コマンダー塚本の統率者最前線! vol.20 -未知の領域ツアー-

塚本 樹詩

 こんばんは、 塚本 です。

  みなさん、 ”虚” を突いてますか !?

 今日は ”虚” を突く話ですよ !!

◆ 触れられざる領域


ヴァラクート
ウルザトロン
12ポスト
土地単

 これらは歴代のマジックシーンにおいて活躍を見せた 「土地にフォーカスしたデッキたち」 です。 これらが活躍した背景には、土地カードに対するガードが甘い、土地カードをフォーマットの構造的に対策しにくい、といった事情がみられました。

 こうした情報を整理してみると、 統率者戦では土地カードは触れられにくいのではないか? という仮説が浮かび上がってきました。

 多人数戦では、自分も含めた誰かしらが脅威に対処すればいいので、自分は最低限の強力な対策カードを数枚用意するに留めて、基本的には自分がやりたいことを優先した方が得なのです。 誰か1人の妨害をしている隙に他のプレイヤーが勝ってしまうことが頻繁に起こる多人数戦では、誰よりも早くゴールに向かって走るべきなのは当然の結論だといえます。

 重要なのはここからです。 多くのプレイヤーが採用している対策カードの種類はある程度限られていて、その中に 土地に影響を与えるカードは驚くほど少ないのです。

血染めの月

 代表的な土地対策カードには《血染めの月》があるくらいで、あとは個々人が《露天鉱床》《不毛の大地》を採用している程度です。 また、これらを採用すべきかという話をすると、各々の統率者次第ではありますし、《石の雨》のように効果的な相手がいるかもわからない 汎用性に乏しいカードは採用しないのが ”理”なのです。

 つまりは統率者戦において、 土地はほぼ触られない !! だから土地コンボはやり得 !! それでは前置きが長くなりましたが、今回は 統率者戦で実現可能な土地コンボ を模索していきます !!

◆ どれがいいかな、土地コンボ

 まずは、先に例として挙げた4つのデッキについて考えてみましょう。

ヴァラクート
 → 多人数戦で勝つためには一体何枚の《山》を並べればいいのやら。 気が遠くなりますね。
ウルザトロン
 → デッキに1枚ずつしか入れられない !? 解散 !!
12ポスト
 → これも3ポストにしかならず !!
土地単
 → 《暗黒の深部》コンボはできそう !!

 こうして見てみると、土地を使ったデッキにも2種類あることがわかりました。 土地そのもので勝ちに向かうデッキと、特殊な組み合わせの土地から大量のマナを生み出すデッキです。 前者にはまだ希望がありそうですが、後者はよほどの工夫を凝らさない限りは難しそうです。 ただ、《暗黒の深部》コンボにしても、成立しても対戦相手を速やかに負かすことはできないので、何かしら他にも勝利手段が求められます。

 どちらも興味深くはありますが、挑戦するなら難しい方でしょう !! 今回は実現の難しそうな後者、つまりは特殊な組み合わせの土地から大量にマナを生み出すパターンを考えていきましょう。

 《ウルザの塔》《雲上の座》といった大量にマナを生み出す可能性のあるカードを探したところ、土地に依存していて、かつ条件にも当てはまるカードを発見しました !!

陰謀団の貴重品室

 《陰謀団の貴重品室》には自分が《沼》を並べれば並べるほど大量マナを生み出すチャンスが !! このカードのいいところは《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》との強力なシナジーがあることです。 この2枚が揃うと 自分のコントロールする土地の枚数に等しいマナ を生み出せるようになります。 そして、基本土地の《沼》に拘らなくてもいいので、《さびれた寺院》《ヴェズーヴァ》で徹底的に《陰謀団の貴重品室》を使い倒せば楽しいことになりそうです !!

未知な領域 見事な再生

 《未知な領域》を使えば一気に《陰謀団の貴重品室》《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》《さびれた寺院》《ヴェズーヴァ》をサーチすることができます。 あとは《見事な再生》なり《壌土からの生命》を使えばコンボが揃います !!

春の鼓動 早摘み

 あとは《陰謀団の貴重品室》の能力を最大限に生かすためにも、土地の総数を増やすカードをいれて肉付けしていきましょう。 基本土地を沢山並べられそうなので、《春の鼓動》《早摘み》といったカードを使うのも夢があっていいですね。

死の雲 瀉血

 残るは 大量のマナを使った勝ち手段 です。 《死の雲》は注ぎこむマナによってはすべてのプレイヤーのリソースが枯渇するので、自分はマナを余分に浮かせておいて、解決後に統率者を出せば無双できます !! 《瀉血》も大量のマナを必要としますが、そこはコンボの成立を信じて採用しましょう !!

 ということで、作ったデッキはこちら !!


