MTG Just Now! vol.34 -炎呼び、チャンドラ etc.-

晴れる屋メディアチーム

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 情報を制す者はマジックを制す。

 特にSNSによる情報交換が盛んな現代、口コミがその後のメタゲームに与える影響は計り知れない。

 すなわち、バズってる(話題になっている)カードを知ることは、メタゲームの把握と予測の大いなる助けとなることだろう。

 当企画では、そんな「今、バズってるカード」を週刊で追っていきたいと思う。


 カードの紹介に入る前に、先週行われたイベントやマジック関連の主な出来事を簡単におさらいしよう。



【「2016年ふたつ目のプロツアーに向けた地域予選」が開催される】

 2月21日(日)、「2016年ふたつ目のプロツアーに向けた地域予選」通称RPTQが全世界で同日に開催された。

 日本では東京・大阪の2箇所でRPTQが開かれ、計8名のプレイヤーが2016年4月22-24日にスペイン・マドリードにて開催される「プロツアー『イニストラードを覆う影』」への切符を手に入れた。







 東京で開催された【RPTQ「マドリード」in東京】の様子はテキストカバレージおよび動画にてご覧いただける。マジックプレイヤーの憧れ、プロツアーへの参加権利をかけた熱い激闘の数々をぜひ感じ取っていただきたい。

 また、同日にMagic Online上でもMORPTQが開催されており、Hareruya Pros・井川 良彦が見事プロツアーの権利を獲得している。【デッキ調整録】も掲載されているので、ぜひご覧いただきたい。



【『コンスピラシー2(仮)』発表】

 2月22日(月)には『コンスピラシー』の系譜を継ぐ多人数ドラフト向けの新セット『コンスピラシー:ブレイゴの御代』が発表された!


公式記事「『コンスピラシー:ブレイゴの御代』 発表」より引用

ブレイゴ陛下万歳

 マジックのドラフト体験により一層の深みを持たせ、ブレイゴ陛下のために戦うときが来ました――あるいは彼の凋落を目論むときが来ました。『コンスピラシー:ブレイゴの御代』は、元祖『マジック:ザ・ギャザリング ― コンスピラシー』がもたらした革新的な能力の数々を活かしたセットです。ドラフト自体に影響を与える新たなカード、そしてブレイゴ陛下に異を唱える恐れ知らずに対してルールを曲げる新たな「策略」まで、盛りだくさんの内容となっています。票を取り引きして、攻撃の手を広げ、ゲームを有利に運びましょう!

 果たして、あなたは玉座を守れるでしょうか?


~中略~








 といった謳い文句で発表されたこのセットだったが……





 《永遠王、ブレイゴ》、死す。


 仕方がないので本項では便宜上『コンスピラシー2(仮)』と呼ばせてもらうことにした。

 「フィオーラ」次元の統治者・ブレイゴ王の突然の訃報に多くのプレイヤーが困惑したことだろうが、前回の【MTG Wiki: 『コンスピラシー』の発売前情報】も非常に凝った方法で公開されていた。今回もこのようなサプライズや謎解きが用意されているのかもしれない。

 続報にも期待が高まる『コンスピラシー2(仮)』、ドラフトできる日が待ち遠しい。



 主要な出来事はこのくらいだろうか。

 さて、それでは今大きな話題を呼んでいるカードたちを紹介しよう。



1. 《炎呼び、チャンドラ》

 【RPTQ「マドリード」in東京】突破者の1人、BIGMAGIC所属プロの松本 友樹(東京)は、独特の「グリクシスコントロール」を持ち込んでいた。


炎呼び、チャンドラ


 そのデッキに採用されていた切り札が《炎呼び、チャンドラ》だ。


松本 友樹「グリクシスコントロール」
RPTQ「マドリード」in東京(スイスラウンド2位)

4 《沼》
2 《島》
1 《山》
2 《窪み渓谷》
2 《燻る湿地》
4 《汚染された三角州》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《さまよう噴気孔》

-土地(27)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
3 《ゲトの裏切り者、カリタス》

-クリーチャー(7)-
2 《強迫》
1 《焦熱の衝動》
4 《闇の掌握》
2 《意思の激突》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《究極の価格》
4 《虚空の粉砕》
1 《苦い真理》
1 《破滅の道》
1 《残忍な切断》
1 《荒廃の一掴み》
4 《時を越えた探索》
3 《炎呼び、チャンドラ》

