プロツアー『イクサランの相克』トップ4レポート

Pascal Vieren

Pascal Vieren

Translated by Atsushi Ito

原文はこちら
(掲載日 2018/02/10)

みなさんこんにちは!私はパスカル・フィーレン、Hareruya Hopesに所属するベルギーのシルバーレベル・プロです。先週末にスペインのビルバオで開催されたプロツアー『イクサランの相克』で、スイスラウンド無敗のままトップ8に進出し、最終的に3位に入賞することができました。晴れる屋では初めての記事になりますが、楽しんでいただけると幸いです。

トーナメントに向けた準備

調整は主にMagic Onlineで行いました。最初はエルフを触りましたが、あまり芳しくありませんでした。ですがそこで、兄のピーター・フィーレンが調整中の青赤テンポ・コントロールデッキを教えてくれたのです。

リーグに数回出たところで、私はすっかりこのデッキに惚れ込んでしまいました。ありとあらゆるデッキに対するプランがあり、要所要所で適切な判断を求められるので、対戦が極めて刺激的かつ面白いものとなるのです。

様々なディスカッションを経て、最終的にはこのようなリストに落ち着きました。

これほどまでに素晴らしいデッキを兄がデザインしてくれたのは非常にありがたいことです (兄のデッキガイドはこちら)。《若き紅蓮術士》《氷の中の存在》はこういったタイプの青赤コントロールデッキがまさしく求めていた最高のフィニッシャーであると思います。《欠片の双子》の禁止以降、青赤好きのプレイヤーたちは代わりの様々なコンボをデッキに入れ込むのに必死のようでしたが、どれもあまり噛み合っているようには思えませんでした。

若き紅蓮術士氷の中の存在

さてドラフトについては、私はこの『イクサランの相克』環境について次のような結論を得ました。

ビルバオには木曜日に到着し、レジストを終えた後は兄のピーター・フィーレンと同じHopesのブランコ・ネランクとチームを組んで、マリーン・リバート/Marijn Lybeart、ロビン・ダラー/Robin Dolar、マイケル・ボンデ/Michael Bondeのチームとロチェスタードラフトに興じました。私にとってプロツアー前日の夜はリラックスして過ごすことが望ましく、そしてロチェスタードラフトはリラックスするための至高の方法なのです。

プロツアー初日

1stドラフトの初手は《帝国の先駆け》でしたが、青と緑がとても空いていたこともあり、非常に強力な青緑マーフォークをいとも簡単に組み上げることができました。

第1回戦 vs. Faeder, Dustin

第2回戦 vs. Papadopoulos, Panagiotis

第3回戦 vs. Kaczmarczyk, Radek

デッキが素晴らしかったことは言うまでもありませんが、対戦相手が微妙な回りをする一方で私のドローもまた神がかっており、ただの1ゲームも落とすことなくあっさりと3-0することができました。

3-0

第4回戦 vs. Watsfeldt, Elias (青白コントロール)

1ゲーム目は相手の動きが芳しくなく、対してこちらは理想的な手札を構築できたので、最終的に盤面で押しきることができました。2ゲーム目も同様の流れになると思われましたが、そこで相手がおもむろに《約束された終末、エムラクール》をプレイしてきたのです。

約束された終末、エムラクール

奪ったターンで相手はこちらの詰みを外すことに成功してしまい、それ以降こちらが有効なカードを引けずに今度は押しきれずじまいでした。

3ゲーム目が始まったときには残り時間は5分を切っており、それでも2枚の《若き紅蓮術士》が駆けつけて押しきれるかというところだったのですが、相手もこれ以外ないという《至高の評決》で応え、結局マッチの勝敗は引き分けで終わりました。

3-0-1

第5回戦 vs. Gaspar Goncalves, Rafael (バーン)

1ゲーム目は後手で除去のない手札をキープして瞬殺されましたが、2ゲーム目は《払拭》を4回唱えるというバーン相手の勝ちパターンを実現しました。軽い妨害をたくさん挟みつつ十分なクロックを用意することができるので、バーンとの相性はむしろ良いと言えるでしょう。

