皆さんこんにちは。
8月はモダンのSCG、グランプリが複数開催され充実した月となりました。デッキの種類が多いモダンらしく、全ての大会で異なるデッキが結果を残しています。最新セット『破滅の刻』のカードを採用したデッキもあり、内容に変化が見られるなど面白い環境となっています。
今回の連載ではグランプリ・バーミンガム2017、グランプリ・サンパウロ2017、SCGO Richmondの入賞デッキを見ていきます。
グランプリ・バーミンガム2017
Shrine of Burning Rage入りのBurnが環境を焼き尽くす
2017年08月12日
- 1位 Burn
- 2位 BG Midrange
- 3位 Counters Company
- 4位 Abzan
- 5位 Lantern Control
- 6位 Bant Human Knightfall
- 7位 Grixis Death’s Shadow
- 8位 Titan Shift
Loice Le Briand
トップ8のデッキリストはこちら
1,743人の参加者が集った今大会は現環境のトップメタであるGrixis Death’s ShadowとAffinity、Titan Shiftが特に人気でした。
プレイオフの半数がBGやCompanyといった緑系のミッドレンジで、決勝はBG MidrangeとBurnという少し前の環境を彷彿とさせるマッチでした。
今大会を制したのは、《燃え上がる憤怒の祭殿》をフィーチャーしたBurnで《大歓楽の幻霊》が不採用など、今までのBurnと比べると特徴的なリストに仕上がっています。
グランプリ・バーミンガム2017 デッキ紹介
「Burn」「Bant Human Knightfall」
Burn
3 《山》 2 《聖なる鋳造所》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《乾燥台地》 4 《樹木茂る山麓》 3 《血染めのぬかるみ》 3 《感動的な眺望所》 -土地 (20)- 4 《ゴブリンの先達》 4 《僧院の速槍》 -クリーチャー (8)- |
4 《稲妻》 4 《溶岩の撃ち込み》 4 《ボロスの魔除け》 4 《稲妻のらせん》 4 《焼尽の猛火》 4 《頭蓋割り》 4 《裂け目の稲妻》 4 《燃え上がる憤怒の祭殿》 -呪文 (32)- |
4 《破壊的な享楽》 3 《大祖始の遺産》 2 《渋面の溶岩使い》 2 《コーの火歩き》 2 《流刑への道》 2 《破壊放題》 -サイドボード (15)- |
コンボデッキが流行ることで、その対策として《思考囲い》を使われる機会が多くなれば、ライフを攻めるBurnにとって有利な環境になります。
フル搭載された《燃え上がる憤怒の祭殿》、定番の《大歓楽の幻霊》の不在など特徴的なリストに仕上がっています。
☆注目ポイント
《燃え上がる憤怒の祭殿》は過去のスタンダードでも使わていたカードで、トップデッキしてもあまり嬉しいカードではないものの、2ターン目に展開することでこのデッキが苦手とするDeath’s Shadowとのマッチアップなどでもゲームを有利に進めることができます。《燃え上がる憤怒の祭殿》を設置することに成功すれば、火力スペルをクリーチャー除去に使う余裕もでてくるのでロングゲームにも強くなります。注意しておきたい点としては、《コラガンの命令》など本来はこのデッキに対してそれほど役に立たないアーティファクト除去を有効なカードしてしまうところです。
最近は展開の速いAffinityや「探査」クリーチャー、Eldrazi Tronといったデッキとのマッチアップが多く《大歓楽の幻霊》の活躍はあまり期待できないので、《燃え上がる憤怒の祭殿》を採用するために今回は採用が見送られています。
サイドの《破壊的な享楽》は置物を処理しつつ本体にもダメージが入るので効率が良くAffinity、Lantern Control、Hexproofなどに特に有効です。《渋面の溶岩使い》は速攻もなくパワーこそ低いものの継続して使えるダメージソースです。フェッチランドや火力を多数採用したこのデッキでは墓地を肥やすことも容易で、Affinityや小型のクリーチャーが多いCompanyやHatebearなど多くのマッチアップで役に立ちます。
Bant Human Knightfall
