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情報を制す者はマジックを制す。
特にSNSによる情報交換が盛んな現代、口コミがその後のメタゲームに与える影響は計り知れない。
すなわち、バズってる(話題になっている)カードを知ることは、メタゲームの把握と予測の大いなる助けとなることだろう。
当企画では、そんな「今、バズってるカード」を週刊で追っていきたいと思う。
カードの紹介に入る前に、先週行われたイベントやマジック関連の主な出来事を簡単におさらいしよう。
【『イニストラードを覆う影』公式ページに謎のカウントダウン】
3月1日(火)、公式サイトの『イニストラードを覆う影』のティザーページに、謎のカウントダウンが表示された。
公式サイト『イニストラードを覆う影』より引用
事変の謎を追え
イニストラード次元では、人類が包囲され追いつめられています。
影をさまよう恐怖。 闇夜にドアを引っ掻く脅威。
悪夢のようなこの世界に生きる人々の支えとなっているのは、悲愴な決意と守護天使アヴァシンへの信仰のみ。 しかし今や異変が起きています――人類を守ってきた力が、何か邪悪なものへとねじ曲がっているのです。
事変の謎を追え
イニストラード次元では、人類が包囲され追いつめられています。
影をさまよう恐怖。 闇夜にドアを引っ掻く脅威。
悪夢のようなこの世界に生きる人々の支えとなっているのは、悲愴な決意と守護天使アヴァシンへの信仰のみ。 しかし今や異変が起きています――人類を守ってきた力が、何か邪悪なものへとねじ曲がっているのです。
イニストラード次元に迫る得体のしれない脅威を記した文章。この不気味なカウントダウンが終わるとき、我々は一体何を目の当たりにすることになるのだろうか――?
3月4日(金)午前9:00ごろ(カウントダウンから逆算)、そのヴェールが明かされることになる。どのようなサプライズが待っているのか楽しみである。
【『From the Vault: Lore』発表】
2月29日(月)、限定セット『From the Vault』シリーズの最新作である『From the Vault: Lore』が発表された。
【お知らせ】 限定セット『From the Vault: Lore』を発表いたしました。強さと物語性で知られる過去のカード15枚を特別加工して収録。発売は8月19日です。 https://t.co/dk1TaFC8Oe #mtgjp pic.twitter.com/uXZ4Y22iYx
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) February 29, 2016
本セットのコンセプトは“マジックの歴史に名を刻んできたカードを収録する”というもの。
現時点では収録カードについては一切アナウンスされていないが、現在公開されているキービジュアルに描かれている人物は《シミックの幻想家、モミール・ヴィグ》のように見えるが、果たして……?
ここのところ『イニストラードを覆う影』といい『コンスピラシー:王位争奪』といい、新セットの情報が続々と明かされている。我々の楽しみが尽きることは当分なさそうだ。
【第6期モダン神挑戦者決定戦が開催される】
2月28日(日)。総勢263名の参加者が集う中、【第6期モダン神挑戦者決定戦】が開催された。
【神挑戦者決定戦】かつて「神」に敗れた男。だが彼の静かな闘志は消えていなかった。鋼の軍団を従えてエルドラージを駆逐し、フォーマットを超え、史上初の2度目の挑戦権を手に入れた。第6期モダン神挑戦者は、松田幸雄!おめでとう! #神決定戦 pic.twitter.com/uVcA9HJfUU
— 晴れる屋 (@hareruya_mtg) 2016年2月28日
プレイオフには「エルドラージ」が5名残るという、【プロツアー『ゲートウォッチの誓い』】を彷彿とさせるエルドラージ祭りを制したのは「親和」デッキを操る松田 幸雄(東京)!
