2023-2024シーズン これからのHareruya Pros

晴れる屋メディアチーム

世界へ羽ばたく日本

マジックの競技シーンは年々変化している。約2年半の時を経て、テーブルトップでのプロツアーが復活を果たした。ついに、競技マジックの最高峰の舞台が再び帰ってきたのだ!

プロツアー『ファイレクシア』トップ8の面々

復活最初のプロツアーとなった『プロツアー・ファイレクシア』ではこれまでの鬱憤を晴らすかのように、多くのプレイヤーが集結し、頂点を目指し競い合った。同大会では2名の日本人プレイヤーがトップ8に入賞し、世界に対し改めてその強さを証明してみせた。

プロツアーだけにとどまらず、シーズンを通してテーブルトップ・オンラインの両軸で存在感を放ってきた日本は、世界選手権の参加者を14名も輩出している。今シーズン培われた経験を糧に、ますます日本人プレイヤーたちは世界の舞台で活躍していくことだろう。

プロツアー復活の狼煙とともに、今一度国内のプレイヤーたちをサポートし、マジックコミュニティにさらなる活気をもたらしたい。そんな想いを込めた、来期の晴れる屋スポンサード事業をお伝えしていこう。

新鋭

昨シーズンからプロツアーが本格的に復活し、テーブルトップのイベントは大いに盛り上がった。店舗予選やプレミアム予選を勝ち抜いた先には地域予選が待ち構えており、アジア地域のトッププレイヤーによる白熱した対戦が行われたのだ。

プロツアーへのルートが明確に示されたことで、己が進むべき道筋が決まった。競技戦線が確立されていくなかで、新たな選手がHareruya Prosへと加わったのはご存知だろう。

松浦 拓海

松浦 拓海

オンラインを主戦場とする不屈のアグロ使い、それが松浦 拓海だ。開幕戦となったプロツアー・ファイレクシア』でいきなりトップ4へと勝ち進むと、残るプロツアーでもキッチリと2日目に進出するなど堅実に勝ち星を重ねていった。店舗予選から一気に世界選手権の権利まで獲得し、たった1シーズンでトッププレイヤーの仲間入りを果たした。

プレイスタイルはアグロ一貫。クリーチャーベースのビートダウンデッキを好み、息をするかのようにクリーチャーをレッドゾーンに送り込んでいく。白単人間や赤単アグロは彼の十八番である。オンラインを主戦場としているためか、スタンダードとパイオニアのみならずあらゆるフォーマットに精通しており、オンラインとテーブルトップの二軸から活躍が期待される。

来期も自身のプレイスタイルを挑戦状代わりに、プロツアーへとを突きつける。

平山 怜

平山 怜

一線を画すプレイスキルと高いマジックIQを合わせ持つ平山 怜は、才気ある努力家である。これまでもその才能に甘えることなく努力を重ね『The Finals 2019』『プレイヤーズツアー・オンライン3』で準優勝するなど結果を残してきた。

しかしながらあと一勝が遠く、タイトルを掴み損ねてきた。そのジンクスも『チャンピオンズカップファイナル サイクル1』で打ち破られ、念願の優勝を果たしてプロツアーとともに世界選手権への権利までも手にしたのだ。

爆発力が売りのコンボデッキを好みながらも、あらゆる戦局に柔軟に対応できるミッドレンジも得意としている。鋭利な刃物と丸みを帯びた鈍器。対極にある戦略をまるで手足のごとく使いこなす、高いプレイスキルを有している証明である。

また、晴れる屋が開催する『神決定戦』では生配信の解説も行っており、そのユーモア溢れるワードセンスと的確な解説が人気を博している。競技シーンでは真剣な眼差しを見せながらも、メディアでは笑いを誘ってくれるギャップも彼の魅力のひとつである。

彼らが加入したときのインタビュー記事もあわせてご覧いただきたい。

佐藤 啓輔選手について

佐藤 啓輔

マジックのトーナメントシーンの常であるが、出会いがあれば別れもある。2021年10月よりHareruya Prosの一員だった佐藤 啓輔選手は、今期を持って契約終了となる。

