こんにちは!
『イニストラードを覆う影』のリリースと同時に、新たに試行されるスタンダードの新ローテーション制度。
今回のローテーションによりスタンダードを去ってしまうのは、『タルキール覇王譚』と『運命再編』です。
《開拓地の野営地》や《遊牧民の前哨地》といった「3色土地」に始まり、《カマキリの乗り手》や《包囲サイ》などなど、これ以上ないほどに多色化を推奨するセットでしたね。
新しいローテーションの仕組みに関しましては、【こちらの記事】をご覧いただくとして、この記事では去りゆく優良カードとその思い出を振り返ってみたいと思います。
それでは、『タルキール覇王譚』と『運命再編』の思い出の10選をご覧ください。
■ 10位.3色土地各種
『戦乱のゼンディカー』で「バトルランド」が加入してからというもの、著しく見かける機会が減ってしまいましたが、やはり3色が出る土地は偉大でした。
2 《平地》 2 《山》 1 《島》 2 《大草原の川》 1 《梢の眺望》 1 《燃えがらの林間地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 2 《神秘の僧院》 1 《シヴの浅瀬》 -土地(24)- 4 《搭載歩行機械》 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《道の探求者》 4 《カマキリの乗り手》 -クリーチャー(16)- |
4 《焦熱の衝動》 4 《勇敢な姿勢》 4 《ジェスカイの魔除け》 3 《宝船の巡航》 1 《絹包み》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(20)- |
2 《アラシンの僧侶》 2 《引き裂く流弾》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《見えざるものの熟達》 2 《正義のうねり》 1 《風番いのロック》 1 《払拭》 1 《焙り焼き》 1 《絹包み》 1 《龍語りのサルカン》 -サイドボード(15)- |
僕は「アブザン」が好きだったので、ずっと《砂草原の城塞》を使用していましたが、1ターン目にセットできたときの安心感は他の土地とは比べものにならないものでした。
まさかこんなに強い土地が使われなくなるとは……近代マジックはクリーチャーのインフレばかりが話題になりやすいですが、土地もそれと同様にすごいことになっていますね。
■ 9位.《精霊龍、ウギン》
【物語】上で非常に重要な役割を担う《精霊龍、ウギン》さん。《サルカン・ヴォル》のがんばりでようやく復活したかと思いきや、『ゲートウォッチの誓い』のラストシーンでは【ジェイスたちに説教して立ち去る】というなかなかにすごいムーブをかましてくれましたが、次なる出番はいつになるのでしょうか。
スタンダードにおいては、主にマナ加速系のデッキで使用されることが多いカードでした。近頃では「-X」能力でうんともすんとも言わないエルドラージ軍団に押され気味だったものの、圧倒的な制圧力は多くのマッチアップで頼りになりました。
■ 8位.《ティムールの激闘》&《強大化》
一撃で容易に二桁のダメージを叩き出すお手軽コンボ。その爆発力はスタンダードを逸脱していると思ってしまうほどで、特に《僧院の速槍》や《ケラル砦の修道院長》などの「果敢クリーチャー」との組み合わせは秀逸でした。
8 《山》 1 《森》 2 《燃えがらの林間地》 4 《樹木茂る山麓》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《吹きさらしの荒野》 -土地(21)- 4 《僧院の速槍》 4 《鐘突きのズルゴ》 2 《稲妻の狂戦士》 4 《ケラル砦の修道院長》 -クリーチャー(14)- |
4 《タイタンの力》 3 《乱撃斬》 2 《焦熱の衝動》 4 《ドラゴンの餌》 4 《アタルカの命令》 3 《ティムールの激闘》 2 《軍族童の突発》 3 《強大化》 -呪文(25)- |
3 《カラデシュの火、チャンドラ》 3 《焙り焼き》 3 《引き裂く流弾》 2 《焦熱の衝動》 2 《軍族童の突発》 1 《稲妻の狂戦士》 1 《沸き立つ大地》 -サイドボード(15)- |
個人的な思い出としては、【Super Crazy Zoo】の調整中に『運命再編』が発売され、なべ君 (渡辺 雄也) が「《肉体+血流》の上位互換が出たよ。」と《ティムールの激闘》を見せてくれたときの衝撃が忘れられません。
それから1年後、ヨーロッパ最強のチーム「エウレカ」がプロツアーで「Super Crazy Zoo」を使用しただなんて、【このデッキの誕生経緯】を知っている人たちにとってはにわかには信じがたい話ですよね。
これからも「Super Crazy Zoo」の代名詞として、《死の影》と新たな歴史を刻んでくれることでしょう。
■ 7位.《時を越えた探索》
