はじめに
みなさんこんにちは。
禁止改定からしばらくが経ち、現在はモダンの予選シーズンで、来月からはモダンのプロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』が開催されるなど、モダンはいま最も熱いフォーマットです。
さて、今回は『Modern RC Super Qualifier』と『Modern Showcase Challenge』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『Modern RC Super Qualifier』 -禁止改定後も強いボロスエネルギー-
開催日:2026年6月6日
優勝 グリクシス御霊
準優勝 ボロスエネルギー
3位 緑単エルドラージ
4位 繁殖鱗コンボ
5位 エスパーブリンク
6位 ルビーストーム
7位 アゾリウスコントロール
8位 土地破壊
9位 イゼット果敢
10位 リビングエンド
11位 ボロスエネルギー
12位 黒単エルドラージ
13位 ディミーアミッドレンジ
14位 エルドラージトロン
15位 エルドラージトロン
16位 エスパー御霊
Magic Online(以下、MO)で開催された『Modern RC Super Qualifier』は、400名以上が参加し、スイスラウンド10回戦の後、プレイオフという大変長丁場なイベントでした。
今大会でトップ4に入賞し、地域チャンピオンシップへの権利を得たのはグリクシス御霊、ボロスエネルギー、緑単エルドラージ、繁殖鱗コンボでした。
《火の怒りのタイタン、フレージ》を失い弱体化したボロスエネルギーですが、禁止改定後も『Modern Challenge』で常に上位に食い込んでいます。今大会でも準優勝という好成績を残していました。
グリクシス御霊
MOのモダン競技イベントを制したのは、グリクシスカラーの御霊デッキでした。
《思考囲い》や《否定の力》といった妨害スペルも採用されており、《超能力蛙》などでアドバンテージを取りつつビートダウンし、隙を見てリアニメイトコンボを仕掛けるミッドレンジコンボです。
《超能力蛙》などで墓地に落とした《偉大なる統一者、アトラクサ》や《グリセルブランド》といった大型クリーチャーを《御霊の復讐》でリアニメイトします。一般的な御霊デッキはエスパーカラーですが、今回優勝をおさめたリストはグリクシスカラーでした。
☆注目ポイント
エスパーからグリクシスへ変えることで、《孤独》や《時を解す者、テフェリー》《儚い存在》といった白の優秀なスペルは使えなくなりましたが、親和に有効な《溶融》が使えます。
ルーティングスペルも、2マナの《信仰の繕い》の代わりに《信仰無き物あさり》を使用できるようになりました。
《信仰無き物あさり》は2024年12月16日に禁止解除されるまで、長い間モダンから締め出されていた高性能なルーティングスペルです。たった1マナで大型クリーチャーを墓地へ送ることができます。
《紅蓮地獄》が使えるようになるのも赤を使うメリットです。
エネルギー系とのマッチアップは、《紅蓮地獄》のおかげで白い除去に頼っていたエスパーカラーより耐性があります。また、《血染めの月》に対しても同様と言えるでしょう。
《御霊の復讐》でリアニメイトする対象として《穢すもの、ウラモグ》も採用しています。
《超能力蛙》や《骨の皇帝》の能力でマナ総量の大きいカードを追放しておくことで、場に出た際に強化することができます。
《御霊の復讐》や《骨の皇帝》でリアニメイトした際は、ライブラリー破壊能力は誘発しないものの、速攻がつきます。《骨の皇帝》の能力の場合は、「滅殺10」、+1/+1カウンターが10個置かれた状態で戦場に出ます。
ボロスエネルギー
《火の怒りのタイタン、フレージ》を失い、1ターンで12点のダメージを与える《栄光の闘技場》との強力なコンボはなくなったものの、高性能な1、2マナクリーチャーによるアグロ戦略は健在です。
今大会でも準優勝という好成績を残すなど、禁止改定後の環境でもボロスエネルギーはメタの上位に位置しています。
《火の怒りのタイタン、フレージ》に代わるアドバンテージ源として、《鏡割りの寓話》や《ロクの伝説》といったカードが採用されるなど、新環境に合わせた調整が施され、対応力の高さがこのデッキの強みです。
