プロローグ: ホノルルより
10年前、私はこの地に立っていた。
当時は一発勝負だったプロツアー予選を運よく突破し、初めての海外、初めての大舞台と逸る気持ちを抑えられずにメインに《碑出告の第二の儀式》を2枚搭載した特攻型赤バーンで臨んだ私のプロツアーは、初日1勝7敗という成績で幕を閉じた。
それから5年ほど、プロツアー予選を抜けては本戦で無残に負けるというパターンが続き、やがて自分の実力を見限った私は競技マジックから次第に離れていった。
そうして今、何の因果かこうしてマジックの記事を書く仕事をすることになり、10年前と全く同じ場所に立っている。
今度は対戦者としてではなく、10年前には存在しなかった、Hareruya Prosというプロチームの戦いを見届ける観戦者として。
彼らプロプレイヤーと私とで、何が違うのだろう?
カバレージなどで誰かの「強さ」を形容するとき常に根底にあったこの疑問が、自分の胸で再び疼くのを私は感じていた。
プロツアーという世界選手権を除けばマジック最高峰となる大会に、出場できるプレイヤーは限られている。まして、そこで活躍できるプレイヤーとなると本当に一握りだ。
その差は何から、どこから生まれてくるのか?
彼らをその高みへと至らしめているもの。一口に「強さ」と言って済ますことができない、知識と経験と直感と判断力からなる技術の連なりを、少しずつでも感じとり、言葉にしたい。
そうすることで私は、かつての私自身の無為と悔しさを、有用な価値へと昇華するのだ。
北緯20度を鼻にかけて容赦ない日差しを運ぶ太陽。
その熱を照り返すアスファルトのせいで5分歩いただけで汗だくになる、10年前と何も変わらない街並みを行きながらそんなことを考えていると、海にたどり着いた。
天然の樹を加工したと思しき木組みの休憩所には見覚えがあった。
近くのホテルの裏手に面していたからか、「プライベートビーチだったりしないよね?」と思いながらも恐る恐る砂浜へと入っていった、当時の感情がフラッシュバックする。
10年前は入らなかったっけ、と思いながら靴を脱いで素足を波打ち際に運ぶと、意外な冷たさとともに襲い来るざざん、ざざんという音で感覚がいっぱいになる。
そして実感する。
これから、プロツアーが始まるのだ。
10年前と比べて、マジックのプロプレイヤーが置かれた状況は大きく異なってきている。チームの結成。メディアの発達。グランプリの増加とキャップ制度。世界選手権の制度変更。スポンサーの獲得。
さらに昨シーズン中に発表された、プラチナ褒賞の大幅な減額。2016-2017シーズンは、その最後の猶予期間となる。多くのプロプレイヤーの目標は、反対に賞金が増額された来年の世界選手権への出場となっていることだろう。
これからはプロプレイヤーとしての在り方がより厳しく問われることになる……そんな気がしてならない。
きっとこの一年はまた、激動の年になる。そしてこのプロツアー『カラデシュ』は、そんな2016-2017シーズンの始まりを告げるプロツアーなのだ。
このプロツアーには、14人のHareruya Prosメンバーが出場する。
プレイヤー | プロレベルほか |
八十岡 翔太 | プラチナ・殿堂 |
高橋 優太 | プラチナ |
Lukas Blohon | プラチナ |
Martin Muller | プラチナ |
Petr Sochurek | プラチナ |
Oliver Polak-Rottmann | プラチナ |
中村 修平 | ゴールド・殿堂 |
齋藤 友晴 | ゴールド |
Pierre Dagen | ゴールド |
Jeremy Dezani | ゴールド |
Michael Bonde | ゴールド |
津村 健志 | シルバー・殿堂 |
井川 良彦 | シルバー |
森 勝洋 | シルバー |
フォーマットはブースタードラフトとスタンダード。ドラフトの難しさはいつも通りだが、今回はローテーションで激変したスタンダードという大きな難題が立ちはだかっている。
そんな中で。
彼らは何を積み重ね、世界のプレイヤーたちとどのようにして渡り合っていくのだろうか。
それを知ることが、きっと私と彼らとの差を理解するための手掛かりになる。
だから。
2006年、【Mark Herberholz】。
2009年、【三田村 和弥】。
2012年、【Brian Kibler】。
