あなたの隣のプレインズウォーカー ~第48回 コンスピラシー2 麗しのパリアノ王位争奪編~

若月 繭子

若月 繭子


 こんにちは、若月です。

 まずはこちら!




 ご覧になった方もおられるかと思いますが、先日開催されましたグランプリ京都のパンフレットに『あなたの隣のプレインズウォーカー グランプリ京都出張版』を書かせていただきました。題材は京都→日本らしいものを→じゃあ神河で、ということで神河世界の大まかな解説と、8人フライト系イベントの1位賞品である《巻物の君、あざみ》プレイマットに合わせてあざみの話です。神河はあまり扱う機会がないのでとても新鮮でした!

 さて、すでに『カラデシュ』がそこかしこで盛り上がっていますが、予告通り今回は『コンスピラシー:王位争奪』のお話です。こちらもすごくおもしろいですし、今回を逃すと取り上げる機会はおそらく当分なさそうですし。カラデシュ組はもうちょっと待っててね!



1. Not Eternal


 詳しい説明は第23回に書きましたが、『コンスピラシー』シリーズの舞台となっているのは「フィオーラ」という次元世界です。我々の次元で言うところのルネサンス期イタリアをモチーフとしてそこに「スチームパンク」を足した、とても華やかで賑やかな雰囲気の世界で繰り広げられる権力のゲーム。そんなセットの第二弾は発表からして「権力のゲーム」が垣間見えるものでした。

 そう、『コンスピラシー:王位争奪』を語るにはまず、このセットの発表とともに繰り広げられた衝撃?笑撃?の展開を語らないわけにはいきません。先行プレビューカード公開記事でも触れられていましたが、もう一度。いや私も書きたいというだけなんですが。『コンスピラシー:王位争奪』は5日間に渡ってセット名と収録枚数が繰り返し変更されながら発表されました。


■ 2016年2月23日 『コンスピラシー:ブレイゴの御代』発表




 一風変わったドラフトと多人数戦、様々な新規カード……旧『コンスピラシー』はとても楽しいセットであり、多くの人がこの発表を喜んでいました。ですが『コンスピラシー』はタイトルの公開すら一筋縄ではいかない、翌日誰もがそれを思い出します。


■ 2016年2月24日 ブレイゴ暗殺




 いや発表翌日にそのセットの顔が暗殺されるとか、そもそも幽霊が暗殺されるってどういうことだよ! というのが全員の総意だったでしょう。思い返せばブレイゴは初登場の記事も一旦殺されて幽霊になる所からスタートでした。まさかそういう芸風? いやいやいや。


■ 2016年2月25日 『コンスピラシー:空位の玉座』発表




 そろそろ「何か変なことが起こっているぞ」と皆思い始めた3日目。この時の告知ページでは「221 220」とブレイゴ王が死んだ分カード収録枚数が1枚減るという芸の細かさに笑いました。


■ 2016年2月26日 「パリアノの権力者たちが玉座を狙っている」と示唆




 「パリアノの権力者」(すごく見覚えのある薔薇の紋章)


■ 2016年2月27日 『コンスピラシー:王位争奪』発表




 そして5日目、マルチェッサ女王の姿と共に「本物」が発表されました。「冗談ではなく、裏もない。ここにあるのは現実だけ」の記述が「今度こそ本当だよ!」と語ってくれています。収録枚数も元に戻って221枚。1週間がかりの大がかりな、実に『コンスピラシー』的なプロモーションでした。覚えてはいてもこうして続けて発表を並べていくと本当に手が込んでいますね。

 そしてブレイゴ王はそんなある意味「出落ち芸」を見せてくれたので、数か月後に『エターナルマスターズ』での再録が発表されたときは「お前死んだはずでは! 元から死んでるけど!!」と再び話題になっていました。再録と生死は関係ないですが私もそう思いました。


永遠王、ブレイゴ


 たしかにエターナル。



2. 今回の人間(とエルフとゴブリン)模様


 この項目では『コンスピラシー:王位争奪』に登場している伝説のクリーチャー5人について話したいと思います。プレインズウォーカーの2人は後ほど。まずはこちらの図をご覧下さい。


※画像をクリックすると拡大します。


 せっかくですので、今回登場のキャラに限らずフィオーラ出身とわかっているキャラを全員入れてみました。


ダク・フェイデン


 《ダク・フェイデン》だけ誰とも繋がりがないですが、実際今のところ図のキャラクターの誰とも関わりが無さそうなんですよね。ストーリーを展開していたコミックの刊行が止まってしまっているのですが、彼は今いずこに。私も知らない。


