神が選ぶ『ホビット』の注目カードは?
新セット『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』がついに先行リリースされ、今週末には正式に発売日を迎えます!
新セットが出たてのこのタイミングでは、どんなカードが強いのか、どのカードを買えばいいのか、悩みますよね?
そこで、各構築フォーマットを代表する実力者である「神」のみなさんに、『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』で注目のカードトップ3を聞いてみました!
■「神」とは?
晴れる屋が主催している、『神決定戦』という大会の暫定王者。スタンダード・パイオニア・モダン・レガシー・ヴィンテージ・パウパー・コマンダー・リミテッドの8フォーマットそれぞれで行われており、予選大会(挑戦者決定戦)と決勝大会(神決定戦)を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。
詳しくはこちらをご覧ください。→『神決定戦』特設ページ
各フォーマットを熟知した者ならではの視点から、注目カードを3枚選んでいただきました。「神」の目にはなにが映り、なにを考えたのでしょうか。
◆第34期スタンダード神:平山 怜
カードセット全体の印象
再びのコラボセットですが、今回は収録枚数が少なめの小型セットです。
セット全体の印象としては、『ミュータント タートルズ』などの小型の「ユニバースビヨンド」セットと同様に、少しカードパワーは抑えめな印象です。
とはいえ、ローテーションや禁止でスタンダードの環境が変われば輝きそうなカードは何枚かあります。
特に「エルフ」や「ゴブリン」のような、いろいろな世界にいるクリーチャータイプは、いつでも強化を受ける可能性があるので要注目です。
スタンダード注目カードトップ3!
3位:《暗闇のなぞなぞ勝負》
新しい3マナのドロー呪文です。《サウロンの交換条件》とは、束を作るプレイヤーと選ぶプレイヤーが逆になっています。
強力なドロー呪文ではありそうなものの、スタンダードではすでに《食糧補充》《星間航路の助言》といった環境でも使われる強力なドロー呪文が複数存在しているため、このカードが採用されることがあるか見ものです。
基本的にドローの質は《食糧補充》にも《星間航路の助言》の「キッカー」にも負けているので、このカードの強みとしては3マナのインスタントであることを活かすことがカギになりそうです。
使うならひたすら構え続けるコントロールでしょうか。《星間航路の助言》を撃たせないように4マナ構えたタイミングで動いてくる相手に対して、3マナで唱えられるドロー呪文は有効です。
2位:《なぞなぞ名人、ゴラム》
相手の唱えた呪文のマナコストが指定したもの(奇数or偶数)であれば能力が誘発します。
相手のデッキに採用されていそうな除去のマナコストを指定し、このカードが除去されたときに1ドローで利確する動きが基本となるでしょう。
能力の誘発条件がゆるく、すべて使えれば「4/2のクロック」「2点ドレイン」「1ドロー」と、このカードを完全に無視するのは難しそうです。
問題はこのカードが採用されそうな黒いミッドレンジ系のデッキが、「緑単上陸」や「《ジェスカイの啓示》系デッキ」に抑え込まれていることですが、環境が変わればこのカードも活躍するかもしれません。
1位:《山の王、ソーリン》
「装備品」デッキ期待の星です。装備コストの踏み倒しと除去を同時に行うことができるため、盤面に凄まじい影響を与えることができるカードです。
《「侍」の刀》のような速攻をつける装備があれば《栄光をもたらすもの》になりますし、絆魂を付与できる装備があれば《永遠神の投入》のようにダメージレースを大きく変えることができます。
このセットの「ドワーフ」は装備品をテーマにしており、ドワーフを中心に組んだデッキを「Hareruya Wayfinder」で紹介しているので、よろしければそちらもどうぞ。
- 2026/08/07
- ドワーフだ!ドラゴンだ!熊だ!『ホビット』新デッキ紹介【Hareruya Wayfinder】
◆第21期パイオニア神:原 康貴
カードセット全体の印象
どうも、原です。
『マーベル スーパー・ヒーローズ』から早2か月。うつろいゆく時と発売ペースの早さに嬉しい悲鳴が止まらない夏、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
今回の注目メカニズムは「物語り」
一度条件を達成すれば、相手に「不朽の物語」状態を解除されることがない点は魅力的です。
パイオニアには《モックス・アンバー》がありますから、(基本「物語り」持ち自身が伝説なので)条件達成も比較的容易に思えます。
また、新メカニズムではありませんが「出来事」が再録しましたね。「出来事」は単純にカード1枚で2枚分の仕事をこなすため、強いと相場が決まっています。クセのある能力も多いですが、その分デッキ構築の方向性もわかりやすいです。
《ゴブリンの災い、ガンダルフ》や《この上なくよぼよぼな年より鳥》レベルのカードであれば、パイオニアでも活躍する可能性はあると思います。
パイオニア注目カードトップ3!
