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こんにちは、井川です。
【グランプリ・名古屋2016】→【プロツアー『ゲートウォッチの誓い』】と連戦してきたので、今回はそのレポートをまとめてお届けします。
■ グランプリ・名古屋2016
少し時間が空いてしまったのと、リミテッドということで簡易で。
◎Day1
初日のシールドは2Bye明け4連勝で6-0!からの3連敗でトータル6-3。
去年までなら初日落ちだったので、新ルール様様といったところでしょうか。
賞金の目はかなり低いですが、X-3でプロポイント3点、X-4で2点、X-5でも1点もらえるので、翌日のドラフトは頑張りたいところ。
今日の地味デッキ。6-3(2bye)。 pic.twitter.com/BPwDBT5Za2
— Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) 2016, 1月 30
◎Day2
1stドラフトは確か1-1《巨岩投下》から始まり、1-2で「これからなら決め打ちしてもいい」とあんちゃんから教わっていた《鞭打ちドローン》取って赤黒欠色に一直線。
下家の石原さんに白黒同盟者のカードをだだ流しつつ赤黒をガメていると、2パック目で
2-1《ゴブリンの闇住まい》
2-2《ヴァラクートの暴君》
2-3《エルドラージの寸借者》
と大フィーバー。
これは3-0いける!と思ったものの、2-0対決で石原さんの白黒同盟者に《石鍛冶の傑作》無双されて負け。
協調しすぎても負ける。ドラフトってそういうゲームでしたね。2-1。
石原さんに負けて8-4。3-0したかったな。黒のレイズデッドは入れるべきだった。構築ミス。 pic.twitter.com/i0gcMY6s2x
— Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) 2016, 1月 31
2ndドラフトも1-1《ゲトの裏切り者、カリタス》で小躍りしながら1-2《鞭打ちドローン》で一直線。
2戦目で対面だった超強い白赤同盟者にフラッドで敗れてしまい、2-1。
最後勝って2-1。トータル10-5、PP1点でフィニッシュ。どっちもデッキ強かったから、ドラフトでもう1勝したかったな。 pic.twitter.com/lYRD3R1STs
— Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) 2016, 1月 31
トータル10-5で賞金こそありませんが、なんとかPP1点獲得。
☆今シーズンのPP 10点→11点
■ プロツアー『ゲートウォッチの誓い』
◎使用したデッキと結果
今回のメタゲームはバーン・親和がトップメタ、その下は感染、Zoo、ジャンド、グリセルシュート、マーフォーク、トロン、カンパニーetc.など多数のアーキタイプが混在しているだろうと考えました。
また、自分自身は強いエルドラージを作れなかったのですが、海外のチームはきっと作り上げてきて多数でシェアしてくるだろうとも思っていました。
強いエルドラージが作れなかった段階で、メタられているのは重々承知でバーンを使うことを決めました。
2 《山》
2 《聖なる鋳造所》 2 《踏み鳴らされる地》 4 《乾燥台地》 4 《樹木茂る山麓》 3 《沸騰する小湖》 3 《銅線の地溝》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの先達》 4 《僧院の速槍》 4 《野生のナカティル》 1 《渋面の溶岩使い》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(17)- |
4 《溶岩の撃ち込み》
4 《稲妻》 4 《アタルカの命令》 4 《ボロスの魔除け》 4 《焼尽の猛火》 3 《裂け目の稲妻》 -呪文(23)- |
4 《破壊的な享楽》
3 《タルモゴイフ》 3 《流刑への道》 2 《古えの遺恨》 2 《外科的摘出》 1 《渋面の溶岩使い》 -サイドボード(15)- |
テンプレメイン+自作サイドボードで、様々な形のバーンをテストプレイをしたところ、気付いたのは以下の点。
・《裂け目の稲妻》があまり強くない。
1マナ3点という高水準のカードではあるものの、「待機」分でラグることが多いこのカード。
また、エルドラージの中には《不毛の地の絞殺者》を使っているタイプが存在しているのもマイナスでした。
・《大歓楽の幻霊》は本当に必要?
当たり前のことを書くようですが、先手の1T《野生のナカティル》→2T《大歓楽の幻霊》は非常に強力で、それだけで勝つことも多々あります。
ですがマッチアップによっては全く効かないことや、そもそも親和・バーン・エルドラージを考える際に「後手2ターン目にプレイできないカード」を採用することに疑問を覚えました。
逆にミラーなど用のサイドボードとして採用していた《タルモゴイフ》は完全速度勝負のコンボデッキ以外には滅法強く、メタゲーム的にはこちらの方が優先すべきかと考えました。
・《ボロスの魔除け》は4枚が適正なのか?
