皆さんこんにちは。
新セットの『イクサラン』が発売し、過去の優秀な1マナキャントリップである《選択》が返ってきました。ますます面白くなってきたモダン環境ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
さて、今回の連載ではMOで毎週末に開催されるModern ChallengeとSCG Classics Dallasの入賞デッキを見ていきたいと思います。
Modern Challenge
モダンにおける新たな選択肢
2017年09月30日
- 1位 Titan Shift
- 2位 Gift Storm
- 3位 Grixis Death’s Shadow
- 4位 Titan Shift
- 5位 Jeskai Tempo
- 6位 BG Midrange
- 7位 BW Eldrazi Taxes
- 8位 Eldrazi Tron
トップ8のデッキリストはこちら
『イクサラン』加入直後のイベントでしたが、再録された1マナのキャントリップスペルである《選択》が採用されたデッキが多数入賞していました。
今回入賞を果たしたデッキの中ではGift Storm、Grixis Death’s Shadow、Jeskai Tempoで採用されており、コンボ、アグロ、コントロールを問わず《血清の幻視》と共に青いデッキのマストとなりそうです。
《約束の刻》加入以来Titan Shiftは安定して上位に残っており、Gift StormやGrixis Death’s Shadowなど墓地を使ったデッキが多いため、《大祖始の遺産》をメインから採用したリストがポピュラーです。
Modern Challenge デッキ紹介
「Grixis Death’s Shadow」「Jeskai Tempo」
Grixis Death’s Shadow
1 《島》 1 《沼》 2 《血の墓所》 2 《湿った墓》 1 《蒸気孔》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《汚染された三角州》 3 《沸騰する小湖》 -土地 (18)- 4 《死の影》 4 《瞬唱の魔道士》 3 《通りの悪霊》 2 《黄金牙、タシグル》 2 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー (15)- |
4 《血清の幻視》 4 《思考掃き》 4 《思考囲い》 3 《致命的な一押し》 3 《頑固な否認》 2 《選択》 2 《コジレックの審問》 2 《終止》 2 《コラガンの命令》 1 《四肢切断》 -呪文 (27)- |
2 《若き紅蓮術士》 2 《儀礼的拒否》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《コジレックの帰還》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《頑固な否認》 1 《力ずく》 1 《集団的蛮行》 1 《ティムールの激闘》 1 《最後の望み、リリアナ》 -サイドボード (15)- |
再録された《選択》の恩恵を受けたデッキの一つで、「探査」のために墓地を肥やし《瞬唱の魔道士》を使うデッキにとっては嬉しい追加です。
対策が進み一時期に見せた勢いはないものの、大きな大会では必ず見かける定番のデッキです。
☆注目ポイント
追加のドロースペルとして《手練》が採用されたリストがありましたが、今回入賞していたGift stormも《手練》を2枚に減らして《選択》を採用しており、カウンターのためにマナをオープンにしておきたいこのデッキでは、インスタントであることが特に重要になります。キャントリップの追加により、デッキによってペイライフが厳しくなる《通りの悪霊》が減らされています。AffinityやBurn、コントロールでも火力を多数採用したJeskai Tempoなど、ダメージを与えてくるアグレッシブなデッキが多く、サイドアウト率も高いのでこの選択には賛成です。
「探査」クリーチャー対策に《安らかなる眠り》や《虚空の力線》、キャントリップを始めとした1マナスペルをシャットアウトする《虚空の杯》や追加の除去など、サイド後は対策が厳しくなるため、追加の勝ち手段に《若き紅蓮術士》が採用されています。トークンが並ぶので単体除去に耐性があり、《ヴェールのリリアナ》 や「プロテクション(黒)」を持つ《カメレオンの巨像》や《ミラディンの十字軍》といったカードにも強いお勧めのサイドカードです。
Jeskai Tempo