2 《森》 1 《平地》 2 《寺院の庭》 1 《繁殖池》 1 《神聖なる泉》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《霧深い雨林》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《魂の洞窟》 1 《幽霊街》 1 《地平線の梢》 1 《ケッシグの狼の地》 -土地 (21)- 4 《アヴァシンの巡礼者》 4 《教区の勇者》 4 《貴族の教主》 4 《サリアの副官》 2 《アヴァブルックの町長》 1 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《聖遺の騎士》 4 《反射魔道士》 2 《永遠の証人》 -クリーチャー (29)- |
4 《流刑への道》 4 《集合した中隊》 2 《珊瑚兜への撤退》 -呪文 (10)- |
2 《ブレンタンの炉の世話人》 2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《イゼットの静電術師》 2 《ヴィティアの背教者》 2 《神聖な協力》 2 《否認》 2 《石のような静寂》 1 《スレイベンの守護者、サリア》 -サイドボード (15)- |
Abzan Company、Naya Company、Bant Company、Counters Companyなど《集合した中隊》を軸としたデッキはバリエーション豊富に存在しています。今大会ではHumanにフォーカスしたHuman Companyが結果を残しました。
デッキの性質上除去や妨害スペルは最小限に絞られていますが、《スレイベンの守護者、サリア》のようなヘイトベアーや《反射魔道士》といったETB能力付きのクリーチャーが多く採用されているので、それらをうまく使っていくことで妨害や除去スペルの少なさを補っていきます。
☆注目ポイント
《集合した中隊》を使用したクリーチャーデッキの一つに《聖遺の騎士》と《珊瑚兜への撤退》のコンボを内蔵したBant Knightfallがあります。しかし、このバージョンでは《教区の勇者》や《サリアの副官》といった人間クリーチャーを採用したアグロ寄りの構成になっており、デッキに採用された全てのクリーチャーが人間なので全体強化の能力を持つ《アヴァブルックの町長》も採用されています。
《反射魔道士》 は過去のスタンダードで活躍したBant Companyの主力クリーチャーです。《集合した中隊》が落ちた後のスタンダード環境でも、再キャストを封じるという能力が強すぎたため禁止カードに指定されるほどでした。モダンでも「探査」クリーチャーなどをバウンスすることでテンポアドバンテージ的にも優秀です。
《聖遺の騎士》にトランプルを与える《ケッシグの狼の地》やサイドの《イゼットの静電術師》、《ヴィティアの背教者》のために赤がタッチされています。《イゼットの静電術師》は同型やHatebear、《未練ある魂》などトークンや小型のクリーチャーが多いデッキに有効で、除去スペルが多く採れないこのデッキにとっては重要です。《ヴィティアの背教者》もまた《集合した中隊》からだせるアーティファクト対策でクリーチャータイプが人間というのもポイントです。
グランプリ・サンパウロ2017
Bant Knightfallが南米のモダンのグランプリを制する
2017年08月12日
- 1位 Bant Knightfall
- 2位 TitanShift
- 3位 Grixis Death’s Shadow
- 4位 G/B Tron
- 5位 Grixis Death’s Shadow
- 6位 Abzan
- 7位 Counters Company
- 8位 Jeskai Control
Joao Lelis
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Titan ShiftとGrixis Death’s Shadowがトップ32に多数見られる中優勝を飾ったのは、《聖遺の騎士》と《珊瑚兜への撤退》のコンボを搭載したBant Knightfall でした。
決勝戦でマッチアップしたTitan Shiftとは不利なマッチアップとされていましたが、サイドボードにはTitan Shift とのマッチアップ用の備えがしっかりされていました。
他にはAffinity、Tron、Jeskaiなど多数の異なるデッキが見られ群雄割拠な環境であることが分かります。
グランプリ・サンパウロ2017 デッキ紹介
「Bant Knightfall」
Bant Knightfall