2マナ4点。
それだけでバーンに4枚問答無用に入りそうなこのカードですが、今のバーンは《アタルカの命令》が入ったことにより「プレイヤーにしか撃てない火力」が《溶岩の撃ち込み》《ボロスの魔除け》《アタルカの命令》と12枚も入っている都合上、相手が親和やミラーだったり後手だったりした際に、盤面に触れない結果間に合わずに負けるパターンが増えてしまっていました。
そこで、ミラーを意識するとともに親和への耐性も上げるために《稲妻のらせん》と散らすことにしました。
・《渋面の溶岩使い》、《流刑への道》が強い。
上に挙げたメタゲームの想定からも分かるように、ほぼ全てのデッキがクリーチャーデッキおよびクリーチャーで勝つデッキであり、《渋面の溶岩使い》と《流刑への道》が腐ることはほとんどありません。
特に今の《野生のナカティル》入りバーンでは「1マナクリーチャーがどれだけ打点を稼げるか」が勝率を左右する上、親和の《刻まれた勇者》が《エーテリウムの達人》になるだろうことを想定すると、《流刑への道》をサイド→メインに格上げすることには何の疑問もありませんでした。
ということで、今回使ったリストはこちら。
2 《山》
2 《聖なる鋳造所》 2 《踏み鳴らされる地》 4 《乾燥台地》 4 《沸騰する小湖》 4 《樹木茂る山麓》 2 《銅線の地溝》 -土地(20)- 4 《僧院の速槍》 4 《ゴブリンの先達》 4 《野生のナカティル》 2 《渋面の溶岩使い》 3 《タルモゴイフ》 -クリーチャー(17)- |
4 《溶岩の撃ち込み》
4 《稲妻》 3 《流刑への道》 4 《アタルカの命令》 4 《焼尽の猛火》 2 《ボロスの魔除け》 2 《稲妻のらせん》 -呪文(23)- |
3 《破壊的な享楽》
2 《フェアリーの忌み者》 2 《わめき騒ぐマンドリル》 2 《古えの遺恨》 1 《渋面の溶岩使い》 1 《タルモゴイフ》 1 《流刑への道》 1 《跳ね返す掌》 1 《溶鉄の渦》 1 《未達への旅》 -サイドボード(15)- |
「バーン・親和メタのバーン」といったところでしょうか。
《大歓楽の幻霊》《裂け目の稲妻》を減らして若干速度を落とした分ジャンドやアブザンのような中速除去デッキには弱くなっていますが、その分干渉手段と《タルモゴイフ》が増えているのでミラー、親和、Zoo、感染、そしてエルドラージには従来のバーンよりも強い構成になっています。
珍しいカードとしては《未達への旅》でしょうか。
これはエルドラージに対する対抗策、5枚目の《流刑への道》としての採用です。《現実を砕くもの》の誘発型能力が誘発しないので、損することなく除去することができます。
「バーン」という枠組みの中では良いデッキができたと思いましたが、結果は……
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 4 | ジャンド | ×× |
Round 5 | スケープシフト | 〇×〇 |
Round 6 | 青黒エルドラージ | ×× |
Round 7 | テューンスパイク | 〇〇 |
Round 8 | 黒緑感染 | ×× |
Round 12 | バーン | ×× |
Round 13 | 親和 | 〇〇 |
Round 14 | 親和 | 〇〇 |
Round 15 | SCZ | ×× |
4-5。
ドラフトが2-1,1-2のトータル3-3だったので、ここで8敗=PPの加算の目がなくなってドロップしました。
ジャンドとエルドラージは不利なのでまぁこんなもんですが、バーン同型とSCZには勝ちたかったですね。特にSCZは《流刑への道》+《未達への旅》で計5枚取っているにもかかわらずマッチで1枚だけ&相手には毎回《死の影》2枚引かれての負けだったので、かなり悔しかったです。
また感染は普通の青緑型にはかなり相性いいのですが、当たったのは運悪く黒緑の《ファイレクシアの十字軍》型。先手1T《貴族の教主》からの2T《ファイレクシアの十字軍》になすすべなく敗北しました。無念。
☆今シーズンのPP 11点→14点
◎今回の反省
やはり「強いエルドラージを作れなかったこと」が一番の反省点です。
禁止改定+エルドラージ大幅強化により、「最強のエルドラージを作れた者がプロツアーの勝者に最も近くなる」ことはプロツアー参加者の全員が分かっていたことでしょう。
アミュレットと双子禁止って、どんだけエルドラージ勝たせたいねんって感じするなー。
— Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) 2016, 1月 16
しかし強いエルドラージを作れなかったがために、今回別のデッキを使わざるをえませんでした。
構築力、発想力の低さが如実に出てしまった格好です。
もう一つの反省点は「日本人プレイヤーはチームとして機能できていない」という点です。
これはプロツアー終了後に多数のプロプレイヤーと話したことですが、今回は「日本人は遅れている」ということを改めて思い知らされるプロツアーでもありました。
・十数人でのチーム調整、デッキのシェア
・ラウンド開始後に他プレイヤー/チームのデッキをチェックしチームで共有。ペアリング時点で相手のデッキが分かっている状態にする
こういった組織的な取り組みは現状の日本は行っていないことであり、この差は非常に大きなものでした。
まだ細かい話はできていないですが、次のプロツアーの調整ではもっと事前にみんなで話し合い、協力し合ってプロツアーに臨めるように努力したいと思います。
「次のプロツアー」という書き方をしましたが、今回のプロツアーで敗北したことにより、また次のプロツアーの権利がなくなってしまいました。
残された道は、
・2/21に開催される【プロツアー地域予選(RPTQ)】を突破する
・出場予定の【グランプリ・メルボルン2016】 or 【グランプリ・ワシントン2016】で上位入賞して権利獲得する
・4月の【グランプリ・北京2016】終了時点までに合計PP4点獲得してシルバーレベルのプロツアー権利を行使する
の3つです。
残り2回のプロツアーにしっかり出場して、ゴールドレベル以上になるのが今シーズンの目標。
まずは今週末のRPTQに向けて、スタンダードを全力で取り組みたいと思います!
井川
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