Hareruya Prosと一緒にドラフトしよう! ~『灯争大戦』編Part1~

Jeremy Dezani

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2019/05/15)

みなさんこんにちは。今回取り扱うのは新セットの『灯争大戦』です。

1パック目の8手目までをシミュレーションし、4人のHareruya Prosたちに何をピックするか聞いてきました。

この度の記事に参加してくれた親切なプレイヤーたちを紹介しましょう。

彼らについてもっと詳しく知りたい方はHareruya Prosの選手ページをご覧ください。

今回の記事の見どころは、彼らが同じカードを選択するのかどうかです。

1手目

爆発域覆いを割く者、ナーセット忠実な相棒、モーウー灯の燼滅信頼あるペガサス無神経な放逐カズミナの変成負傷者の手当て侵略の代償眩光破ゴブリンの通り魔樹上の草食獣開花の巨体サヒーリの銀翼

ハビエル・ドミンゲス

信頼あるペガサス

他の色にも優良なカードが揃っているけど、《信頼あるペガサス》パック内で一番強いカードだね。

ペトル・ソフーレク

覆いを割く者、ナーセット

《覆いを割く者、ナーセット》を機能させるにはデッキ構築に気を配る必要がありますが、それに見合うだけのカードパワーがあります。その次に選ぶとすれば《開花の巨体》ですが、『灯争大戦』の4マナ域は豊富にありますし、緑の最適の形が多色である以上は《開花の巨体》もそこまで重要性が高くありません。

リー・シー・ティエン

開花の巨体

《覆いを割く者、ナーセット》を取りたいところですが、私の経験からすれば青に参入するプレイヤーは過剰に多いのが常です。ですから隣のプレイヤーには(《覆いを割く者、ナーセット》が真価を発揮する)青の呪文を軸としたデッキをやってもらい、私は「増殖」を使ったクリーチャーデッキをドラフトしようと思います。

ジェイソン・チャン

覆いを割く者、ナーセット

初手はプレインズウォーカーを取るのが好みですね。《覆いを割く者、ナーセット》のような強力なものであれば尚更です。呪文が満載の構築にしておけば、少なくとも土地でないカードを2枚も手札に加えられますしね。

2手目

アングラスの暴力力線をうろつくものウギンの召喚体鉄覆いのクロヴァドロクソドンの軍曹放浪者の一撃造反者潰しオブ・ニクシリスの残虐破砕ゴブリンの通り魔クロールのとげ刺しプリズマイトサヒーリの銀翼

ハビエル・ドミンゲス

放浪者の一撃

《オブ・ニクシリスの残虐》の方が明らかに強力だけど、ここでは他の色に手を出さない方が良いね。

ペトル・ソフーレク

ウギンの召喚体

先ほどに引き続き難しいピックです。まだまだ始まったばかりですし、どんなデッキでも《ウギンの召喚体》は間違いなく使いますから、手堅いピックでしょう(柔軟にマナカーブを埋めてくれるうえに、終盤でも大きなサイズのクリーチャーとして展開できますからね)。

リー・シー・ティエン

放浪者の一撃

優良な除去であり、「増殖」がついているのも単純に嬉しいですね。初手で取った《開花の巨体》とも方向性が合っています。

ジェイソン・チャン

アングラスの暴力

色を絞らないのであれば、《ウギンの召喚体》をピックします。ですが、《覆いを割く者、ナーセット》を初手で取っているので、プレインズウォーカーを守れるカードを取りましょう。

3手目

蠍の侍臣崇高な工匠、サヒーリ鉄覆いのクロヴァド信頼あるペガサスルーンの壁灯の収穫灯を刈り取る者サムトの疾走アーリンの狼クロールのとげ刺し揺るぎない狙い鉄の暴漢

ハビエル・ドミンゲス

信頼あるペガサス

また来た!やったね!

