市川ユウキ選手が頂点に!プロツアー『マーベル スーパー・ヒーローズ』活躍デッキ【USA Modern Express vol.160】

Kenta Hiroki

はじめに

みなさんこんにちは。

7月17~19日にオランダのアムステルダムで開催されたプロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』は日本人プロプレイヤーである市川ユウキ選手が見事に優勝を飾りました。

さて、今回はプロツアーで好成績を残したモダンのデッキを見ていきたいと思います。

プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』

プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』はスイスラウンドがモダン、プレイオフはブースタードラフトで競われました。

魂の導き手ピナクルの特使日を浴びる繁殖鱗難題の予見者

今大会の人気上位は、開催前から有力視されていた、ボロスエネルギーと親和でした。また、繁殖鱗コンボやエルドラージトロン、エスパー御霊、ネオブランドといったコンボデッキを選択したプレイヤーも少なくありません

八百長試合Allosaurus Rider

日本人選手の活躍も著しく、特に八百長エルドラージはトップ8入賞を果たした行弘賢選手、ネオブランドは優勝をおさめた市川ユウキ選手など、モダン部門で複数のプレイヤーが7勝以上の成績を残しています。

ネオブランド

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Allosaurus RiderNeoform偉大なる統一者、アトラクサグリセルブランド

《アロサウルス乗り》を、手札から緑のカードを2枚追放するピッチコストでプレイし、《新生化》によって《偉大なる統一者、アトラクサ》《グリセルブランド》といった大型クリーチャーのコストを踏み倒すのがこのデッキの基本的な動きです。

否定の契約記憶への放逐

対戦相手のカウンターなどの妨害も《否定の契約》で無理やり通すことが可能です。契約の誘発も《記憶への放逐》で打ち消すことができます

次元の創世気前のよいエントDisciple of Freyalise

高速コンボデッキですが、《次元の創世》《気前のよいエント》、そして緑マナ源や《アロサウルス乗り》のピッチコストとしても使えるスペルランドの《フレイアリーズの信奉者》のおかげで必要な土地を確保しやすく、思いのほか動きは安定しています。

☆注目ポイント

Ghalta, Stampede TyrantAllosaurus RiderNeoformXenagos, God of Revels

《暴走暴君、ガルタ》《アロサウルス乗り》《新生化》で踏み倒すことによって、場に出たときの能力で手札のファッティをさらに出すことも可能です。

《歓楽の神、ゼナゴス》を出すことができれば、速攻の付与とターン終了時まで対象のクリーチャーのパワーに等しい修整を与える能力により、そのターンでゲームに勝つこともできます

Ureni, the Song UnendingHooting MandrillsAtraxa, Grand Unifier

《終わらぬ歌、ウレニ》はプロテクション(白)(黒)持ちなので、エスパーブリンクやエスパー御霊などの《孤独》で除去される心配がなく、有効なフィニッシャーとなります。

《わめき騒ぐマンドリル》は追加の勝ち手段としても機能しますが、マナ総量が6のため《新生化》から《偉大なる統一者、アトラクサ》を場に出すこともできます

Veil of SummerThoughtseizeVexing Bauble

ハンデス、カウンター対策として《夏の帳》がメインから採用されています。

スイスラウンド最終戦のエスパー御霊とのマッチアップでも、対戦相手の《思考囲い》《夏の帳》で弾きながら1ドローする活躍をしていました。《夏の帳》はスペルを打ち消されなくできるので、多くのデッキがコンボ対策として採用している《苛立たしいガラクタ》にも有効です。

繁殖鱗コンボ

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日を浴びる繁殖鱗Blade of the Bloodchief歩行バリスタ

今大会でボロスエネルギーと親和に次いで人気があったのは繁殖鱗コンボです。繁殖鱗コンボは、《日を浴びる繁殖鱗》の+1/+1カウンターが置かれるたびに落とし子・トークンを生成する能力と、《血の長の刃》のクリーチャーが死亡するたびに装備クリーチャーに+1/+1カウンターを乗せる能力を利用して無限マナを実現し、最終的に《歩行バリスタ》からの無限ダメージで勝利を目指します

ウルザの物語古きものの活性邪悪鳴らし

《血の長の刃》をサーチできる《ウルザの物語》や、サーチスペルの《古きものの活性》《邪悪鳴らし》といったカードのおかげで再現性が高いです。また、エルドラージとハイブリッドした型が主流となっており、多角的な攻めを可能にしています。

