はじめに
最近は大型大会が多くて、スタンダードの盛り上がりを感じます!
先々週の『スポットライト』では「白単アグロ」によって「イゼット果敢」が押され、その結果「緑単上陸」が活躍しました。
先週の『グランプリファイナル』では「バント律動」が「イゼット果敢」の弱点を軽減して大復権しました。
環境トップと言える「イゼット果敢」に対する包囲網により、メタゲームが変動しているのが今のスタンダードです。
そんななか、3月20日に『第33期スタンダード神挑戦者決定戦』が開催されました。
ということで今回は、神決定戦の結果を見ていきます!
大会結果
『第33期スタンダード神挑戦者決定戦』
開催日:2026年3月20日
優勝 ティムール講義
準優勝 イゼット果敢
3位 イゼット果敢
4位 イゼット果敢
5位 イゼット果敢
6位 イゼット果敢
7位 イゼット講義
8位 白単アグロ
9位 イゼット果敢
10位 緑単上陸
11位 イゼット果敢
12位 4色コントロール
13位 バント律動
14位 イゼットエレメンタル
15位 セレズニア上陸
16位 緑単上陸
「イゼット果敢」、大流行!
優勝こそ逃したものの、TOP8に5人という結果は圧倒的です。
さらに言えば、優勝した「ティムール講義」も「イゼット講義」に緑をタッチしたほぼ青と赤のデッキ。
神決定戦で強さを見せた神・平山選手の「ティムール全知」も青と赤を含んでいますね!
なんと今期の防衛で4期連続のスタンダード神!
パイオニア神の在位も含めるとあと4回で”永世神”までたどり着きます!
そんな神が使用した「ティムール全知」も気になるところですが、今回は「イゼット系デッキの大流行」をメインコンテンツとして、詳しく見ていきます。
その代わり、後日ご本人の記事を公開予定ですので、そちらをお楽しみに!
イゼット三銃士
イゼットの大流行を話す前に、まずはこれらのデッキの特徴をおさらいしておきましょう。
イゼット果敢
現在トップメタの頂点ともいえる「イゼット果敢」は、3種類の中でもっとも攻撃的なデッキです。
《精鋭射手団の目立ちたがり》などによる速度、《噴出の稲妻》などの軽量な干渉手段、《食糧補充》というリソース補充。
要素すべてが軽くて強力なカードで構成されており、そして致命的な弱点がありません。
《真昼の決闘》が対策として有効ではあるのですが、この《真昼の決闘》は使用する側の制約も厳しく、使いこなせるデッキは希少です。
また、インスタントタイミングで動ける「イゼット果敢」はその制約下でも機能停止には至らず、《ブーメランの基礎》でバウンスから一気にゲームを終わらせることもできます。
唯一の弱点といえるのが「白単アグロ」で、飛行絆魂のタフネス3が2枚並ぶ《大空の賢人》は現実的かつ最大の脅威です。
これについてはまた後で触れましょう。
ここでは、イゼット果敢が「速く、致命的な弱点がないデッキ」という点を強調しておきます。
イゼットエレメンタル
「イゼットエレメンタル」は、青の打ち消しと赤の軽量除去で序盤をしのぎ、墓地に呪文が増えたころに《渦泥の蟹》などから《刻み群れ》につなぐデッキです。
速度としては、中盤に大型クリーチャーで巻き返すミッドレンジに属します。
デッキ自体の内容については、こちらの記事をご覧ください。
- 2026/02/18
- 呪文を連打して飛び出すカニ!エレメンタル!「イゼットエレメンタル」デッキ紹介
- 晴れる屋メディアチーム
この「イゼットエレメンタル」は非常に独特な相性を持っています。
まず、「イゼット果敢」にやや有利です。互いのデッキには火力呪文がありますが、果敢側のクリーチャーには効くのに対しエレメンタル側のクリーチャーはタフネスが高く効きません。
加えて、「シミック律動」「バント律動」などに対しては非常に有利です。
火力で序盤のマナクリーチャーを対処できるほか、《ウロボロイド》も《アナグマモグラの仔》の土の技も、《刻み群れ》が出てしまえばおしまい。
メタゲーム上位に存在するこの2つデッキに有利という点が「イゼットエレメンタル」の長所です。
反面、それ以外のデッキは五分か苦手なため、「イゼット果敢」「バント律動」に人気が集中したときにより輝くデッキです。
イゼット講義
最後は「イゼット講義」。優勝した「ティムール講義」は派生形なので、一旦基本の形から紹介します。
「イゼット講義」は、序盤は講義呪文で妨害し、後半は《忍耐の記念碑》と《美術家の才能》をそろえて一気にライフを削るコントロールデッキです。
こちらもデッキ自体の詳細な内容については、こちらの記事をご覧ください。
- 2025/12/18
- イゼット講義 -ばあば覚醒!スタンダードでAncestral Recall!?-
- 晴れる屋メディアチーム
「イゼット講義」は軽い呪文で構成されており、序盤から隙なく動けます。
しかしコントロールの例にもれず、決して速いデッキではありません
序盤に《ばあば》が攻撃できればその速度はグンと上がるものの、《忍耐の記念碑》パッケージを揃えるまでは、耐えるゲームになることが多いです。
その速度に注目して、今回優勝した「ティムール講義」を見てみましょう。
この「ティムール講義」は、フィニッシャーである《忍耐の記念碑》《美術家の才能》パッケージを抜いています。
《忍耐の記念碑》はこれ単体では戦場に影響しないため、「イゼット果敢」のような速いデッキに対しては置く暇がないという問題がありました。
それを《頑固な教師、トフ》によって解決するアプローチを取っています。
変更前の置物よりは除去されやすいものの、残ってしまえば簡単に誘発する「土の技」によって最強の土地が爆誕!
