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皆さんお久しぶりです。らっしゅです。
特大の国内イベント【グランプリ・名古屋2016】が先週末に閉幕したばかりですが、その余韻も冷めやらぬなか、今週末の2月5日~7日には、アメリカ合衆国のアトランタにて【プロツアー『ゲートウォッチの誓い』】が開催されます。
プロツアーとはなんぞや?などイベントの概要については、リンク先の公式ページで丁寧に紹介されているので、是非ともそちらから御覧ください。注目のトピックをまとめたテキストのカバレージに、豪華実況解説付きの日本語生放送も用意されています。MTGファンならば誰でも楽しい時間を過ごせると思うのでお楽しみに!
ただ、日本時間だとちょっと夜の深い時間に放送されるため、観戦される方は、楽しむあまりに体調を崩されぬようにお気をつけ下さい。
さあ、あとは開幕する金曜日23:00を待つだけです。
前回の【プロツアー『戦乱のゼンディカー』】に引き続く日本代表の大活躍に期待しましょう!頑張れ日本!
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と、ここまでは【プロツアー『ゲートウォッチの誓い』】のイベント・ガイドでした。【公式の紹介記事】によくまとまっているため、もう少し詳しく知りたい方はそちらを御覧ください。
それでは、いよいよ本題に入りましょう。
テーマはズバリ、【プロツアー『ゲートウォッチの誓い』】で採用された構築フォーマットである“モダン”!禁止制限リストの更新で激変する環境について、いくつかのトピックを紹介します。
プロツアーを観戦するちょっと前に、現環境の予習をしてみませんか?
■ 1. 《欠片の双子》と《花盛りの夏》が禁止された影響
・禁止された背景にある「多様性」について
普段からモダンに触れている方も、そうでない方も、今年に入って最初の【禁止制限リストの更新】はなかなかに衝撃的だったのではないのでしょうか?
《花盛りの夏》については、公式の声明以上に的確な解説はありません。マナが早いターンに出すぎる。これに尽きるでしょう。今回の【プロツアー『ゲートウォッチの誓い』】がモダンで開催されることが決まった段階で【アミュレットブルーム】を使う予定だと宣言するプレイヤーも多かったことですし、羽目を外しすぎたカードとして避けられない結末だったと思います。
さて、残る《欠片の双子》の禁止については、国内外問わずして、何かと物議を醸しました。これは公式の声明のなかで、フォーマットの多様性を損ねるカードだから禁止した、と説明されたからです。
しかし、Pauro Vitor Damo da Rosaが【Why the Twin Ban Was a Mistake】のなかで熱心に語っているように、【双子】は決して環境の多様性を損なわせるほど支配的なデッキだったわけではありませんでした。昨年の【プロツアー『運命再編』】はAntonio Del Moran Leonの「双子」が優勝したものの、トーナメント上の存在率はたったの4%しかなく、一昨年の【プロツアー『神々の軍勢』】では11%のシェアを持っていたことを思うと、むしろ支配性を失っている傾向にあったといえます。
直近のオープントーナメントである【グランプリ・ピッツバーグ2015】では7.5%のシェアを持っていましたが、10.5%の「親和」、9%の「ジャンド」が上に控えており、これもまた「双子」が突出したデッキではないことを後押ししています。
メタゲーム上で10%未満のシェアしか持たないデッキがどうして環境の多様性を損ねるのか。この謎の鍵は、Adrian Sullivanが【In Defence Of The Splinter Twin Ban】のなかで簡単に説明してくれています。
要約すると、除去や妨害手段の取捨選択や《呪文滑り》など、「双子」を意識することが環境の大前提となりつつあり、結果としてデッキ構築や戦略の幅を狭めるから。
デッキ分布の観点からは「双子」というデッキの影響は10%未満でしたが、実際に「双子」がモダン環境全体に与えている影響は大きく、他のデッキの構成、あるいは「青赤系」の構成の自由度に歯止めをかけている、ということです。