3 《島》 1 《平地》 1 《山》 1 《神聖なる泉》 1 《聖なる鋳造所》 1 《蒸気孔》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 3 《天界の列柱》 2 《尖塔断の運河》 -土地 (22)- 4 《瞬唱の魔道士》 4 《呪文捕らえ》 3 《聖トラフトの霊》 -クリーチャー (11)- |
4 《血清の幻視》 4 《選択》 4 《稲妻》 4 《流刑への道》 3 《論理の結び目》 2 《稲妻のらせん》 1 《イゼットの魔除け》 2 《電解》 3 《謎めいた命令》 -呪文 (27)- |
2 《儀礼的拒否》 2 《払拭》 2 《ルーンの光輪》 2 《大祖始の遺産》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《摩耗+損耗》 1 《神々の憤怒》 1 《至高の評決》 1 《石のような静寂》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード (15)- |
SCGO Louisvilleでも優勝するなど最近好調のJeskai Tempo。グランプリ・神戸2017で玉田 遼一選手が使用し、入賞して以来SCGOを中心にコンスタントに結果を残しているデッキです。筆者のお気に入りのデッキで、現在モダンに存在する多くのデッキと相性が良く使っていて楽しいデッキです。再録されたキャントリップの《選択》の恩恵を受けたデッキの一つでもあり、インスタントスピードで動くこのデッキにとっては大きな収穫となりました。
《稲妻》や《流刑への道》、《謎めいた命令》といった優秀なスペルを活用することによってコントロールのように振舞うことも可能ですが、デッキの動きは《聖トラフトの霊》を展開し火力スペルや瞬速クリーチャーで相手のライフを攻めるテンポデッキです。
このデッキが上位で見られるようになった理由としては、Grixis Death’s Shadowやそれらに強いとされるAffinityの増加によるところが大きく、軽い除去を多数採用しているため、基本的にAffinityを始めとした多くのクリーチャーデッキに有利であることが挙げられます。Death’s Shadowに対しても火力を多数採用していると同時に、軽い除去の《流刑への道》やクロックの《聖トラフトの霊》を採用していることから、互角以上の勝負になります。
☆注目ポイント
『イクサラン』のプレビューで《選択》の再録がアナウンスされて以来、《血清の幻視》に代わる1マナのキャントリップとして採用されるのではないかと話題になりました。カウンターや《呪文捕らえ》のために土地をアンタップしておく必要があることが多いこのデッキでは、インスタントスピードの《選択》の方が優先されます。占術もフェッチランドを多用するこのデッキでは、そのアドバンテージを活かすことは難しく、土地を探す場合もドローステップの前に占術1をする《選択》の方がキャストしたそのターンに土地を引き当てやすくなります。
《呪文捕らえ》はこのデッキの核でカウンターではなくスペルを追放するので、《至高の評決》や《突然の衰微》、《魂の洞窟》からキャストされたクリーチャーなど、カウンターされないスペルも対策可能で対象がない場合も2/3瞬速として展開できるため無駄になりにくい優秀なクリーチャーです。
このリストには不採用でしたがお勧めしたいカードがあります。SCGO Louisvilleで優勝者のHarlan Firerがサイドに採用していた《ピア・ナラーとキラン・ナラー》は、フェアデッキを中心に特に《ヴェールのリリアナ》を使ったデッキに有効なのでお勧めです。《血染めの月》がある状況でもキャストできるのは地味に嬉しいポイントです。追加のカウンターとして《軽蔑的な一撃》もScapeshift、Tronといった高マナコストのスペルを多用するデッキに対して有効です。
SCG Classics Dallas
Jundの復権
2017年10月01日
- 1位 Jund
- 2位 Eldrazi Tron
- 3位 Bant Spirit
- 4位 GR Tron
- 5位 WR Prison
- 6位 Burn
- 7位 UR Gift Storm
- 8位 Elves
Jacob Rodriguez
トップ8のデッキリストはこちら
『イクサラン』リリース直後に開催されたSCG Classics Dallasは、Jund、GR Tron、Burnといった少し前に活躍したデッキとEldrazi TronやGift Stormといったデッキも見られ、新旧入り混じったプレイオフとなりました。