佐藤選手は国内外の大規模大会をはじめ、オンライン大会でも目覚ましい活躍を遂げてきた。ここからは彼の功績を振り返っていく。

佐藤選手のキャリアを振り返ったとき、分岐となったのは2021年に開催された『チャレンジャー・ガントレット』になるだろう。予選ラウンド終了後のタイブレイカー(決勝ラウンド進出者を決めるため点数が等しいプレイヤー同士で戦うこと)で勝利すると、そこから3連勝でMPLへの階段を駆け上がったのだ。

予選ラウンド終了から数えて4連勝。しかし、これは1敗すれば即終了の背水の陣での戦いだった。自身の手で競技マジックへの扉を開け、一夜にして最高峰であるMPLの座を掴み取った瞬間でもあったのだ。

また、佐藤選手の強さを探ると練習方法へとたどり着くことができる。

使うデッキを1つに決めてメタゲーム上のデッキの動きをインプットし、ゲームプランを練りあげてあとはひたすら練習するのみ。いたってシンプルなものであり、それゆえに膨大な時間を要してしまう。膨大なインプットと飽くなき反復練習、この愚直なまでの練習スタイルが彼の力の源であり、結果へと繋がっていたのだ。

さらにその知見を惜しむことなく紙面にて共有し、多くのプレイヤーへと届けてくれた。パイオニアの「ラクドスミッドレンジ」やスタンダードの「エスパーミッドレンジ」のデッキガイドを早期に公開し、トーナメントシーンの活性化にも貢献してくれたのだ。

そして佐藤選手のデジタルマジックの強さ、ことMTGアリーナ専用フォーマットであるアルケミーの勝率の高さは特筆に値する。その勝率脅威の78%であり、『アリーナ・チャンピオンシップ1』準優勝をいう結果にもあらわれている。まさに電脳世界の錬金術師と呼ぶべき存在であり、テーブルトップとデジタルの二軸の競技イベントで好成績を残したのである。

競技シーンが移り変わるなかで、佐藤選手は多くのプレイヤーに知見を広め、マジックの普及に尽力してくれた。複雑化する競技マジックの環境で勝ち抜き、最高峰であるMPLへと加入し、テーブルトップとオンラインの両方で結果を残したのだ。

Hareruya Prosとしての活動に感謝したい。今後も佐藤選手のマジックは続いていくので、引き続き応援していただければ幸いだ。

2023-2024シーズン

Hareruya Pros

さて、2023-2024シーズンのHareruya Prosだが、新加入した2選手を含めて合計6名で活動していくことになる。残るHareruya Prosをご紹介しよう。

ハビエル・ドミンゲス

ハビエル・ドミンゲス

ハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguez2018年の世界王者であり、今もなお競技シーンの最前線で戦うトッププレイヤー。現在ノリに乗っているスペインの雄である。

2022-2023シーズンは『プロツアー・ファイレクシア』『プロツアー・機械兵団の進軍』と連続してトップ8入賞を果たす。しかも最速でトップ8の座を射止め、予選ラウンドを首位でかけぬけているのだ。優勝こそ逃したものの安定して結果を残したため、現時点で来シーズンに開催されるすべてのプロツアーへの参加権利を有している。来シーズンこそ、大会の最上位に彼の名前を見つけることができるだろう。

熱烈な勇者

競技シーンで輝かしい活躍をしながらも、競技フォーマットに限らずキューブドラフトやレガシー、果てはヴィンテージまでプレイするのがハビエルである。勝利を追及するとともに、マジックを純粋に楽しむ心も持ち合わせている。《熱烈な勇者》はまさに彼を象徴するカードだろう。

