フロンティア神決定戦、開催決定!
2016年9月26日に発表されて以来、徐々に大会の数も増えてきました。【「フロンティア」大会開催店舗一覧】を見ると、北は北海道から、南は沖縄まで、日本各地で開催されています。
当初は水曜日の20時の部のみで開催されていた晴れる屋の大会も、「月、水、金、日の17時の部と20時の部」で開催されることになり、日曜日には「休日晴れる屋杯」としても開催されるようになりました。
さらに「フロンティア神決定戦」も発表され、新たな盛り上がりを見せようとしています。
とは言っても、
「興味はあるけど、デッキを持っていない。組んでみたいけど、今のメタゲームがわからないし……」
という人も多そうですね。
たしかに、始まったばかりのフォーマットということもあり、情報も少なく、解説もまだまだ限られています。
しかし、新セット発売直後のスタンダードが独特な盛り上がりを見せるように、情報が少ないからこそ楽しめるものがあります。
フロンティアというフォーマット、そしてメタゲームはまだ動き出したばかり。神決定戦に間に合わせるためにも、始めるなら今しかない!
- 2016/10/30
- BIG MAGIC協賛 フロンティアチャレンジカップカバレージ
今回は、10月30日に開催されたフロンティア初の大型大会、“BIG MAGIC協賛 フロンティアチャレンジカップ”の結果を中心に、環境の初動とその後の展開を振り返りたいと思います。
■ フロンティアチャレンジカップ
満員御礼。定員300名があっという間に埋まってしまった”BIG MAGIC協賛 フロンティアチャレンジカップ”では、様々なデッキの姿を見ることができました。【トップ8デッキリスト】と【トップ16デッキリスト】も公開されていますので、そのデッキ名と使用している色を並べてみると……。
デッキ名 | 主要な色 |
マルドゥグリーン | 白黒赤緑 |
ジェスカイビートダウン | 白青赤 |
グリクシスドレッジ | 青黒赤 |
マルドゥグリーン | 白黒赤緑 |
ダークジェスカイ | 白青黒赤 |
5色《白日の下に》 | 白青黒赤緑 |
グリクシスコントロール | 青黒赤 |
4色《先祖の結集》 | 白青黒緑 |
パンハモニコン・エルフ | 緑 |
アタルカ・レッド | 赤緑 |
アブザンアグロ | 白黒緑 |
アブザンアグロ | 白黒緑 |
4色人間カンパニー | 白青黒緑 |
アブザンアグロ | 白黒緑 |
ジャンド昂揚 | 黒赤緑 |
バント人間カンパニー | 白青緑 |
見事な超多色環境です。
また、デッキリストを眺めていると「このデッキ、どこかで見たことある」と思う人も多いのではないでしょうか? そう、現在のフロンティアで活躍しているデッキの多くは、「かつてのトップメタのフロンティア版」です。
トップメタも定まっておらず、情報が限られているということもあって、過去のスタンダードで結果を残している、もしくは使い慣れているデッキに「当時は使えなかった、もしくはそもそも存在しなかったカード」を追加することを選択した人は、やはり多かったようですね。
■ デッキをフロンティア版にアップデート
6 《山》 1 《森》 2 《燃えがらの林間地》 4 《樹木茂る山麓》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《吹きさらしの荒野》 -土地 (21)- 4 《僧院の速槍》 3 《鐘突きのズルゴ》 1 《鎌豹》 4 《ケラル砦の修道院長》 4 《通電の喧嘩屋》 -クリーチャー (16)- |
3 《乱撃斬》 4 《ドラゴンの餌》 4 《アタルカの命令》 3 《稲妻の一撃》 4 《軍族童の突発》 4 《密輸人の回転翼機》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文 (23)- |
4 《ラスヌーのヘリオン》 4 《焙り焼き》 2 《トーモッドの墓所》 2 《沸き立つ大地》 1 《焦熱の衝動》 1 《乱撃斬》 1 《粉々》 -サイドボード (15)- |
- 2016/10/30
- Deck Tech: 光安 祐樹の「アタルカ・レッド」
- 渡辺 和樹
こちらのデッキは、かつての構成に《密輸人の回転翼機》《通電の喧嘩屋》《反逆の先導者、チャンドラ》という当時のスタンダードでは存在しなかった『カラデシュ』のカードを投入した「フロンティア版アタルカレッド」です。