3位:《真夜中の盗人、ビルボ》
正直、挙げるかかなり悩みましたが、可能性に期待してランクイン。
パッと見《戦慄衆の秘儀術師》を彷彿とさせますが、
・常在型能力でコスト軽減がついていること
・アーティファクトを唱えられること
は大きな違いです。特に前者にこのカードの可能性を感じています。
「ワープ」「出来事」「準備呪文」「フラッシュバック」「衝動的ドロー」と影響範囲が広く、この軽減能力を効率的に使用できる構築が組めれば、《戦慄衆の秘儀術師》《湖に潜む者、エムリー》《ばあば》が合体したようなパワーカードとして運用できるのではないかと期待しています。
ただやはり、2マナ2/2という「1マナ除去で容易にテンポを取られる」「攻撃誘発持ちなのに攻撃しづらい」スタッツなのは気になる点ですね。
2位:《ワシの王》
2マナ・8/8・瞬速・飛行にトキメかない奴いる?
《天空の刃、セファラ》に比べれば相当ゆるい条件ですし、合計パワー7を用意できずとも、3マナ8/8、4マナ8/8でも十分強いと思います。
飛行ビートといえば「スピリット」ですが、個人的には「アゾリウスモモ」でも出しやすいのではないかと思います。
1ターン目《空飛ぶ友だち、モモ》から入っていれば相当数コスト軽減できるでしょうし、《量子の謎かけ屋》+《白昼夢》のあとならパワー5の《量子の謎かけ屋》1体だけでも4マナ8/8です。
瞬速持ちなのもシンプルに◎。特に白青で組むなら、カウンターや《呪文捕らえ》《素早き救済者、アン》を構えながら、相手のエンドに出してもブロッカーとして出してもいいですね。
あと、シンプルでクールなカード名と威厳ある通常イラストがカッコよくて好きです。
1位:《臨機応変なる者、キーリ》
パイオニア版の「ハンマータイム」期待の大型新人。
《ミッドガルの傭兵、クラウド》《アラミゴの猛牛、ラウバーン》《超人血清》とアップデートをもらい、徐々に強化され続けてきたハンマータイムについに《純鋼の聖騎士》まで追加されました。
アーティファクトや伝説のクリーチャーが多いハンマータイムなら、瞬く間に「物語り」の条件もクリアできるでしょう。
個人的には、パイオニアで《モックス・アンバー》を使えるデッキは、常に一線を越えうるポテンシャルを秘めていると思っています。
モダン級の破壊力でパイオニアを蹂躙しましょう!!!
◆第34期モダン神:細川 侑也
みなさん、こんにちは!モダン神の細川です。
『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』、ついに全カードが出そろいましたね。
前回の『指輪物語:中つ国の伝承』では《一つの指輪》《オークの弓使い》など衝撃的なカードが登場しました。モダン以下でしか使えないセットなので強いのは当然ですが、それにしても《一つの指輪》はカードの強さとして頭二つぐらい抜けていましたね。
当然、それに比べれば強さはマイルドになるのですが、強いカードはたっぷりとある今セット。正直言って、3回目にして一番トップ3を悩みました!
