MTG Just Now! vol.50 -サリアの副官 etc.-

晴れる屋メディアチーム



 情報を制す者はマジックを制す。

 特にSNSによる情報交換が盛んな現代、口コミがその後のメタゲームに与える影響は計り知れない。

 すなわち、バズってる(話題になっている)カードを知ることは、メタゲームの把握と予測の大いなる助けとなることだろう。

 当企画では、そんな「今、バズってるカード」を週刊で追っていきたいと思う。


 カードの紹介に入る前に、先週行われたイベントやマジック関連の主な出来事を簡単におさらいしよう。



【ワールド・マジック・カップ2016大阪予選が開催される】

 先週末には【ワールド・マジック・カップ2016大阪予選】(以下:WMCQ大阪2016)が開催された。

 スイスラウンド9回戦+シングルエリミネーション3回戦の合計12回戦という壮絶な長丁場を戦い抜き、最初に日本代表の座を掴み取ったのは白単人間操る有田 賢人(東京)!




 有田といえば【Lunatic Moon Convention(LMC)】で叩き上げられた関東の誇る強豪プレイヤーで、【プロツアー『マジック2015』】にも出場した経験も持つ。晴れる屋の記事の中でも、【モダンの達人 vol.1 -アブザンカンパニー-】に出演してくれた猛者である。

 ワールド・マジック・カップ予選とは縁が深く【2013年】【2014年】【2015年】のいずれもトップ8に入賞しながら惜しくも優勝には一歩手が届かず、毎年苦杯を喫してきた。

 ついに悲願叶って獲得した日本代表の座。まだ半年先ではあるが、ぜひワールド・マジック・カップ本戦でもがんばってほしい。



【『異界月』の情報公開が開始される】

 昨日6月20日(月)より、プレビューウィークに先駆けて公式から『異界月』の新情報が公開された。

 すでにツイッターなどでお見かけになったという方もいらっしゃるかもしれないが、気になる新セット情報で先陣を切ってプレビューされたのはなんと……




 まさかのエムラクール!!




 旧イラストよりもイニストラードの建築物など比較対象となるものが描かれている分その巨大さが目立ち、「約束された終末」というカード名に相応しいインパクト絶大なアートとなっている。もちろんそのカードパワーも凄まじい。

 イニストラードにエムラクールがやってきた(?)顛末などは【公式記事「エムラクール、来たる」】【公式動画「Access Magic」】にて語られている。特に「Access Magic」では『異界月』トレイラームービーも収録されているので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。



 主要な出来事はこのくらいだろうか。

 さて、それでは今大きな話題を呼んでいるカードたちを紹介しよう。



1. 《サリアの副官》

 さて、先週末開催されたWMCQ大阪2016で優勝を収めたデッキは白単人間だった。


サリアの副官


 白単人間といえばご存知このカード、《サリアの副官》だ。

 メタゲーム上におけるこのカードの役割とその採用デッキについてはこちらの記事をご参照いただきたい。




 優勝した有田のリストは【SCGO Atlanta】でTom Rossが使っていた白単人間のように、サイド後に《無謀な奇襲隊》《鋭い突端》が入る変形サイドボードになっているようだ。



有田 賢人「白単人間」
WMCQ大阪2016(1位)

14 《平地》
4 《戦場の鍛冶場》

-土地 (18)-

4 《ドラゴンを狩る者》
4 《探検隊の特使》
4 《スレイベンの検査官》
4 《町のゴシップ屋》
3 《アクロスの英雄、キテオン》
2 《勇者の選定師》
4 《白蘭の騎士》
4 《サリアの副官》
2 《領事補佐官》

-クリーチャー (31)-
4 《石の宣告》
3 《グリフの加護》
4 《永遠の見守り》

-呪文 (11)-
4 《鋭い突端》
4 《無謀な奇襲隊》
2 《族樹の精霊、アナフェンザ》
2 《停滞の罠》
1 《奇妙な幕間》
1 《グリフの加護》
1 《絹包み》

-サイドボード (15)-
hareruya



 メインボードに21枚もの1マナクリーチャーが採用されているこのデッキの基本的な動きといえば、1マナ→1マナ+1マナと絶え間なくクリーチャーを展開し、《サリアの副官》《永遠の見守り》といった現代の《十字軍》で全体強化して攻撃する伝統的なものだ。


町のゴシップ屋アクロスの英雄、キテオン永遠の見守り


 マジック界には「核戦争があってもゴキブリと白ウィニーだけは生き残る」というジョークがあるほどで、いつの時代にも必ず存在しているアーキタイプである。その起源をたどれば、20年前に《ネクロポーテンス》が環境を席捲していた「世界選手権96」で優勝を収めた『12Knight』まで遡る。

 現に、今にして思えば『イニストラードを覆う影』リリース後のスタンダード環境初期からずっと《サリアの副官》の入った白単人間は環境に一定以上の割合を占め、勝利を収めてきた。

 人間というメジャーな種族との最強クラスのシナジーを持った《サリアの副官》は今後も活躍し続けることだろう。ぜひとも揃えておきたい1枚だ。



2. 《先駆ける者、ナヒリ》

 ついにスタンダードにエムラクールが降臨する。


先駆ける者、ナヒリ


 これが意味することはただ一つ。ついにスタンダードでも《先駆ける者、ナヒリ》+エムラクール、通称『ナヒリシュート』が可能となったのだ。

 これまではモダン環境で「-8」能力により《引き裂かれし永劫、エムラクール》を呼び出していた《先駆ける者、ナヒリ》だったが、スタンダードではいまいちコストを踏み倒して戦場に出したいクリーチャーが欠けていた。


引き裂かれし永劫、エムラクール


 今回の新エムラクールはプロテクション(インスタント)という特殊なプロテクションを持っていることから、《先駆ける者、ナヒリ》で出せば《苦渋の破棄》などのインスタント除去を無視して(《忌呪の発動》《餌食》はご愛敬)ほぼ確実にダメージを通すことができる。




 ちなみに、つい「-8」能力でエムラクールをシュートすることに目が行きがちだが、《先駆ける者、ナヒリ》の「+2」能力は墓地を肥やすことができるため、地味ながらエムラクールを唱えるのにも一役買ってくれる。

 仮に《先駆ける者、ナヒリ》の「+2」能力がうまく機能せず、3マナしか軽減できずに10マナでこれを唱えたとしても、《精神隷属器》(対戦相手に追加の1ターンを与えてしまうため、厳密に言えば《精神隷属器》にはやや劣るが)を出して即座に起動したら13/13飛行、トランプル、プロテクション(インスタント)がオマケとして付いてくる、と考えればエムラクールは実質タダという結論に結びつく。


 余談だが、対戦相手をコントロールしている間はそのプレイヤーのサイドボードを見ることができる。誘発型能力が解決されたなら、まずは対戦相手のサイドボードを見せてもらおう。






 いかがだっただろうか?

 今週もまた多くのカードがプレイされ、注目され、議論を呼ぶのだろう。

 次回の記事も楽しみにしていただけたら幸いである。



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