2011年にモダンというフォーマットが制定されてから、「青赤系」のなかで「双子」がシェアを譲ったのはたったの1回、それも悪名高き《宝船の巡航》入りの「青赤《秘密を掘り下げる者》」が流行した2ヶ月間だけでした。最近では「双子なし双子」とも形容される、「双子」のサイドボード後のような「青赤黒コントロール」なども登場していましたが、それのアイデンティティすら「双子」対策が効かない「青赤系」という点にあったことからも、「双子」の存在は無視できないほどに膨張していたようです。
これらのことから「双子」はデッキ構築や戦略の多様性を損ねている可能性があるため、その意味では、《欠片の双子》は禁止されて然るべきだったのかもしれません。
・「双子」が守っていた多様性について
個人的な感想を言うと、《花盛りの夏》は然るべき結果、《欠片の双子》についてはかなり挑戦的な禁止制定だったと思います。挑戦的というとやや誤解を招くかもしれませんが、僕は少なくとも「双子」がモダン環境に歯止めをかけて”くれていた”と考えているからです。
遡ること2011年の夏。それはモダン環境が制定されて間もない日々。プロプレイヤーたちにとって、モダン環境はとても簡単なフォーマットでした。
なぜならレガシー環境にある《Force of Will》のようなストッパーがないため、誰よりも早いデッキを構築すればよかったからです。早いデッキとは、つまるところコンボデッキのような「ソリティア」=一人回し系デッキのこと。「感染」「ストーム」「親和」を筆頭に、禁止されていないカードプールのなかで、最強のソリティアデッキを探す研究が始まりました。
そして、想像に違わずプロツアー本戦も最速を競う荒れ模様となりました。ただ、その大会を制したのは、【Samuele Estrattiの「双子」】と、【Channel Fireball謹製の「Counter Cats」】だったのです。「双子」はコンボデッキといえばコンボデッキですが、ただ最速を狙ったものではなく、ソリティアデッキを阻害する十分な対応力を持ち合わせた”一手遅いコンボデッキ”として活躍しました。
周囲が最速を競うなか、「妨害+α」の構成を優先したことは革命でした。好成績を残した「Counter Cats」も同様のコンセプトで構築され、圧倒的な対応力と安定性を誇っていました。すべてがZooになる。そんな冗談が飛び交うなか、危険そうなあらゆる最速コンボは禁止され、《野生のナカティル》と《緑の太陽の頂点》も禁止カードとなり、これまでとは大きく様変わりした、ゆったりとしたモダン環境がはじまったのです。
この昔話は、ただの回顧録ではありません。それからというもの、2011年からの4~5年間にはあらゆる危険な最速ソリティアデッキが登場してきました。「無色トロン」「グリセルショール」「感染」「バーン」はその類のものです。しかし、それらの多くは、かつてソリティアが「双子」に敗北したように、またしても「双子」の前に屈していきました。
《払拭》や《呪文貫き》、《稲妻》+《瞬唱の魔道士》。細かな妨害で初速を殺され、長引くかと思うやいなやコンボで瞬殺されるといった具合です。ソリティア系にとって「双子」は滅法苦手とするデッキタイプだったのです。
相変わらずモダン環境には《Force of Will》はありません。つまり、基本的にはやったもん勝ちの速度勝負の世界観なのですが、そのなかでソリティア系が極端に幅を利かせない理由は、「双子」というソリティア殺しが常に存在したからです。
ソリティア←双子←緑黒系など←ソリティア……
この構図がここ数年のモダン環境の姿です。そして、今回の禁止制限リストの更新により、「双子」というストッパーが外されます。このことで、これまで押さえつけられていたソリティア系が溢れ出るだけの結果になってしまわないのだろうか。これこそが今回の禁止改定が挑戦的な変更だと思う理由、最大の懸念点です。
「双子」が制限していた戦略的な多様性もあれば、「双子」がいたからこそ担保されていた多様性もあるのではないか、と思わせる内容ではないでしょうか。
■ 2. プロツアー『ゲートウォッチの誓い』の環境とは?