カードセット全体の印象
まずは恒例のセットメカニズムの話から入ります。
今回の新メカニズムは「物語り」と「徴募」。
「物語り」はアーティファクト・伝説・英雄譚を合計で3つコントロールしていると、このゲーム中に「不朽の物語」を得られます。不朽の物語を得ることで、さまざまな恩恵を得られるカードが収録されています。「都市の承認」と似ていますね。
そして「徴募」は”カードを1枚引いて捨てる”、いわゆるルーター能力。土地以外のカードを捨てた場合は1/1の人間・兵士・トークンを生成できます。こちらは「謀議」に近いですね。
さて、勘の良い方はすでにわかったかもしれませんが、今回のメカニズムは非常にモダン向きの能力です。
なぜかというと、どちらの能力もマナを要求するものではないからです。
モダンはかなり早いゲームになるので、『マーベル スーパー・ヒーローズ』の「パワーアップ」のように、ゲーム後半で力を発揮する能力はモダンではなかなか活躍できません。
しかし、「物語り」は3種のパーマネントが条件、「徴募」にいたっては手札を入れ替えるルーター能力と、それぞれマナとはあまり関係のない能力なのです。
「物語り」の条件達成には3つの該当パーマネントが必要なため、結果的にマナがかかってしまうのではないかと思われがちですが、そのパーマネントにアーティファクトが含まれるというのがポイント。
《ミシュラのガラクタ》や《オパールのモックス》など、0マナのアーティファクトは大量にあるので、「不朽の物語り」を得るのは難しくないのです。
ルーター能力の強さは「謀議」がすでに証明しています。《帳簿裂き》もかつてはモダンでブイブイいわせていましたからね。今ではすっかり《コーリ鋼の短刀》にその席を奪われてしまいましたが……。
とにかく、今回の新メカニズムはモダン適性◎です!
モダン注目カードトップ3!
3位:《臨機応変なる者、キーリ》
早速登場の新キーワード能力「物語り」を持ったドワーフ。
「不朽の物語」を持っていると、最初に起動する装備コストが0になります。装備コストが0……?そう、ハンマータイムの期待の新人です。
しかももう1つの能力が、「装備品が戦場に出たときに1ドロー」という、こちらもハンマータイムと相性抜群。《純鋼の聖騎士》の追加といったところでしょうか。
《純鋼の聖騎士》と違い色拘束が薄いので、2ターン目に《ウルザの物語》から出せるのが魅力です。
問題は「不朽の物語」を達成できるかについてですが、ハンマータイムならその達成は驚くほど容易です。実は《臨機応変なる者、キーリ》と《ウルザの物語》の2枚だけで不朽の物語を獲得できるのです。
《臨機応変なる者、キーリ》がいる場で《ウルザの物語》の第Ⅲ章でデッキからアーティファクトをサーチして戦場に出すと、その瞬間に「物語り」の条件が達成されます。《ウルザの物語》が墓地に落ちるのはサーチしたアーティファクトが戦場に出てからなので、一瞬だけ伝説・英雄譚・アーティファクトが3つになるのです。
それ以外でも《臨機応変なる者、キーリ》《巨像の鎚》《オパールのモックス》でも達成しますし、とにかくハンマータイムなら簡単に「不朽の物語」を得られます。
《純鋼の聖騎士》の追加としては十分ですし、マナ拘束がゆるく使いやすいのも素晴らしい。なんなら4枚ずつ入りそうな気さえします。
前回選んだ《アイアンマン・アーマー》は結局使われませんでしたが、《臨機応変なる者、キーリ》こそはハンマータイムの救世主となるはず!
2位:《怒りっぽい番人たち》
何を隠そう、僕は「親和エルフ」というデッキが大好きなんですよね。というわけで、この親和エルフに内定確定の超優秀な新人をランキングに入れないわけにはいきません。
まず「親和(エルフ)」という文字が並んでいるだけでちょっとエモいです。
親和エルフといえば、かつて存在していたエクステンデッドというフォーマットを荒らしまわったコンボデッキです。
最速2ターンキルが可能で、除去耐性もある程度備わったクリーチャーデッキということでプロツアーを暴れ回り、トップ8を総ナメ。親和エルフ対策にメインから《虚空の杯》を入れるのが当たり前になっていたほどでした。
その名誉を称え、親和エルフのキーカードである《垣間見る自然》はモダン制定時から禁止になっているわけです。
そんな親和エルフが、もしかしたらモダンで見られるかもしれない。そんな期待を抱いてしまうほど強いのが《怒りっぽい番人たち》です。
戦場に出たときに4枚切削し、その中のエルフをすべて加える。要するにこのカードは、エルフ版の《ゴブリンの首謀者》です。しかも、《ゴブリンの首謀者》と違い、「親和」を持っているので1マナで出すことができます。
エルフには、エルフ3体を寝かせることで3マナ出せる《遺産のドルイド》がいるので、《怒りっぽい番人たち》から《怒りっぽい番人たち》含むエルフがめくれた場合、爆発的な展開力になります。
たとえば、戦場に《イラクサの歩哨》《遺産のドルイド》といて3ターン目を迎えました。まず《ドゥイネンの精鋭》をプレイ。エルフ・トークンが場に出ます。
《イラクサの歩哨》・《遺産のドルイド》・トークンから

を生み、うち2マナで《怒りっぽい番人たち》をプレイ。4枚の中に《怒りっぽい番人たち》とエルフがもう1体いたので、それらを回収。
アンタップした《イラクサの歩哨》《ドゥイネンの精鋭》《怒りっぽい番人たち》から

を出して《怒りっぽい番人たち》Bを展開。まだ3マナ余っているので、手札に加えたエルフをさらに展開できます。
もし、その中にさらなる《怒りっぽい番人たち》が含まれていれば、さらに4枚からエルフを探すことができ、3ターン目にして対戦相手を葬る場が完成するのです。
しかも、モダンには《怒りっぽい番人たち》と相性抜群の《ワイアウッドの共生虫》もいます。《怒りっぽい番人たち》を戻して出し直せばさらに4枚。驚異的な速度でデッキを掘り進めることができるのです。
《緑の太陽の頂点》で《ワイアウッドの共生虫》《遺産のドルイド》《イラクサの歩哨》などのキーカードにアクセスできますし、《垣間見る自然》など最早不要です。
新セットが出たら真っ先に回してみたいのが親和エルフ。《怒りっぽい番人たち》のおかげで親和エルフは成立します!