2014年、【Ari Lax】。
4人のチャンピオンを輩出したこの地で、これから生まれようとしている5人目のチャンピオンが、Hareruya Prosの誰かであることを願いつつ。
彼らの戦いぶりを、追いかけていこうと思う。
プロツアー『カラデシュ』開幕
現地時間午前9時過ぎごろ、初日ドラフトラウンドのピックが始まり、プロツアー『カラデシュ』が開幕となった。
参加者は466名。昨シーズン最後の【プロツアー『異界月』】では特例として権利の繰り越しが認められた関係で、普段よりも10%ほど多い参加人数のプロツアーとなっている。
『カラデシュ』ドラフトについては、【晴れるーむ合宿まとめ】でも書いたように、相当なシナジー環境である。
コモン同士のシナジーだけでなく、アンコモンやレアの使い方さえもマスターしていなければ、安定した勝利は望めないだろう。
初日はドラフト3回戦ののちにスタンダード5回戦。合計4勝4敗以上で2日目進出となる。
トップ8進出へ向け、まずはHareruya Pros全員の勝ち越しに期待したい。
初日ドラフトラウンド総括
14人が参加しているHareruya Prosだが、幸いにもチームメンバー同士が同卓で潰し合うこともなく、全員バラバラの卓で初日のドラフトラウンド3回戦を終えた。
ブースタードラフトは同卓の8人の中で3-0できるのはたった1名。確率からすればHareruya Prosからは1~2人が3-0すれば順当なところ、実際には4人が3-0と、その実力の高さを見せつける結果となった。
快調なスタートを切ったのはMartin Muller、八十岡 翔太、津村 健志、Pierre Dagenの4名。
特に【晴れるーむ合宿】でも極めて高い勝率を記録していた八十岡は、このプロツアーでも《歯車襲いの海蛇》が3枚入った青白をドラフトしての3-0であり、そこには八十岡だけが把握している『カラデシュ』ドラフトの秘訣が隠されているであろうことは間違いない。
そこで八十岡にこの環境のコツについて聞いてみると、「この環境は《歯車襲いの海蛇》だね」と【合宿と全く同じ回答】があった。
ここで深追いしても「やはりサーペント」という回答が返ってくるだけなので、一旦八十岡から話を引き出すことは諦め、同じく3-0した津村に話を聞いてみることにする。
すると津村の方は当初はドラフトしたデッキに自信がなく、「3-0できるとは思っていなかった」という。
津村「僕の想像よりも2マナ域のクリーチャーがすごく早く消える卓で、内心焦りながらのドラフトでした。その上で第1回戦でフィンケル(Jon Finkel)とフィーチャーマッチになったときは『これは0-3する』と思いましたが、意外と自分のデッキが強かったですね」
9 《島》 8 《沼》 -土地 (17)- 1 《査問長官》 1 《亢進する亀》 1 《組織の密売人》 1 《ドゥーンドの調査員》 1 《速接会のオオトカゲ》 1 《プラカタの柱行虫》 1 《ヴィダルケンの刃の達人》 1 《鋳造所の隊長》 3 《襲拳会の部隊》 1 《豪華の王、ゴンティ》 1 《砦のマストドン》 1 《試験飛行士》 1 《歯車襲いの海蛇》 1 《霊気烈風の古きもの》 -クリーチャー (16)- |
1 《抜き取り検査》 1 《短命》 1 《活力の奔出》 1 《巧みな交渉術》 2 《金属紡績工の組細工》 1 《パンハモニコン》 -呪文 (7)- |
津村のデッキも《歯車襲いの海蛇》を採用している。それに、デッキは全体的に少し重めのように感じる。《金属紡績工の組細工》でライフが減りがちなこともあり、これで環境のビートダウンを相手にできるのだろうかと問われると、一見しただけの段階では厳しいようにも思われる。
そこで、まずは環境の速度は速いのか遅いのか?という根本の認識について聞いてみることにする。
津村「速度としては、ものすごく速いデッキもたまにありますが、基本的には遅い環境だと思います」
確かにこの環境は、《夜市の見張り》と《航空艇》を主軸にした赤黒や《通電の喧嘩屋》の赤緑エネルギーなど、一部のコンセプトの爆発力はすさまじいものの、《領事府の空船口》《プラカタの柱行虫》《ダッカラの孔雀》《砦のマストドン》など、無色でタフネスが高いクリーチャーが存在していることにより、ライフは守ろうと思えばある程度は守れる印象がある。遅めの環境というのは頷ける指摘だ。
