はじめに
みなさんこんにちは。
今週末には『Eternal Weekend North America』が開催されます。テーブルトップのレガシーのイベントで最も大規模なイベントなので楽しみですね。
そして、日本での開催もあと1か月ほどと迫っており、こちらも楽しみです!
さて、今回はMagic Online(以下MO)で開催された招待制のイベント『Legacy Showcase Challenge』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『Legacy Showcase Challenge』 -ドゥームズデイのワンツーフィニッシュ-
開催日:2026年10月24日
優勝 ドゥームズデイ
準優勝 ドゥームズデイ
3位 豆の木コントロール
4位 スニーク・ショー
5位 ラクドスリアニメイト
6位 ドレッジ
7位 スニーク・ショー
8位 ディミーアホガーク
9位 カーンフォージ
10位 ボロスエネルギー
11位 エルドラージ
12位 ドゥームズデイ
13位 オムニアル―レン
14位 カーンフォージ
15位 親和
16位 ディミーアホガーク
今大会のプレイオフ入賞者には、『Magic Online Champions Showcase』本戦への参加資格をかけたイベントである『Legacy Showcase Qualifier』への参加権が与えられます。
また、今週末に『Eternal Weekend North America』が開催されるということもあり、イベントに向けた最終調整の機会として参戦したプレイヤーも多かったようです。参加者298名でスイスラウンド9回戦と大変長丁場でした。
テンポデッキやエネルギーといった、普段の『Legacy Challenge』でよく見るフェアデッキは今大会の上位には少数。プレイオフはリアニメイト、スニーク・ショー、ドレッジといったコンボデッキが複数入賞し、ドゥームズデイが決勝戦に勝ち残りました。
ドゥームズデイ
優勝リスト
準優勝リスト
優勝したリストは《濁浪の執政》がメインから採用されています。サイドボードには《バロウゴイフ》や《ダウスィーの虚空歩き》といった複数のクリーチャーが取られているテンポ型でした。
ドゥームズデイは、《暗黒の儀式》などマナ加速から《最後の審判》をプレイして《タッサの神託者》で勝利するコンボデッキで、最速1ターン目から《最後の審判》をプレイすることができます。
《最後の審判》をプレイすると、通常は《秋の際》や《通りの悪霊》といったマナを使わずにサイクリングできるカードをライブラリーのトップに積みます。対戦相手がカウンターを使うデッキの場合は《魂の洞窟》から《タッサの神託者》をプレイすることで安全に通すことができます。
ただし、誘発型能力をカウンターできる《もみ消し》や《記憶への放逐》には注意が必要です。
《最後の審判》で新たに組まれるライブラリーはパイルとも呼ばれ、カードの選択肢はマッチアップや状況によって異なります。そのため、それぞれの場面で適切なカードでパイルを組む必要があり、レガシーでも屈指の難易度を誇るデッキの一つとされています。
☆注目ポイント
メインから採用された《濁浪の執政》は、《致命的な一押し》や《稲妻》といった小型除去が効きません。そしてサイド後は、コンボ対策としてサイドインされることが多い《否定の力》や《記憶への放逐》でも対処されないのでコンボ以外の有用な勝ち手段になります。
さらに《バロウゴイフ》や《ダウスィーの虚空歩き》、追加の《濁浪の執政》を投入することでコンボからミッドレンジやテンポ寄りの構成に変化します。
コンボへの耐性を上げるために、《致命的な一押し》や《剣を鍬に》といった除去を減らして追加のコンボ対策を投入してくる対戦相手も多いので、クリーチャーの増量は効果的です。除去はコンボに対しては役に立たないため、対戦相手にとってもどれぐらい残しておくか判断が難しいところです。
《ダウスィーの虚空歩き》4枚は、今流行の《甦る死滅都市、ホガーク》とのマッチアップで墓地対策をしつつクロックとして機能するのでおすすめのサイドカードです。
サイドボードに1枚採用されている《勝利の楽士》は、自分のターン中に相手のスペルを封じることができるため、打ち消しを使う青いデッキにとって厄介なカードです。ただ、プレイするためには《魂の洞窟》か《水蓮の花びら》から白マナを捻出する必要があります。
