はじめに
みなさん、こんにちは。
8月10日に禁止制限告知がありました。大方の予想通り、レガシーで《ファンタスティッカー》が廃車(禁止)になり、車社会から解放されました。
《ファンタスティッカー》はリリースされた当初から壊れたカードとして認識されており、コンボ、フェア問わずさまざまなデッキに採用された実績があります。その強さのあまり、決して楽しいとは言えないプレイパターンを生み出し、環境を歪めていたので今回の決定には賛成です。
さて、《ファンタスティッカー》禁止後のレガシーはどうなっているでしょうか?
先週末に開催された『Legacy Challenge』の入賞デッキを見ながら、新環境を解析していきたいと思います。
8/11 『Legacy Challenge 32』 -『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』のあのカードが大活躍-
開催日:2026年8月11日
優勝 デス&タックス
準優勝 ラクドスリアニメイト
3位 オムニアルーレン
4位 ディミーアムーンシャドウ
5位 ディミーアムーンシャドウ
6位 青トロン
7位 ドゥームズデイ
8位 デス&タックス
先週のレガシーは、禁止改定と新セット『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』のリリースによって環境が大きく変化していました。
旧環境でも活躍していたディミーアテンポやラクドスリアニメイトが見られるなか、メタゲームの変化により復権してきたデス&タックスが優勝しました。
ディミーアムーンシャドウ
《月影》と《ネザーゴイフ》の2種類の1マナ域を搭載した、ディミーアテンポのなかでも最もアグレッシブなスタイルのデッキです。
《目くらまし》や《不毛の大地》も活かしやすく、《没頭》などアドバンテージを稼ぐ手段も採用されているので、中盤以降も粘り強く渡り合えます。
また、新たなアドバンテージ源として『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』の話題の新カード《真夜中の盗人、ビルボ》も早速採用されていました。
☆注目ポイント
《真夜中の盗人、ビルボ》は除去されずに生き残れば、各種キャントリップや《思考囲い》《致命的な一押し》《ミシュラのガラクタ》などを使いまわしてアドバンテージを稼ぐことができます。
タフネス2で伝説のクリーチャーなので《戦慄衆の秘儀術師》ほどではないものの、使いまわせるスペルの範囲が広く、コスト削減能力など《戦慄衆の秘儀術師》にはなかった能力も持ち合わせているため、相手にとってはマスト除去になります。
特に《没頭》を1マナで再利用できるところが大きく、中盤以降も息切れしにくくなりました。
《月影》はフェッチランドや《不毛の大地》《ミシュラのガラクタ》などを使うだけで強化されていくので、このデッキなら自然とフィニッシャー級のサイズに育っていきます。また、威迫によりダメージを通しやすい点が魅力です。
このデッキは、一般的なディミーアテンポよりも1マナ域が多い構成なので、エルドラージなどが使う《虚空の杯》が非常に刺さりやすくなっています。
出された場合の対処札が、メインの《厚かましい借り手》1枚では少し不安が残るため、追加の《厚かましい借り手》や《仕組まれた爆薬》はサイドに欲しいところです。
8/14 『Legacy Challenge 32』 -車社会から税社会へ-
開催日:2026年8月14日
優勝 デス&タックス
準優勝 デス&タックス
3位 アゾリウスコントロール
4位 ラクドスリアニメイト
5位 アゾリウステンポ
6位 マルドゥエネルギー
7位 スゥルタイミッドレンジ
8位 オムニアルーレン
今大会でもデス&タックスが優勝。今回はなんとワンツーフィニッシュを決めています。
デス&タックス
《地底街の密告人》《Candelabra of Tawnos》、そして《ファンタスティッカー》が禁止になり、相性が悪かったコンボデッキが減少したことでデス&タックスが復権を果たしました。