リスクとリターンが合うかどうかは環境次第ですが、その答えは優勝という結果が示しました。
どちらのアプローチをとるにせよ、これらの講義デッキの長所と短所は共通しています。
「アドバンテージ獲得力が高く中~低速のデッキに強いが、苛烈な攻めが苦手」であることです。
自分より少し速いデッキは得意で、あまりにも速すぎるデッキが苦手ということですね。
本題とは話が逸れますが、「イゼット講義」の速度をリスクを取ってでも上げた「ティムール講義」、果たしてどちらが主流になるか気になるところです。
今回のメタゲームにおけるポジション
さて、3つのイゼットデッキの特徴をおさらいしたところで、『第33期スタンダード神挑戦者決定戦』のメタゲームブレイクダウンを見てみましょう。
- 2026/03/20
- メタゲームにまた新しいデッキが!?メタゲームブレイクダウン:第33期スタンダード神挑戦者決定戦
細かく見るのは大変なので、上位5つのデッキだけ抜き出してみます。
| デッキ | 使用者数 | 使用率 |
|---|---|---|
| イゼット果敢 | 37 | 27.82% |
| バント律動 | 13 | 9.77% |
| イゼット講義 | 9 | 6.77% |
| 緑単上陸 | 7 | 5.26% |
| ティムール全知 | 6 | 4.51% |
| その他 | 61 | 46.86% |
| 全体合計 | 133 | 100% |
「イゼット果敢」の大流行に目が行きがちですが、もう一つ大事なことがあります。
アグロ、コンボ、コントロールまで幅広く、デッキが散りすぎているのです。
たとえば「イゼット果敢」や「バント律動」が流行しているので、それらに有利な「イゼットエレメンタル」、一点読みの「白単アグロ」を選びたいところですが……
2つのデッキを合計しても全体の約1/3なのです。
それ以外のデッキが約2/3もいては、1つや2つのデッキだけを見るわけにはいきません。
そんなとき、「イゼット講義」は非常に有力な選択肢になります。
最近の傾向として「イゼット果敢」が減り、それ以外のデッキが増え始めていた状況は「イゼット講義」にとって望ましいものでした。
減ってはいましたが、「イゼット果敢」も現状を喜ぶ側のデッキです。
「速く、致命的な弱点がない」特徴を持ち、アグロデッキが苦手なはずのコンボに対しても不利を取りません。
残る問題は、イゼットのデッキに強い「白単アグロ」の動向です。
実際、今回のTOP8には「白単アグロ」の姿があります。
先週入賞した当の本人が、先週に引き続き白単アグロで入賞!
スタンダード神も解説で触れていましたが、今日本で最強の白単アグロ使いでしょう。
そんな結果を知っている側からすると、先週の『グランプリファイナル』に引き続き白単アグロはポジションの良さそうなデッキですよね。
しかし多くのプレイヤーにとって「白単アグロ」を選ぶのは難しかったでしょう。
先週の繰り返しになってしまいますが、直前に活躍したデッキというのは意識されるものです。
白単アグロが苦手な《輝晶の機械巨人》を擁する「バント律動」の活躍があったのなら、翌週はこのデッキが増えることを予感した方も多いはず。
事実、今回のメタゲームブレイクダウンではバント律動が2番目に多く、律動デッキを苦手とする白単アグロにとっては決して楽な舞台ではありませんでした。
お伝えしたいのは、環境トップの「イゼット果敢」に有効な「白単アグロ」であっても、それを選択するのは簡単ではなかったということです。
ここ2週間はイゼット果敢を対策したデッキが活躍していましたが、それらの活躍により逆にイゼット果敢が再び活躍する舞台が整ったと言えるでしょう。
おわりに
メタゲーム上位に幅広いデッキタイプが存在するからこそ、致命的な弱点をもたない「イゼット果敢」が活躍しました。
しかし、この数か月はぐるぐるとメタゲームが変動し続けています。イゼット三銃士の活躍に、他のデッキが黙っているとは思えません。
イゼット三銃士が増えるのか、対策デッキが増えるのか、あるいは……?
『Just Nowスタンダード!』では、これからも「今このとき」をお届けしていきます!



























