(最終更新日:2021/08/19)
統率者戦の単色デッキおすすめカード
統率者戦カードアーカイブへようこそ。
このアーカイブではテーマに沿って統率者戦でのオススメカードを紹介します。
随時更新していきますので、新しく統率者戦デッキを作るとき、改良したいときにぜひ見返してみてください。
- 目次
- 統率者戦 おすすめカードアーカイブ
今回は「単色デッキにおすすめ」なカードを広くご紹介します。
ここでは特に「色の役割を超えた珍しいカード」「特に単色デッキで威力を発揮するカード」をご紹介します。各色のより幅広いカード、能力土地やアーティファクトのオススメカードは上記の目次ページから各項目をご覧ください。
単色デッキ事情
マジックの5色にはそれぞれの得意技とできないことがあります。これを色の役割と呼びます。
例えば白はクリーチャー、エンチャント、アーティファクトとパーマネントを除去する能力に長けています。《神の怒り》《ハルマゲドン》など全体除去”リセットボタン”も優秀なものがそろっています。
一方、「強力な除去手段を擁する白に強力なドロー手段を与えると無敵になってしまう」との懸念から白にはドロー手段が非常に少なく、サーチも除去札を引き込みにくいものになっています。
デッキの色を増やすことでより多彩な戦術をとることができる。統率者戦で多色のデッキが強いと言われる理由の一つです。ほかのフォーマットと違って固有色という制限があるため、「白をタッチして除去を入れよう」といったことはできません。単色のデッキはそれだけとれる戦術が狭いということになります。
その一方、マジックはその長い歴史の中でたくさんの「色の役割を逸脱したカード」が登場しています。そうしたカードを使えば単色デッキであっても色の弱点を補ったり、より多様な戦術をとることができるでしょう。
ここでは特に「色の役割を超えた珍しいカード」「特に単色デッキで威力を発揮するカード」をご紹介します。各色、能力土地やアーティファクトのオススメカードは各項目をご覧ください。
妨害カードを突破するためのカードも多数ご紹介しますが、「妨害・対策カード」「妨害・対策カードの対策カード」ばかりに気を取られてしまうとかえって勝利が遠のいてしまうかもしれません。ゲームの目標は楽しむこと、そして勝つことです。ご注意を。
白
白は除去最強色でありながら、統率者戦で有力なキーワード能力である警戒や破壊不能を持つなどクリーチャーも優秀なものが多い色です。一方、白はドローでアドバンテージを得ることが最も苦手と言えるでしょう。それゆえに統率者戦では長らく「最も不憫な色」と評されることもしばしばありましたが、青ほどではないもののドロー能力を持つカードが増えてきました。
《エスパーの歩哨》は白い《Mystic Remora》の登場と騒がれました。実態は「たった1マナの支払いで免れる」「1ターンに1度しか誘発しない」という制約があるものの、白には装備品などでクリーチャーのサイズを上げる手段がたくさんあります。特に《太陽冠のヘリオッド》デッキでは簡単にサイズアップができます。
《フランフ》はカジュアルな統率者戦で活躍しそうなキュートな生物です。《フランフ》がダメージを受けるたび、自分と対戦相手誰かひとりが1枚ドローできます。タフネス4もあればそうそう倒されることはないので、「こっちを攻撃してくれたら《フランフ》でブロックして一緒にドローできるよ!」と誘導してうまく手札を確保したいですね。
《外交官、マンガラ》は対戦相手が大きく動くことをけん制しながらもこちらがアドバンテージを獲得できます。対戦相手が2体以上で攻撃したり、1ターン以内に2つ目の呪文を唱えることでドローします。
警戒や飛行を持つ優秀なクリーチャーを並べられるのなら、「統治者」をドロー手段にするのもいいでしょう。対戦相手にもドローを与えてしまうかもしれませんが、継続的なドローが見込めます。ダメージによる勝利を目指すデッキなら互いの戦闘を誘因させることも魅力です。
土地の能力でドローすることも可能です。《海の中心、御心》は対戦相手にも手札を与えてしまいますが、白単色にありがちな中盤以降の凝り固まった手札を改善できます。
《作戦室》は起動コストが3マナです。自分の統率者の固有色の数だけライフを失いますが、単色デッキなら1点で済みます。
緑には土地加速やマナクリーチャー、黒と赤には瞬間的マナ加速があります。白には無いのでしょうか。白単色デッキのなかにはパーマネントを並べて戦うものがあり、「信心」を稼ぎやすければ《ニクスの祭殿、ニクソス》は大量のマナを供給してくれます。もしエンチャントを並べるデッキなら《セラの聖域》で尋常ではないマナを出してくれます。
- 2021/05/20
- 統率者戦 白 のおすすめ
青