モダンのフェアデッキの定番として活躍していたJundは、最近あまり見られなくなりましたが、軽い除去と《闇の腹心》の提供するアドバンテージによりクリーチャーデッキ全般に強く、環境ベストのデッキではないもののハンデスもあるので、Tronなど土地コンボなどを除いて絶望的な相性のデッキが少ないのが魅力です。
SCG Classics Dallas デッキ紹介
「Jund」「Elves」「8-Rack」
Jund
2 《沼》 2 《森》 2 《草むした墓》 1 《血の墓所》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《新緑の地下墓地》 1 《樹木茂る山麓》 4 《黒割れの崖》 3 《怒り狂う山峡》 -土地 (24)- 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 2 《漁る軟泥》 2 《台所の嫌がらせ屋》 1 《高原の狩りの達人》 1 《ゲトの裏切り者、カリタス》 -クリーチャー (14)- |
3 《致命的な一押し》 3 《稲妻》 3 《コジレックの審問》 2 《思考囲い》 2 《終止》 1 《突然の衰微》 2 《コラガンの命令》 1 《大渦の脈動》 4 《ヴェールのリリアナ》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文 (22)- |
2 《大爆発の魔道士》 2 《部族養い》 1 《強情なベイロス》 1 《外科的摘出》 1 《古えの遺恨》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《集団的蛮行》 1 《神々の憤怒》 1 《滅び》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《墓掘りの檻》 1 《虚無の呪文爆弾》 -サイドボード (15)- |
モダンの定番デッキの一つとして長い間活躍していたJundは、クリーチャーデッキやUR Gift Stormのように《ゴブリンの電術師》や《遵法長、バラル》といったクリーチャーを採用したコンボデッキに対して、《致命的な一押し》や《稲妻》などの軽い除去やハンデスなどのおかげで有利なマッチアップになります。
Titan ShiftやEldrazi Tronなどを苦手としますが、Affinityや各種Companyなどクリーチャーデッキに強く、Grixis Death’s Shadowや最近見られるようになったJeskai TempoやUW Controlとはほぼ五分のマッチアップとなります。
☆注目ポイント
《致命的な一押し》は《死の影》や《タルモゴイフ》といった高タフネスのクリーチャーを処理できる軽量除去で、今回のリストではメインに3枚ですが4枚入れても良いスペルです。軽く優秀なこのカードだけでなく、《グルマグのアンコウ》 、《黄金牙、タシグル》 《現実を砕くもの》といったクリーチャーを処理できる《終止》も採用されています。 .
UR Gift Storm、Grixis Death’s Shadow、Jeskaiや青白などの各種《瞬唱の魔道士》を使ったデッキや《集合した中隊》デッキ、Dredge、Living Endなどモダンの墓地は極めて重要なリソースなので、《漁る軟泥》は多くのマッチアップでキーカードとなります。
《ヴェールのリリアナ》はGrixis Death’s ShadowやTitan Shift、青白などコントロールとのマッチアップで強さを発揮し、最近よく増えてきた《聖トラフトの霊》を対策にもなります。
Elves
3 《森》 1 《草むした墓》 2 《吹きさらしの荒野》 4 《光り葉の宮殿》 3 《花盛りの湿地》 3 《地平線の梢》 1 《魂の洞窟》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地 (18)- 4 《エルフの神秘家》 4 《遺産のドルイド》 4 《ラノワールのエルフ》 4 《イラクサの歩哨》 4 《ドゥイネンの精鋭》 4 《エルフの幻想家》 4 《エルフの大ドルイド》 4 《群れのシャーマン》 2 《背教の主導者、エズーリ》 -クリーチャー (34)- |
2 《暴走の先導》 4 《集合した中隊》 1 《イトリモクの成長儀式》 1 《王神の玉座》 -呪文 (8)- |