豆の木コントロール
今大会でも上位入賞していた《豆の木をのぼれ》を使った多色のコントロールデッキ。《剣を鍬に》や《力線の束縛》といった白の優秀な除去とカウンターで脅威を捌きつつ、《豆の木をのぼれ》や《量子の謎かけ屋》+《溌剌の牧羊犬、フィリア》などでカードアドバンテージを稼ぎゲームを有利に進めていきます。
ディミーアテンポ、イゼットテンポ、デス&タックスなどフェアデッキ全般に強く、コンボデッキもスニーク・ショーやリアニメイトなどには高い勝率を出しています。
トロンなどビッグマナ系やストームのようなスペルコンボなど、除去が不要牌になりやすいマッチアップは苦手です。テーブルトップではディミーアテンポやイゼットテンポといった青いフェアデッキを好むプレイヤーが多い傾向があるため、『Eternal Weekend』では良い選択肢の一つになるかもしれません。
☆注目ポイント
今大会で入賞したバージョンは《空を放浪するもの、ヨーリオン》を「相棒」にした80枚バージョンです。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《氷耕しの探検家》といったカードも採用されており、より長期戦に特化しています。
80枚デッキの最大の弱点は、キーカードを引き当てる確率が低くなることですが、幸いこのデッキは《豆の木をのぼれ》や《量子の謎かけ屋》など複数のドローエンジン、キャントリップで弱点をカバーすることが可能です。
また、80枚デッキにすることで《孤独》や《虹色の終焉》など除去や妨害のバリエーションも豊富になり、よりフレキシブルになっています。
《終末》は「奇跡」でプレイすることでわずか1マナの全体除去として使うことができ、クリーチャーも墓地に置かれないため、今流行りの《甦る死滅都市、ホガーク》とのマッチアップでも有効。置き物にも触れる全体除去の《空の怒り》とは使い分けていきたいスペルです。
コンボデッキとのマッチアップでは初手に何かしらの妨害があることが理想ですが、80枚デッキだとそれらを引き当てる確率が低くなるため《否定の力》や《記憶への放逐》といったカウンターも多めに積まれています。
《氷耕しの探検家》は《不毛の大地》を毎ターン墓地から複数回プレイすることができるので、特殊地形を多用する相手をゲームから締め出すこともできます。「上陸」によって切削を行うことができるため、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》とも相性がいいクリーチャーです。
スニーク・ショー
スニーク・ショーはレガシー定番のコンボデッキです。
現環境でスニーク・ショーは、打ち消しと手札破壊を使用するディミーアムーンシャドウやドゥームズデイなど相性の悪いマッチアップが多いものの、エネルギーやエルドラージ、トロンといったデッキに対しては強く出ることができます。
☆注目ポイント
7位に入賞したリストでは、より早い段階で仕掛けられるように、追加のマナ加速として《金属モックス》が採用されています。ソフトカウンターには《目くらまし》ではなく、ほかのコンボにも高い効果が見込める《狼狽の嵐》や《呪文貫き》を採用したリストが主流です。
カードアドバンテージを稼ぎつつコンボに必要なカードを探し出す《食糧補充》や、カウンター対策の《呪詛の壊し屋》、マナ加速などを利用することで普通にプレイすることもできる《トラブルメーカー、ラフとマイキー》など、比較的最近のセットからも得たものが多いスニーク・ショーですが、『マーベル スーパー・ヒーローズ』の統率者セットからも新戦力を獲得しています。
《リード評議会》は自軍のクリーチャーのレジェンド・ルールを無効化する珍しい能力を持っています。さらに、非クリーチャースペルをターン中にプレイしていた場合は、戦闘開始時にコピー・トークンを生成する能力が誘発します。
軽いキャントリップスペルや《水蓮の花びら》などを使うこのデッキでは《リード評議会》のコピー・トークンを複数並べることができるため、有効な追加の勝ち手段として機能します。
ディミーアホガーク
『リアリティ・フラクチャー』の新カードの《暗黒物質の操り手》は《甦る死滅都市、ホガーク》の復権に貢献しています。今大会で入賞していたディミーアホガークは『リアリティ・フラクチャー』のリリース直後から注目を集めていた戦略の一つでした。