『未来予知』以来、およそ7年ぶりに帰ってきた「探査」能力。《黄金牙、タシグル》や《残忍な切断》、そしてモダンとレガシーで禁止になった《宝船の巡航》など強力なカードのオンパレードで、いかに「探査」というキーワード能力が優れているかを世に知らしめる結果となりました。
6 《島》 3 《沼》 4 《汚染された三角州》 4 《陰鬱な僻地》 4 《欺瞞の神殿》 2 《華やかな宮殿》 2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《精霊龍の安息地》 -土地(26)- 3 《氷瀑の執政》 2 《龍王シルムガル》 1 《漂う死、シルムガル》 -クリーチャー(6)- |
2 《思考囲い》 4 《シルムガルの嘲笑》 2 《胆汁病》 2 《究極の価格》 3 《英雄の破滅》 2 《解消》 2 《忌呪の発動》 3 《ジェイスの創意》 3 《命運の核心》 1 《残忍な切断》 3 《時を越えた探索》 1 《精霊龍、ウギン》 -呪文(28)- |
3 《強迫》 3 《悲哀まみれ》 2 《層雲の踊り手》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《胆汁病》 1 《否認》 1 《究極の価格》 1 《悪性の疫病》 1 《龍王の大権》 -サイドボード(15)- |
前述の通り「探査」カードには優秀なものが多いものの、《時を越えた探索》ほど絶望的な気持ちにさせてくれるものはありません。スタンダードでは「エスパー・ドラゴン」を筆頭に青いデッキで必ずと言っていいほど採用されていたカードで、最強のドローサポート呪文として確固たる地位を築きました。
《時を越えた探索》は、やそ (八十岡 翔太) さんの【プロツアー準優勝】の原動力にもなり、この結果によってやそさんは見事に【殿堂顕彰者】の仲間入りを果たしています。
■ 6位.《はじける破滅》
ご存知「ダーク・ジェスカイ」や「マルドゥ・グリーン」の必殺兵器。
1 《平地》 1 《山》 1 《島》 1 《沼》 2 《大草原の川》 2 《窪み渓谷》 2 《燻る湿地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《鋭い突端》 2 《乱脈な気孔》 -土地(26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 3 《魂火の大導師》 4 《カマキリの乗り手》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 1 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(14)- |
3 《焦熱の衝動》 1 《強迫》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《焙り焼き》 4 《はじける破滅》 4 《苦い真理》 2 《時を越えた探索》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(20)- |
2 《アラシンの僧侶》 2 《強迫》 2 《精神背信》 2 《光輝の炎》 1 《焦熱の衝動》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《否認》 1 《焙り焼き》 1 《コラガンの命令》 1 《影響力の行使》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
今でこそ「ジェスカイ」に黒が入っているのは当たり前になりましたが、初めて《はじける破滅》の入った「ダーク・ジェスカイ」がお披露目されたときのインパクトはすさまじいものがありました。
僕はどちらかというと、自分でキャストするよりもキャストされることが多いカードでした。一体このカードで何匹の尊い《包囲サイ》が犠牲になったことか……。
■ 5位.《先頭に立つもの、アナフェンザ》
近代のクリーチャーのインフレを象徴する1枚。墓地対策能力のおかげで「シディシウィップ」や「4色ラリー」対策としても上々のカードでしたが、それを度外視してもこのカードの打点の高さには目を見張るものがありました。
2 《森》 2 《平地》 2 《梢の眺望》 1 《燻る湿地》 1 《窪み渓谷》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《乱脈な気孔》 2 《ラノワールの荒原》 -土地(26)- 4 《始まりの木の管理人》 4 《棲み家の防御者》 3 《搭載歩行機械》 4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 4 《包囲サイ》 2 《風番いのロック》 -クリーチャー(21)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《アブザンの魔除け》 1 《残忍な切断》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(13)- |