青は打ち消しであらゆる行動に対応できる一方で、すでに戦場に出てしまったパーマネントに干渉するのが苦手です。クリーチャーを除去する手段としては《猿術》系除去、アーティファクトを除去する手段にはかろうじて《鴉変化》がありますが、エンチャントに対して取れる手段はかなり少なく、「コンボに入れる状態なのに、対戦相手の《耳の痛い静寂》《石のような静寂》といった妨害エンチャントのせいで走り始めることができない」といった状況が起こりえます。
そこでカジュアルからハイレベルまで幅広いデッキで採用されているのが、パーマネントの種類を問わずバウンスする(手札に戻す)カードです。基本的にバウンスする呪文はアドバンテージを損失する動きになってしまいますが、そのターン中に勝てる算段がある場合には問題ありません。《断絶》は《解呪》よりも《恐怖》よりもずっと強い除去として働くのです。
青の全体除去に《サイクロンの裂け目》はおなじみ。しかし青単色でもう少し全体除去が欲しいのなら《水浸し》や《船団の災い魔》もおすすめです 。
《水浸し》は青以外のクリーチャーをすべてバウンス。《船団の災い魔》はタフネスが自分の「島」の数以下の対戦相手のクリーチャーをバウンス。どちらも青単で使いやすい設計です。インスタントである《サイクロンの裂け目》と比べると見劣りしますが、白や黒、赤の全体除去が使えないのなら考えてみてもよさそうです。
《金粉のドレイク》は戦場に出たときに対戦相手のクリーチャーとコントロールを交換するもの。これもやはりアドバンテージを獲得したことにはなりませんが、対戦相手にだけ制限をかける《ドラニスの判事》《敵対工作員》などを除去しつつ利用することができます。
しかし、実態としては最も多い使われ方は統率者を除去する手段として、です。コントロールを奪うだけでは戦場から別の領域に移動したことにならず、統率領域に戻すことができません。統率者を含めたコンボを勝利手段に据えるデッキ、アドバンテージ源を統率者に頼ったデッキはかなりの手戻りとなってしまいます。
《誘惑蒔き》は「これが戦場を離れるまで」といった条件があるものの、対戦相手のクリーチャーを問答無用でコントロールを奪います。4マナと除去としては重いですが、破壊不能持ちや強力な死亡時に誘発する能力を持つクリーチャーに対して有効です。
除去が苦手なら、無色の除去です。《爆発域》も《漸増爆弾》もマナ総量の大きなパーマネントを破壊するのは苦手なのですが、そもそも妨害パーマネントは軽いものが多いので大丈夫でしょう。不安なら先に戦場に置いて、あらかじめカウンターを載せていきましょう。
《基本に帰れ》はその名の通り、基本でない土地がアンタップステップでアンタップされなくなるエンチャント。青単色で土地が《島》ばかりならこちらはノーデメリット。対戦相手のマナ基盤に大きな制限をかけることができます。
- 2021/05/27
- 統率者戦 青のおすすめ
黒
黒はサーチ最強色です。同名カードは1枚しか入れられない統率者戦においてはもっともコンボに向かいやすい色とも言えるかもしれません。クリーチャー除去やライフを犠牲にした大量の手札の確保も得意技です。その一方、アーティファクト、エンチャントを破壊する手段は極めて少なくなっています。墓地を利用したコンボの多い黒が《安らかなる眠り》《墓掘りの檻》を置かれてしまったり、コンボパーツである統率者を 《Oubliette》 でとらわれたときに二進も三進もいかなくなってしまいます。
《大群への給餌》はソーサリーなので走り出したコンボに介入する形で妨害することはできませんが、《安らかなる眠り》1枚で独力での勝利ができなくなってしまっていた黒単にはうれしい1枚と言えるでしょう。
黒単統率者はひとたび置物で妨害されてしまうとかなり厳しいのですが、その一方で黒が濃いデッキで強力なマナ加速や除去も存在します。黒単色特有のパワーカードで弱点を感じさせないゲームを展開しましょう。
黒といえば《暗黒の儀式》に代表される瞬間的なマナ加速ですが、「沼」の多いデッキではさらに暴力的なマナ加速が可能です。「沼」を生贄に捧げて黒3マナを出す《Lake of the Dead》に加え、生贄を必要としないため使いやすい《陰謀団の貴重品室》、それを内蔵したクリーチャー《貴重品室の大魔術師》など。マナ加速と言えば緑の領域ですが、黒も負けていません。
《墓所の怪異》《ニルカーナの亡霊》は沼から出るマナを倍化させます。
《ヨーグモスの息子、ケリク》に至っては黒マナ1点をライフ2点で代わりに支払う「ファイレクシアマナ」のように支払うことができます。これ自身も統率者として人気です。
黒には打ち消しがありませんが、黒い《誤った指図》があります。ライフを失いますがたった2マナで呪文の対象を変更できます。除去を相手に打ち返したり、打ち消しの対象を《インプの悪戯》に変更してキャンセルさせたり。《時間のねじれ》など対象を取る追加ターン呪文を乗っ取れたら最高です。
- 2021/06/03
- 統率者戦 黒のおすすめ
赤