☆注目ポイント

まばゆい肉掻きコジレックの命令

《まばゆい肉掻き》《コジレックの命令》も勝ち手段になりえます。《まばゆい肉掻き》が2体並べば高速で相手のライフを削ることが可能です。

日を浴びる繁殖鱗Blade of the Bloodchief

繁殖鱗コンボデッキに対抗するためには、《日を浴びる繁殖鱗》《血の長の刃》のコンボ以外にも複数の脅威に対処する必要があり、すべてに対応することは現実的ではありません。そのためモダンでも対戦難易度が高いデッキの一つです。

まばゆい肉掻きのたうつ蛹ウルザの物語

対戦相手は《まばゆい肉掻き》《のたうつ蛹》《ウルザの物語》の構築物・トークンを止めるためにリソースを費やすことになり、その結果コンボが決まりやすくなります。

邪悪鳴らし約束された終末、エムラクール

《邪悪鳴らし》はコンボに必要なカードを探しつつ、墓地を肥し、カードタイプを増やすことができるので、4-5ターン目に《約束された終末、エムラクール》のプレイを可能にします

ウルザの物語Blade of the Bloodchief魂標ランタン苛立たしいガラクタ

《ウルザの物語》でコンボパーツの《血の長の刃》をはじめとする1マナアーティファクトをサーチできるため、メインから墓地対策の《魂標ランタン》や、多くのコンボに有効な《苛立たしいガラクタ》を採用できる高い対応力も持ち合わせています

苛立たしいガラクタ孤独否定の力

《苛立たしいガラクタ》は親和やそのほか多くのコンボ対策であり、《孤独》《否定の力》などもピッチでプレイできなくなります。このデッキはマナを支払わずにプレイできるスペルを採用していないため、一方的に制限をかけることが可能です

壌土からの生命ウルザの物語自由の代価

サイドの《壌土からの生命》は興味深い選択で、《ウルザの物語》などを使い回すことができ、フェアデッキとのロングゲームで強さを発揮しそうです。しかし、おそらくはボロスランデス対策だと考えられます。

エスパー御霊

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御霊の復讐偉大なる統一者、アトラクサグリセルブランド

2-4ターン目の間に《御霊の復讐》《偉大なる統一者、アトラクサ》《グリセルブランド》といった伝説のクリーチャーをリアニメイトすることがこのデッキの主たるプランです。

超能力蛙量子の謎かけ屋儚い存在

しかし、《超能力蛙》や、《量子の謎かけ屋》《儚い存在》でアドバンテージを稼ぎつつ、ハンデスやカウンター、《孤独》のような除去を駆使してコントロールしていくミッドレンジとして振る舞うこともできます

このデッキは、トップメタのボロスエネルギーに有利を取れ、親和を除いた多くのマッチアップで互角以上に渡り合えます。そのため今大会でも安定した勝率を出していました。

Surgical Extraction忍耐トーモッドの墓所

リアニメイト戦略のため《外科的摘出》《忍耐》《トーモッドの墓所》といった墓地対策に弱い印象を抱くかもしれませんが、《御霊の復讐》はインスタントスペルなので隙をついて仕掛けることができます。そのため、墓地対策されるサイド後もリアニメイトプランを実行しやすいです。

☆注目ポイント

量子の謎かけ屋儚い存在

エスパー御霊は、メインから《量子の謎かけ屋》を採用したブリンクとハイブリットのバージョンがよく見られますが、今大会でもっとも優秀な成績を残したリストはリアニメイトに特化したものでした。

Otherworldly GazeFallaji Archaeologist御霊の復讐

《異世界の凝視》《ファラジの考古学者》といったカードは《偉大なる統一者、アトラクサ》《グリセルブランド》を墓地に送りつつ、キーカードの《御霊の復讐》を探し出します。

Superior Spider-Man

追加のリアニメイト手段として採用されている《スーペリア・スパイダーマン》は、様々な使い方ができます。対戦相手の墓地のクリーチャーも対象にできるため、ミラーマッチではコンボパーツとしてだけでなく、墓地対策としても機能します。

超能力蛙儚い存在

また、《超能力蛙》が場にいるときは、《スーペリア・スパイダーマン》をプレイして墓地対策を誘い、スペルや能力が解決したあとに《超能力蛙》《偉大なる統一者、アトラクサ》《グリセルブランド》を捨て、《スーペリア・スパイダーマン》の能力でコピーすることで墓地対策をかわすことが可能です。