☆注目ポイント
《火の怒りのタイタン、フレージ》は使えなくなりましたが、《栄光の闘技場》の速攻を付与する能力は強く、特にサイドの《黒曜石の焦がし口》と相性がいいため、1枚だけ採用されています。
デッキに持久力と決定力をもたらしていた《火の怒りのタイタン、フレージ》には及ばないものの、《鏡割りの寓話》など現在のモダンにはアドバンテージを獲得できる3マナ域のカードが豊富に存在します。
アドバンテージを提供しつつ妨害能力も内蔵したカードにも注目です。
《イーオスのレインジャー長》は《暴力的な突発》の禁止解除によって強化されたリビングエンド対策、禁止改定後も活躍し続けているルビーストームなどコンボを妨害できるカードとして評価を上げメインから採用されています。
《塔の長官、ボロミア》も《死せる生》や《睡蓮の花》など「待機」を持つスペルを妨害することができ、さらに《空の怒り》など全体除去から自軍のクリーチャーを守れるため採用する価値のある3マナ域です。
《ロクの伝説》は禁止改定以前もジェスカイブリンクなどフェアデッキとのマッチアップ用にサイドに入っていましたが、改定後の環境では中盤以降のアドバンテージ源かつフィニッシャーとしてメインから採用されるようになりました。
《電気放出》《スレイベンの魔除け》、そして最近はメインから見ることが多くなった《孤独》など、このデッキは複数の優秀な除去が使えるため《ロクの伝説》が変身するまでの時間を稼ぐことも容易です。
『Modern Showcase Challenge』 -環境のトップメタ親和-
開催日:2026年6月12日
優勝 親和
準優勝 ディミーアミッドレンジ
3位 繁殖鱗コンボ
4位 ベルチャー
5位 セレズニアブリンク
6位 アゾリウスブリンク
7位 イゼット果敢
8位 ジェスカイブリンク
9位 ボロスエネルギー
10位 魂商人コンボ
11位 繁殖鱗コンボ
12位 親和
13位 親和
14位 繁殖鱗コンボ
15位 ボロスエネルギー
16位 ネオブランド
参加者300名以上でおこなわれた『Modern Showcase Challenge』は、前の週に開催された『Modern RC Super Qualifier』や、複数の『Modern Challenge』で結果を残していたボロスエネルギーがプレイオフには進出しませんでした。
複数のブリンク系デッキやディミーアミッドレンジといったミッドレンジが中心で、最終的に優勝をおさめたのは親和です。
ブリンク系デッキは、アゾリウス、ジェスカイなど色の組み合わせの違いは見られるものの《魂の導き手》と《オセロットの群れ》のコンビが搭載され、《溌剌の牧羊犬、フィリア》《量子の謎かけ屋》といったブリンクパッケージも採用されています。
ディミーアミッドレンジ
禁止改定以前は《火の怒りのタイタン、フレージ》を使ったデッキ(ボロスエネルギー、ジェスカイブリンク)に対してフェアデッキで挑むのは至難の業でしたが、改定後は元々コンボデッキに強かったこのディミーアミッドレンジが有力な選択肢になります。
《超能力蛙》は依然として環境トップクラスの脅威で、御霊デッキやリアニメイトのようなコンボでも採用されていますが、ディミーアミッドレンジは《超能力蛙》を使ったフェアデッキです。
☆注目ポイント
《火の怒りのタイタン、フレージ》で落とされることもなくなったため《知りたがりの学徒、タミヨウ》はフェアデッキとのマッチアップで使いやすくなりました。1マナの回避能力持ちのクリーチャーなので、忍術のコストとしても使えます。
エスパーブリンクなどと比べるとコストを踏み倒せないため、《量子の謎かけ屋》は使いにくく見えますが、消耗戦になりがちなミラーマッチや、各種ブリンク系とのマッチアップで活躍が期待でき、ピッチスペルで失ったカードアドバンテージも回復することができます。
《悪夢滅ぼし、魁渡》も《火の怒りのタイタン、フレージ》が禁止になったことで恩恵を受けたカードの1枚です。禁止改定後の環境で活躍しているエスパーブリンクやアゾリウスブリンクとのマッチアップで対処されにくいアドバンテージ源かつ勝ち手段になります。