■ マルチェッサ


マルチェッサ女王君主の領域


 画像詐欺と言われt何やらとてもお美しくなられたマルチェッサ様。前作では「パリアノ貴族の1人であり、暗殺者やスパイの情報網を駆使して裏社会を支配している」くらいの設定でしたが、何と玉座を手に入れました。まあ、「ブレイゴが暗殺された」と発表された時点で「つまりはマルチェッサの仕業だろうな」と思った人は多かったでしょう。正当な手段で君主の座を継承したのではない、その証拠に女王になっても相変わらず暗殺者……と思ったら《黒薔薇のマルチェッサ》のクリーチャー・タイプは暗殺者ではなくウィザードじゃないか。今気がついた。

 長い時間をかけた膨大な、かつ入念な根回しと計画によって女王の座についたマルチェッサは、その地位を守るのに余念のない能力です。逆に考えれば敵はとても多いということを理解しているのでしょう。


宮殿の歩哨マルチェッサの命令


《宮殿の歩哨》フレイバーテキスト
「望まれて人々の上に立つ者には、あのような警護は必要ないはずだ。」
――護衛隊長、アドリアナ

《マルチェッサの命令》フレイバーテキスト
「力を手に入れた者には、それを維持する手段も必要なの。」
――マルチェッサ女王


 そうして手に入れた女王の座……ですが権力を振るおうとも、人々が従わなくなったとしたら?


■ アドリアナ


護衛隊長、アドリアナアドリアナの武勇


 マルチェッサに対するはかつてのブレイゴ王の護衛隊長アドリアナ。ブレイゴ王への忠誠心から、というよりはむしろ高層都市パリアノの血で血を洗う権力闘争に嫌気がさしたことからマルチェッサを簒奪者(さんだつしゃ)と非難、人民による統治を目指して反旗を掲げ、マルチェッサが諜報と暗殺で地位を維持するのに対しこちらは信念によって味方を集め、鼓舞して戦いに赴きます。アドリアナ自身の能力、戦闘時に味方のクリーチャーを強化するのはいかにも赤白ですね。

 マルチェッサ側が黒薔薇の紋章を掲げているのに対し、アドリアナ側はブレイゴの剣の柄が抱く紋章を、彼女曰く「この都市とその合法的な支配者を象徴する不朽の印」を掲げています。探してみるのもおもしろいですよ。


護衛募集員パリアノの先兵抗議代理人


 暴君に対抗するは勇敢なヒロイン、一見そんな雰囲気の対立構造。でもレオヴォルドからの使者が接触してきた時は「鼻を砕き、シャツを徹底的に破いて」突き返したらしいので、案外荒っぽい一面もあるようです。


■ グレンゾ


騒乱の発端、グレンゾ


 マジックのゴブリンキャラは例外なく一癖あっておもしろいのですが、このグレンゾもその1人です。どのような経緯があってかはわかりませんがかつてはブレイゴの部下として、パリアノの地下牢と下水道の広大な範囲を支配していました。ですがマルチェッサ女王に代替わりしたことでその地位を追われ、地下で策謀を巡らすのではなく都市に混乱をもたらそうと大っぴらに暴れまわるようになりました。時にアドリアナが集めた群集を上手く先導して暴徒へと変え、都市の秩序を脅かすことでマルチェッサへの仕返しをしています。


ゴミ焼却煽動的な異論


 今回グレンゾが顔を出しているカードはストレートな「赤」らしさがありますね。公式記事「血濡れの教え」では同じゴブリンのダレッティと手を組み、彼の復讐を手伝うついでに部下のゴブリン達と一緒に略奪をしていました。冷静に考えればその行動は悪党以外の何物でもないのですけれど、殺人車椅子ゴブリン学者と老獪ゴブリンジジイのコンビは実に癖があって楽しい話でした。


■ セルヴァラ


野生の心、セルヴァラ召喚者の絆


 かつてのブレイゴ王の友人であり、同士であり、彼に懇願されてその命を終わらせたのがセルヴァラでした。(記事によって記述が異なるのですが)それはブレイゴ本人かもしくはカストーディ(パリアノ王室の管理人?的組織?)の陰謀だったのか、王はたしかに死んだものの幽霊となって永遠にパリアノを統治することとなります。セルヴァラは投獄され、ですが牢番グレンゾによって連れ出された後に辺境へ逃れた……のが前作の展開でした。