・解き放たれたソリティア
それでは、いよいよ【プロツアー『ゲートウォッチの誓い』】の舞台となる環境についての話を始めましょう。やや重苦しい前置きだったかもしれませんが、「ただ《欠片の双子》が禁止されただけ」というわけではないということはご理解いただけたかと思います。
さあ、話を引き継いで、「双子」が去ったことで何が起こるかについて、改めて整理してみましょう。
◆ 「双子」が去ったことで何が起こるか?
一:「双子」対策のカードの使用率が下がる
二:「双子」に強かった「緑黒系」の強みが減る
三:「双子」という戦略に抑えられていた「青赤系」が登場する
四:「双子」に抑えられていたソリティア系デッキが台頭する
一:「双子」対策のカードの使用率が下がる
二:「双子」に強かった「緑黒系」の強みが減る
三:「双子」という戦略に抑えられていた「青赤系」が登場する
四:「双子」に抑えられていたソリティア系デッキが台頭する
主なるものは、ここらでしょうか。とりあえず「双子」を中心とした一次の変化をまとめました。変化は変化を呼ぶので、二次的なものは後々扱うことにします。
一は、当然の変化ですね。いなくなったデッキを警戒しても仕方がありません。
二は、《突然の衰微》や《ヴェールのリリアナ》など、ただ優秀であることに加えて「双子」とのマッチアップで強力だったいくつかのカードの価値が下がるからです。とはいえ、「緑黒系」も柔軟な構造をしているため、かつての「Counter Cats」のような変化に期待できます。
三は、「青赤系コンボ」だと《集団意識》や《吹き荒れる潜在能力》、《裂け目の突破》、《風景の変容》などでしょうか。どれも「双子」と比較すると重く、コンボ専用のカードでデッキが占められている点が苦しいところです。一方、《瞬唱の魔道士》+《稲妻》をフィーチャーした「青赤系テンポ」には期待できそうです。
四は、特に大きな変化となるでしょう。「バーン」「感染」「トロン」「オーラ」など、ただ自身の速度だけを求めたデッキたちです。「Counter Cats」は去り、「双子」も去った今、天敵である妨害+αを高水準で満たすデッキは限られています。ひとまず「双子」が去ったことで、これらはぐっと数を増やすことでしょう。
ここではそんな「ソリティア」のサンプルデッキをちょっとばかり紹介します。
2 《森》
1 《島》 1 《ヤヴィマヤの沿岸》 4 《ウルザの塔》 4 《ウルザの魔力炉》 4 《ウルザの鉱山》 4 《幽霊街》 1 《ウギンの目》 -土地(21)- 2 《呪文滑り》 4 《白金の天使》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(8)- |
3 《否定の契約》 4 《古きものの活性》 4 《森の占術》 1 《探検》 2 《全ては塵》 4 《彩色の星》 4 《彩色の宝球》 4 《探検の地図》 2 《忘却石》 4 《解放された者、カーン》 -呪文(32)- |
コンボデッキを筆頭としたソリティアが増えるので、それに強い構成の「ソリティア殺しのソリティア」、《白金の天使》型の「無色トロン」です。《白金の天使》に触れるカードが環境から少なくなるほど強力で、「双子」が減った、ソリティアの増加、という2つの観点からも活躍に期待できます。
2 《山》
3 《聖なる鋳造所》 2 《踏み鳴らされる地》 4 《乾燥台地》 3 《樹木茂る山麓》 4 《沸騰する小湖》 2 《銅線の地溝》 -土地(20)- 4 《野生のナカティル》 4 《ゴブリンの先達》 4 《僧院の速槍》 2 《渋面の溶岩使い》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(18)- |
4 《稲妻》
4 《溶岩の撃ち込み》 4 《アタルカの命令》 4 《ボロスの魔除け》 2 《焼尽の猛火》 4 《裂け目の稲妻》 -呪文(22)- |
とてもシンプルな構成の「バーン」です。同系や速度勝負には愚直に挑むしかないものの、まともに戦うデッキに対しては無類の強さを発揮します。昨年の【プロツアー『運命再編』】においても人気のアーキタイプであったため、今回もそれなりの使用者がいるでしょう。