4 《森》 2 《平地》 1 《島》 1 《繁殖池》 1 《神聖なる泉》 1 《寺院の庭》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《霧深い雨林》 1 《ガヴォニーの居住区》 1 《幽霊街》 1 《セジーリのステップ》 -土地 (23)- 4 《極楽鳥》 4 《貴族の教主》 2 《無私の霊魂》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 4 《聖遺の騎士》 4 《呪文捕らえ》 3 《異端聖戦士、サリア》 3 《不屈の追跡者》 2 《台所の嫌がらせ屋》 -クリーチャー (27)- |
3 《流刑への道》 4 《集合した中隊》 3 《珊瑚兜への撤退》 -呪文 (10)- |
3 《ミラディンの十字軍》 3 《儀礼的拒否》 3 《瞬間凍結》 2 《ファイレクシアの破棄者》 1 《ボジューカの沼》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《流刑への道》 1 《引き裂く突風》 -サイドボード (15)- |
《聖遺の騎士》と《珊瑚兜への撤退》のコンボを搭載した《集合した中隊》デッキで、GW Companyのように継続的なアドバンテージによってロングゲームに強いミッドレンジデッキです。
Counters Companyと異なりクリーチャー単体のカードパワーが高いのが特徴で、メインの《呪文捕らえ》、サイドの《儀礼的拒否》や《瞬間凍結》といった妨害要素にアクセスできるのがこのバージョンの魅力です。
コンボによる早期決着を狙うことも可能で、先程の妨害要素も合わせてコンボデッキやTitan Shiftのようなビッグマナ系のデッキとも他のCompany系に比べて不利が付きません。
☆注目ポイント
このバージョンを選択する理由の一つとして《呪文捕らえ》が挙げられます。最近の青白コントロールやJeskaiの復権にも一役買っているクリーチャーで、4マナ以下のスペルを追放する能力はコンボや同型で活躍します。全体除去対策にもなり2/3の瞬速持ちの飛行としても使えるので、Affinityなどとのマッチアップではブロッカーとしても使えます。
《聖遺の騎士》の突破力を上げるために多くのリストでは《ケッシグの狼の地》がタッチされていますが、Joao Lelisのリストは《セジーリのステップ》に差し替えられています。パワーは強化させられないもののプロテクションにより除去を弾き回避能力としても使うことが可能で、赤マナを捻出する必要もなくなりました。
サイドのカウンターは主に《否認》や《統一された意思》が採用されていますが、JoaoはTitan Shiftが多くなることを見越して《瞬間凍結》を採用していました。《瞬間凍結》は緑か赤のスペルをカウンターするという限定的なカウンターの代表格です。あまり見かけることのないカードですが、現在のモダン環境では、Titan Shiftの《原始のタイタン》や《風景の変容》、《約束の刻》といったキーとなる呪文をカウンターすることができます。それ以外にもミラーマッチの《集合した中隊》や《召喚の調べ》の他に、《神々の憤怒》やバーンスペルなど、多くのデッキに対して有効なカードとなります。
SCGO Richmond
モダン版のStormが本領を発揮
2017年08月12日
- 1位 UR Gifts Storm
- 2位 Grixis Death’s Shadow
- 3位 Elves
- 4位 Jeskai Control
- 5位 Jeskai Control
- 6位 TitanShift
- 7位 Eldrazi Tron
- 8位 Affinity
Kazu Negri
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二日目進出率はAffinityとGrixis Death’s Shadowがトップでしたが、SCGO Syracuseで高い勝率をだしていたUR Gift Stormは、今大会でも二日目進出者がわずか5名と少数ながらトップ32に優勝も含めて3名という驚異的な数字を出していました。
《約束の刻》 によって強化されたTitan Shiftは、現環境トップメタの一角で今大会でも安定した成績を残していました。
Tronなどの土地コンボや、デッキの種類の多いモダンではあまり有効な戦略とされていなかったJeskaiや、UW Controlも今大会では比較的高い勝率を出していたのが印象的です。トップメタのAffinityに強くDeath’s Shadow系に対しても不利が付かないのが主な勝因だと思われます。