【第3期スタンダード神挑戦者決定戦】でも優勝を収めた経験のある松田。2回以上神への挑戦権を勝ち取ったことのあるプレイヤーはこれが初ということもあり、追って行われる現モダン神・市川 ユウキとの試合にも期待される。
主要な出来事はこのくらいだろうか。
さて、それでは今大きな話題を呼んでいるカードたちを紹介しよう。
1. 《冬の宝珠》
『エターナルマスターズ』の発表で注目が集まっているレガシーフォーマット。もちろん、ここでも「エルドラージ」系のデッキは大活躍している。
そんな「エルドラージ」のサイドボードに採用されていた《冬の宝珠》はおもしろいアプローチだ。さっそくデッキリストを紹介させていただこう。
4 《魂の洞窟》 4 《古えの墳墓》 4 《エルドラージの寺院》 4 《不毛の大地》 3 《裏切り者の都》 2 《ミシュラの工廠》 3 《ウギンの目》 -土地(24)- 4 《果てしなきもの》 4 《エルドラージのミミック》 4 《ファイレクシアの破棄者》 4 《現実を砕くもの》 4 《難題の予見者》 3 《終末を招くもの》 -クリーチャー(23)- |
3 《歪める嘆き》 2 《四肢切断》 4 《虚空の杯》 2 《梅澤の十手》 2 《三なる宝球》 -呪文(13)- |
4 《虚空の力線》 2 《ファイレクシアの変形者》 2 《次元の歪曲》 2 《四肢切断》 2 《漸増爆弾》 2 《冬の宝珠》 1 《精神壊しの罠》 -サイドボード(15)- |
この独創的な「純正無色エルドラージ」デッキは【デッキテク】でも取り上げられている。
《ウギンの目》のようなそもそもタップする必要性があまりない土地や、大量の2マナランドによって多くのデッキに対して先んじて展開できる「エルドラージ」デッキと《冬の宝珠》は非常に相性がいい。
《難題の予見者》や《現実を砕くもの》といったただでさえ対処に手を焼くサイズの大きなエルドラージをプレイされたあとに《冬の宝珠》で蓋をされる、といった展開を決められては大抵のフェアデッキはひとたまりもないだろう。
ちなみに余談だが、《冬の宝珠》のイラストにも描かれている動物、ホッキョクグマの毛は内部が空洞でストロー状になっている。毛の内部に熱伝導率の低い空気の層があることによって断熱効果が高まり、体温を逃がさずに済むのである。
また、ホッキョクグマの皮膚は通常のクマと同じく黒い。白く見える体毛は実際には無色透明なのだが、毛の内部の空洞構造で光が乱反射し、白く輝いて見えるのである。
※画像は【GATAG|フリー画像・写真素材集 3.0】より引用させていただきました。
夏場、動物園などで飼育されているホッキョクグマの中には毛の内部の空洞に藻が生えてしまうものもおり、そういったホッキョクグマはホッキョクグマファンの間でミドリグマなどと呼ばれることもある。(気になる方は「ミドリグマ」などで画像検索してみるとよいだろう)
クマ自身の健康に害はないので心配は無用だが、日本の夏の暑さにノックダウンされた緑色のホッキョクグマの姿は何とも言えない哀愁を感じさせる。
2. 《硬化した鱗》
2月27-28日にかけて開催された【GP Houston】でプレイオフに2名のプレイヤーを送り込んだ”あるデッキ”が今、話題を呼んでいる。
「緑白《硬化した鱗》」。かつてデッキビルダー・行弘 賢が【プロツアー『マジック・オリジン』のために作成し話題を呼んだ】このデッキ。
これまでにもローグデッキとして一定のファンを集めていたが、『ゲートウォッチの誓い』で《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》という新たな相棒を得て、再びのブレイクを果たしたようだ。
10 《森》 2 《平地》 2 《梢の眺望》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 2 《溢れかえる岸辺》 -土地(24)- 4 《果てしなきもの》 4 《搭載歩行機械》 4 《鱗の召使い》 4 《毅然さの化身》 4 《アブザンの鷹匠》 4 《マナ喰らいのハイドラ》 -クリーチャー(24)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《硬化した鱗》 4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》 -呪文(12)- |
3 《神聖なる月光》 2 《アブザンの戦僧侶》 2 《アラシンの上級歩哨》 2 《勇敢な姿勢》 2 《進化の飛躍》 2 《絹包み》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード(15)- |
かつてメインボードに採用されていたアドバンテージエンジンである《進化の飛躍》はサイドボードに落とされ、代わりに上述の《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》がその枠に収まっている。
「4Cラリー」や「アブザンアグロ」といったデッキに対しては飛行を持ったクリーチャーで攻める戦略が有効なため《アブザンの鷹匠》は今まで以上に重要なカードとなりそうだ。また、サイドボードの《アブザンの戦僧侶》などこのデッキならではのカード選択が興味深い。
はたしてこのデッキはスタンダード環境に新たな風穴を開けることになるだろうか。3月13日(日)に開催される【第6期スタンダード神挑戦者決定戦】でも活躍が期待される。
いかがだっただろうか?
今週もまた多くのカードがプレイされ、注目され、議論を呼ぶのだろう。
次回の記事も楽しみにしていただけたら幸いである。
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