1 《島》 1 《山》 1 《沼》 1 《血の墓所》 1 《蒸気孔》 1 《湿った墓》 4 《沸騰する小湖》 3 《汚染された三角州》 2 《血染めのぬかるみ》 2 《黒割れの崖》 1 《闇滑りの岸》 -土地(18)- 4 《猿人の指導霊》 4 《グリセルブランド》 2 《怒れる腹音鳴らし》 4 《世界棘のワーム》 -クリーチャー(14)- |
4 《血清の幻視》 4 《信仰無き物あさり》 4 《御霊の復讐》 4 《滋養の群れ》 3 《夜の囁き》 2 《捨て身の儀式》 2 《イゼットの魔除け》 1 《魔力変》 4 《裂け目の突破》 -呪文(28)- |
3 《否定の契約》 2 《コジレックの審問》 2 《突然のショック》 2 《紅蓮地獄》 2 《苦い真理》 2 《粉砕の嵐》 1 《引き裂く流弾》 1 《すべてを護るもの、母聖樹》 -サイドボード(15)- |
仮に次回の禁止制限リストの更新があるならば、その筆頭候補に挙げられること必至の《御霊の復讐》を使ったコンボデッキです。《ヴリンの神童、ジェイス》を使用した形などもありますが、このコンボ特化の形が一般的でしょう。《信仰無き物あさり》や《猿人の指導霊》を引かないと困ってしまいますが、そこらを引けば環境最速と名高いデッキです。
《裂け目の突破》や《御霊の復讐》など「双子」に弱いカードを軸にしたコンボデッキだったため、「双子」なき今は要注意のデッキだといえます。
・ソリティアを狙い撃つための”α”を探せ
こうして《欠片の双子》が禁止されたことで、多くのソリティアデッキの台頭が予想されることがわかりました。上に載せたサンプル以外にも、「感染」や「親和」や「オーラ」や「ストーム」など、強力なソリティアデッキはいくらでも存在します。
ただ、このままソリティアが勝ちきるかというと、おそらくプロツアーレベルのトーナメントならばそう簡単にはいきません。人気を集めるであろう「バーン」や「感染」や「《御霊の復讐》」には、必ずや対抗戦略が用意されるでしょう。
特に「バーン」と「感染」の双方に有利な「青白赤系」は、今大会で注目すべきデッキになりそうです。《稲妻》と《流刑への道》は高速化する環境では頼もしく、《瞬唱の魔道士》との噛みあわせも加味すると100点満点の妨害手段といえます。
また、「青白赤系」はテンポもコントロールも、更には《修復の天使》+《鏡割りのキキジキ》や《ジェスカイの隆盛》なんて構成もあるほどに幅広い構築が存在します。よく言えば柔軟性が高い、悪く言うと中途半端なコンセプトを持っているため、ソリティアの台頭で高速化する環境に沿った構成を見つけられるかが焦点となりそうです。
《ヴリンの神童、ジェイス》を加えた形や、白ではなく黒を妨害手段として採用してもいいでしょう。「バーン」への意識の配分によっては黒に軍配が上がることもありそうです。
結局のところ、ソリティア系のデッキを倒すには、かつての「Counter Cats」や「双子」に倣って、「妨害+α」の構成を目指すことが最善策となります。でも、αのお手軽な選択肢だった《欠片の双子》や《緑の太陽の頂点》は今やありません。
妨害して生まれた隙に、いかに早く勝利を引き寄せるのか。《僧院の導師》《タルモゴイフ》《聖トラフトの霊》《黄金牙、タシグル》など、単体のクリーチャーだけでもαの候補はこれほどあります。
強力なソリティアデッキを前に、相手の攻撃をすべて受け流すことなどできません。妨害で稼いだ数ターンの間に勝利できる最適なαを探すこと。これこそが今大会において、ソリティアではないデッキに課せられたテーマなのです。
・『ゲートウォッチの誓い』からの刺客
こうして「ソリティア」 vs 「妨害+α」の図式が見えてきました。
このまままとめに進んでもいいのですが、ちょっとその前に、『ゲートウォッチの誓い』によって生まれたアーキタイプを紹介したいと思います。
1 《山》 4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 4 《硫黄泉》 2 《魂の洞窟》 2 《変わり谷》 4 《エルドラージの寺院》 4 《ウギンの目》 -土地(21)- 4 《果てしなきもの》 4 《エルドラージのミミック》 4 《棘撃ちドローン》 4 《作り変えるもの》 4 《威圧ドローン》 4 《猿人の指導霊》 1 《エルドラージの寸借者》 4 《難題の予見者》 4 《現実を砕くもの》 -クリーチャー(33)- |