その上で、津村はこの環境のドラフトのコツについて話を進める。
津村「要は、いつもよりマナフラッドしやすいということを意識してピックすることが重要かなと思います。攻めるデッキなら土地16くらいまで切り詰めて戦いたいので、そのためにマナカーブを調整する必要がありますし、守るデッキなら装備品や《天才速製職人》のルーティング能力など、後半余った土地の使い道を考える必要があります」
「フラッド受け」という観点からすれば、津村がドラフトしたデッキは《豪華の王、ゴンティ》や《金属紡績工の組細工》などのアドバンテージソースと《霊気烈風の古きもの》などの確実なフィニッシャーが揃っており、これ以上なく条件を満たしていることは言うまでもない。
津村「相手より相対的にわずかに長期戦に強ければいいので、いざ盤面が固まったときに微有利をとれる《理論霊気学者》や《歯車襲いの海蛇》のようなカードは、自身が壁役にもなり、こうした環境の性質に合っていて僕は好きですね」
こうした理解は、「機体」、特に《改革派の貨物車》の存在によって互いにブロック無視の殴り合いが発生するといった環境当初の印象とは一線を画している。そして3-0という結果からすると、「2マナ域が早く消える」ということから察せられる卓の平均的な環境理解に逆行し、継戦能力を重視した青黒を組み上げた津村のドラフティングが、結局は正しかったということなのだろう。
シーズン最初のプロツアーでのドラフト3-0スタートは、昨年Marcio Carvalhoが獲得した「ドラフトマスター」枠での世界選手権出場の可能性も残される理想の展開だ。
昨シーズンのシルバーレベルから一段階ギアを上げ、「今年はゴールドレベルが目標」と公言している津村だが、2年連続でのWMCQ突破により今年も日本代表となるなど、最近の調子を見るに今シーズンは爆発の予感がある。
もしかすると、早くもこのプロツアー『カラデシュ』で津村の全盛期以上の活躍ぶりが見られるかもしれない。
幕間: 邂逅
プロツアーというのは、世界中から最高峰のプレイヤーが集まる場でもある。
プレイヤーとして参加できたならば、運が良ければJon Finkel、Kai Buddeといったマジックの歴史上のレジェンドたちとも対戦できたりもする。そういった、通常の生活を送っていたならば決して起こりえないような意外な出会いを経験できる、貴重な機会でもあるのだ。
そしてここで、私にとっても意外な出会いが訪れることとなった。
レジスト (参加登録) のため長蛇の列に並ぶ中で、遠目にもわかる背の高さと引き締まった肉体。それは私が最も尊敬するデッキビルダー (【参考1】、【参考2】) の一人。
Travis Woo。
シーズン開幕の【グランプリ・ポートランド2016】で準優勝し、久しぶりにプロツアーの権利を獲得したWooが、ホノルルに来ていた。そこで、Hareruya Prosの現地取材に来ていた私と奇跡の邂逅と相成ったのである。
もちろんHareruya Prosとは一切関係がないのだが、「プロプレイヤーの考えを知る」という意味ではこれ以上ない (と、私が考えている) 人物と言えるので、思いきって突撃インタビューを敢行してみることにした。
Wooといえば《御霊の復讐》で釣り上げた《悟った達人、ナーセット》に《輝く根本原理》をめくらせたり、《死せる生》に《ゴブリンの放火砲》を組み合わせたりと、とにかく奇抜でしかも見る者の心を躍らせるデッキをいくつも手掛けていることで知られている。
そこで、「なぜ面白いデッキをあんなにたくさん作れるのか?」と尋ねてみた。
Woo「それほど特別なことではないと思っているよ。競技的なデッキ作りとカジュアルなデッキ作りは別物だからね。ただ、デッキ作りのアイデアという意味では、経験によるところが大きいと思う。僕には20年のマジック歴があり、これまで1000個以上のデッキを作ってきたんだ。それだけじゃなく、たくさんの人と一緒にデッキを作った経験があるというのも大きいね。フィードバックがアイデアの源泉になるんだ」
「良いデッキを作るには、デッキをたくさん作るしかない」というのは、【ゼウス】にも通じる精神性だ。もしかするとWooは日本が誇る名デッキビルダー・浅原 晃と近しい領域にいるのかもしれない。
続いて、「デッキ作りにおける最も困難なパートは?」との質問をぶつけてみると、思案を巡らせながらも、次のように答えてくれた。