ディミーアテンポやイゼットテンポなどと相性が良く、流行りの《真夜中の盗人、ビルボ》に対しても、ブロッカーとなるクリーチャーを多く用意でき、《カラカス》でバウンスしたりと強く出れます。
現在は《空を放浪するもの、ヨーリオン》を「相棒」にした型が主流で、《溌剌の牧羊犬、フィリア》を使ったブリンク戦略を取り入れています。また、《霊気の薬瓶》のおかげでカウンターにも耐性があるのが強みです。
☆注目ポイント
《溌剌の牧羊犬、フィリア》はこのデッキのキーカードです。戦場に出たときの能力を持つクリーチャーをブリンクし、能力を再利用して多くのアドバンテージを稼ぐため、相手にとってはマスト除去になります。
《護衛募集員》は特に《溌剌の牧羊犬、フィリア》でブリンクしたいクリーチャーです。状況に応じて適切なクリーチャーをサーチし、相手に合わせて上手く立ち回るのが理想です。
「兆候」した《ベイルマークの大主》を《溌剌の牧羊犬、フィリア》でブリンクし、クリーチャーとして戦場に定着させる動きも強力です。
能力も再利用できるので、各種クリーチャーを回収してリソースをさらに稼げますし、《孤独》を回収できた場合は、そのまま除去として構えることができます。
《白蘭の幻影》は不利なトロンやポストとのマッチアップで特に強さを発揮しますが、レガシーの多くのデッキは基本でない土地に依存しており、ブリンクして何度も土地を割れるのでそのほかのマッチでもそれなりに活躍します。
現在のレガシーで《石鍛冶の神秘家》でサーチしてくる主要な装備品は、《戦前の正装》と《隕鉄剣》です。
《戦前の正装》で《ちらつき鬼火》をリアニメイトすると、《戦前の正装》自身をブリンクできるので、さらに追加でクリーチャーをリアニメイトできます。
《隕鉄剣》は土地を含めてパーマネントをなんでも破壊できるため、《溌剌の牧羊犬、フィリア》と相性が良い装備品です。
また、相手の《実物提示教育》に合わせて出すことで、相手が出した《全知》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》も破壊することができます。
8/15 『Legacy Challenge 32』 #1 -フェアデッキ多数-
開催日:2026年8月15日
優勝 イゼットデルバー
準優勝 アゾリウスコントロール
3位 青トロン
4位 ラクドスリアニメイト
5位 豆の木コントロール
6位 青ポスト
7位 デス&タックス
8位 豆の木コントロール
今大会では豆の木コントロールやトロンなど、デス&タックスに強いデッキが複数勝ち残っていました。
そして優勝したのは、クラシックな形のイゼットデルバーでした。
豆の木コントロール
豆の木コントロールはレガシーのヘビーコントロールデッキです。最近の形は《知りたがりの学徒、タミヨウ》や《豆の木をのぼれ》といったマストカウンターを押しつけ、《力線の束縛》《剣を鍬に》で脅威をさばいて、《濁浪の執政》でゲームを決めます。
カードパワーが向上した現代のマジックでは、ドロースペルで手札を整えつつカウンターや除去で相手の脅威をさばき切ることは現実的なプランとは言えず、このデッキのように能動的に動けるように構築されたものが現代のコントロールの形になっています。
多色デッキなのでマナベースの構築が非常に難しいところではありますが、このバージョンは白青がベースで、緑が必要なのは《豆の木をのぼれ》と、《力線の束縛》の「版図」、そしてサイドボードのカードのためと軽いタッチに収まっています。
☆注目ポイント
《知りたがりの学徒、タミヨウ》は現在の青いフェアデッキが1ターン目にプレイできる最高のカードです。生き残るだけで有利にゲームが進みます。
相手にとってはマスト除去であり、このカードを処理するためにリソースを費やしてくれれば、コントロールにとって有利なロングゲームにも持ち込みやすくなります。
レガシーでも青いデッキの定番フィニッシャーとして活躍する《量子の謎かけ屋》ですが、このデッキでは《豆の木をのぼれ》を誘発させることができ、「ワープ」と追放領域からプレイすることで2度誘発させられます。