2 《平地》 2 《森》 2 《梢の眺望》 1 《窪み渓谷》 1 《燃えがらの林間地》 1 《燻る湿地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《樹木茂る山麓》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《花盛りの湿地》 1 《秘密の中庭》 -土地 (26)- 4 《始まりの木の管理人》 3 《残忍な剥ぎ取り》 2 《棲み家の防御者》 3 《異端聖戦士、サリア》 2 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 4 《包囲サイ》 1 《大天使アヴァシン》 1 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー (20)- |
4 《ドロモカの命令》 3 《アブザンの魔除け》 3 《残忍な切断》 3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《真面目な訪問者、ソリン》 -呪文 (14)- |
3 《アラシンの僧侶》 2 《石の宣告》 2 《集団的蛮行》 2 《勇敢な姿勢》 2 《神聖なる月光》 2 《コラガンの命令》 1 《大天使アヴァシン》 1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード (15)- |
当時環境を席巻した「アブザンアグロ」もフロンティア版。《異端聖戦士、サリア》と《大天使アヴァシン》が投入されていますね。
クリーチャーやアーティファクトなどに注目しがちですが、フロンティアで忘れてはいけないものが「土地」です。
フロンティアは「超多色環境」であり、あらゆる色の組み合わせが存在するわけですが、そのベースにあるのは「フェッチランドとバトルランドの組み合わせ」です。
そこに『イニストラードを覆う影』で登場した「シャドウランド」と、『カラデシュ』で登場した「対抗色ファストランド」が加わるので、フロンティア版にアップデートする際はマナベースにも注目しましょう。
■ 当時を知るなら、過去記事を
「当時のスタンダードを知らないと、フロンティアは楽しめないの?」
と思う人も多そうですが、心配は無用です!
スタンダードに関する情報は、トッププロたちの研究によって充実していくわけですが「今まさに強いデッキ」に関する情報はプロプレイヤーの武器。公開されないことがほとんどであり、”調整録”のような形で結果とともに後日公開されます。
つまり、結果として蓄積された”当時のスタンダード”に関する情報には、いくらでもアクセスできるわけです。
- 2016/03/16
- 高橋優太の目指せ4色ラリーマスター ~その1~
- 高橋 優太
Hareruya Prosの高橋 優太さんによる「4色《先祖の結集》」の解説など、トッププロの記事を読めば、ある程度の動きとサイドボーディングプランについて詳しく知ることができます。
hirokiさんの人気連載【USA Standard Express】の過去記事を読めば、これまでのスタンダードの結果を知ることができますし、らっしゅ(高橋 純也)さんの【デッキ予報】を読み返せば、「どうしてこのデッキが勝ったのか」、そして「それからどうなったのか」を把握することができます。
晴れる屋の【デッキ検索】を使えば、当時のデッキリストも確認できますので、ぜひ活用してみてくださいね。
■ オリジナルデッキも大活躍
もちろん、「フロンティア版にアップデートする」とは違ったアプローチで選択されたデッキも活躍しています。
5 《沼》 3 《島》 1 《山》 3 《窪み渓谷》 2 《燻る湿地》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 -土地 (26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 3 《奔流の機械巨人》 -クリーチャー (7)- |
1 《意思の激突》 4 《闇の掌握》 3 《革命的拒絶》 1 《究極の価格》 4 《雲散霧消》 3 《コラガンの命令》 2 《衰滅》 2 《残忍な切断》 4 《時を越えた探索》 3 《最後の望み、リリアナ》 -呪文 (27)- |
3 《ゲトの裏切り者、カリタス》 2 《ジョルベイの闇潜み》 2 《払拭》 2 《焙り焼き》 2 《集団的蛮行》 2 《鞭打つ触手》 2 《苦い真理》 -サイドボード (15)- |