3ゲーム目は際どいゲームになりました。3枚目の《ボロスの魔除け》をトップされたら負けという1ターンの隙を作らざるをえませんでしたが、幸運にもトップされなかったので、数ターン後には7/8のホラーが対戦相手を介錯しました。

4-0-1

第6回戦 vs. Levy, Raphael (青白コントロール)

おそらくこのマッチがこの週末で最も熾烈な戦いだったでしょう。ラファエルは早いターンに2枚の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》で仕掛けましたがどちらも打ち消し、それから数ターンはお互いに《祖先の幻視》の「待機」明けを待ちながらセットランドするだけのターンが続きました。

この段階でラファエルはライブラリーの枚数を数え始めたので、ライブラリーアウト勝ちの狙いは明白でした。こちらは《瞬唱の魔道士》《若き紅蓮術士》とエレメンタル・トークンでちまちまダメージを刻み、最終的には以下のようなシチュエーションになりました。

この状況から、ゲームは以下のように進行しました。

かくして、ライブラリーゼロ枚、相手の《祖先の幻視》「待機1」、残り時間なしという極限状況で1ゲーム目を勝利することができ、そのままマッチの勝利となりました。

5-0-1

第7回戦 vs. Zhang, Bolun (黒緑ジャンク)

このラウンドはフィーチャーマッチだったこともあり、Bolunは私よりはるかに緊張している様子で、プレイスピードも遅くなっていました。マッチの終わりの方が動画に残っています。

1ゲーム目は4枚の《瞬唱の魔道士》をプレイして私が、2ゲーム目は長いゲームの末に《ヴェールのリリアナ》《闇の腹心》を揃えたBolunが取って、1-1で迎えた3本目。始まった時点で残り時間は10分を切っており、私は追加ターンに《氷の中の存在》で殴りきろうとしましたが、Bolunは2枚の除去を抱えており、このマッチも引き分けに終わりました。

5-0-2

第8回戦 vs. Maples, Zechariah (青白コントロール)

1ゲーム目は早いターンから2体の《若き紅蓮術士》で攻めたて、1体目は《流刑への道》されたものの2体目が生き残り、《選択》と相手の《瞬唱の魔道士》への《呪文嵌め》でエレメンタル・トークンの群れを生成しました。続けて先手4ターン目には《謎めいた命令》を相手の土地に打ち込んで《至高の評決》を打たせないようにし、5ターン目に勝利することができました。

2ゲーム目は早いターンの《祖先の幻視》「待機」によって比較的簡単に手札状況を完璧に整えることができたので、最終的には《ヴェンディリオン三人衆》によるビートダウンで勝利しました。

6-0-2

初日はマッチポイント20点で終えることができて嬉しく思いました。トップ8のためには5勝1敗2分以上が必要になるであろうことは理解していましたが、このときは次のプロツアーの権利を獲得するために4勝3敗1分以上が切実な目標でした。

プロツアー2日目

2日目のドラフトは上上家が両面カードの《不敬の行進》をピックしたのに対して私が《束縛の司教》スタートという立ち上がり。そこから2手目に《飢えた聖騎士》をピックした次、3手目に《軍団の副官》が流れてきました。私は白黒はたとえ上上家と色が被ったとしても問題ないほど許容人数が多いと理解していましたので、1stドラフトと同様、とても強力なデッキを組み上げることができました。

第9回戦 vs. Duke, Reid

第10回戦 vs. Thompson, Gerry

第11回戦 vs. Stroh, Kim

実際にはドローに恵まれずすべてのマッチで1ゲーム目を落としましたが、それでもデッキの強さのおかげで2ゲーム目と3ゲーム目は毎回文句なしのドローで取り返すことができました。

9-0-2

第12回戦 vs. Stern, Jon (バーン)

1ゲーム目は接戦でしたが、私は《氷の中の存在》を出すためにどうしても彼に「火力どれでも引かれたら負け」という1ターンを献上せざるをえず、きっちり《稲妻のらせん》を引かれて敗北しました。

