コマンダー塚本の統率者最前線! vol.27 -天使にふれたよ!-

塚本 樹詩

 【グランプリ・静岡2017春】お疲れ様でした。個人的には八十岡 翔太が機体を使うというファンにとってはたまらないトピックがありましたので本戦の様子を伺おうと思っていたのですが、会場の片隅で統率者戦をしていたら両日ともにあっという間に夜になっていました。

 そんなこんなで、今回は【グランプリ・静岡2017春】で使用したデッキの紹介をしたいと思います。

■ キーカード降臨!!

白金の天使

 今回のデッキのキーカードは《白金の天使》。このカードをコントロールし続けている限りは、このカードを守ることがゆくゆくゲームの勝利に繋がり、本来の統率者戦とは違う軸の戦いができるのが非常に魅力的なクリーチャーです。《白金の天使》を速やかに探し出し、後は守る。大体どんな相手に対してもこの戦法が通用するのでデッキの回し方も簡単で、致命的なミスが減るのもこのデッキの大きなセールスポイントの一つです。

ダクの複製騙り者、逆嶋賢いなりすまし替え玉
逆嶋の学徒ファイレクシアの変形者巨体原形質彫り込み鋼
Copy Artifact複製の儀式身分詐称

 そして《白金の天使》を戦場に出したら、次のステップとしてあらゆる手段で《白金の天使》のコピーを作ります。相手の単体除去への対抗手段としてだけでなく、手元に《白金の天使》が来ない際には盤面全体で一番強いクリーチャーをコピーし相手の脅威に対抗しましょう。こうして戦場で一番強いクリーチャーを数多く獲得することによって、全体除去のみをカウンターなどで弾けば良くなります。

霊気魔道士の接触閃光予期の力線
練達の変成者霊気の薬瓶

 平たい場でただ《白金の天使》を召喚して出すのも良いのですが、インスタントタイミングで出す手段を用意しておくことによって相手にたくさんのリソースを消費させた上で勝利を妨害することもできます。こういった手段を用意しておくことによって全ての多相の戦士が《替え玉》と同等となり、相手の虚を突くクリティカルな行動が取れることもあり、プレイに幅ができ楽しみも増えます。

 こうしてあらゆる角度で《白金の天使》を味わい尽くし、相手の行動を全て無力化させ、大量の天使軍団(実際にはオリジナルの《白金の天使》と偽物の軍団)で相手を倒すのが主な戦い方です。

■ 天使だけじゃない…!

 《白金の天使》でカバーできる状況が多岐にわたるとしても、イレギュラーは発生するものです。実際に接死+ティムというハイパー兵器が試合開始早々に完成してしまい、《白金の天使》の良さを活かせないまま押し切られることもありあした。この一例に限らず想定外のことが起き、《白金の天使》だけでは身を守れないときもあるので第二の防御手段も搭載しています。

停滞

 そう、それは《停滞》!! 《宿命》《夢の宝珠》と組み合わせることによって全てのプレイヤーの行動を抑制することができる有名なロックですが、ネックとなるのは維持コストである(青)を毎ターンいかに供給するかという点ですね。

永劫の中軸

 そもそもであるアップキープを飛ばすのも良い手段ではありますが……

ラル・ザレック滞留者ヴェンセール時間の大魔道士、テフェリー

 この3体のプレインズウォーカーの能力を使えば《停滞》が維持できるだけでなくいずれかは大マイナスの能力が一気に試合を有利にしてくれるのです!

 《停滞》ロックが決まっていて《白金の天使》が出ていれば後は自動的にターンが進むだけなので自分以外のライブラリーが尽きて勝ちとなるのでどちらかの手段を足掛かりに完封勝利を狙いましょう! ということでこの2大要素を膨らまして構築したのが以下のデッキとなります!!

■ 完成したデッキ


《寛大なるゼドルー》

《寛大なるゼドルー》

-統率者 (1)-

2《島》
2《平地》
《山》
《Plateau》
《Tundra》
《Volcanic Island》
《神聖なる泉》
《蒸気孔》
《聖なる鋳造所》
《乾燥台地》
《溢れかえる岸辺》
《湿地の干潟》
《霧深い雨林》
《汚染された三角州》
《沸騰する小湖》
《吹きさらしの荒野》
《樹木茂る山麓》
《マナの合流点》
《真鍮の都》
《統率の塔》
《魂の洞窟》
《風変わりな果樹園》
《反射池》
《色あせた城塞》
《産業の塔》
《アダーカー荒原》
《広漠なるスカイクラウド》
《シヴの浅瀬》
《セファリッドの円形競技場》
《アカデミーの廃墟》
《古えの墳墓》
《鏡の池》
《発明博覧会》
《露天鉱床》

-土地 (36)-

《八ツ尾半》
《粗石の魔道士》
《ダクの複製》
《騙り者、逆嶋》
《賢いなりすまし》
《替え玉》
《逆嶋の学徒》
《ファイレクシアの変形者》
《エレンドラ谷の大魔導師》
《背信のオーガ》
《巨体原形質》
《練達の変成者》
《白金の天使》
《魅力的な執政官》
《エメリアの盾、イオナ》

-クリーチャー (15)-
《否定の契約》
《悟りの教示者》
《神秘の教示者》
《思案》
《渦まく知識》
《白鳥の歌》
《頑固な否認》
《剣を鍬に》
《秘儀の否定》
《Mana Drain》
《対抗呪文》
《閃光》
《Transmute Artifact》
《一瞬の瞬き》
《Timetwister》
《根生まれの防衛》
《複製の儀式》
《霊気魔道士の接触》
《魂の再鍛》
《時のらせん》
《身分詐称》
《時を越えた探索》
《魔力の墓所》
《溶接の壺》
《師範の占い独楽》
《太陽の指輪》
《霊気の薬瓶》
《魔力の櫃》
《厳かなモノリス》
《友なる石》
《アゾリウスの印鑑》
《イゼットの印鑑》
《冬の宝珠》
《連合の秘宝》
《夢の宝珠》
《彫り込み鋼》
《罠の橋》
《道化の帽子》
《金粉の水蓮》
《永劫の中軸》
《Copy Artifact》
《停滞》
《宿命》
《締め付け》
《予期の力線》
《ラル・ザレック》
《滞留者ヴェンセール》
《時間の大魔道士、テフェリー》

-呪文 (48)-
hareruya

寛大なるゼドルー

 今回はキーカードが統率者に設定できないカードなので統率者はリソースを稼ぐ役として《寛大なるゼドルー》を選択。誰がコントロールしていても問題の無いパーマネントを相手に押し付けるも良し、困窮している相手に対して恵み(主に土地)を与えて恩を売るも良しと楽しい挙動を味わいつつリソースが稼げるトリッキーな統率者なので使っていて新鮮でした!

 【グランプリ・静岡2017春】で久しぶりに会った友人と統率者戦をして僕は思った。こんな楽しい時間は他にない。この試合を終わらせたくない……。

 この試合がいつまでも続けばいいのに……。そう思った僕は無意識に《寛大なるゼドルー》の能力を起動して《白金の天使》を相手に渡していた。これにより全てのプレイヤーが《白金の天使》をコントロールしていながら《停滞》ロックによって動けなくなり山札も無くなり、ターンの終了を宣言するだけの機械と化した。

 僕は『これでこの楽しい時間が永遠に続くね』とみんなに言った。それを聞いたみんなは口を揃えてこう言った。

『投了します』

 そう、この世に永遠などなかったのだ。

 つづく。

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