1位:《真夜中の盗人、ビルボ》
セットで最も注目されているカードを1位にするのはどうかと思うのですが、仕方ありません。《真夜中の盗人、ビルボ》はさすがにとんでもないカードです。
よく比較されるのは《瞬唱の魔道士》ですが、性質としては《戦慄衆の秘儀術師》に近いですね。戦場に出た時点で仕事をする《瞬唱の魔道士》と違い、生き残れば膨大なアドバンテージを生み出しますからね。
《戦慄衆の秘儀術師》はレガシーでは禁止となっているカード。その強さは折り紙つきです。モダンでそもそも使われていないのは、レガシーと違いキャントリップ呪文が弱いからです。《思案》《渦まく知識》を使い回せる《戦慄衆の秘儀術師》はやはりぶっ飛んでいます。
とすると、今回登場した《真夜中の盗人、ビルボ》はかなり強力なカードを使えるため、レガシーの《戦慄衆の秘儀術師》クラスの活躍をモダンで見せる可能性があります。
《定業》《思考囲い》といった1マナのカードはもちろんですが、その真価を発揮するのは2マナ以上を使い回すときです。手札以外から呪文を唱えるコストが軽くなるので、《没頭》は1マナ、《食糧補充》は2マナで使用できます。なので少し重いドロースペルを気軽に使えるのです。
特筆すべきはアーティファクトも使用できる点。モダンで使われている軽いアーティファクトといえば……そう、《ミシュラのガラクタ》です。
しかもインスタント・ソーサリーは使用したら追放されますが、アーティファクトは特にそんな制約を受けないので、《真夜中の盗人、ビルボ》で攻撃するだけで、とりあえず《ミシュラのガラクタ》の使い回しが確定します。
ブロッカーがいれば除去を使い回し、手札を攻めたければ手札破壊、そしてそれ以外では《ミシュラのガラクタ》を回して手札を補充。強すぎる《湖に潜む者、エムリー》に見えてきませんか?
1マナ軽くなるのを利用して《魂標ランタン》なんかを0マナで場に戻す動きもできますね。アーティファクトを墓地から唱えられるのが本当に大きい。
さまざまなデッキで試してみたいカードで、実用性と期待度はどっちもメーターが降り切れています。レガシーやヴィンテージでも当然名前が挙がるでしょうが、モダンでも活躍を期待しちゃいますね。
『アサシンクリード』の《バシム・イブン・イスハーク》と組んで、いっぱいカードを引くディミーアレジェンズなんかで遊んでみたい!
◆第33期レガシー神:酒井 達也
カードセット全体の印象
『指輪物語』の前日譚ということで、《オークの弓使い》《一つの指輪》などレガシーでもおなじみのカードが再録されています。私も早速《オークの弓使い》を買い直しました!
新規収録カードは比較的コマンダー向けのものが多い印象ですが、なかにはレガシーでも通用しそうなカードパワーを持つものもちらほら。
レガシーで活躍するカードの条件として、「場に出てすぐ仕事ができる」「マナコストが軽い」といった点が挙げられます。今回はそのあたりを意識しながら、個人的に注目している3枚をピックアップしました!
レガシー注目カードトップ3!