 そしてアドリアナから「パリアノ共和国の建国に力を貸して頂けますか?」と提案されたものの、その後レオヴォルドが書いていた調査書によればどうやら協力する気はない模様。とはいえカードを見るにセルヴァラもまたパリアノへと戻ってきているようです、どうやらパリアノで使役されている動物を解放するために……セルヴァラが戻ってきた理由はあまりはっきり書かれていないんですよね、推測が多くてすみません。


猛獣の解放者セルヴァラの暴走野生の賛歌


 本筋とは関係ないのですが《野生の賛歌》左手前の「羽毛恐竜」に学説の流れを感じました。きれいよねー。


■ レオヴォルド


トレストの使者、レオヴォルド召し上げ


 トレスト。統率者プレイヤーでしたら誰もがピンとくる名前かと思います。そう、初代『統率者』セット(2011年発売)にて登場の伝説クリーチャー《トレストの密偵長、エドリック》当時の公式記事から彼のプロフィールを見てみましょう。


トレストの密偵長、エドリック


公式記事「「15の統率者、15の物語」より引用

港町トレストでは、誰もエドリックの密偵や思考の急使や使い魔の網を逃れられない。キネスタの女帝ですら、岸辺で演習を行う際は、エドリックの意見を請う。世間が言うには、四世紀も前の若き日から、彼にはたった一つだけ手に入らない秘密が残っているそうだ。


 当時はこれ以上の情報はなかったのですが、今回このトレストがフィオーラ世界の地名ということが判明。第23回で「絵の雰囲気から《トレストの密偵長、エドリック》もこの世界の住人のような気がします」って書いたらマジだった。いや知りませんでしたよ本当に。《トレストの随員》《レオヴォルドの調査員》を見るにエルフの都市なんでしょうかね? 同じ種族でも次元によって多少異なるのは当たり前なのですが、「港町」にエルフが多く住むというのも本当に珍しい。

 レオヴォルドはそのトレストから派遣されてきた外交官です。そのため、上の相関図でも示されているように「王位争奪戦」においては部外者です。だからこそ、この権力争いを楽しく傍観しながらどんな勢力とも仲良くやるように、敵に回さないように動いています。そのための強力な武器が「情報」。主役回の公式記事「レオヴォルド調書」では彼から見た各勢力の評価がどこか物語的に、かつとても鋭い観察力で書かれており、レオヴォルドのしたたかさが見えてきます。

 それにしてもここまで「都会人」っぽいエルフをマジックで見たのは初めてでした。ラヴニカのエルフ以上ですねえ。都会にすっかりやつれてしまったニッサをほぼ同時期に見ているだけに余計に驚き。


※画像は公式記事「レオヴォルド調書」より引用しました。


 このドヤ顔である。そして書いていて気がついたのですが《トレストの密偵長、エドリック》のアートにも白い鳩がいますね。パリアノ-トレスト間で通信をしているのかもしれません。



3. 再録カードを見てみよう



コジレックの審問


 『コンスピラシー:王位争奪』プレビュー開始直後に公開されて話題となった、新アートの《コジレックの審問》。ちなみに『Modern event Deck』に続いて二度目の再録です。そして「何故コンスピラシーにコジレックが?」という疑問は世界共通だったようで、公式からの説明が出ていました。




 「旧コンスピラシーと同じく、『コンスピラシー:王位争奪』にはフィオーラ世界のものではない多くの再録カードが入ります」

 そして「前回もフェイジとかいたじゃん」という周囲からのツッコミも世界共通だったようで。いやそれにしても逆に私は驚きました、これほど「何故コジレックが」という声が多かったことに。旧コンスピラシーでも様々な「次元を越えた」再録カードがありましたが、同じような声はほとんどなかったと記憶しています。旧コンスピラシーの発売は2014年6月、公式ウェブサイトでストーリーを展開するようになるよりも以前です。《コジレックの審問》は再録が待ち望まれていたカードだというのもありますが、それだけこの2年で物語への注目度が上がったということなのだと思います。

 せっかくですので旧コンスピラシーも含めて気になる再録新規アートを取り上げておきましょう。この連載で扱ったことありませんでしたしね。


《総くずれ》


総くずれ総くずれ


 ノーン様! ノーン様じゃないですか!!