ペトル・ソフーレク

崇高な工匠、サヒーリ

黒のカードの方が強い可能性がありますが、《崇高な工匠、サヒーリ》の方が受けを広く保っておけますね。

リー・シー・ティエン

信頼あるペガサス

ファッティと相性が良く、終盤には大きなダメージを叩きだす手段となります。相棒となる《護法鱗のクロコダイル》が今後流れてくるのを期待しましょう。

ジェイソン・チャン

崇高な工匠、サヒーリ

コントロール向けのクリーチャーではない呪文をすでに2枚もピックしているので、《崇高な工匠、サヒーリ》はゲームプランに合致しています。

4手目

アングラスの暴力心温まる贖罪目的のための殉教者キオーラの堰破り道迷い灯を刈り取る者侵略の代償予期せぬ助力ゴブリンの通り魔罠紡ぎ轟く角獣

ハビエル・ドミンゲス

目的のための殉教者

《信頼あるペガサス》を使うデッキではマナカーブが何よりも重要だ。他のカードもそこまで魅力的なものではないしね。

ペトル・ソフーレク

侵略の代償

パック内で最強のカードであり、ここまでにピックした《覆いを割く者、ナーセット》《崇高な工匠、サヒーリ》と噛み合っています。

リー・シー・ティエン

轟く角獣

サイズも大きく、トランプルが活躍する場面も多いですね。

ジェイソン・チャン

アングラスの暴力

さらなる除去。コントロールデッキを目指しつつ、グリクシスカラーを実現するためにマナサポートを探していきましょう。

5手目

マーフォークのスカイダイバー幸運な野良猫ロクソドンの軍曹テヨの光盾造反者潰しキオーラの堰破り道迷い負傷者の手当てサムトの疾走自然への回帰

ハビエル・ドミンゲス

マーフォークのスカイダイバー

できれば白をドラフトしたいところだけど、《マーフォークのスカイダイバー》は今までピックしたカードを度外視してもいいほどのカードパワーがあるんだ。

ペトル・ソフーレク

マーフォークのスカイダイバー

とても強力なアンコモン。悩む余地は一切ありません。

リー・シー・ティエン

マーフォークのスカイダイバー

タッチで使っても嬉しいことが多い1枚。白が卓で人気だとわかったときに、青緑に逃げる道を作っておけます。それに『灯争大戦』の緑はタッチもしやすいですしね。

ジェイソン・チャン

負傷者の手当て

ピック済みのプレインズウォーカーと相性の良いものが再び流れてきました。単純に回収にも使えますしね。プレインズウォーカーが複数枚取れていることから、容易に1:2交換できるのもありがたいところです。

6手目

ドビンの拒否権防壁の巨人幸運な野良猫間に合わせの大隊キオーラの堰破りナヒリの石刃怒り狂うクロンチ強制着陸護法鱗のクロコダイル

ハビエル・ドミンゲス

間に合わせの大隊

白アグロの路線を継続しよう。

ペトル・ソフーレク

キオーラの堰破り

6マナ域の枚数はそこまで必要でないので、《キオーラの堰破り》は極端に嬉しいカードではないですね。ですが、このパックには他に見るべきカードもありません(《怒り狂うクロンチ》も青赤ではそこまで活躍を期待できません)。デッキと相性が良さそうなので《キオーラの堰破り》を取ることにします。

リー・シー・ティエン

護法鱗のクロコダイル

3手目の解説をご覧ください。

ジェイソン・チャン

キオーラの堰破り

残念ながら色のあっている優良カードはありません。とはいえ、見方を変えれば下家のプレイヤーの色が私と被っている可能性が低いとも言えます。

7手目

放浪者果敢な一撃間に合わせの大隊目的のための殉教者立ち上がる民衆破滅犬税収運びの巨人不気味な修練者

ハビエル・ドミンゲス

目的のための殉教者

《間に合わせの大隊》《立ち上がる民衆》の方がカードパワーが若干高いけど、まだマナカーブを重視していきたいね。

ペトル・ソフーレク

放浪者

メインデッキ、サイドボード、タッチ。いずれにせよ上手く使える可能性がある1枚です。

リー・シー・ティエン

放浪者

なぜここまで流れてきているのか不思議ですね。ワンポイントアドバイスですが、+1/+1カウンターが載っている相手のクリーチャーを「増殖」すれば、《放浪者》で除去できる可能性があります。

ジェイソン・チャン

放浪者

非常に強いわけでもないですが、かなり遅めの順手ですし、《戦慄衆の指揮》のようなカードともコンボを形成するので、ここでピックして大きく損することはないでしょう。

8手目

憎悪に歪む者、オブ・ニクシリス戦地昇進ダスクマントルの調査員予期せぬ助力サルカンの浄化サヒーリの銀翼

ハビエル・ドミンゲス

戦地昇進

現時点で白をドラフトするのは確定的だし、《戦地昇進》は良いコンバットトリックだ。

ペトル・ソフーレク

憎悪に歪む者、オブ・ニクシリス

まだ色が決まらないですが、パック内で最強のカードを取り続けることにします。《憎悪に歪む者、オブ・ニクシリス》は使いようによっては非常にパワフルになります。

リー・シー・ティエン

戦地昇進

ファッティにピッタリの優秀なコンバットトリックです。「増殖」を使いやすくなるのも良いですね。

ジェイソン・チャン

憎悪に歪む者、オブ・ニクシリス

思わず笑ってしまいました。8手目に流れてくるようなカードではないですね。

まとめ

初手は意見が分かれそうなものであり、その判断が以降のドラフトに大きく影響していましたね。

Twitterでみなさんにも初手についてアンケートを取ってみました。

『灯争大戦』は非常に楽しいドラフト環境になっています。きっとみなさんも頭を悩ませるようなピックに巡り合うことでしょう。

ジェレミー・デザーニ

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Jeremy Dezani 2013-2014年シーズンのプレイヤー・オブ・ザ・イヤー獲得プレイヤー。 プロツアー『テーロス』では、「青単信心」を使いこなし見事優勝の栄冠に輝いた実績を持つ。グランプリのトップ8入賞回数は14回にも上り、優勝3回、準優勝4回を記録している。 海外のプレイヤーとしては初のHareruya Pros加入となる。 Jeremy Dezaniの記事はこちら