3 《本質の管理人》 2 《エルフのチャンピオン》 2 《突然の衰微》 2 《英雄的介入》 2 《悪戦+苦闘》 2 《引き裂く突風》 1 《形成師の聖域》 1 《光と影の剣》 -サイドボード (15)- |
Elvesにフォーカスした部族アグロデッキ。
《集合した中隊》によるカードアドバンテージによってロングゲームにも強く、Elvesクリーチャーでビートダウンしていく以外にも、《王神の玉座》や《群れのシャーマン》によるライフロスによる勝ち手段も用意されているなど、コンボデッキ的な要素も持ち合わせています。
小型のクリーチャーを多数展開する戦略は、単体のサイズで勝る地上クリーチャーと数枚の単体除去でバックアップしていくGrixis Death’s Shadowのような戦略に対して相性が良く、《神々の憤怒》や《至高の評決》といった全体除去を多用するデッキに対しては弱くなります。
☆注目ポイント
《エルフの神秘家》、《ラノワールのエルフ》、《遺産のドルイド》などマナ加速が豊富で、《イラクサの歩哨》との組み合わせにより一度に大量のクリーチャーを並べることができます。《ドゥイネンの精鋭》も《遺産のドルイド》と相性の良いクリーチャーで、1ターン目に《遺産のドルイド》、2ターン目に《ドゥイネンの精鋭》と展開し、《遺産のドルイド》と《ドゥイネンの精鋭》、エルフトークンをタップすることで即座に3マナをだすことが可能です。マナが大量に出せるので《背教の主導者、エズーリ》の能力を起動して一気に決着を付けることができます。
Elvesが並ぶことで《群れのシャーマン》や《王神の玉座》によって戦闘をすることなくゲームを終わらせることも可能です。
《集合した中隊》と《暴走の先導》は、カードアドバンテージを提供しつつキーとなるElvesをサーチします。JundやJeskaiといった、除去を多用するデッキとのマッチアップでは特に重要となります。
『イクサラン』からのカードも早速採用されています。《イトリモクの成長儀式》はクリーチャーを4体以上コントロールしてターンエンドを迎えることで、あの《ガイアの揺籃の地》に変身するエンチャントで、このデッキなら条件を満たすのも容易です。《形成師の聖域》は単体除去を多用するデッキに対してアドバンテージが得られるエンチャントで、1マナと軽く能力に対しても発動するので《歩行バリスタ》、《渋面の溶岩使い》、《最後の望み、リリアナ》 、《イゼットの静電術師》といったカードに対しても有効です。
8Rack
15 《沼》 1 《新緑の地下墓地》 4 《変わり谷》 4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地 (24)- -クリーチャー (0)- |
4 《コジレックの審問》 4 《カラスの罪》 3 《思考囲い》 3 《致命的な一押し》 4 《小悪疫》 3 《精神ねじ切り》 2 《葬送の魔除け》 1 《四肢切断》 4 《金切り声の苦悶》 4 《拷問台》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文 (36)- |
3 《死の影》 3 《大爆発の魔道士》 3 《虚空の力線》 2 《集団的蛮行》 2 《鞭打つ触手》 1 《致命的な一押し》 1 《四肢切断》 -サイドボード (15)- |
惜しくもトップ8進出は逃したものの、SCGのトッププレイヤーであるTom Rossも愛用していたことで最近人気が出てきている8Rackも紹介していきたいと思います。
8Rackは《カラスの罪》などハンデススペルや《ヴェールのリリアナ》によって相手の手札を減らしていき、《拷問台》や《金切り声の苦悶》を貼って相手のライフを削る手札破壊デッキです。合計8枚の《拷問台》能力を持つカードを採用しているため、8Rackと呼ばれています。
UR Gift StormやTitan Shift、Grixis Death’s Shadowといった現環境のトップメタと相性が良く、《復活の声》 や《未練ある魂》など、一度にクリーチャーを並べるデッキやTronには不利が付きます。
☆注目ポイント
《ヴェールのリリアナ》は除去兼ハンデスとこのデッキに必要な要素が揃ったキーカードです。「-2」能力は《死の影》や「探査」クリーチャー、《聖トラフトの霊》などを除去することで時間を稼ぎ、毎ターン利用可能な「+1」能力を駆使することで《拷問台》や《金切り声の苦悶》で確実にライフを削ることができます。
