MTG Just Now! vol.61 -サリアの副官 etc.-

晴れる屋メディアチーム



 情報を制す者はマジックを制す。

 特にSNSによる情報交換が盛んな現代、口コミがその後のメタゲームに与える影響は計り知れない。

 すなわち、バズってる(話題になっている)カードを知ることは、メタゲームの把握と予測の大いなる助けとなることだろう。

 当企画では、そんな「今、バズってるカード」を週刊で追っていきたいと思う。


 カードの紹介に入る前に、先週行われたイベントやマジック関連の主な出来事を簡単におさらいしよう。



【世界選手権2016が開催される】

 先週末の9月2日(金)-9月4日()にはアメリカ・ワシントン州シアトルにて、マジック界最高峰のプレミアイベントである【世界選手権2016】が開催された。




 24名のトッププレイヤーたちとの戦いを勝ち抜き見事に世界最強の座を掴み取ったのは、Channel Fireball所属のプロプレイヤーで2015-2016シーズンのグランプリマスターでもあるBrian Braun-Duin(アメリカ)!

 Hareruya Prosからも八十岡 翔太がトップ4に入賞しているので、ぜひ【カバレージ】をチェックしていただきたい。


サヒーリ・ライ反逆の先導者、チャンドラ新緑の機械巨人


 また、今大会では新セット『カラデシュ』の新カードも数多く発表された。新プレインズウォーカーのサヒーリ・ライや新チャンドラ、期待のフィニッシャー《新緑の機械巨人》など、いずれも高いカードパワーを誇る。

 晴れる屋では今回【シングルカードの予約販売】も行っており、新しく発表されるカードも漸次追加される予定なので、ぜひチェックしてみてほしい。



 主要な出来事はこのくらいだろうか。

 さて、それでは今大きな話題を呼んでいるカードたちを紹介しよう。



1. 《サリアの副官》

 世界選手権の覇者・Brian Braun-Duinが持ち込んだスタンダードのデッキは「バント人間カンパニー」だった。


サリアの副官


 約3週間後にローテーションを控え、最後まで環境のトップに君臨し続けたカンパニーデッキ。その主力を担った《サリアの副官》は『カラデシュ』発売後も健在だ。



Brian Braun-Duin「バント人間カンパニー」
世界選手権2016(優勝)

6 《平地》
3 《森》
1 《島》
3 《大草原の川》
2 《梢の眺望》
4 《進化する未開地》
4 《要塞化した村》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》

-土地 (25)-

3 《スレイベンの検査官》
4 《ラムホルトの平和主義者》
4 《サリアの副官》
2 《白蘭の騎士》
1 《薄暮見の徴募兵》
4 《反射魔道士》
4 《不屈の追跡者》
3 《異端聖戦士、サリア》

-クリーチャー (25)-
4 《ドロモカの命令》
4 《集合した中隊》
2 《実地研究者、タミヨウ》

-呪文 (10)-
3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
2 《石の宣告》
2 《否認》
2 《一日のやり直し》
2 《悲劇的な傲慢》
1 《薄暮見の徴募兵》
1 《白蘭の騎士》

-サイドボード (15)-
hareruya



 【Team Cygames】所属のプラチナレベル・プロ、渡辺 雄也謹製の「バント人間カンパニー」にさらなる細やかな調整が加えられているこのリスト。

 このデッキの最大の強みは何といっても《サリアの副官》による突破力で、バントカンパニー系のデッキが過半数を占めた世界選手権のメタでは非常に有利な選択だったようだ。


反射魔道士不屈の追跡者


 スタンダードでは《集合した中隊》という最大の相棒を失うことになるが、《反射魔道士》《不屈の追跡者》といった強力な人間クリーチャーは残るし、『カラデシュ』で新たな戦力が追加されることも考えられる。これからも白いビートダウンデッキの第一線で活躍してくれることだろう。



2. 《残忍な剥ぎ取り》

 【世界選手権2016】はスタンダードとドラフト、そしてモダンの3種目で競われた。


残忍な剥ぎ取り


 《残忍な剥ぎ取り》【世界選手権2016】のモダンラウンドで最も注目されていた1枚と言えるだろう。



Marcio Carvalho「アブザンミッドレンジ」
世界選手権2016(2位)

2 《沼》
1 《森》
1 《平地》
2 《草むした墓》
1 《神無き祭殿》
1 《寺院の庭》
4 《湿地の干潟》
4 《新緑の地下墓地》
2 《吹きさらしの荒野》
3 《乱脈な気孔》
2 《黄昏のぬかるみ》
1 《ガヴォニーの居住区》

-土地 (24)-

4 《タルモゴイフ》
3 《残忍な剥ぎ取り》
3 《漁る軟泥》
2 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー (12)-
4 《流刑への道》
3 《コジレックの審問》
3 《思考囲い》
2 《突然の衰微》
2 《集団的蛮行》
4 《未練ある魂》
1 《大渦の脈動》
1 《仕組まれた爆薬》
3 《ヴェールのリリアナ》
1 《最後の望み、リリアナ》

-呪文 (24)-
3 《滅び》
2 《大爆発の魔道士》
2 《外科的摘出》
2 《墓掘りの檻》
1 《集団的蛮行》
1 《石のような静寂》
1 《大渦の脈動》
1 《最後の望み、リリアナ》
1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
1 《太陽の勇者、エルズペス》

-サイドボード (15)-
hareruya



 《闇の腹心》はアドバンテージが稼げるものの《黄金牙、タシグル》などのクリーチャーと相性が悪く、火力除去などでも簡単に除去されてしまうというデメリットもあった。


闇の腹心黄金牙、タシグル


 しかし、《残忍な剥ぎ取り》は「昂揚」さえ達成すればモダンの標準的な火力呪文である《稲妻》でも焼かれないし、攻撃が通れば墓地を肥やすことができるので《黄金牙、タシグル》をはじめとした「探査」系のカードとはむしろ噛み合う。

 アドバンテージが得られないという弱点は《未練ある魂》を墓地に落とすことで疑似的に回避できるので、アブザンカラーのこのデッキに採用されているのは非常に理に適っていると言えるだろう。


 緑黒系のデッキの新たなエースとして期待されるこのカード。“4枚採用される神話レア”ということもあるので、早いうちに手に入れておきたいところである。






 いかがだっただろうか?

 今週もまた多くのカードがプレイされ、注目され、議論を呼ぶのだろう。

 次回の記事も楽しみにしていただけたら幸いである。



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