Woo「最も難しい部分は、プレイテストの過程にはないと思う。デッキをより安定させるとか、一つの発想に固執して調整を頑張り続けることとかは、むしろ簡単とさえ言える。だから一番難しいのは、デッキのコンセプトそのものを別の方向へと変える決断をすることだ」
【青白GAPPO】の例で言えば、他に上位互換のコンセプトがあるにもかかわらず、当初の発想に固執したことが失敗の原因となった。Wooは多くのデッキビルダーがぶつかるであろう難題に根本の原因からきちんと向き合い、そして克服しようとしている。
最後に、日本のプレイヤーへのメッセージをお願いした。
Woo「実は日本には行ったことはないんだ。2011年に一度日本のプロツアーを都合がつかずにスキップしてしまったんだけど、今は後悔しているよ。来年プロツアー京都があるから、もしそれの権利があればそれで、そうでなくても何かの機会に行ければいいなと思っている。日本人はすごくクレイジーなデッキを作ったりクリエイティブなプレイヤーがいる印象があるから、楽しみだね」
実際に会ったWooは極めて論理的かつプレイヤーとしてはかなり競技志向の強い人物で、にもかかわらずあれだけの量の
ちなみに恐る恐るWooに【伝説の対戦】のことを聞いてみたところ、「覚えてないね」と一蹴されちょっとヘコんだが、むべなるかなである。
Travis Wooは初日を5勝3敗で突破している。Hareruya Prosの一員ではないが、突然のインタビューを受けてくれたことに対する感謝をここに述べるとともに、2日目もこっそりと個人的に応援しておくことにする。
初日スタンダードラウンド総括
初日のスタンダードの感想としては、『カラデシュ』が牙を剥いた、という一言に尽きる。
プロツアーでは2日間合計でブースタードラフトが6回戦に対し、スタンダードが10回戦と、構築の比重がかなり高い。すなわち、スタンダードのメタゲームを読み違えれば、いくらドラフトで勝てても、トップ8戦線からはあっさりと脱落してしまう。
ただでさえそんな過酷なスタンダードラウンドが、今回は『タルキール龍紀伝』『マジック・オリジン』のローテーション落ちに加えて『カラデシュ』の加入という大激変を経ているのである。
しかもこれまでのスタンダードは長い間《集合した中隊》というカード1枚に支配されていたため、前環境からの変化率の大きさという意味でも、メタゲームの予想は困難を極めるものと思われた。
ただそれでも、環境の焦点と呼べるカードについては、誰しも目星だけは付いていたであろうと思う。
《密輸人の回転翼機》は発売直後のSCGで早くもそのポテンシャルの高さが確認され、プロツアーにおける一大勢力となることがいち早く予見された一枚であった。
ただ強いだけでなく無色のアーティファクトであるということによって、ありとあらゆるビートダウン・ミッドレンジに採用され、そのルーティング能力と合わせて様々な悪用が試みられるであろうことは、たとえプロツアーの参加者でなくとも火を見るより明らかと言えるほどであった。
もう一つの大きな焦点は《霊気池の驚異》である。
プロツアー前週にはリミテッドGPが開催されていた都合でSCGがなかった関係上、普段よりもマジック・オンライン上での調整が若干活発になった今回。プロツアー参加者たちはリーグ5-0デッキとして度々掲載される《霊気池の驚異》デッキを見て、さぞ恐怖に震えていたことだろうと思う。
その理由の一つは、多くのデッキにとって根本的に対処手段が少ないことにある。
《解呪》や《帰化》を経験した世代からすると「何をバカな」と言いたくなるかもしれないが、現在のスタンダードで4マナのアーティファクトを割る手段は限られている。
さらに《精神背信》で手札から抜こうとしても、《霊気池の驚異》デッキは《霊気池の驚異》を引かないと機能しないという構造上、《ガラス吹き工の組細工》や《光り物集めの鶴》など、強靱なサーチ能力を有しており、トップデッキを防ぎえない。
ならばカウンターは?となるが、《意思の激突》も《シルムガルの嘲笑》もない今、スタンダードで汎用性の高いカウンターを求めると3マナ以上になってしまう。
もう一つの理由は、《霊気池の驚異》自体がかなり運に左右されるカードであるということだ。