《カラスの罪》は再利用可能なハンデスで、ハンドの枚数を減らすことが目的なので、相手に選択権があることもそれほど気になりません。3マナ以上のコストのスペルが入っていないこのデッキでは、「回顧」のコストも問題にはならないでしょう。《精神ねじ切り》は一部のデッキを除いて確実にアドバンテージが取れるハンデスで、相手のハンドを空にする後押しをします。
《葬送の魔除け》はハンデスには珍しくインスタントなので、相手のドローステップに合わせてキャストするできれば相手のトップデッキを妨害することができます。2番目のモードもマナクリーチャーなど、小型クリーチャーの処理に役に立ちます。
《小悪疫》は相手のクリーチャーを除去しつつ、リソースを削ることができるスペルで、《拷問台》や《金切り声の苦悶》をセットアップする時間を稼ぎます。
初動数ターンにハンデスなどやることが多いこのデッキでは、ゲーム開始時に設置できる《虚空の力線》がマッチしています。Dredge、Living End、Gift Stormなど墓地を使ったデッキに対してベストな妨害です。後で引いてきても《小悪疫》や《ヴェールのリリアナ》で捨てられるのでハンドで腐ることも少なくなります。フェッチランドなど自らライフを減らす手段は少ない8Rackですが、ライフを攻めてくるアグロデッキに対しては《死の影》は軽く優秀な追加の勝ち手段です。
8Rackは環境の最高のデッキではありませんがアグロデッキが少なくコンボやTitan Shiftが人気の環境で輝くデッキです。
プレイヤーインタビューRaymond Perez
初出場のプロツアーであるPro Tour Theros 2013で最終成績11位という好成績を残し、2013-14シーズンのRookie of the Yearを勝ち取り、その後もグランプリ・インディアナポリス2015-16で準優勝、昨年開催されたグランプリ・アトランタ2016でもトップ4入賞を果たしているアメリカのプロプレイヤーです。
今回の連載のために彼がSCG Classics Louisvilleで使用し優勝を果たしたUW Controlについてお話を聞くことができました。
UW Control
5 《島》 2 《平地》 1 《神聖なる泉》 1 《灌漑農地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《天界の列柱》 4 《地盤の際》 2 《氷河の城砦》 1 《秘教の門》 1 《啓蒙の神殿》 -土地 (25)- 3 《瞬唱の魔道士》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー (4)- |
4 《流刑への道》 4 《血清の幻視》 1 《論理の結び目》 1 《マナ漏出》 1 《否認》 1 《疑念の影》 1 《熟慮》 1 《スフィンクスの啓示》 3 《謎めいた命令》 3 《至高の評決》 4 《広がりゆく海》 2 《拘留の宝球》 2 《試練に臨むギデオン》 2 《思考を築く者、ジェイス》 1 《ギデオン・ジュラ》 -呪文 (31)- |
3 《聖トラフトの霊》 2 《払拭》 2 《安らかなる眠り》 2 《石のような静寂》 1 《神聖な協力》 1 《天界の粛清》 1 《機を見た援軍》 1 《至高の評決》 1 《ルーンの光輪》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード (15)- |
--「UW Controlを選択した理由は教えてくれないかな?」
Raymond「モダンを始めて以来、Lantern ControlやAffinity、異なるバリエーションのCollected Companyなどいろんなデッキを試してみたけど、1番好きなのはコントロールデッキだね。最後に青白というデッキが強かったのはエルドラージの冬(※《ウギンの目》が禁止される前の時期)で、その時の最高のデッキだったEldraziとそのEldraziに強かったとされるMeliraコンボとのマッチアップとの相性が良かったから使っていたんだ。」
Raymond「数か月前のSCG Invitationalで二日目には残れず、併催されて開催されていたオープンに使うデッキを考えていたところ、青白がMOで結構勝っていたのを見てたんだ。周りは青白は使わない方が良いと言っていたけど、元々からコントロールが好きだったのもあって青白を再び使ってみようと考えたのさ。そのオープンでマネーフィニッシュして以来青白を使い続けていこうと決めたんだ。」
--「《瞬唱の魔道士》や《天界の列柱》、《謎めいた命令》とか確かにコントロールプレイヤーが好きなカードがたくさん入っているね。MOで結果を残しているリストの多くは、メインから《幽霊街》が採用されているけど、《地盤の際》を優先している理由を教えて」
