まれた爆薬》による粘りも空しく、《若き紅蓮術士》が斉藤のライフを削りきった。


川北 3-2 斉藤



斉藤 「ミスったー。100回やって《Volcanic Island》4枚使いきるなんて一度もなかったんだけど、まさか起こるとは……」

川北 「わかったことがある!結論としてこのマッチ、後手番の方が有利じゃない?」

斉藤 「いやそっちは先手の方がいいしこっちは後手の方がデッキ的にはいいんだけど、そっちの先手が良すぎるから仕方なくこっちが先手とる感じじゃない?」

 戦いが終わった後、今度は2人の検討が始まる。プレイングについて。サイドボードについて。

 議論を交わし、努力を続けてきたからこそ、2人の今がある。川北も斉藤も、まだまだ強くなる。

 とりあえず今回の「神決定戦」は、川北の勝利に終わった。だが。

斉藤 「いや、でも絶対もう1回来るからね?」

川北 「うん、知ってる。斉藤くんが来るまで守ってるよ」

 第5期か第6期か。2人の再戦は、もしかしたらそう遠くないかもしれない。





 第4期レガシー神決定戦、勝者は川北 史朗(東京)!

 「レガシー神」防衛成功おめでとう!!




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