赤は火力によるクリーチャー除去、アーティファクト除去、一時的なマナ加速とドローが得意な色です。《鏡割りのキキジキ》や《死の国からの脱出》など強力なコンボを形成するトリッキーなカードも多数輩出しています。その一方、赤だけが「教示者」カードが存在せず、サーチは最弱と言われています。
汎用性の高いサーチカードはソーサリータイミングでしか使えず、《ギャンブル》はサーチしたカードがそのまま墓地に落ちる可能性もあります。《帝国の徴募兵》はパワー2以下のクリーチャーをサーチします。こちらはコンボパーツを探しやすく優秀です。
赤はアーティファクトとは親和性があり、《山賊の頭、伍堂》では装備品を、《ゴブリンの技師》ではアーティファクトを探すことができます。《ゴブリンの技師》は探したアーティファクトを一度墓地に置いてしまうものの、自身の能力で戦場に吊り上げることができるため、打ち消される不安が無く、万が一コンボパーツが破壊されても再挑戦できるのが魅力です。
赤単色で使いたいカードと言えばやはりこちらです。単色デッキなら自分の土地は基本土地ばかりにできるので、《破滅》は対戦相手の土地を一方的に攻めることができます。《血染めの月》《月の大魔術師》も同様、対戦相手が多色デッキなら相手の土地に強固に制限をかけます。逆に赤単色デッキを相手にするときには、フェッチランドからあえて基本土地を持ってくることでこれらのカードによる被害を抑えることができます。
赤には打ち消しが無いですが、呪文の対象を変更することで打ち消しと同じように働きます。赤単色のデッキでありながら、統率者をコントロールしていればマナも支払わずに相手の手を止めることができます。
打ち消しは無いと言ったな。あれは嘘だ。《ティボルトの計略》は赤2マナの打ち消しです。ランダムにもうひとつ呪文が唱えられてしまうため、アドバンテージを失ってしまいます。こちらの勝利コンボを通したいとき、相手の勝利コンボを妨害したいときなど、ここぞという場面で輝きます。
- 2021/06/10
- 統率者戦 赤のおすすめ
緑
緑はクリーチャーの質が良く、マナ加速手段が豊富。クリーチャーも土地もサーチすることができ、アーティファクトやエンチャントも破壊できます。かと思いきや《調和》など高価なアーティファクトによるマナ加速に頼る必要もないため、統率者戦を始める人にもおすすめの色です。弱点と言えば、全体除去を持っていない、くらいでしょうか。
対象範囲の広い除去も持っています。「生命は生き延びる道を見つける」といったところでしょうか。
緑単の統率者はどんな状況になっても独力で現状を打開する力があります。その一方、パーマネントを並べる戦略をとることが多いので全体除去には気を付けたい。もしデッキに余裕があればお守りとして全体除去から自軍を守る《英雄的介入》や《活力の覆い》を入れておいてもいいかもしれません。
対戦相手の呪文を打ち消すことはできませんが、こちらを守ることは可能です。《秋の帳》《夏の帳》は自分の呪文を打ち消しから守ったり、自分のパーマネントに「呪禁」を与えて除去から守ることができます。自分の行動を押し通すという意味では打ち消しと同じように働きます。
《ガイアの伝令》などを先に出しておくことで自分の呪文を打ち消しから守ることも可能です。マナ加速から重い呪文を唱える
- 2021/06/17
- 統率者戦 緑 のおすすめ
ミニコラム「単色統率者の魅力」
統率者戦で多色のデッキが人気な理由ははその戦術の幅広さに加えて、各色の弱点を補いあうことができるからです。
しかしその戦略の狭さが時として魅力にもなります。
好きな色にとことんこだわるもよし、フレーバーや歴史を楽しむデッキとしての単色デッキだけでなく、戦略の狭さがゲームを面白くすることが往々にしてあります。自分が黒単色のデッキを使っていて、対戦相手のアーティファクトが邪魔で行動できないとしましょう。そんなとき、隣に座る赤単色の統率者に相談を持ち掛けるのです。
「白単が出した《ドラニスの判事》が邪魔だよね?僕の《四肢切断》で除去するから、《ゴリラのシャーマン》で《魂標ランタン》破壊してくれない?」
マジックの多色のデッキは互いの色の弱点を補いあう強みがあります。対面戦ではこうはいきませんが、統率者戦ならプレイヤーどうし、デッキどうしが互いの弱点を補うことができるのです。「完全なデッキ」など存在しません(してはいけません)が、多くのプレイヤーは日々デッキを研鑽し、誰にも負けない「完全なデッキ」の完成を夢見ています。一方、マジックの「色」は意図的に不完全になるようデザインされています。単色統率者デッキでは「100%完全なデッキ」を組むことは難しく、色の個性を改めて実感させてくれます。そこに統率者戦、ひいてはマジック:ザ・ギャザリングの面白さが感じられることでしょう。
「う~ん、《稲妻》引くまで待つからいいよ」
ま、それもまた統率者戦ということで……
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- Goncalo Pinto