Raymond「《幽霊街》と《地盤の際》の両方を試してみて、《幽霊街》は特に《世界のるつぼ》との組み合わせが強くて良いと思った。このデッキは《広がりゆく海》などで相手のマナベースを攻撃することでも勝てることがあるから、相手に基本地形をサーチさせることなく土地を破壊できる《地盤の際》の方を優先した。」
--「『イクサラン』から再録された《選択》についてどう思うか聞かせてくれる?」
Raymond「《血清の幻視》と差し替える派とそうでない派に分かれているみたいだけど、僕個人としては、《選択》は必要な土地やスペルをインスタントスピードで探せるのが優れていると感じるから、青白にとっては良いカードになると思う。土地を引き当てるために何度か自分のターンに《瞬唱の魔道士》で《血清の幻視》をフラッシュバックしたことがあったけど、土地がタップアウトされて隙ができて返しのターンに致命的なスペルを通してしまったことが何回かあった。その点《瞬唱の魔道士》フラッシュバック《選択》は相手のターンにカウンターを構えながらできるから隙も少なくて青白という戦略にもフィットしている。」
--「サイドボードのカードのチョイスについても教えてもらえる?(特に《ルーンの光輪》と《聖トラフトの霊》について)」
Raymond「現在のメタでこのデッキにとって難しいと言えるマッチアップは、Jeskai TempoとScapeshiftで特にScapeshiftとのマッチアップは軽いクロックとカウンターが有効だ。そこで《聖トラフトの霊》を採用することに決めた。速い段階で展開して、致命的なスペルをカウンターしていくのが主なゲームプランで、6点クロックはゲームが長引いて素の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》から毎ターン《山》からのダメージで負けるということも少なくなる。」
Raymond「《ルーンの光輪》も《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を指定することで相手は勝つことが難しくなる。他のマッチでも《ルーンの光輪》は例えば今大会でもマッチアップしたBooglesのようなマッチでも使える。Jeskai Tempoとのマッチアップはライフゲインで時間を稼ぎつつ、プレインズウォーカーからのアドバンテージで決着を付ける。スペルを通すために《払拭》を巧く使っていくんだ。」
Raymond「他のカードは、普段からよく見かけるマッチアップに対するヘイトカードが中心だけど、《天界の粛清》は必ず採用することをお勧めする。《ヴェールのリリアナ》や《血染めの月》のような問題となるパーマネントを処理する手段にアクセスできることはとても大切だからね。あと流行りのDeath’s Shadowとのマッチアップでも有効な追加の除去としても機能するからどんな構成にするにしても採用しておいて方が良いね。」
--「今後も青白を使う予定?」
Raymond「健全な環境が続いているから禁止カードもでないと思うし、青白を使い続けると思うね。SCG Classics以来プロツアーの調整でモダンはあまりやっていないけど、変更を加えるとしたら《選択》を加えて《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》もトライしてみたいと考えている。」
--「今回はインタビューに協力してくれてありがとう。プロツアーでも頑張ってね!」
青白コントロールは、MOを中心にコンスタントに結果を残しており、最近ではリアルでも上位で見られるようになりました。《選択》という1マナのキャントリップを得たことにより強化されたので、青いフェアデッキが好きな方は是非トライすることをお勧めします。
総括
いつも通り特定のデッキが支配する環境とはほど遠い健全な環境のモダンで、『イクサラン』からのカードも早速採用しているデッキも見られます。
最近は特に青いフェアデッキが好調で、『イクサラン』から再録された《選択》によって更に強化されそうです。
来週末からアメリカでもSCGO CharlotteとCincinnatiの2週連続のモダンオープンが開催されるのでモダン好きの方はお見逃しなく。
それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいモダンライフを!
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