はじめに
みなさん、こんにちは。
今年もモダンの大型イベント『MMM Finals 2026』が開催されます。11月22日に大阪、12月5日に東京で開催されるので、モダンファンの方はお見逃しなく。
さて、今回は『第35期モダン神挑戦者決定戦』とヨーロッパ、アメリカ、シンガポールで開催された『地域チャンピオンシップ』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『第35期モダン神挑戦者決定戦』 -モダンを代表するアグロデッキ、ドメインズーが優勝-
開催日:2026年10月10日
参加者:168名
優勝 ドメインズー
準優勝 イゼット果敢
3位 ドメインズー
4位 ジェスカイコントロール
5位 エスパーブリンク
6位 繁殖鱗コンボ
7位 イゼット果敢
8位 アミュレットタイタン
参加者168名と大盛況だった『第35期モダン神挑戦者決定戦』。
優勝したのは、直前の『チャンピオンズカップファイナル シーズン5 ラウンド1』でも優勝していたドメインズーでした。
ドメインズー
『チャンピオンズカップファイナル』で優勝していたリストは、《野生のナカティル》と《部族の炎》を軸にしたクラシックなバージョンでしたが、今大会で神の座を射止めた平山選手のリストは《超能力蛙》やハンデスなどを採用したミッドレンジ寄りのバージョンです。
《超能力蛙》などの優秀なクロックに加えて、妨害も多めで柔軟性があり、フェアデッキに強いだけでなく、コンボデッキとも渡り合える構成になっています。
☆注目ポイント
もともと火力スペルで除去するのが難しい《超能力蛙》ですが、《ドラコの末裔》と並び呪禁が付与されてしまえば、対策は非常に困難になります。
《ギルドパクトの力線》が場にあれば、さらに脅威度が増加。絆魂も得るので、ボロスエネルギーやイゼット果敢とのマッチアップでも、ダメージレースで優位に立てます。
《超能力蛙》は《量子の謎かけ屋》との組み合わせることでアドバンテージを稼ぐことも可能で、消耗戦において攻め手が尽きる心配もなくなります。
現環境のトップメタである繁殖鱗コンボに対しては、互角からやや不利となりますが、サイド後は4枚の《記憶への放逐》と3枚の《黒曜石の焦がし口》が投入されるため改善が期待できます。1マナの確定カウンターで脅威を弾きつつ、パワー4の飛行クロックで相手のマナとライフを同時に攻めることが可能です。
『Ultimate Guard European Magic Series – Regional Championship Ghent 2026』 -繁殖鱗コンボのワンツーフィニッシュ-
開催日:2026年10月10日
参加者:1193名
優勝 繁殖鱗コンボ
準優勝 繁殖鱗コンボ
3位 リビングエンド
4位 ドルイドコンボ
5位 アゾリウスコントロール
6位 ボロスエネルギー
7位 繁殖鱗コンボ
8位 ジェスカイコントロール
ベルギーのゲントで開催された『地域チャンピオンシップ』は、トップメタである繁殖鱗コンボが圧倒的な強さを見せ、ワンツーフィニッシュを飾りました。
現環境のトップメタなので当然対策はされていますが、それでも高い勝率を維持しているあたり、このデッキの地力の高さが分かります。
繁殖鱗コンボ
優勝
準優勝
《日を浴びる繁殖鱗》+《血の長の刃》による無限コンボを軸にしたデッキです。
コンボを対策されても、《まき散らす菌糸生物》でマナを伸ばして《七つの死の種父》や《約束された終末、エムラクール》といったフィニッシャーにつなげたり、《ウルザの物語》の構築物・トークンでビートダウンしたりと、多角的な攻めを展開できます。
☆注目ポイント
準優勝したリストには、メインから3枚も《四肢切断》が採用されており、クリーチャーデッキとのマッチアップを意識していたことがわかります。
自分より速いコンボデッキであるドルイドコンボや、ミラーマッチの《日を浴びる繁殖鱗》に対して1マナで対処できる優秀な除去です。
《ウルザの物語》はコンボパーツである《血の長の刃》をサーチできるのはもちろん、《苛立たしいガラクタ》や《墓掘りの檻》といったアーティファクトも状況に応じて持ってこれます。
構築物・トークンによる追加の勝ち手段としても機能し、土地・エンチャントなので墓地に落ちたあとも《約束された終末、エムラクール》のコスト削減や「昂揚」の達成に貢献します。
サイドの《三なる宝球》は、主にイゼット果敢やルビーストーム用のサイドカードです。《変異原性の成長》や《溶岩の投げ矢》の「フラッシュバック」などを妨害でき、ルビーストームに対しては1-2マナのドロースペルやマナ加速スペルがすべて3マナになるため、一気に機能不全に陥ります。
『Regional Championship Los Angeles』 -アゾリウスコントロールの前に全米が沈黙-
開催日:2026年10月11日
参加者:1228名
優勝 アゾリウスコントロール
準優勝 アゾリウスコントロール
3位 ドメインズー
4位 イゼット果敢
5位 繁殖鱗コンボ
6位 ボロスエネルギー
7位 アゾリウスコントロール
8位 イゼット果敢
アメリカのロサンゼルスで開催された地域チャンピオンシップは、アゾリウスコントロールが大躍進し、なんとワンツーフィニッシュ。
全体的にフェアデッキが多く勝ち残っており、ボロスエネルギーやイゼット果敢といったアグロデッキも複数入賞しています。繁殖鱗コンボは上位にこそいたものの、プレイオフにはわずか1名でした。
アゾリウスコントロール
優勝
準優勝
カナダの『地域チャンピオンシップ』でも、圧倒的な強さを見せて優勝していた《オアリムの詠唱》&《沈黙》入りのアゾリウスコントロール。
今大会では人気のアーキタイプとなり、決勝戦はアゾリウスコントロールのミラーマッチとなりました。