ピッチでプレイできる《否定の力》と《緻密》はモダンの青いデッキの主要な妨害といえます。同様に、ピッチでプレイできる全体除去の《絶望の力》もカウンターのマナを残しながら脅威を一掃できるので多くのアグロデッキとのマッチアップに有用です。
墓地から何度も復活してくる《火の怒りのタイタン、フレージ》は去ったものの、御霊やリアニメイトなど墓地を使ったデッキは環境に存在するため、墓地対策の《塵へのしがみつき》は引き続きメインから採用することが推奨されます。
《記憶への放逐》は《暴力的な突発》の禁止解除で強化されたリビングエンドなどを対策することもでき、エルドラージなど複数のマッチアップでも使えるため、今後も4枚採用したいスペルです。
《仕組まれた爆薬》は親和やイゼット果敢などに有効な全体除去です。
《睡蓮の原野》が禁止になったことで弱体化したものの、アミュレットタイタンは『Modern Challenge』で優勝するなど健在で、特殊地形を多用するエルドラージにも効果的なため《海の先駆け》が複数枚サイドに採られています。
アゾリウスブリンク
ブリンクデッキは、禁止改定前の環境では《火の怒りのタイタン、フレージ》が使えるジェスカイほぼ一択でしたが、改定後はアゾリウスやエスパーなど様々なバリエーションが見られます。
今回結果を残していたアゾリウスブリンクは、改定後に『Modern Challenge』など複数のイベントで結果を残していました。
どのバージョンも《儚い存在》や《溌剌の牧羊犬、フィリア》で《量子の謎かけ屋》など戦場に出たときの能力を持ちのクリーチャーをブリンクさせ、能力を再利用することでアドバンテージを稼ぐミッドレンジ戦略を取りますが、色の組み合わせによって異なる強みがあります。
☆注目ポイント
《儚い存在》や《溌剌の牧羊犬、フィリア》で《量子の謎かけ屋》などをブリンクさせてアドバンテージを取るミッドレンジ戦略に、《魂の導き手》と《オセロットの群れ》のモダン環境における最強クラスの1マナ域のクリーチャーを加えることで序盤からプレッシャーをかけることもできるようになっています。
エネルギーと同様に、《魂の導き手》のライフゲインによって《オセロットの群れ》で猫トークンを生成し、《魂の導き手》でさらにライフとエネルギーカウンターを得ることができます。
《星原の番人》も必要な土地や《魂の導き手》《オセロットの群れ》をサーチできるのでより動きが安定します。
リビングエンドやエルドラージなど様々なマッチアップで使える優秀な妨害スペルの《記憶への放逐》は、このデッキでは《量子の謎かけ屋》のワープの遅延誘発や、想起でプレイした《孤独》の生け贄に捧げる能力の誘発を打ち消すことで場に留まらせるプレイも可能です。
さらに、《溌剌の牧羊犬、フィリア》の遅延誘発を打ち消すことで事実上1マナの万能除去としても使用できるなど様々な使い方ができるためメインからの採用になっています。
メインから3枚採用されている《時を解す者、テフェリー》も禁止改定後に価値を上げたカードの1枚です。リビングエンドやミラーマッチ、御霊、アゾリウスコントロールなど複数のマッチアップに対し有効です。
総括
多くのプレイヤーの予想通り、エネルギーは《ナカティルの最下層民、アジャニ》《魂の導き手》《オセロットの群れ》といった『モダンホライゾン3』の強力な1、2マナ域クリーチャー、《電気放出》など高性能の除去やアドバンテージ源が存在する限り環境から姿を消すことはなさそうです。
《火の怒りのタイタン、フレージ》の禁止によって弱体化したはずのエネルギーは相変わらずの活躍を見せていますが、繁殖鱗コンボ、リアニメイト、ルビーストーム、親和、ブリンク、アゾリウスコントロールなどほかのデッキも活躍しており、来月にアムステルダムで開催されるプロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』までは混沌としたメタが続きそうです。
USA Modern Express Vol. 158は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいモダンライフを!












