《儚い存在》とも相性が良く、《スーペリア・スパイダーマン》をブリンクさせるとインスタントタイミングで墓地のクリーチャーをコピーできます

量子の謎かけ屋記憶への放逐

メインはリアニメイト戦略に重点を置いていますが、サイド後は《量子の謎かけ屋》や追加の除去、妨害が投入されます。《量子の謎かけ屋》で簡単にアドバンテージを取り戻せるため、必要なカードを求めて積極的にマリガンしにいくことができます。そして追加の勝ち手段としても機能します。

ほかのブリンクミッドレンジと同様に、《記憶への放逐》は妨害以外にも「ワープ」した《量子の謎かけ屋》を場に残す手段としても使えます。

時を解す者、テフェリー

《時を解す者、テフェリー》はミラーマッチ、リビングエンド、アゾリウスコントロール、ネオブランドなど、カウンターやインスタントタイミングで仕掛けてくるマッチアップにおいて活躍が期待できる強力なプレインズウォーカーです。しかし、マッチアップによって強さにムラがあるためサイドでの採用になっています。

八百長エルドラージ

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Slumbering TrudgeFight Rigging

今大会で見事トップ8入賞を果たした行弘賢選手を含め、多くの日本人選手が選択していたデッキの一つがこの八百長エルドラージでした。

このデッキの原型は、《まどろみのトラッジ》が収録された『ストリクスヘイヴンの秘密』リリース当初からMagic Onlineで結果を残し話題になっていましたが、まさかプロツアーで活躍するデッキになるとは想像だにしませんでした

Slumbering Trudgeウギンの迷宮八百長試合

1ターン目は《まどろみのトラッジ》をプレイし、続く2ターン目に《ウギンの迷宮》《真実を溺れさせるもの》など7マナ以上の無色カードを追放することで2マナを出せるようにし、《八百長試合》をプレイします。

絶え間ない飢餓、ウラモグ約束された終末、エムラクール

そして、《八百長試合》の「秘匿」で《絶え間ない飢餓、ウラモグ》《約束された終末、エムラクール》といったフィニッシャーを見つけられることが理想です。戦闘フェイズの開始時に、《まどろみのトラッジ》の上へ+1+1カウンターを置くことで7/7になり「秘匿」したスペルをプレイすることができます

☆注目ポイント

Sowing MycospawnKozilek's CommandEmrakul, the Promised End

1ターン目の《まどろみのトラッジ》から《八百長試合》につなげるブン回りパターンは強力ですが、《まき散らす菌糸生物》から《エルドラージの寺院》をサーチしてマナを伸ばし、《コジレックの命令》をプレイして最終的に《約束された終末、エムラクール》をキャストするエルドラージランプとしても勝つことができます

Slumbering TrudgeGreen Sun's ZenithMalevolent Rumble

鍵となるクリーチャーの《まどろみのトラッジ》はマナコストがXGであるため《緑の太陽の頂点》で手軽にサーチできます

《邪悪鳴らし》はマナ加速しつつ《八百長試合》を手札に加えることができます。さらに、墓地を肥やしカードタイプを増やすこともできるため、ゲームが長引いた際は《約束された終末、エムラクール》を手札からプレイしやすくします。

Fanatic of RhonasSlumbering Trudge

《ロナスの狂信者》は「獰猛」を達成していれば緑4マナを出せるマナクリーチャーです。「獰猛」は《まどろみのトラッジ》のおかげで達成しやすいので強力なマナ加速として機能します。

タフネスも4と硬く、「永遠」によって墓地から復活してこれるため、ロングゲームでも戦力になります。「永遠」によって復活した場合は4/4なので自身で「獰猛」の条件も満たすことができます。

総括

魂の導き手オセロットの群れピナクルの特使河童の砲手

予想通り、プロツアーでもボロスエネルギーはもっとも人気のあるデッキでした。親和も同様の使用率でしたが、勝率面でボロスエネルギーが安定していた一方、対策が厳しかったためなのか、親和はトップ32に1名だけでした

新生化日を浴びる繁殖鱗御霊の復讐八百長試合

上位入賞を果たしたデッキには、ネオブランド、繁殖鱗コンボ、エスパー御霊、八百長エルドラージなど2-4ターン以内にゲームを決めるコンボデッキが多く、トップメタのボロスエネルギーに強く出られる点が共通しています。

コンボデッキが多いものの、プロツアーの結果からは特定のデッキが支配している様子もなく、多様性が保たれている印象です。

USA Modern Express Vol.160は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいモダンライフを!

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Kenta Hiroki アメリカ在住のプレイヤー。 フォーマットを問わず精力的に活動しており、SCGやグランプリの結果などからグローバルな最新情報を隔週で発信する「USA Modern Express」「USA Legacy Express」を連載中。 Kenta Hirokiの記事はこちら