もとのリストの完成度が高かったこともあり、基本的なところに大きな変化は見られません。インスタント除去を充実させるために、《電気放出》など赤がタッチされることもありますが、入賞した3名のプレイヤーが純正の2色バージョンを選択していました。
☆注目ポイント
優勝・準優勝のどちらのリストも《等時の王笏》が不採用ですが、優勝したNate Green氏はその枠に追加のインスタント除去である《浸食作用》を採用していました。
《等時の王笏》によるロックはできなくなりましたが、インスタントの妨害が増えたことで不測の事態にも対処しやすくなり、安定感が増しています。
また、《浸食作用》は相手に基本土地を与えてしまうデメリットこそあるもの、プレインズウォーカーにも触れる点が強みです。《敏捷なこそ泥、ラガバン》や《精鋭射手団の目立ちたがり》といった速攻クリーチャーや、ミラーマッチの《覆いを割く者、ナーセット》《時を解す者、テフェリー》などのプレインズウォーカーをわずか1マナで対策できます。
『リアリティ・フラクチャー』の新カードも採用されていました。《理論家の聖域》は「島」タイプを持つため、フェッチランドから戦場に出すことができます。
このデッキには「ジェイス」が採用されていないのでタップインにはなりますが、「諜報」によってライブラリートップの質を高められるほか、2回起動すれば追加ドローも可能です。
ミラーマッチをはじめとするフェアデッキとのロングゲームにおいて、フェッチランドからサーチできるバリューランドとして重宝します。
サイドには《真昼の決闘》が3枚も採用されており、このデッキが苦手とするイゼット果敢を強く意識した構成になっています。
また、全体除去として追加の《至高の評決》も採用されています。これはドメインズーの《ドラコの末裔》のように、単体除去が効きにくい脅威への対策としても機能します。
『MTG SEA Championship Final 2026-27 Round 1』 -アグロデッキ多数、クリーチャーベースのコンボデッキがアジアの地域予選を制する-
開催日:2026年10月17日
参加者:182名
優勝 ドルイドコンボ
準優勝 ラクドスムーンシャドウ
3位 ラクドスムーンシャドウ
4位 繁殖鱗コンボ
5位 グリクシス眼魔
6位 繁殖鱗コンボ
7位 イゼット果敢
8位 リビングエンド
シンガポールで開催された『地域チャンピオンシップ』は、クリーチャーベースのコンボデッキであるドルイドコンボが優勝しました。
ドルイドコンボは、トップメタの繁殖鱗コンボと、それに強いとされているアゾリウスコントロールの両デッキに強く出れるデッキだったので、現環境のメタでは良い選択だったようです。
複数入賞していたラクドスムーンシャドウも、繁殖鱗コンボに対して高い勝率を出しており、アゾリウスコントロールやイゼット果敢など現環境で人気のデッキの多くに有利なため、おすすめのデッキです。
ラクドスムーンシャドウ
レガシーで活躍中の《暗黒物質の操り手》は、モダンでも「ラクドスムーンシャドウ」という新しいアーキタイプを生み出しました。
このデッキは、墓地にカードを送り込むことで《月影》や《ネザーゴイフ》を素早く強化し、ハンデスで妨害しながら高速で相手のライフを削りにいくデッキです。
『チャンピオンズカップファイナル シーズン5 ラウンド1』で殿堂プレイヤーである中村 修平選手がトップ8に入賞して以来、人気が急上昇。Magic Onlineの大会でも使われ始め、よりリストもブラッシュアップされています。
☆注目ポイント
《暗黒物質の操り手》は切削能力に加えて、自身も1マナのアタッカーとして機能するなどコストパフォーマンスに優れたクリーチャーです。
墓地にカードを落とすことで《月影》や《ネザーゴイフ》は加速度的に成長していくため、除去を火力スペルに頼ったデッキや除去が乏しいコンボにとって大きな脅威になります。
中村選手のリストとの違いとしては、3マナと少し重く相手によって効果にばらつきがある《血染めの月》や、《カザド=ドゥームのトロール》が減らされていました。
その代わりに採用されたのが、墓地シナジーをより強化できる《縫い師への供給者》です。単体の性能は《暗黒物質の操り手》に劣るものの、死亡したときにも切削できるので、主力の1マナクリーチャーをさらに強化することができます。
除去の枠も、《邪悪な熱気》と《致命的な一押し》の代わりにピッチでプレイできる《悪意の閃光》になっています。死亡誘発で墓地を肥やせる《縫い師への供給者》と相性が良く、プレインズウォーカーにも触れるフレキシブルな除去です。
サイドの《ぎらつく氾濫》は、ボロスエネルギーやドルイドコンボに対して非常に有効な全体除去です。こちらの《月影》や《ネザーゴイフ》を戦場に残しながら、相手の場を一掃することでゲームを決定づけられます。
総括
これまでの『地域チャンピオンシップ』の結果から、繁殖鱗コンボが現在のモダンにおけるトップメタであることは明らかですが、決して無敵というわけではありません。
アゾリウスコントロールやラクドスムーンシャドウは、繁殖鱗コンボに対して高い勝率を記録しています。また、イゼット果敢やボロスエネルギー、ドメインズー、ドルイドコンボといった多種多様なアーキタイプが上位に顔をそろえています。
新セットの影響も大きく、まだまだ環境にはイノベーションの余地が残されているといえるでしょう。
以上、USA Modern Express vol. 163でした。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいモダンライフを!
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