《ゴルガリの死者の王、ジャラド》

1 《ゴルガリの死者の王、ジャラド》

-統率者 (1)-

10 《沼》
3 《森》
8 《冠雪の沼》
4 《冠雪の森》
1 《Bayou》
1 《草むした墓》
1 《新緑の地下墓地》
1 《ラノワールの荒原》
1 《黄昏のぬかるみ》
1 《灰のやせ地》
1 《陰謀団の貴重品室》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
1 《すべてを護るもの、母聖樹》
1 《暗黒の深部》
1 《さびれた寺院》
1 《Glacial Chasm》
1 《演劇の舞台》
1 《ヴェズーヴァ》

-土地 (39)-

1 《老練の探険者》
1 《闇の腹心》
1 《吸血鬼の呪詛術士》
1 《旅するサテュロス》
1 《迷える探求者、梓》
1 《永遠の証人》
1 《クローサの修復者》
1 《巡礼者の目》
1 《ムル・ダヤの巫女》
1 《ゴルガリの墓トロール》
1 《冥界生まれの密集軍》

-クリーチャー (11)-
1 《集団的航海》
1 《納墓》
1 《自然の要求》
1 《自然のままに》
1 《未踏の開拓地》
1 《伝国の玉璽》
1 《吸血の教示者》
1 《突然の衰微》
1 《不断の霞》
1 《探検》
1 《瀉血》
1 《北方行》
1 《壌土からの生命》
1 《新たな芽吹き》
1 《修復》
1 《森の占術》
1 《死の雲》
1 《早摘み》
1 《大渦の脈動》
1 《未知な領域》
1 《喚起》
1 《芽吹くツタ》
1 《有害+不潔》
1 《原初の成長》
1 《腹黒い夢》
1 《刈り取りと種まき》
1 《見事な再生》
1 《粗野な覚醒》
1 《過ぎ去った季節》
1 《ヴィスの吸収》
1 《水蓮の花びら》
1 《彩色の宝球》
1 《彩色の星》
1 《探検の地図》
1 《師範の占い独楽》
1 《太陽の指輪》
1 《頭蓋骨絞め》
1 《テラリオン》
1 《冷鉄の心臓》
1 《ゴルガリの印鑑》
1 《苔色のダイアモンド》
1 《彩色の灯籠》
1 《世界のるつぼ》
1 《精神隷属器》
1 《森の知恵》
1 《春の鼓動》
1 《ファイレクシアの闘技場》
1 《地下世界の人脈》
1 《野生語りのガラク》

-呪文 (49)-
hareruya

 コンボが成立しなくても《陰謀団の貴重品室》からある程度のマナを出せるように、今回はなるべく《沼》の枚数を増やした構築をしました。 《冠雪の沼》が混じっているのは《未知な領域》のためです。

 そして僕の愛読している『のぶおの部屋』で得たテクニックである、《Glacial Chasm》《演劇の舞台》を使ったコンボも搭載しているので、防御面もばっちりです !!

ゴルガリの死者の王、ジャラド

 気になる今回の統率者は《ゴルガリの死者の王、ジャラド》 !! 《暗黒の深部》から出た《マリット・レイジ》 対戦相手全員にシュート !! することができるナイスガイです。

◆ 今回のサブプラン !!

 本連載の恒例のサブプランですが、今回のキーカードはこれです !!

過ぎ去った季節 冥界生まれの密集軍

 《過ぎ去った季節》で墓地からカードを回収しようという目論見ですが、《過ぎ去った季節》自体は墓地に落ちないので再利用することは難しいように思えます。 しかし !! 《冥界生まれの密集軍》から ”変成” すれば何度でも使いまわすことができるのです !! 《早摘み》《粗野な覚醒》でマナを回復できれば無限に使い続けることが可能に !! 無限にマナを増やしつつ、手札も増やせば、あとは《ゴルガリの死者の王、ジャラド》の能力をすべての対戦相手が沈むまで起動するだけです !!

頭蓋骨絞め 地下世界の人脈

 《早摘み》系で土地を起こすついでに《地下世界の人脈》でドローしたり、大量のマナを《頭蓋骨絞め》でドローに変えて、手札を増やしていきましょう。

※画像は【Magic: the Gathering 英語公式ウェブサイト】より引用させていただきました。
《過ぎ去った季節》マスター” ことJon Finkel閣下

 みんなも《過ぎ去った季節》を使って フィンケルになろう !!

◆ ”虚” は突けたかな?

 今回は統率者戦において、如何にして ”虚” を突けばいいのか? に着目して、対策されにくい土地カードをテーマにデッキを構築してみました。 いかがでしたか? 今回は採用しませんでしたが、《The Tabernacle at Pendrell Vale》《Bazaar of Baghdad》をいれるとデッキはもっと輝きます。

The Tabernacle at Pendrell Vale Bazaar of Baghdad

 でも、そこはお財布に無理のない範囲で採用を検討してみてください !! これからも統率者戦で突ける ”虚” を見つけたら、 積極的に突いていきたい と思いますので、続報を楽しみに待っていただければ幸いです !!

 それでは今回はここまで !! また次回よろしくお願いいたします !!

この記事内で掲載されたカード

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