こちらのデッキに関する詳しい解説は、【MTG 遊々亭Blog】の細川 侑也さんによる【デッキ紹介】をご覧ください。
メタゲームに登場するであろうデッキを予想し、フロンティアで使える全カードの中から最良、最適なものを選び抜いた傑作コントロールデッキです。
フロンティアでは《時を越えた探索》と《宝船の巡航》を4枚使えます。モダンとレガシーで禁止され、ヴィンテージでも制限カードとなっている超強力な呪文を思いっきり使えるのも、このフォーマットの魅力ですね。
2 《島》 2 《平地》 2 《大草原の川》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《感動的な眺望所》 4 《尖塔断の運河》 4 《シヴの浅瀬》 -土地 (22)- 4 《霊廟の放浪者》 4 《フェアリーの悪党》 2 《スレイベンの検査官》 4 《無私の霊魂》 4 《カマキリの乗り手》 4 《呪文捕らえ》 4 《反射魔道士》 -クリーチャー (26)- |
4 《稲妻の一撃》 4 《ジェスカイの魔除け》 4 《密輸人の回転翼機》 -呪文 (12)- |
2 《払拭》 2 《焦熱の衝動》 2 《勇敢な姿勢》 2 《取り囲む地割れ》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《アラシンの僧侶》 1 《断片化》 1 《否認》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《沸き立つ大地》 -サイドボード (15)- |
優勝を果たした「フライング・ジェスカイ」も、現行スタンダードで活躍している「白青フラッシュ」と似ている部分もありますが、まったく違ったコンセプトで成立しているフロンティア独自のデッキです。
- 2016/10/30
- Deck Tech: 伊藤 光英の「フライング・ジェスカイ」
- 井川 良彦
デッキビルダーである伊藤 光英さんによるDeck Techでは、そのコンセプトが余すことなく語られています。
2 《島》 1 《山》 1 《沼》 2 《窪み渓谷》 1 《燻る湿地》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 3 《尖塔断の運河》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地 (23)- 4 《査問長官》 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《秘蔵の縫合体》 4 《憑依された死体》 4 《老いたる深海鬼》 -クリーチャー (20)- |
4 《安堵の再会》 4 《集団的蛮行》 4 《コジレックの帰還》 1 《残忍な切断》 4 《宝船の巡航》 -呪文 (17)- |
3 《ゲトの裏切り者、カリタス》 3 《強迫》 3 《軽蔑的な一撃》 3 《残忍な切断》 2 《時を越えた探索》 1 《黄金牙、タシグル》 -サイドボード (15)- |
こちらは【プロツアー『戦乱のゼンディカー』】のチャンピオン、瀧村 和幸さんが使用した、グリクシスカラーの「究極完全体ドレッジ」です。
- 2016/10/30
- Deck Tech: 瀧村 和幸の「究極完全体ドレッジ」
- 伊藤 敦
瀧村さん曰く、根底にあるものは愛。スタンダードで見かける「ドレッジ」とは似て非なる、フロンティアならではのデッキですね。
- 2016/10/30
- Deck Tech: 大久保・高野・久保の「パンハモニコン・エルフ」
- 伊藤 敦
スタートは、「何とかして《パンハモニコン》をフロンティアで使えないか」という考えから。《森林の怒声吠え》《群れのシャーマン》《召喚の調べ》、そして《パンハモニコン》……こちらの「パンハモニコン・エルフ」も、まさにフロンティアだからこそできる組み合わせですね。
■ フロンティア最前線
フロンティアチャレンジカップによって多くのプレイヤーが実戦を経験し、それ以後はオリジナルデッキの活躍が増え始めているようです。
8 《森》 7 《平地》 4 《梢の眺望》 4 《吹きさらしの荒野》 1 《ウェストヴェイルの修道院》 -土地 (24)- 4 《始まりの木の管理人》 4 《エルフの神秘家》 4 《ファイレクシアの破棄者》 4 《静翼のグリフ》 4 《異端聖戦士、サリア》 4 《不屈の追跡者》 4 《ヴリンの翼馬》 -クリーチャー (28)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 -呪文 (8)- |
