『ドミナリア』先行プレビューカード公開!

晴れる屋メディアチーム

 By Hiroshi Okubo

 とにかく、黒いカードはかっこいい。

ネクロポーテンスゲラルフの伝書使ファイレクシアの抹消者

 悪の美学というのだろうか。マナコスト欄に印刷された黒のマナシンボルは背徳感を想起させ、「死」や「契約」「力」を巡ったフレイバーを感じさせる。ましてやマナシンボルの数が増えれば殊更に、物言わぬマナコストはしかし雄弁に、その暗黒面をこれでもかというほどプレイヤーに強調してくる。

 また、そのダーティな雰囲気に惹かれてか、昔から「黒単」というアーキタイプには根っからのファンが多く、いついかなる時代においても黒単デッキはフォーマットの垣根を越えて存在している。

 さて、今回ご紹介するのはそんな“黒単フリーク”垂涎の1枚だ。『ドミナリア』に収録される新たなクリーチャー、《戦慄の影》をご覧いただこう!

戦慄の影

《戦慄の影》 (黒)(黒)(黒)

クリーチャー-シェイド

(黒):ターン終了時まで、戦慄の影は+1/+1の修整を受ける。

3/3

 まず目を引くのは(黒)(黒)(黒)というマナコストだろう。あまりにも黒すぎて思わずうっとりしてしまう。肝心のプレイアビリティだが、このクリーチャーを3ターン目にプレイしたいなら黒マナ源は23枚以上は欲しいところ――要するに、このカードを運用するならば黒単のデッキが最も適していることになるだろう。

 続いてパワー・タフネスに目を移すと、そこに書かれた数字は3/3とある。一見なんの変哲もない標準的なスペックに見えるが、そもそも軽量クリーチャーの質で白、緑、赤に後れを取る黒が標準的なスペックを持った3マナ域のクリーチャーを獲得した時点でちょっとした事案なのだ。

ヴォルラスの召使い蛇人間の戦士無法の斬骨鬼

 マジックの25年間の歴史の中でも黒単色かつ3マナ3/3のクリーチャーは17体しかおらず、中には《ヴォルラスの召使い》《蛇人間の戦士》《無法の斬骨鬼》のようなデメリット能力を持ったものも少なくないので、この時点で《戦慄の影》は強力な存在であると言える。

 さて、最後に肝心のテキスト欄を見ていくわけだが――彼の起動型能力に見覚えがあるという方も多いのではないだろうか? 支払った黒マナを糧にサイズアップしていく能力、これはほかならぬ《ナントゥーコの影》のものだ。

ナントゥーコの影

 そう、この《戦慄の影》は《ナントゥーコの影》のマイナーチェンジ版である。マナコストが1つ増えたことで素のマナレシオも向上しており、より怪物的なスペックとなってスタンダード環境へと帰ってきたのだ。

 《ナントゥーコの影》を知らない方からすると、この起動型能力は一見地味に見えるかもしれないが、《戦慄の影》を3ターン目に出し、次のターンに土地を1枚置けば4ターン目にして7/7まで巨大化できるわけだ。火力で除去するのも困難な上に、《殺戮の暴君》とも互角以上に殴り合えるファッティへと変貌する3マナ3/3、その恐ろしさを想像するのは決して難しくはないだろう。

屑鉄場のたかり屋才気ある霊基体豪華の王、ゴンティ

 先人である《ナントゥーコの影》もかつては黒単ビートダウンデッキの顔だったという。ともすれば、この《戦慄の影》が弱い道理はないだろう。幸いにもスタンダードには黒単デッキを組むのに必要な優良クリーチャー、《屑鉄場のたかり屋》《才気ある霊基体》、あるいは《豪華の王、ゴンティ》といったカードが揃っている。

 今一度『ドミナリア』の大地に再帰し、《戦慄の影》をデッキのお供に添えてあげてほしい。きっとあなたの期待に応えてくれることだろう。


 『ドミナリア』は2018年4月27日(金)に発売予定だ。4月21日()-4月22日()には晴れる屋各店舗でプレリリースも開催される。

 “伝説”のキャラクターたちが、ベルゼンロック率いる陰謀団を相手に戦う壮大なストーリー。あなたもぜひ『ドミナリア』の世界へ飛び込もう!

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