3マナ以下のクリーチャーを24~5枚程度搭載すればとりあえず確率上のリターンが取れた《集合した中隊》と違い、発動までに多くの準備を要する《霊気池の驚異》に求められるリターンは、デッキに3~6枚程度の「当たり」によってしか補填しえない。
したがって確率的な担保としては2~3度目の起動で帳尻を合わせる構造となっているのだが、しかしデッキに入っている以上、1度目で「当たり」を引くことももちろんありうる。
こうした理由から、同型に当たったときの不毛さや技術介入度の点でプロ好みはしなさそうなデッキではあるものの、それを差し引いてもプロツアーレベルのデッキであることに変わりはなく、「《霊気池の驚異》には弱いが、その他には勝てるデッキ(BG昂揚など)」を選択する/したいプレイヤーにとっては、紛れもなく脅威となっていた。
また、他にも《通電の喧嘩屋》《静電気式打撃体》《逆毛ハイドラ》などを生かした赤緑エネルギーについては、”rizer”こと石村 信太朗やかつての【菊名合宿】の主宰である中村 肇らがマジック・オンライン上で調整を進めたことで、《密輸人の回転翼機》《霊気池の驚異》に続く「第三の勢力」としてその存在を認知されはじめていた。
渡辺 雄也の殿堂セレモニーのために会場に来ていた中村 肇 (と、「我々も調整初日に同じデッキを作っていましたけどね」と大人げなく主張するデッキビルダーの2人) |
この他にも「グリクシス現出ドレッジ」「BG昂揚」といったミッドレンジや、《霊気池の驚異》とはまた別のコンボデッキである「青赤《金属製の巨像》」など、環境初期らしく様々なデッキが名乗りをあげ、プロツアー当日にどのようなデッキがTier1となっているのかは、蓋を開けてみるまでは全くわからない状況であった。
はたして実際に公開された【初日のメタゲームブレークダウン】は、驚くべき結果を示していた。
《霊気池の驚異》、17.60%。
もちろん各種の《密輸人の回転翼機》デッキの数を合わせればその数は余裕でこの数字を上回るものの、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》と《約束された終末、エムラクール》のコストを踏み倒せるこの新しいインチキ機械は、多くのプロプレイヤーが十二分に実用的だと判断したようだった。
かくして波乱にまみれたスタンダードラウンド5回戦が終わり、初日が終了。Hareruya Prosの成績は以下のようになった。
プレイヤー | ドラフト | スタンダード | 初日成績 |
八十岡 翔太 | 3-0 | 5-0 | 8-0 |
Pierre Dagen | 3-0 | 4-1 | 7-1 |
津村 健志 | 3-0 | 3-2 | 6-2 |
Oliver Polak-Rottmann | 1-2 | 5-0 | 6-2 |
Petr Sochurek | 1-1-1 | 4-1 | 5-2-1 |
Martin Muller | 3-0 | 2-3 | 5-3 |
中村 修平 | 2-1 | 3-2 | 5-3 |
井川 良彦 | 2-1 | 3-2 | 5-3 |
齋藤 友晴 | 1-2 | 4-1 | 5-3 |
高橋 優太 | 1-2 | 3-2 | 4-4 |
Jeremy Dezani | 2-1 | 0-4 | 初日敗退 |
Lukas Blohon | 0-3 | 2-2 | 初日敗退 |
Michael Bonde | 1-2 | 1-4 | 初日敗退 |
森 勝洋 | 0-3 | 2-2 | 初日敗退 |
八十岡 翔太、8戦全勝!
残念ながら4名が初日敗退となったが、トップ8が見える2敗以内にも4名がつけており、2日目も活躍が期待できそうだ。
ちなみに八十岡がなぜこのデッキ選択に至ったかについてはインタビューをとったが、デッキの内容に深く関わるため、2日目編で掲載する予定だ。
ここでは最後に、はたしてこのプロツアーのスタンダードにおける最も困難な課題とは何だったのか?について、スタンダードを4-1で折り返したPierre Dagenに答えてもらった内容を載せておく。
Dagen「《密輸人の回転翼機》に対抗することさ。何せあのカードはそれはもうとんでもなく強いカードだからね。俺のデッキもそのために作られていて、対処できるカードがたくさん入ってるんだ」
それでは、2日目編でまた会おう!
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