3 《絹包み》 3 《精神背信》 2 《黄金牙、タシグル》 2 《強迫》 2 《究極の価格》 1 《風番いのロック》 1 《自傷疵》 1 《真面目な訪問者、ソリン》 -サイドボード(15)- |
『タルキール覇王譚』が登場するや否や、「アブザン・アグロ」不動のエースとしてスタンダードに君臨し、【6年ぶりの日本人のプロツアーチャンピオン】の誕生にも貢献しました。
■ 4位.《僧院の速槍》
あの《ゴブリンの先達》をも凌駕する新世代のエース。
10 《山》 1 《森》 4 《樹木茂る山麓》 1 《奔放の神殿》 4 《マナの合流点》 -土地(20)- 4 《鋳造所通りの住人》 4 《僧院の速槍》 3 《鐘突きのズルゴ》 1 《激情のゴブリン》 1 《稲妻の狂戦士》 2 《ゴブリンの熟練扇動者》 -クリーチャー(15)- |
4 《乱撃斬》 4 《アタルカの命令》 4 《ドラゴンの餌》 4 《稲妻の一撃》 4 《軍族童の突発》 4 《かき立てる炎》 1 《強大化》 -呪文(25)- |
4 《大歓楽の幻霊》 4 《焙り焼き》 2 《ゴブリンの熟練扇動者》 2 《凱旋の間》 1 《ゴブリンの踵裂き》 1 《洗い流す砂》 1 《破壊的な享楽》 -サイドボード(15)- |
21 《山》 -土地(21)- 4 《稲妻の狂戦士》 4 《僧院の速槍》 3 《火飲みのサテュロス》 3 《鐘突きのズルゴ》 4 《ケラル砦の修道院長》 -クリーチャー(18)- |
4 《乱撃斬》 1 《焦熱の衝動》 4 《灼熱の血》 4 《稲妻の一撃》 4 《極上の炎技》 4 《かき立てる炎》 -呪文(21)- |
4 《大歓楽の幻霊》 4 《焙り焼き》 3 《サテュロスの火踊り》 2 《弧状の稲妻》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
特にプロツアー2連覇は圧巻の一言で、チーム「エウレカ」の名を世界に轟かす大活躍っぷり。その力はスタンダードの枠を超え、モダンやレガシーとフォーマットを問わずあちこちで活躍しております。
■ 3位.フェッチランド各種
『オンスロート』から再録された有効色の「フェッチランド」。「フェッチランド」だけでは、ほんの少しマナベースが安定する程度に過ぎませんでしたが、そこに「バトルランド」が加わることで恐ろしい化学反応を示すことに。
これぞ現環境のマナベース。スタンダードでは前例がないほどに恵まれた強固なマナベースのおかげで、この環境では3色や4色のデッキが当たり前のように存在します。
ただし、「フェッチランド」が単体ではそこまでの強さを発揮できなかったように、今後は「バトルランド」も同様の道をたどることになるでしょう。今しか味わうことのできない多色環境を、ぜひ最後までご満喫ください!
■ 2位.《アブザンの魔除け》
除去・ドロー・パンプ。《魔除け/Charm》シリーズと言えば、往々にしてひとつかふたつは使えない能力が付いているものですが、《アブザンの魔除け》はその常識を打ち破る大盤振る舞いの一品。
《先頭に立つもの、アナフェンザ》、《包囲サイ》に《黄金牙、タシグル》。このカードで葬ってきたクリーチャーは数知れず。
『マジック・オリジン』リリース直後に猛威を振るった「青赤《アーティファクトの魂込め》」デッキに対しても、《搭載歩行機械》と《アーティファクトの魂込め》の両方に対処できるカードということで重宝しました。
今回は執筆前から1位を決めていたのですが、よくよく考えてみると《アブザンの魔除け》も1位のカードと同じくらいに愛用していたため、執筆段階になってかなり悩みました。しかしながら、やっぱり1位はこのカード。
■ 1位.《包囲サイ》
みんな大好き《包囲サイ》!
【アブザン・アグロ】はもちろん、【アブザン・コントロール】や【《白日の下に》コントロール】など、本当に多くのデッキでお世話になりました。
いつも心の片隅で、「調整に難航したら《包囲サイ》を使えばいいや」と考えていたくらいですし、今後はそれがなくなってしまうと思うと残念を通り越して不安になってしまいます。こんなにすごいカードなのに、【なぜか安い】のも庶民の味方っぽくて好きでした。
惜しむらくは、今ではこんなに愛着が湧いているにも関わらず、【タルキール覇王譚の20選】で酷評していたことには悔いが残ります(^_^;)
【モダンでも余裕で使われている】くらいの性能なので、今後もお世話になるでしょう。
以上、思い出10選でした。最初の数ヶ月はそうでもありませんでしたが、いつの間にか《アブザンの魔除け》と《包囲サイ》は忘れられないくらい大好きになってしまっていました。
前述の通り《包囲サイ》はモダンでもバリバリ活躍中なので、これからもぜひぜひ使用していきたいと思います!みなさんもぜひお気に入りのカードをつぶやいてみたり、最後まで使ってあげてくださいね。
それでは、また次回の連載で!
この記事内で掲載されたカード
Twitterでつぶやく
Facebookでシェアする