3位:《なぞなぞ名人、ゴラム》
戦場に出たときに奇数か偶数を選び、対戦相手が選ばれたマナ総量の呪文を唱えるたびに複数の恩恵を得ることができます。
レガシーでは《剣を鍬に》《渦まく知識》《思案》《再活性》など、1マナのカードが非常に多いため、基本的には「奇数」を選ぶことになりそうです。対戦相手の行動に反応してアドバンテージを稼ぎながら、パワー4まで成長してプレッシャーをかけられるのが魅力。
特にディミーアテンポのような、軽量カードで相手を妨害しながらクロックを刻むデッキと相性が良さそうです。相手からすると放置もしづらく、除去を使うにも能力を誘発させてしまう、やっかいなクリーチャーになりそうです!
2位:《ゴブリンの災い、ガンダルフ》
出来事の面は、ウィザードをコントロールしていれば実質2マナ2ドロー。
クリーチャーの面も、非クリーチャー呪文を唱えるたびに果敢相当の強化に加えて対戦相手へ1点ダメージと、非常に優秀なスペックを持っています。
自身がウィザードなのに加え、レガシーには《知りたがりの学徒、タミヨウ》や《瞬唱の魔道士》など優秀なウィザードが存在しているため、出来事側の条件を満たすことにもそれほど困らなそうです。
序盤は出来事で手札を補充し、その後は自身がフィニッシャーになれるのが魅力。軽量呪文を多用するレガシーのゲーム性とも噛み合っており、リソース源兼フィニッシャーとして期待しています!
1位:《真夜中の盗人、ビルボ》
すでに話題となっていますが、やっぱり注目はこちらのカード!
禁止カードとなった《戦慄衆の秘儀術師》を彷彿とさせる性能を持っています。攻撃時に墓地の呪文をタダで唱えることこそできませんが、唱えられる呪文の範囲が広がっており、《没頭》や《ミシュラのガラクタ》などもプレイ可能。
さらに、手札以外から唱える呪文のコストを軽減する能力は、《瞬唱の魔道士》によって「フラッシュバック」を持った呪文や、「ワープ」後に追放領域から唱える《量子の謎かけ屋》などにも適用されるのが地味に嬉しいポイントです。
自身が青いカードなので、2枚目以降を《意志の力》のコストに充てられるのも◎。イゼットデルバーやディミーアテンポなど、既存のデッキにもすんなり入りそうなスペックです。
タフネスが2あり、《オークの弓使い》だけでは除去されないのも嬉しいところ。レガシーでどこまで活躍するのか、今回特に注目している1枚です!
◆第30期ヴィンテージ神:横川 裕太
カードセット全体の印象
モダン以下の環境に大きな影響を与えた『指輪物語:中つ国の伝承』、それの前日譚にあたる『ホビットの冒険』とのコラボセットです。
スタンダード経由セットということもあり、前回と比べると全体のカードパワーは正直低めですが、それでもヴィンテージ環境に影響を及ぼしそうなカードはいくつかあります。
今回はそれらを見ていきましょう。
ヴィンテージ注目カードトップ3!
3位:《踏み込んだ情報》
黒お得意の相手のライブラリーを盗むドロー呪文。
今までの類似カードと違い、マナではなくライフを支払うことでカードを唱えられるので、デッキ内のカードのマナコストが軽くなりがちで、ライフを詰められにくいヴィンテージ環境との相性は悪くありません。博打度は高いですが1度試してみたいカードです。
2位:《ビルボの作戦》
《一時の猶予》からドローがなくなった代わりに、「宝物を贈呈する」とお互いに《沈黙》状態になります。
カード枚数は損をしますが、ターンを稼ぐのに有用な能力で、白単イニシアチブのような青くないが防御力の低いデッキで相手の逆転の一手を封じるカードとして使われるかもしれません。
1位:《真夜中の盗人、ビルボ》
あの悪名高い《戦慄衆の秘儀術師》がなんと青色に。