-呪文(26)-
3 《精神背信》
2 《否認》
2 《焙り焼き》
2 《光輝の炎》
1 《竜使いののけ者》
1 《焦熱の衝動》
1 《引き裂く流弾》
1 《強迫》
1 《苦い真理》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード(15)-
hareruya


 基本的には青黒ベースの除去コントロールで、じりじりとゲームを長引かせつつ《炎呼び、チャンドラ》に繋いでフィニッシュしようという意図が見て取れる。また、《ゲトの裏切り者、カリタス》《虚空の粉砕》の採用から、全体的に「4Cラリー」を強く意識しているようだ。

 また、各所で言われているが《荒廃の一掴み》1枚挿しが渋い。渋すぎる。たしかに堅実なアドバンテージカードではあるが、これを構築で採用するのはまさにデッキビルダー・松本の成せる技だろう。


ゲトの裏切り者、カリタス虚空の粉砕荒廃の一掴み


 《炎呼び、チャンドラ》の活躍は、プロツアー権利と航空券が懸かった【SE1回戦】でご覧いただくのが一番いいだろう。Game1, Game2のどちらも《炎呼び、チャンドラ》が大活躍している。

 押している/拮抗している/押されている、それぞれの盤面で有用なこのプレインズウォーカーは、今後も多くのトーナメントシーンで見かけることになりそうだ。



2. 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》

 RPTQでは《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》も活躍が見られた。


ゼンディカーの代弁者、ニッサ


 最近Magic Onlineなどでも注目を集めていた《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》は、「アタルカレッド」や「アブザンアグロ」に居場所を見つけたようだ。

 【vol.33】でも書いたが、現在では「アタルカレッド」は《強大化》《ティムールの激闘》コンボを完全に排し、《ドラゴンの餌》《軍族童の突発》でトークンを押し並べ、《アタルカの命令》《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》でバックアップするウィニーのような型が増えつつある。


ドラゴンの餌軍族童の突発アタルカの命令


 また、【RPTQ「マドリード」in東京のトップ8】には《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》を採用した「アブザンコントロール」も出てきている。これからますます活躍の幅を増やしてきそうな《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》は早めに揃えておきたいところだ。



3. 《変位エルドラージ》

 モダンではまた新たな形のエルドラージデッキが活躍を見せていた。


変位エルドラージ


 《変位エルドラージ》入りの「青白エルドラージ」はまさに“対エルドラージ特化型エルドラージ”といったデッキだ。



Andrew Tenjum「UW Eldrazi」
SCGO Louisville(7位)

1 《島》
1 《平地》
2 《神聖なる泉》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《アダーカー荒原》
2 《コイロスの洞窟》
2 《魂の洞窟》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
4 《エルドラージの寺院》
4 《ウギンの目》

-土地(25)-

4 《果てしなきもの》
4 《エルドラージのミミック》
4 《空中生成エルドラージ》
4 《変位エルドラージ》
4 《難題の予見者》
4 《現実を砕くもの》
4 《希望を溺れさせるもの》

-クリーチャー(28)-
4 《流刑への道》
3 《四肢切断》

-呪文(7)-
3 《頑固な否認》
3 《安らかなる眠り》
3 《石のような静寂》
2 《はらわた撃ち》
2 《解呪》
2 《崇拝》

-サイドボード(15)-
hareruya



 4枚採用された《変位エルドラージ》《希望を溺れさせるもの》《難題の予見者》といった強力なETB能力持ちのクリーチャーと相性がよく、《エルドラージのミミック》の能力も継続的に誘発させることができる。


希望を溺れさせるもの難題の予見者エルドラージのミミック


 また、白を足すことによるメリットは《変位エルドラージ》の採用だけではない。《流刑への道》を4枚採用できることをはじめとして、対戦相手への干渉手段が薄い「エルドラージ」系のデッキは《罠の橋》《崇拝》にダダ嵌まりしやすいという弱点があったが、この「青白エルドラージ」では自身がサイドボードに《崇拝》を積み、さらに対戦相手の対策カード対策に《解呪》をも採用している。


流刑への道崇拝解呪


 『ゲートウォッチの誓い』発売から1ヶ月経つが、「エルドラージ」系のデッキはまだまだ進化し続けており底が知れない。直近では「第6期モダン神挑戦者決定戦」が開催されるが、デッキ選択に悩んでいるという方は、こんなアプローチのデッキを組んでみるのもよいかもしれない。






 いかがだっただろうか?

 今週もまた多くのカードがプレイされ、注目され、議論を呼ぶのだろう。

 次回の記事も楽しみにしていただけたら幸いである。



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