SCGO Richmond デッキ紹介
「UR Gifts Storm」「Titan Shift」
UR Gifts Storm
3 《島》 1 《山》 3 《蒸気孔》 4 《沸騰する小湖》 3 《溢れかえる岸辺》 4 《尖塔断の運河》 -土地 (18)- 4 《遵法長、バラル》 3 《ゴブリンの電術師》 -クリーチャー (7)- |
4 《血清の幻視》 4 《手練》 4 《捨て身の儀式》 4 《魔力変》 4 《発熱の儀式》 4 《差し戻し》 3 《ぶどう弾》 1 《使徒の祝福》 1 《深遠の覗き見》 4 《けちな贈り物》 2 《炎の中の過去》 -呪文 (35)- |
3 《稲妻》 3 《巣穴からの総出》 3 《血染めの月》 2 《払拭》 2 《破壊放題》 1 《四肢切断》 1 《残響する真実》 -サイドボード (15)- |
UR Gift StormはEldrazi Tronのワンツーフィニッシュで幕を閉じたSCGO Syracuseにおいて、少数ながら二日目に進出したGift Stormプレイヤーの全てをトップ16以内に送り込むという驚異的なパフォーマンスを見せました。
「ストーム」のメカニックを利用した典型的なコンボデッキでマナ加速や儀式スペル、ドロースペルなどキーカードが立て続けに禁止になり弱体化を強いられましたが『霊気紛争』から《遵法長、バラル》が登場したことにより状況が変わりました。
最近数を増やしているCompanyやTitan Shiftに強く、Eldrazi Tronも《虚空の杯》や《大祖始の遺産》といった置物を早い段階で展開されなければ有利です。ハンデスでキーカードを落とし、クロックも速く《遵法長、バラル》と《ゴブリンの電術師》を除去する手段を多数持つGrixis Death’s Shadowや《大歓楽の幻霊》を採用したBurnは不利なマッチアップとなります。
☆注目ポイント
以前のモダンの「ストーム」は《紅蓮術士の昇天》を軸にしたバージョンでしたが《遵法長、バラル》の登場によりUR Gift Stormがデッキとして完成しました。コンボスピードよりもキャントリップによる安定性を重視しているため、《遵法長、バラル》が4枚、《ゴブリンの電術師》が3枚となっています。
キャントリップを多数採用したリストも見られますが、今大会を制したKazu Negriのリストは《差し戻し》がメインに4枚と丸い構成になっています。サーチスペルの《けちな贈り物》はこのデッキのキーカードの1枚で《遵法長、バラル》などとの組み合わせにより3-4ターンキルを実現させます。
メインに1枚だけ採用されている《使徒の祝福》は、《遵法長、バラル》や《ゴブリンの電術師》が場にいれば、0マナで自身を除去から守ることができるスペルです。
このデッキの勝ち手段の1枚である《ぶどう弾》 はクリーチャー除去、全体除去としても使えるのでAffinityなどとのマッチアップでは、コンボの時間を稼ぐために小規模のストームで相手の戦場を一掃する手段にもなります。《スレイベンの守護者、サリア》などヘイトベアーを除去できるのも重要なポイントです。
青赤という2色なことを利用し、サイドにはアンチ特殊地形の《血染めの月》が採用されています。このデッキの《血染めの月》は相手をロックするためというよりは、相手のマナに制限をかけることによってコンボまでの時間を稼ぐという意図もあります。《ぶどう弾》と共にこのデッキのフィニッシャーを務める《巣穴からの総出》は、速攻性はないもののサイド後に除去を減らしてくる相手に対して刺さり、《ぶどう弾》よりも少ないストームカウントでも継続的なダメージソースを確保できるのが強みです。1度目のゴブリンの大軍を凌げたとしても2度対策することは難しくなります。
《破壊放題》は複製することで《虚空の杯》=1対策にもなります。
そして次の大型新セット『イクサラン』から《選択》が再録されます。『インベイジョン』に収録されていたカードなのでモダン初登場になります。キャントリップの選択肢が増え、このデッキはさらに強化されるかもしれません。
Titan Shift
6 《山》 2 《森》 4 《踏み鳴らされる地》 3 《燃えがらの林間地》 1 《聖なる鋳造所》 4 《樹木茂る山麓》 2 《血染めのぬかるみ》 1 《吹きさらしの荒野》 3 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》 -土地 (26)- 4 《桜族の長老》 4 《原始のタイタン》 -クリーチャー (8)- |