ですが2ゲーム目と3ゲーム目はたくさんの軽い妨害スペルと脅威とをきっちり引き込むことができ、バーンのコンセプトを抑え込むことができました。バーンとの対戦は常に良い勝負になりますが、対戦していてとても楽しいマッチアップです。

10-0-2

第13回戦 vs. Kaczmarczyk, Radek (青赤《向こう見ずな実験》)

1ゲーム目は向こうの勝ち手段が重すぎる上に全く無意味な《血染めの月》が入っているということもあって、かなり一方的な試合内容でした。完璧に手札を整え、盤面で押しきって2ゲーム目へ。

対して2ゲーム目は、向こうも不要なカードを《ヴェンディリオン三人衆》《若き紅蓮術士》《ピア・ナラーとキラン・ナラー》といったカードに差し替えているだけあって、かなりの熱戦となりました。それでもどうにか盤面を捌ききることに成功し、《若き紅蓮術士》と大量のトークンという場を作って勝利を手にしました。

11-0-2

第14回戦 vs. Depraz, Jean-Emmanuel (5色トラバース・シャドウ)

このマッチについては素晴らしいテキストカバレージをこちら(リンク先は英語) で読むことができます。

廃墟の地

あえて付け加えるなら、こういったマッチアップにおいては《廃墟の地》を積極的に使っていけるかどうかが勝敗を分けるということは覚えておいた方が良いでしょう。

12-0-2

そしてこの段階でトップ8入りが確定し、私は歓喜しました!早速妻に連絡しようとしたところで、マリーンが飛びついてきて私の体をしたたかに打ち付けました。これ以降私があまり嬉しそうに見えなかったとしたら、きっとそのせいで顎が痛くてたまらなかったからでしょう。

第15回戦 vs. Yukuhiro, Ken (黒赤ディスカード)

IDを選択しました。

12-0-3

第16回戦 vs. Dominguez, Javier (5色人間)

IDを選択しました。

12-0-4

最終ラウンドはプレイする選択もできましたが、どの道IDすれば1位通過は確定でした。それに、夢を潰すような役回りにはなりたくありませんでしたしね。

トップ8セレモニーで名前を呼ばれる瞬間はまさしく夢のようでした。これから自分がプロツアーサンデーを戦うだなんて、全く実感がなかったように思います。

その夜は友人たちとともにディナーに舌鼓を打った後に、兄とブランコ・ネランクと一緒に準々決勝で当たるAndrea Mengucchiの5色人間とのマッチアップをテストしました。その結果、メイン戦はかなり不利に感じましたが、サイドボード後は相性差が劇的に改善することがわかりました。

トップ8

準々決勝 vs. Andrea Mengucci (5色人間)

テキストカバレージがこちら (リンク先は英語) にあがっています。

Andreaは毎ゲームマリガンに見舞われた上にドローもかなり悪かったようです。ただ放送のためにマッチの再開を待っている間に彼とお喋りするなどして、非常に楽しい時間を過ごせました。本物のナイスガイですね。

準決勝 vs. Gerry Thompson (マルドゥ・パイロマンサー)

テキストカバレージがこちら (リンク先は英語) にあがっています。

5ゲーム目は違ったプレイをするべきでした。《思考囲い》をカウンターしたのは明白にプレイミスです。ですがそれでもこのプロツアーを通して、プレイの内容には満足しています。このゲームは長く複雑で、多くの判断が必要になるものなのですからね。

終わりに

マジックは素晴らしいゲームです!

私は現在プロポイント34点でゴールドレベルは確定しており、プラチナレべルも狙える状況になりました。プロツアートップ8は念願が叶った気持ちです。プロツアーでプレイしてからというもの、トップ8に入ることは常に目標でしたから。

協力および応援をしてくれた友人たちに心から感謝します。そして何より私の兄、ピーターには特別の感謝を。彼なしではこの成績を達成しえなかったことでしょう。素晴らしい地元のコミュニティにも感謝の気持ちを伝えたいです。

最後に、妻のシャルロットに。私が自分の好きなことをしている間、3人の子供たちの面倒を見てくれてありがとう。この勝利は、君なしではありえなかったよ。

パスカル・フィーレン (@VierenPascal)

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