マッティ・クイスマ

マッティ・クイスマ

マッティ・クイスマ/Matti Kuismaは”マジック界の頭脳“というべき存在だ。不運に打ち勝つ方法など、これまで考えもしなかった視点を授けてくれる。整然と言語化された彼の思考は多くの読者を唸らせる。マジックの上達方法がそこには記されているのだ。

リミテッド環境で最弱と呼ばれる色で勝つ方法を彼が解説すれば、その考えに共感し、気づけばリミテッドで遊びたくなっている。読者に新しい視点を提示するだけでなく、プレイするモチベーションまで彼は与えてくれる。プレイに行き詰ったとき、彼の記事にそのヒントがあるに違いない。

ライターとしての側面が強いマッティだが、マジックの腕も一流であり、2022-2023シーズンはすべてのプロツアーで2日目へ進出し賞金を得る安定した戦績を残した。また、昨年に引き続き2年連続で世界選手権にも出場を果たしている。来シーズンも彼の紙面と盤面での活躍に注目だ。

マルシオ・カルヴァリョ

マルシオ・カルヴァリョ

マルシオ・カルヴァリョ/Marcio Carvalhoは”ドラフトマスター“の称号の経歴を持ち、リミテッドフォーマット全般、特にドラフトを得意とするプレイヤー。プロツアートップ8入賞5回など数々の輝かしい実績を誇る。

そんなマルシオは新セットが出るたびにリミテッド環境の分析記事を届けてくれる。キーワード能力の解説から、どの色、どのアーキタイプを選ぶべきなのかまでが明快に示され、新環境を戦う足がかりとなる。新セット発売時期はドラフトマスターの記事をぜひご覧いただきたい。

2022-2023シーズンはすべてのプロツアーで2日目へ進出したほか、オンラインイベントである『MOCSシーズン2』でトップ4入賞している。同大会は参加権利獲得自体が難しく、マルシオはテーブルトップとオンラインの垣根を越えて卓越した才能を示したことになる。

来シーズンは、フィーチャーエリアのスポットライトの下で披露される彼の卓越したドラフティングと、華麗なコンバットに期待したい。

ピオトル・グロゴゥスキ

ピオトル・グロゴゥスキ

Kanister“の愛称で親しまれるピオトル・グロゴゥスキ/Piotr Glogowskiは生粋のデッキビルダー。オリジナリティあふれる構築をSNSで発信すると、瞬く間にコミュニティに伝播し、彼の配信には多くの視聴者が押し寄せる。記事においても《一つの指輪》などの話題カードにスポットライトを当て、彼自身の見解を力強く、明快に示してくれる。

そのユニークなアイディアを遺憾なく発揮できるモダンやパイオニアを得意とし、アイアンワークスやアミュレットタイタン、ジャンドサクリファイスなど、扱いの難しいデッキを自由自在に扱うプレイスキルも持ち合わせる。彼のプレイングを見たことがなければ、ぜひ彼の配信を覗いていただきたい。難解なパズルをなんてことない表情で解き明している彼の姿を目にできるはずだ。

一時はプロツアーの権利を失ってしまい復帰は困難かと思われたが、先月に開催された地域予選にて見事プロツアーの権利を獲得し、早々に戦線へと復帰を果たした。2月にシカゴで開催されるプロツアーで、嬉々としてカードを循環させる彼の姿を見ることができるだろう。

これからのHareruya Pros

来期のスポンサード事業については以上となる。松浦 拓海、平山 怜、ハビエル・ドミンゲス、マッティ・クイスマ、マルシオ・カルヴァリョ、ピオトル・グロゴゥスキの6名で活動していく。ぜひとも活躍に注目していただきたい。

Hareruya Pros

来シーズンはテーブルトップをはじめオンライン大会、さらには配信コンテンツなど、あらゆるメディアを通じてHareruya Prosを目にすることが増えるだろう。晴れる屋は今後もマジック界の発展のために所属選手一同、誠心誠意尽力していく。

最後になるが、2023-2024シーズンにますます存在感を増していくHareruya Prosのことを、これからも応援していただければ幸いである。

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