唱える呪文のマナは支払う必要がありますが、もともと1マナの呪文を唱えていたことを考えると、そこまでのデメリットではありません。
コスト軽減能力を持つことと、唱えられる呪文の幅が広がったことのほうがメリットとしては大きい印象で、《Time Walk》や《食糧補充》《宝船の巡航》のような少し重いが超強力なスペルをバシバシ使い回せるのは魅力的です。
また、なぜかアーティファクトも唱えられるうえに追放されることもないので、《ミシュラのガラクタ》は使い放題です。今度こそ《超能力蛙》2号となれるのか?要注目です。
◆第14期パウパー神:マルク・パヘス・ヴィダル/Marc Pages Vidal
カードセット全体の印象
こんにちは!今回は、MTG史上でも特に成功を収めた「ユニバースビヨンド」のセットを見ていきたいと思います。
『指輪物語:中つ国の伝承』では、《ロリアンの発見》《気前のよいエント》《カザド=ドゥームのトロール》といった「土地サイクリング」を持つカードがパウパーで大きなブームを巻き起こしました。これらはモダンやレガシーにも大きな影響を与えています。
そのほかにも、《レンバス》《火の中へ投げ捨てる》《角笛城での結集》など、パウパーで活躍しているカードは数多く存在します。
それから3年が経った今でも、これらのカードはパウパーにおける定番カードとして確固たる地位を築いています。
こうした過去を振り返ると、今回の『ホビット』も前作と同じような高いカードパワーを持っているのではないか、と期待したくなります。ここからは、セットに収録されているメカニズムを見ながら、パウパーでの可能性を分析していきましょう。
まず、「出来事」が再登場しています。序盤から終盤まで幅広く使える便利な能力で、今回のセットにも《忍びの者、ビルボ・バギンズ》や《不本意なもてなし役、ビヨルン》といった興味深いカードがあります。
なかでも、《忍びの者、ビルボ・バギンズ》は非常に面白いカードになりそうです。3マナでカードを1枚引けるクリーチャーは、パウパーでは昔から魅力的な存在でした。
さらにこのカードは、1ターン目に出来事側を唱えることで占術2を行えます。これは単に必要なカードを探せるだけでなく、《つぶやく神秘家》のような、インスタントやソーサリーを唱えたときに誘発する能力を持つカードとも相性が良いです。
そして、「フラッシュバック」も再登場しています。
《栄光の瞬間》は白単アグロのようなデッキで活躍する可能性がありますし、《トロルの森の略奪》は自分のライブラリーを削る戦略を組み込んだ青いコントロールデッキで使えるかもしれません。
もっとも、《綿密な分析》を超えることができるのかは、まだ何とも言えないところです。
新能力にも目を向けてみましょう。「徴募」を持つカードとしては《湖の町の見張り》があり、白単デッキで活躍する可能性があります。
また、「物語り」については《勇敢なる者、オーイン》がありますが、このカードについてはのちほど詳しく取り上げます。
最後に触れておきたいのが土地の《ホビット穴》です。
これは近年のセットにも登場している、《広漠なる変幻地》系の基本土地サーチカードに、追加の能力を持たせたタイプの土地です。《脱出トンネル》などがその代表例でしょう。
《ホビット穴》は、サーチ先として《仮面の蛮人》《屋根の上の止まり獣》、そして先ほど挙げた《忍びの者、ビルボ・バギンズ》など、さまざまな選択肢があります。《忍びの者、ビルボ・バギンズ》は青いデッキや《渦まく知識》を採用するデッキとの相性も良さそうです。
ただ、単純に土地サーチとして使うためだけに採用されるかどうかは微妙なところです。この役割には、すでに《ロリアンの発見》というより優れた選択肢があります。
それでも、《ホビット穴》は一度試してみる価値のあるカードだと思います。
パウパー注目カードトップ3!
