はじめに
みなさんこんにちは。
今月の22日(土)・23日(日)には『BIG MAGIC Open Vol.15』が開催されます。
日本国内で開催されるテーブルトップの大規模なレガシーイベントなので楽しみですね。
さて、今回は先週末にMagic Online(以下MO)で開催された『Legacy Showcase Qualifier』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『Showcase Qualifier』はMOで毎シーズン終盤に開催される招待制のイベントです。シーズン中に開催された『Legacy Showcase Challenge』でトップ8に入賞したプレイヤーと『Last Chance』予選を勝ち抜いたプレイヤーのみ参加が許されるため、小規模ながらレベルの高いイベントになります。
『Legacy Showcase Qualifier』 – 青いフェアデッキが大活躍-
開催日:2026年8月1日
優勝 ディミーアテンポ
準優勝 アゾリウステンポ
3位 ラクドスリアニメイト
4位 ウェルダー
5位 ドゥームズデイ
6位 ボロスエネルギー
7位 イゼットテンポ
8位 ディミーアテンポ
今大会では、現在のトップメタであるディミーアテンポと《ファンタスティッカー》を強く使えるドゥームズデイが最も人気のあるデッキでした。
そのほかはボロスエネルギー、アゾリウステンポ、イゼットテンポ、ラクドスリアニメイトなど複数の異なるデッキが見られます。
次回の禁止改定が近いこともあり、競技性の高い今大会で《ファンタスティッカー》を使ったデッキがどれぐらい活躍するのかも注目されていましたが、今大会で優勝を収めたのはディミーアテンポでした。
ディミーアテンポ
ディミーアテンポは現環境でいい立ち位置にあり、今大会でも最も人気でした。
このデッキが強い理由の一つに、《思考囲い》を使えることが挙げられます。
ハンデスやカウンターで妨害しつつ軽いクロックで圧をかける戦略は、スニークショーやリアニメイトなど、コンボデッキが多いメタでは安定した勝率が期待できます。
今大会で使用されたリストの特徴としては、《濁浪の執政》が採用されていないこと、サイドにある3枚目の《悪夢滅ぼし、魁渡》などが特徴です。
《悪夢滅ぼし、魁渡》は現環境で非常に強力なプレインズウォーカーで、筆者も追加の《悪夢滅ぼし、魁渡》を採用したリストで『Legacy Challenge』を優勝することができました。
☆注目ポイント
《悪夢滅ぼし、魁渡》は今大会で決勝戦まで勝ち残っていたアゾリウステンポでも、《致命的な一押し》が主要な除去であるミラーマッチでも除去されにくい脅威兼アドバンテージ源です。
《紅蓮破》が使えるイゼット系以外の青いフェアデッキとのマッチアップで無類の強さを発揮します。
ライフを攻めつつカードアドバンテージを補充できるのでコンボデッキとのマッチアップでも悪くありません。
このデッキにとって相性が悪い土地単に対しても、[-2]能力で《マリット・レイジトークン》を止めることができるなど、幅広いマッチアップで活躍します。
ほかの特徴を挙げると、《バロウゴイフ》が《濁浪の執政》よりも優先して採用されています。
エネルギーやイゼットテンポとのマッチアップでは《紅蓮破》で処理されてしまう《濁浪の執政》よりもフィニッシャーとして信頼性があり、接死、絆魂持ちの《バロウゴイフ》のほうがダメージレースで有利になります。
《オークの弓使い》もメインからフル搭載されています。今大会では《オークの弓使い》を使ったデッキが数多く見られました。
『Legacy Showcase Qualifier』という特殊な環境では、土地単などを選択するプレイヤーは少数と見て、青いデッキが中心であることを想定していたようです。
また、メインの《致命的な一押し》はわずか2枚と除去が少なめになっていることから、コンボとのマッチアップが多くなることが意識されていたことが分かります。
サイドに採用されている《シェオルドレッドの勅令》は、先ほど挙げたミラーマッチで重要なカードになる《悪夢滅ぼし、魁渡》対策です。
アゾリウステンポ
アゾリウステンポは《もみ消し》と《記憶への放逐》をメインから採用しているので、《ファンタスティッカー》がよく使われる現環境で有用なテンポデッキです。
《溌剌の牧羊犬、フィリア》+《量子の謎かけ屋》によるドローエンジンもあるので、ロングゲームにも対応できます。
メインからスニークショー、リアニメイト、ドゥームズデイといった現環境の主要なコンボデッキに強い一方で、フェアデッキとの相性はよくありません。
☆注目ポイント
《もみ消し》と《記憶への放逐》は《ファンタスティッカー》の誘発を打ち消せるので、ドゥームズデイなど多くのコンボデッキとのマッチアップで使えます。
別のマッチアップでも《もみ消し》は従来通り相手のフェッチランドの起動を打ち消してマナを縛る手段としても機能します。
さらに、《溌剌の牧羊犬、フィリア》の遅延誘発を打ち消すことで除去として使用したり、ワープした《量子の謎かけ屋》を場に維持したりと、余る場面がありません。
《空の怒り》もメインから採用されており、苦手とするエネルギーや親和などのマッチアップで役に立ちます。
苦手とするエネルギーや親和などのマッチアップで役に立ちます。
スニークショー、リアニメイトなど複数のコンボデッキ対策の《封じ込める僧侶》にアクセスしやすいことも、アゾリウステンポがコンボに強い理由の一つです。
一方で、メインでは効率良く《悪夢滅ぼし、魁渡》を対策する手段が貧しいため、ディミーアテンポに不利が付きます。