《力線の束縛》と《濁浪の執政》は《豆の木をのぼれ》を誘発させられるコストでありながら、「版図」や「探査」によって軽くプレイできる優秀なカードです。
《力線の束縛》は対応できる範囲が広い除去なので、現環境のさまざまな脅威を対処することができます。
サイドに採用されている《封じ込める僧侶》は、現在幅を利かせているラクドスリアニメイトに有効なカードです。サイドからプランBとして投入してくる《要塞の計略》や《実物提示教育》にも対応できるので、白が使えるなら必ず入れておきたいヘイトベアーです。
8/15 『Legacy Challenge 32』 #2 -話題の新カードを採用したスタイフルノートが優勝-
開催日:2026年8月15日
優勝 スタイフルノート
準優勝 ディミーアテンポ
3位 スニーク・ショー
4位 ラクドスリアニメイト
5位 オムニテル
6位 ラクドスリアニメイト
7位 カーンフォージ
8位 赤単ペインター
今大会では「オムニテル」「ペインター」「カーンフォージ」「リアニメイト」などコンボデッキが複数入賞、優勝をしたのはコンボコントロールのスタイフルノートでした。
スタイフルノート
スタイフルノートは《ファイレクシアン・ドレッドノート》+《もみ消し》のコンボによってデメリット能力を踏み倒すデッキです。
《もみ消し》を含めて《意志の力》《剣を鍬に》などの優秀な妨害スペルがあるので、白青系のコントロールとして振る舞いつつ、コンボで決着をつけるコンボコントロールにカテゴライズされます。
《ファイレクシアン・ドレッドノート》のデメリットを踏み倒す手段は《もみ消し》だけでなく、《門衛のスラル》《激しい叱責》《記憶への放逐》など複数存在するため、安定してコンボを決めることができます。
また、最近結果を残しているデス&タックスに対して《門衛のスラル》が非常に有効で、《ファイレクシアン・ドレッドノート》+《もみ消し》という速やかに決着を付けられるコンボも搭載されているため、デス&タックスに強いデッキでもあります。
☆注目ポイント
《真夜中の盗人、ビルボ》はこのデッキでも採用されています。ほかの青いデッキと同様にキャントリップや《没頭》などを再利用してアドバンテージを取ることができ、《剣を鍬に》でたいていのブロッカーは排除することができます。
《忌まわしき眼魔》は追加の勝ち手段ですが、《ファイレクシアン・ドレッドノート》を「戦慄予示」できれば、デメリットを無視して12/12トランプルを場に出すことができます。《渦まく知識》などで上手く仕込みましょう。
最近はあまり見かけないカードですが、サイドの《破滅》は基本でない土地限定の《ハルマゲドン》で、トロンやポスト、土地単などに刺さります。相手の大きなアクションを打ち消したあとに《破滅》で蓋をする、という流れは強力なムーブのひとつです。
総括
《ファンタスティッカー》の禁止と『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』の登場によってメタに大きな動きがあり、先週末の大会ではデス&タックスやトロン、ポストといったデッキが復権してきました。
また、青いデッキの新たなアドバンテージ源として話題の《真夜中の盗人、ビルボ》は、ディミーアテンポやスタイフルノートなど複数のアーキタイプで採用され結果を残していました。
ほかには、ラクドスリアニメイトが先週末のすべての『Legacy Challenge』でプレイオフに入賞しているため、墓地対策はしっかりとしていきたいところです。特に白が使えるなら、《封じ込める僧侶》はオススメの対策手段になります。
今週末には、『BMO Vol.15』が開催されます。日本国内で、禁止改定後に初めて開催される大規模なテーブルトップのイベントなので楽しみですね。
USA Legacy Express vol.281は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
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