3位:《ボロボロの短槍》
赤の2マナのカードで「カード1枚を捨てることで2枚のカードを引ける」ものは、パウパーで大きな影響を与える可能性があることはよく知られています。
今回の《ボロボロの短槍》は、よく使われている《モーキサイト合金》と非常によく似たカードです。アーティファクトなので《感電破》の「金属術」を達成する助けになり、《コーの空漁師》で手札に戻すこともできます。また、ゲーム終盤にはクリーチャーのパワーを1上げる役割も果たします。
《モーキサイト合金》との違いは、パワーを上げるためにこのカードを生け贄に捧げる必要がないことです。そのため、いつでも手札に戻して再び使えるのが大きな特徴です。
ただし、このカードは能力を使うために戦場にクリーチャーが必要なのに対し、《モーキサイト合金》にはその条件がない点には注意が必要です。
《ボロボロの短槍》は、《実験統合機》を採用したデッキで見かけることになるかもしれません。
2位:《勇敢なる者、オーイン》
このカードが実際に使われるようになるかはまだ分かりませんが、前のカードとは異なり、まったく新しいメカニズムを持っている点が魅力です。
特に注目したい能力が2つあります。
1つ目は「物語り」を非常に簡単に達成できることです。
《勇敢なる者、オーイン》自身がすでに伝説のクリーチャーなので、あと2つのパーマネントを用意するだけで条件を満たせます。それらはアーティファクト・土地でも構いませんし、先ほど紹介した《ボロボロの短槍》のようなアーティファクトでも問題ありません。
2つ目はルーティング能力です。《勇敢なる者、オーイン》で攻撃できない状況でも、不要な土地を捨てて別のカードに交換できます。
この2つの能力を組み合わせることで、《勇敢なる者、オーイン》はかなり強力なカードである可能性があります。
私としては、3位に挙げた《ボロボロの短槍》と同じアーキタイプのデッキに入るカードだと考えていますが、《大焼炉》《機械仕掛けの打楽器奏者》《実験統合機》などを採用した赤単デッキでも見かける可能性があります。
このデッキに「物語り」を達成するためのカードが十分にそろっているかどうかは分かりませんが、2枚ほど採用してみるのは決して無理のある選択ではないでしょう。
1位:《巨人の大岩》
第1位は《巨人の大岩》です。
多くのプレイヤーは、このカードが《爆破ゼリーの樽》に代わって採用されるようになると考えるのではないでしょうか。《爆破ゼリーの樽》は主にトロン、なかでも「フリッカートロン」や「緑トロン」で使われており、この2つのデッキは『Paupergeddon Summer 2026』でトップ8に入っています。
2枚のカードを能力ごとに比較してみましょう。
まず、《巨人の大岩》には「占術2」があります。これは《キャンディーの道標》と似た効果で、《爆破ゼリーの樽》にはない能力です。序盤はトロン土地を探し、終盤には脅威となるカードを探せるため、ここは非常に大きなポイントでしょう。
一方、色マナを出す能力については、《巨人の大岩》のほうが少し劣ります。能力を使う際にタップする必要があるため、そのターン中に2つめの除去能力を使うことができず、また自分のターンと相手のターンにそれぞれ1回ずつ色マナを出す、といった使い方もできません。
最後の除去能力を見てみると、《巨人の大岩》は《爆破ゼリーの樽》より2マナ重くなっています。ただし、トロンではこの差はそれほど問題にならないでしょう。
そして、この能力はパーマネントを直接破壊できます。クリーチャー以外も対象にできるのは大きなメリットです。またミラーマッチでも、《爆破ゼリーの樽》では対処できなかったタフネスの高いクリーチャーを除去できます。
もちろん、《トレイリアの恐怖》を対象にする場合は、除去するためにかなりのマナが必要になるでしょう。しかし、それだけの理由で《巨人の大岩》を4枚採用しないのは、果たして正しいのでしょうか。
さらに、このカードの登場によって一部の緑トロンがサイドボードに採用している4枚の《存在の一掃》を、コンボデッキなど別のデッキの対策カードに入れ替えられる可能性があります。
以上のことを踏まえて、このカードが多くのトロンで採用されると考えるのは必然でしょう。
もし私の予想が外れたら……そのときは「パウパーの神」の称号を返上します(笑)
新セットのカードを楽しんでいただければ幸いです。巨人たちと戦いながら、彼らが投げてくる巨大な岩が頭に直撃しないよう気をつけましょう!
◆第15期コマンダー神:眞木 陽平
カードセット全体の印象
セットの印象としては、近年のカードデザインの傾向通り、今までのカラーパイに対して各色が少しずつできることを拡張させようとしているのかな、といった所感です。
前回の『マーベル スーパー・ヒーローズ』と比べると、カード単体でインパクトの大きいカードは少ない印象を持ちました。
コマンダー視点での印象では、受動的なトリガーで利を得るカードが目立っていたので、自分のしたいアクションに対して他者がどう作用して、結果的に卓全体のパワーバランスがどう動くのか、今まで以上に繊細な判断が必要になると感じました。
コマンダー注目カードトップ3!
