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情報を制す者はマジックを制す。
特にSNSによる情報交換が盛んな現代、口コミがその後のメタゲームに与える影響は計り知れない。
すなわち、バズってる(話題になっている)カードを知ることは、メタゲームの把握と予測の大いなる助けとなることだろう。
当企画では、そんな「今、バズってるカード」を週刊で追っていきたいと思う。
カードの紹介に入る前に、先週行われたイベントやマジック関連の主な出来事を簡単におさらいしよう。
【『ゲートウォッチの誓い』が発売】
ついに待望の新セット『ゲートウォッチの誓い』が発売された。
エルドラージとゼンディカーの同盟者たち、そしてプレインズウォーカーの繰り広げる決戦を描いた本セット。無色マナシンボルや「誓い」サイクルはデッキの軸と成り得るメカニズムで、あれこれと脳内でデッキリストを組むだけでも楽しい。
早速【KenjiWayfinder】などで新カードをフォ―チャーしたデッキも公開されている。これからスタンダード環境がどのように変動していくのか、要注目である。
主要な出来事はこのくらいだろうか。
さて、それでは今大きな話題を呼んでいるカードたちを紹介しよう。
1. 《世界を壊すもの》
『ゲートウォッチの誓い』リリース直後に開催された【SCGO Atlanta】では、さっそく新カードをフィーチャーしたデッキが活躍していた。
特に《世界を壊すもの》が4枚採用された「赤緑エルドラージ」が今、大きな話題を呼んでいる。
8 《森》 2 《山》 1 《燃えがらの林間地》 4 《樹木茂る山麓》 4 《ウギンの聖域》 4 《見捨てられた神々の神殿》 2 《崩壊する痕跡》 -土地(25)- 4 《搭載歩行機械》 4 《森の代言者》 2 《難題の予見者》 4 《世界を壊すもの》 2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 1 《大いなる歪み、コジレック》 -クリーチャー(17)- |
4 《ニッサの巡礼》 4 《爆発的植生》 3 《コジレックの帰還》 4 《ニッサの誓い》 1 《炎呼び、チャンドラ》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(18)- |
3 《焙り焼き》 2 《ジャディの横枝》 2 《自然のままに》 2 《カル・シスマの風》 2 《塵への崩壊》 2 《精霊龍、ウギン》 1 《虚空の選別者》 1 《コジレックの帰還》 -サイドボード(15)- |
メインボードから採用しやすい《コジレックの帰還》といった全体火力に加え、序盤~中盤の壁でありアタッカーにもなる《森の代言者》や《難題の予見者》が追加され、『ゲートウォッチの誓い』のリリースによって最も恩恵を受けたアーキタイプの一つと言えるだろう。
また、実は《コジレックの帰還》の誘発条件の閾値である点数で見たマナ・コストが7のエルドラージ・クリーチャーは現スタンダード環境だと《姿を欺くもの》、《バーラ・ゲドを滅ぼすもの》、《破滅の昇華者》、そして《世界を壊すもの》の4枚しかない(※7マナで唱えた《果てしなきもの》は除く)。
この中でも、それ自身を唱えたときの誘発型能力によってカードアドバンテージも担保されており、同型戦にも強い《世界を壊すもの》を4枚採用するというのは理に適っていると言えるだろう。
4枚使用される神話レアがどんな末路を辿ることになるのかは言うに及ばずであろう。《コジレックの帰還》と合わせて、なるべく早く揃えたいものである。
2. 《炎呼び、チャンドラ》
『ゲートウォッチの誓い』で追加されたプレインズウォーカーカードははたして強いのか。誰もが気になっているトピックの一つだろう。
《炎呼び、チャンドラ》はさっそく中速以降の赤いデッキに居場所を見つけ、活躍しているようだ。
先述の「赤緑エルドラージ」でも採用されているこのカードだが、SCGの強豪でデッキビルダーとしても知られるGerry Thompsonはこれを「ダークジェスカイ」で使用するというアプローチをとって、見事に【SCGO Atlanta】で3位に入賞している。
1 《島》 1 《山》 1 《平地》 1 《沼》 2 《燻る湿地》 1 《梢の眺望》 1 《大草原の川》 1 《窪み渓谷》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《汚染された三角州》 3 《樹木茂る山麓》 2 《溢れかえる岸辺》 2 《さまよう噴気孔》 2 《神秘の僧院》 1 《乱脈な気孔》 -土地(27)- 2 《僧院の導師》 3 《魂火の大導師》 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 1 《ゲトの裏切り者、カリタス》 -クリーチャー(10)- |
4 《焦熱の衝動》 2 《強迫》 2 《マグマの洞察力》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《焙り焼き》 4 《はじける破滅》 3 《苦い真理》 1 《残忍な切断》 3 《宝船の巡航》 1 《炎呼び、チャンドラ》 -呪文(24)- |
3 《否認》 3 《光輝の炎》 2 《払拭》 2 《焙り焼き》 1 《ゲトの裏切り者、カリタス》 1 《保護者、リンヴァーラ》 1 《無限の抹消》 1 《完全なる終わり》 1 《炎呼び、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
6マナと少々重いがそれに見合った破壊力を持つ強力なカードで、五分~優位な状況から連打しているだけで勝てる「+1」、カードアドバンテージに繋がる「±0」、盤面に干渉できる「-X」とトーナメントシーンで使用されるプレインズウォーカーの要請をすべて満たしている。また、この「±0」能力が「探査」と相性がいいことも現環境においては特筆に値するだろう。
また、このリストでは新カードである《ゲトの裏切り者、カリタス》がメイン・サイド合わせて2枚採用されているのもおもしろい。
これは「ダークジェスカイ」の除去コントロール戦略に非常に噛み合ったカードで、Gerry Thompsonは《黄金牙、タシグル》の代わりに採用しているようだ。
これから赤を含む中~低速系のデッキで見られそうな《炎呼び、チャンドラ》。その動向から目が離せない。
3. 《難題の予見者》
最後に高い下馬評に見合う活躍を見せ、今後もスタンダード環境で頻繁に見かけることになるであろう1枚をご紹介する。
《難題の予見者》である。
4マナ4/4と戦力としても申し分ないスペックで、《ヴェンディリオン三人衆》を彷彿とさせるそのETB能力は手札を追放できるため「昇華者」との相性も良く、【SCGO Atlanta】ではさっそくそのギミックを取り入れたデッキも見られた。
《作り変えるもの》や《現実を砕くもの》といったコストに無色マナを含む中型クリーチャーのマナレシオの高さは目を見張るものがあり、新たなアーキタイプの出現を予感させてくれる。
ちなみに、【モダン神・市川 ユウキも触れていたが】対戦相手の手札がない状況で《難題の予見者》をプレイすると、死亡誘発でドローされてしまう分カードアドバンテージを失うことがある。
もっともそれを織り込んでも十分なパワーカードではあるが、使用する際は注意が必要だ。
いかがだっただろうか?
今週もまた多くのカードがプレイされ、注目され、議論を呼ぶのだろう。
次回の記事も楽しみにしていただけたら幸いである。
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