3 《四肢切断》
3 《虚空の杯》 -呪文(6)- |
見た通り「エルドラージ」です。以前から《ウギンの目》と《エルドラージの寺院》を使用した【黒系エルドラージ】なるデッキはあったのですが、それは《忘却蒔き》や《不毛の地の絞殺者》といった昇華者をフィーチャーしたものでした。それが強かったのかというと、そこそこという評価が下されており、今回の『ゲートウォッチの誓い』での強化が待ち望まれていました。
しかし、『ゲートウォッチの誓い』で登場したエルドラージは、これまでの昇華者のようにアドバンテージを生み出すというよりも、ただただ優秀な攻撃クリーチャーが多く、純粋に強化されたとは言いがたいものだったのです。
様々な形を触ってみたのですが、「手札破壊+昇華者」はただただ遅く、「手札破壊+攻撃」はマナベースの都合で不安定な動きが多く、最終的には色マナを使用する呪文を頼らないほうがいい、という結論に至ったのでした。
そして、速度を追求して《猿人の指導霊》を採用し、1マナの呪文がないことを強みへと変えるために《虚空の杯》も加えました。《虚空の杯》は、あらゆるソリティアデッキへの対策でありながら、それ以外のデッキの妨害呪文の大部分を無効化する素晴らしい1枚です。
2 《草むした墓》 4 《ラノワールの荒原》 2 《黄昏のぬかるみ》 4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 4 《氷の橋、天戸》 4 《エルドラージの寺院》 4 《ウギンの目》 -土地(24)- 4 《タルモゴイフ》 4 《作り変えるもの》 4 《難題の予見者》 4 《現実を砕くもの》 -クリーチャー(16)- |
4 《コジレックの審問》 4 《思考囲い》 4 《古きものの活性》 2 《見栄え損ない》 2 《四肢切断》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(20)- |
3 《原基の印章》 2 《大爆発の魔道士》 2 《部族養い》 2 《鞭打つ触手》 2 《魂の裏切りの夜》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《見栄え損ない》 1 《破滅の刃》 -サイドボード(15)- |
こちらは「緑黒系」にエルドラージのパッケージを加えた一風変わったデッキです。「手札破壊+攻撃」のコンセプトを綺麗にまとめた見事な構成には驚きました。依然として色マナは厳しいとは思いますが、手札破壊+《タルモゴイフ》はモダン環境でも屈指のコンビなので、無理を通してでも採用したいところです。
スタンダードならまだしもモダンなので、最新カードセットがもたらす影響は大きくないものの、「エルドラージ」がプロツアーでも通用するのかは、一つのトピックとなりそうです。《難題の予見者》は1枚で「妨害+α」をこなすスーパーカードなので、今回の「ソリティア」 vs 「妨害+α」という構図に絡む余地は多分にあるでしょう。
■ 3. まとめ
以上が、禁止制限リストの更新以降のモダン環境の情勢になります。
基本的には、「双子」が去ったことでソリティア系のデッキが台頭し、それらにどう対抗するのか、が焦点となるプロツアーになるでしょう。
キーワードは、記事内で幾度も登場した「妨害+α」です。
妨害なくしてはソリティアに負けてしまい、αという勝利手段がなければ、いたずらにゲームを長引かせるだけ。かつては《野生のナカティル》や《欠片の双子》が担っていた「速やかに勝利する手段=α」を見つけることが参加者の課題です。
トッププロたちは最適なαを見つけることはできるのでしょうか?
それともソリティアが世界を制するのでしょうか?
今週末は日本勢を応援するとともに、この課題の解答も一緒に見届けましょう。新たなるモダン環境を牽引するデッキに注目です。
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