従来まで《甦る死滅都市、ホガーク》は、主にドレッジなど墓地を使ったコンボで採用されていましたが、このディミーアホガークはディミーアムーンシャドウに《甦る死滅都市、ホガーク》パッケージを組み込んだテンポベース(フェア)のデッキです。
ディミーアムーンシャドウと同様に《月影》や《暗黒物質の操り手》といった1マナクロックで圧をかけつつ、《不毛の大地》《目くらまし》《意志の力》などの妨害でサポートしていきます。
軽いキャントリップスペルやフェッチランド、《暗黒物質の操り手》と《縫い師への供給者》などによって高速で墓地のカードが増えていくので、最速2ターン目には《甦る死滅都市、ホガーク》を展開することができます。そして、それを《目くらまし》や《意志の力》を使って守ることで速やかにゲームを終わらせます。
《甦る死滅都市、ホガーク》は除去耐性こそないものの、ディミーアテンポやイゼットテンポなどは対処しにくいため、これらのデッキに強く出ることが可能です。一方で、《剣を鍬に》や《カラカス》といった複数の対策を搭載したエネルギーなど白いデッキは相性が悪いマッチアップになります。また、墓地を使った戦略なため《虚空の力線》など墓地対策にも弱くなっています。
☆注目ポイント
《暗黒物質の操り手》は、第2の《縫い師への供給者》として墓地を使うデッキで採用されているクリーチャーですが、墓地のカード7枚につきパワーが+2強化されるため単体でも脅威となります。《縫い師への供給者》と同様に、場に出たときの能力によってカードを3枚切削するため、《月影》を強化しつつ《甦る死滅都市、ホガーク》をプレイすることも可能です。
クリーチャーをコピーできる《マネドリ》は、追加の《縫い師への供給者》や《暗黒物質の操り手》的な存在で、より安定して2ターン目に《甦る死滅都市、ホガーク》をプレイしやすくなります。《オークの弓使い》もクリーチャー2体分としてカウントできるので、《甦る死滅都市、ホガーク》の「召集」コストとしても優秀です。
《悪夢滅ぼし、魁渡》は、除去が多いデッキや《虚空の力線》を使ってくる相手に墓地を使わない勝ち手段兼アドバンテージ源として重宝します。
ディミーアホガークは現在人気があるデッキであり、ミラーマッチに遭遇する確率も高いため、墓地対策も必須です。《虚空の力線》と同じ墓地対策能力があり、回避能力持ちのアタッカーとしても優秀な《ダウスィーの虚空歩き》は、このデッキを対策する手段としては最高の一枚でしょう。
今レガシーでディミーアを含めた黒いデッキを使うなら、必ずサイドに複数枚用意しておきたいカードといえます。
また、対戦相手がサイドインしてくる《虚空の力線》などを対策する必要もあるため、バウンススペルとしても使える《厚かましい借り手》を採用しています。
《虐殺》は、このデッキにとって相性が悪いエネルギーデッキ対策です。大きなイベントでは必ずと言っていいほど見かけるデッキなので採用を推奨します。
総括
今回紹介したディミーアホガークは、新戦力の《暗黒物質の操り手》と《甦る死滅都市、ホガーク》をフィーチャーし、従来のディミーアテンポ系とは一線を画す存在です。
現在、非常に人気が高く『Legacy Showcase Challenge』以外でも高い勝率を出しているため、今後の展開が楽しみなデッキです。今週末の『Eternal Weekend』でも注目のデッキといえるでしょう。
しかし、《ネザーゴイフ》と《真夜中の盗人、ビルボ》を採用したディミーアムーンシャドウも健在で、フェアデッキが好まれる傾向にあるテーブルトップではMO以上に人気が出そうなアーキタイプです。
豆の木コントロールも同様にテーブルトップのほうが人気の傾向にあり、ほかのフェアデッキに対して相性が良いため『Eternal Weekend』でも一定数見かけることになるでしょう。
コンボデッキでは、ドゥームズデイは『Legacy Showcase Challenge』で勝ってはいたものの、使用難易度の高さから、テーブルトップの大型イベントでこのデッキを選択するプレイヤーは少数だと予想されます。
以上、USA Legacy Express Vol.285でした。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
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