3 《召喚士の契約》 3 《流刑への道》 2 《探検》 2 《遥か見》 4 《明日への探索》 3 《神々の憤怒》 4 《風景の変容》 2 《カルニの心臓の探検》 2 《大祖始の遺産》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文 (26)- |
2 《再利用の賢者》 2 《ムラーサの胎動》 2 《塵への崩壊》 2 《仕組まれた爆薬》 1 《すべてを護るもの、母聖樹》 1 《平地》 1 《カメレオンの巨像》 1 《自由なる者ルーリク・サー》 1 《古えの遺恨》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 -サイドボード (15)- |
グランプリでもトップメタの一角として活躍していたTitan ShiftはSCGOでもプレイオフにまで勝ち進んでいます。
Becky Adlmanのリストは最近流行りの《約束の刻》採用型ではなく、《流刑への道》のために白をタッチしており、《神々の憤怒》や《反逆の先導者、チャンドラ》もメインから採用されたコントロール寄りの構成です。
最近のTitan Shiftには珍しく《カルニの心臓の探検》も採用されています。マナ加速にするには少し遅いものの《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を2回誘発させることが可能で、サイド後は白マナの確保にも役に立ちます。
☆注目ポイント
このデッキの白マナソースは《聖なる鋳造所》のみですが、《遥か見》でもサーチしてくることが可能で、《流刑への道》もキャストしやすくなります。全体除去の《神々の憤怒》、《流刑への道》とメインの除去が増えたことでAffinityやBurnといった速いデッキや、「探査」クリーチャー、《死の影》などにもいくらか対処しやすくなっています。
《大祖始の遺産》がメインから採用されておりGrixis Death’s Shadow、Dredge、UR Gift Stormなどに対して少しでも有利が取れるように工夫されています。サイドの《すべてを護るもの、母聖樹》は青いデッキに対しても《風景の変容》を確実に通すことを可能にし、最近見られるようになった《瞬間凍結》も怖くありません。
《ムラーサの胎動》はライフゲインしつつ使用済みのフェッチランドなども回収可能で、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を誘発させるチャンスが増えます。《自由なる者ルーリク・サー》はコンボやコントロールとのマッチアップでマナ加速から高速展開させることでゲームが有利に進み、追加のフィニッシャーとしては申し分ない性能です。3色なのを活かし《仕組まれた爆薬》も採用されています。Affinityなどこのデッキが苦手とする速いデッキとのマッチアップで重宝します。
総括
グランプリ・バーミンガム2017、グランプリ・サンパウロ2017、SCGO Richmond と三つの異なるモダンのイベントの結果を見ていきましたが、環境のトップメタの一角であるGrixis Death’s Shadowは全ての大会でプレイオフ進出を決めているものの、優勝までは一歩届かないようです。
《約束の刻》 という新戦力を得たTitan ShiftはSCGO Richmondのリストのようにコントロール寄りのスタイルも見られるものの、緑赤のランプ型が主流となっています。Titan Shiftがランプ型になりメインの除去が少なくなったことで、《遵法長、バラル》などが生き残りやすくなりました。その結果元々土地コンボデッキに対して相性の良かったUR Gift Stormも上位で見られるようになってきましたので、少ない母数ながら勝率は高く今後も対策は必須になりそうです。
各種CompanyデッキやAffinity、Burnが結果を出すだけでなく、Jeskai Controlなどの青いコントロールも見られました。特定のデッキや戦略が支配する環境とはほど遠く、8月28日の禁止制限告知でも予想通りノーチェンジでした。
『イクサラン』のスポイラーも公開され始めているので、新カードを使ったデッキのアイディアを練るのが面白い時期です。
以上USA Modern Express vol.6でした。
それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいモダンライフを!
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