サイドの《天界の粛清》は、《悪夢滅ぼし、魁渡》や《コーリ鋼の短刀》など、アゾリウステンポにとって対処しづらいパーマネントを処理できるカードです。
《聖カトリーヌの凱旋》は《紅蓮破》や《致命的な一押し》が効かないため、イゼットテンポやディミーアテンポとのマッチアップで除去されにくいフィニッシャーとして活躍します。
ドゥームズデイ
今大会でディミーアテンポと同様に最大勢力だったドゥームズデイ。
『マジック:ザ・ギャザリング|マーベル スーパー・ヒーローズ』のリリース以来、レガシーを駆け巡っている《ファンタスティッカー》を追加の勝ち手段として採用することで大幅に強化されました。
状況に合わせて《最後の審判》で適切な5枚のパイルを作ることは難しく、使いこなすには慣れが必要ですが、マナ加速から《意志の力》や《思考囲い》でバックアップしつつ速い段階から仕掛けることもできます。
☆注目ポイント
ドゥームズデイはメインの戦略に《暗黒の儀式》や《水蓮の花びら》、軽いキャントリップスペルなどを含んでいるため《ファンタスティッカー》と相性がいいデッキです。
《最後の審判》と《ファンタスティッカー》という2つの異なる勝ち手段を持つことで、対策カードに対する耐久性も上がっています。
《目くらまし》や《意志の力》といったカウンターを自分の呪文に使って《ファンタスティッカー》の誘発条件を満たすテクニックも覚えておきたいところです。
そしてサイド後は《オークの弓使い》《バロウゴイフ》《濁浪の執政》といったクリーチャーを投入してフェアに寄せた戦略に変形することも可能で、《ファンタスティッカー》や《最後の審判》の存在をちらつかせつつディミーアテンポのように振る舞うこともできます。
ドゥームズデイはテンポデッキに対して苦戦しがちでしたが、《ファンタスティッカー》やサイド後の《バロウゴイフ》などのおかげで、コンボを妨害されても戦略をシフトすることが容易になりました。
相手にとってはコンボを警戒しつつクリーチャーを対処することは非常に困難となります。
また、このデッキも《没頭》を強く使えるデッキです。《思案》《最後の審判》《思考囲い》《秋の際》などソーサリー呪文も多く含まれているため、カードを2枚手に入れる条件を満たすのは比較的容易です。
デッキのキーカードを探しだけでなく、フェアに寄せるサイド後のゲームでのアドバンテージ獲得手段として役立ちます。
ボロスエネルギー
モダンでもトップメタの一角として活躍しているエネルギーは、ここ1年以上レガシーでもたびたび上位で見られます。
モダンのエネルギーと同様に《魂の導き手》《オセロットの群れ》《ナカティルの最下層民、アジャニ》といった『モダンホライゾン3』から登場した強力なカードを軸にした、レガシーで数少ない青を使わないクリーチャーデッキです。
レガシーの除去は《稲妻》や《致命的な一押し》といった1マナの単体除去が中心です。
そのため、《魂の導き手》と《オセロットの群れ》のシナジーによるトークン生成によって、ディミーアテンポやイゼットテンポといったフェアデッキに有利が取れます。
ハンデスや《オークの弓使い》など妨害を搭載した、ミッドレンジ寄りのマルドゥなど異なるバリエーションが見られますが、今大会で入賞していたのは2色でアグロに寄せたボロスカラーでした。
ボロスカラーは基本土地を複数採用する余裕があるので《不毛の大地》にも耐性があります。
☆注目ポイント
モダンではすでに禁止になっている《色めき立つ猛竜》ですが、レガシーでは健在です。
このデッキのメインで採用されているカードは1-2マナなため、カードとテンポの両アドバンテージを得ることが可能です。
カウンターやインスタントタイミングでの除去を封じることができる《勝利の楽士》のおかげで、青いフェアデッキとのマッチアップを有利に進めることができます。
《呪詛の壊し屋》も単体除去が中心の青いフェアデッキにとって脅威で、特にディミーアテンポの主要な除去の1枚である《殺し》をピッチでプレイする場合、《呪詛の壊し屋》がいるときはクリーチャーを除去するのに6点ものライフを支払うことを要求されます。
《スレイベンの守護者、サリア》と《不毛の大地》で相手のマナを縛りつつ軽いクロックと《ゴブリンの砲撃》で可能な限り速くライフを削っていくこともできます。
コンボデッキとの相性を改善させるために、サイドにはコンボ対策がぎっちり。
総括
今回はMOのイベントの中でも最も重要だった『Legacy Showcase Qualifier』の結果にフォーカスしましたが、先週末に開催されたすべての『Legacy Challenge』でもプレイオフに入賞していたことからも現在のレガシーではディミーアテンポが中心なのは明らかです。
ディミーアテンポは土地単など一部を除いて主要なアーキタイプとのマッチアップで安定した勝率を維持しています。
そして話題の《ファンタスティッカー》を最も有効活用できるデッキとされている、ドゥームズデイは今回もディミーアテンポと並んで最大勢力でした。
《ファンタスティッカー》と《最後の審判》の両方を同時に対策することは困難で、《ファンタスティッカー》に対して不満を抱いているプレイヤーも少なくありません。8月10日に予定されている禁止制限告知でどのような決定がされるのかも気になるところです。
USA Legacy Express Vol.280は以上です。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
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