4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》 3 《白蘭の騎士》 3 《隠れたる龍殺し》 2 《龍王ドロモカ》 2 《自然のままに》 1 《荒野の確保》 -サイドボード (15)- |
こちらは、晴れる屋フロンティア杯で入賞した「緑白ヘイトベアー」です。
ETB能力を封じる《静翼のグリフ》を始めとして、《ファイレクシアの破棄者》《異端聖戦士、サリア》など、相手の動きを制限するクリーチャーが多数採用されています。
呪文は、「バントカンパニー」で見慣れた《集合した中隊》と《ドロモカの命令》のみ。「バント人間」や「バントスピリット」など、様々な亜種が生まれた「バントカンパニー」ですが、「ヘイトベアー」に着目した形はフロンティアだからこそ実現できるものでしょう。
2 《島》 2 《沼》 1 《森》 3 《窪み渓谷》 1 《梢の眺望》 1 《燃えがらの林間地》 4 《汚染された三角州》 3 《溢れかえる岸辺》 3 《血染めのぬかるみ》 2 《花盛りの湿地》 2 《伐採地の滝》 1 《華やかな宮殿》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地 (26)- 1 《棲み家の防御者》 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 2 《サテュロスの道探し》 2 《不屈の追跡者》 1 《巨森の予見者、ニッサ》 1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》 1 《害悪の機械巨人》 1 《奔流の機械巨人》 -クリーチャー (13)- |
2 《ウルヴェンワルド横断》 2 《強迫》 2 《軽蔑的な一撃》 3 《闇の掌握》 1 《究極の価格》 1 《虚空の粉砕》 1 《ムラーサの胎動》 1 《スゥルタイの魔除け》 2 《衰滅》 1 《残忍な切断》 2 《時を越えた探索》 1 《死の重み》 2 《最後の望み、リリアナ》 -呪文 (21)- |
2 《深水の大喰らい》 2 《強迫》 2 《衰滅》 1 《トーモッドの墓所》 1 《ゲトの裏切り者、カリタス》 1 《龍王シルムガル》 1 《漂う死、シルムガル》 1 《黄金牙、タシグル》 1 《闇の掌握》 1 《スゥルタイの魔除け》 1 《苦い真理》 1 《頂点捕食者、ガラク》 -サイドボード (15)- |
こちらは、「昂揚」システムを活かした「スゥルタイコントロール」です。
《ヴリンの神童、ジェイス》《時を越えた探索》、《闇の掌握》《最後の望み、リリアナ》、《サテュロスの道探し》《墓後家蜘蛛、イシュカナ》など、スゥルタイカラーの優秀なカードがフル搭載されています。このラインナップが実現できるのも、フロンティアならでは!
11/12 #MTG 土曜 #フロンティア【#mtgjp #2s大会結果】
— ホビーステーション日本橋本店・2's店 (@HBSTnipponbashi) 2016年11月12日
本日の参加者 5名!優勝は…
【マルドゥ末永く】を使用した
タマーン(@tamanATM ) さん!
コメント:稲妻織り強すぎワロタw
おめでとうございます!! pic.twitter.com/oBGF5heF8L
「かつてのスタンダードのデッキを改良する」のではなく、「現行スタンダードのデッキをそのまま持ち込む」という手段もあるようなので、ご紹介しておきます。
こちらの「マルドゥ《末永く》」には、『カラデシュ』の機械巨人が12体採用されており、圧倒的なパワーでゲームを制する姿が容易に想像できます。
「昔のカードは強い」とよく言われますが、「少し前のスタンダード」と「現在のスタンダード」では、カードの強さにそこまで大きな差はありません。現在使えないカードに注目しがちですが、フロンティアに挑戦する際は「いま強いカード」もお忘れなく。
かつて使っていたデッキに数枚のカードを加えるも良し。カードプールの中から選びぬいてデッキを組むも良し。始め方は人それぞれです。
フロンティアは、まだまだ始まったばかり。平日大会、そしてフロンティア神決定戦に向けて、地平線を切り拓いていきましょう!
それでは、またどこかで!
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