3位:《煌びやかなる豪奢》
2マナの置物で《フェアリーの黒幕》と同じトリガーで宝物を生成し、3マナ起動で2人がドローできると書いてあります。字面だけだと、マナとドローどちらもできる万能カードのように見て取れるかもしれません。
しかし、《リスティックの研究》や《息詰まる徴税》と違い1ターンに誘発する回数に上限がありかつ、ミッドレンジゲームでしか運用が難しいという点で、リソース源としては思ったよりも地味な働きになると予想します。
比較すべきカードは《タタル・タル》だと感じました。
とはいえ、無限マナからドロー起動で勝てるとも書いてあるため、3色以下の無限マナを生み出せるデッキでは採用されるのではないでしょうか。
2位:《暗闇のなぞなぞ勝負》
《嘘か真か》と《サウロンの交換条件》の合の子のようなテキストですが大きく違う点があり、パイル分けを自分で行えるという点で、駆け引きの主導権が自分にあるのが強いポイントだと感じました。
極論、デッキ上が理想的な4枚だった場合は、カード2枚を秘匿しつつ3マナの《けちな贈り物》を撃てるかもしれません!
最低でもインスタントタイミングで手札が1枚増えるカードとして運用できるので、駆け引き要素抜きにしても最低限の仕事をしてくれるのではないでしょうか。
《直観》系のかさ増し兼、ドローソースとして可能性を感じました。
1位:《谷間の国の王妃》
《エスパーの歩哨》と同じトリガーで「徴募」を行うと書いてあります。違う点は唱えた時点で「徴募」が確定で行われるところです。
ゲーム中のコミュニケーションで、このような誘発を相手に対して主張することは印象としてのヘイトを上げかねないですが、その点で《谷間の国の王妃》は相手に選択肢を与えないところが字面以上に強い点だと感じました。
また、手札の枚数自体は変動していないため、相手に気づかれにくい状況で手札の質を高められるのも強みだと感じました。
クロックとしては《帳簿裂き》よりも頼りないスペックなので、《ガイアの揺籃の地》でのクリーチャーカウントを稼ぐ要員として「《永久忠義の義丸》&《トリトンの英雄、トラシオス》」や「《トリトンの英雄、トラシオス》&《織り手のティムナ》」での採用が見込まれるのではないでしょうか。
◆第28期リミテッド神:山本 康平
カードセット全体の印象
みなさん、こんにちは。リミテッド神の山本です。
今作『ホビット』のリミテッドアーキタイプは、

:人間(徴募)

:ゴブリン(動員)

:狼(獰猛)

:ドワーフ(物語り)

:エルフ(上陸)
と同族をテーマとしたセットとなっていて、『ローウィンの昏明』に近い形となっています。
新メカニズムとしては、「徴募」と「物語り」が追加されました。
「徴募」は「謀議」と似たような能力で、トークンによる横並びやセカンドドローのシナジーとマッチしていてなかなか強力なものとなっています。
「物語り」は伝説・アーティファクト・英雄譚を合計3つ以上コントロールしていれば、追加の恩恵を得られる能力ですが、装備品が多いこの環境なら比較的容易に条件は達成できそうです。
リミテッド注目カードトップ3!
3位:《忍びの者、ビルボ・バギンズ》
マジック:ザ·ギャザリングをプレイするうえで常につきまとう最大の敵”土地事故”ですが、このカードは1枚で計り知れないほどの土地事故回避に貢献すること間違いなしです。
占術2+本体のキャントリップにより、先手で土地2枚+ビルボがあるだけで安心してキープ宣言できます!(3枚目の土地を引けなかった場合の責任は負いかねます)
ただ伝説のカードなので、入れすぎには注意です。
2位:《荒らし場をうろつくもの》
2009年発売の『アラーラ再誕』、当時のスタンダードを代表するデッキに挙げられる「ジャンド続唱」、その2マナ域の不動のエースだった《朽ちゆくヒル》が単色になって帰って来ました。
2点ライフルーズのデメリット以上にメリットが勝る4点クロックは計り知れない脅威となり、なんといっても黒緑の「獰猛」シナジーの条件もお手軽に達成できます。
現状スタンダードで不遇扱いされている黒系アグロにも、一石を投じるカードとなるかもしれません。
1位:《アーケン石》
全体強化効果と毎ターン追加ドロー、弱いわけがありません。
出来事は白マナが必要ですが、オマケみたいなものなのでパックから出たら必ずピックしましょう。
新環境を楽しもう!
以上、「神」ならではの視点と知識から、各フォーマットの『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』の注目カードをレビューしてもらいました!
目を引くような強いカードが多く、どんなデッキを組むか考えるのが楽しいですね!
彼らの意見を参考に新たな戦力とともに新環境へと踏み出しましょう!
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