 この《総くずれ》を撃っているのは何者か。『インベイジョン』版は旧ファイレクシア(人々を襲う機械の鳥が見えますよね)、『コンスピラシー』版は新ファイレクシア。どちらも「ファイレクシアが侵略先へと大破壊呪文を放っている」場面なんです。これは素晴らしい繋がり。


《大量破壊》


大量破壊大量破壊


《大量破壊》 『オデッセイ』版フレイバーテキスト
創造を賞賛することなど誰にでもできる。破壊の中に美を見出すのは蛮族だけさ。
――― ピット・ファイター、カマール

《大量破壊》 『コンスピラシー』版フレイバーテキスト
無秩序とはさまざまな形態で存在する――社会、個人、グルール……


 『オデッセイ』版にフレイバーテキストは主人公《ピット・ファイター、カマール》の言葉です。彼は物語の中で赤から緑へ、バーバリアンからドルイドへと変わるのですが、この頃はまだ荒々しい蛮族でした。まあ緑の方の能力もかなり荒々しいのですが。

 そして再録版はアート・フレイバーテキスト共にラヴニカ、グルールの呪文となりました。手前で逃げ惑うのは服装を見るにアゾリウスの人達。とにかく手あたり次第に破壊する効果は確かにグルールらしさがありますね。


《疑いなき権威》


疑いなき権威疑いなき権威


 『ジャッジメント』版で「疑いなき権威」を放っていたのはオデッセイブロックにおける白勢力「Order/騎士団」。再録版ではラヴニカ、ボロス軍が物騒な裏通りを堂々と進軍するアートになりました。フレイバーテキストからはギデオンの活躍もわかります。


《疑いなき権威》フレイバーテキスト
ギデオンが第9地区を浄化した後、ボロス団に挑む暗黒街のボスはいなくなった。


 『コンスピラシー』は2014年夏の発売、まだ『戦乱のゼンディカー』の1年以上前でしたので久しぶりにギデオンの様子がわかって私はとても嬉しかったのを覚えています。そしてこのカードで注目すべき点と言えば……




 フブルスプくん! 今回なんか次元を越えた兄弟みたいなのが出て来たフブルスプくんじゃないか! こんな危なそうな所で、また道迷いしてるのでしょうか。


道迷い嘲笑うホムンクルス



《占骨術》


占骨術占骨術


 こちらアートは変わっていませんでしたが、新規でフレイバーテキストが付きました。


《占骨術/ Skeletal Scrying》 『コンスピラシー』版フレイバーテキスト
彼が惹かれた闇の宝に比べれば、彼の家族など安い代償であった。


 このカードが元々収録されていたのは『オデッセイ』。そしてオデッセイ・オンスロートブロックの物語を知っていると、このフレイバーテキストにはピンとくるんですよ。前回ちょっと話をしました《陰謀団の総帥》、彼はかつて家族を魔神への生け贄に捧げて凄まじい力と人間以上の寿命を得ました。総帥が放つ死の力は崇拝を集め、ですがその力は同時に人々を遠ざけます。陰謀団の長として絶大な権力を振るいながらも孤独な長い時を過ごした総帥の前に、ある時、同じ力を持ち、そして触れ合うことのできる存在が現れました……《触れられざる者フェイジ》。それはまた別のお話。

 そして『コンスピラシー:王位争奪』の新規アート、背景世界的には何といってもこちらでしょう。


《ファイレクシアの闘技場》


ファイレクシアの闘技場


 コスー!! 元気にしてましたかー!!(元気とかそういう問題じゃない)

 前回カードで姿を見せてくれた《マグマのしぶき》FNM版が2014年7月、「現状」記事が2015年8月でしたから約1年ぶりの消息ですね。しばらく登場していないキャラクターの消息をこんなふうに特殊セットで教えてくれるのはとても嬉しいものです。いや《進化の爪、エズーリ》みたいに幕間で悲惨なことになってて心をえぐってくる人も時々いますけど……。

 《ファイレクシアの闘技場》の初出は『アポカリプス』、そして結構な頻度で再録されてきました。調べた所『基本セット第8版』『基本セット第9版』『プレインチェイス(2009年版)』『デュエルデッキ:ファイレクシアvsドミナリア連合』『統率者(2014年版)』、そして今回でなんと6度目の再録!


ファイレクシアの闘技場ファイレクシアの闘技場


 アートは今回が3バージョン目になります。「新ファイレクシア」の闘技場。「ファイレクシアというものは必ず闘技場を作るものだ」なのかもしれませんね、羽ばたき飛行機械的に。



4. プレインズウォーカー


 今回プレインズウォーカーが2人登場していますが、2人ともしっかり物語に関わっています。関わっている、のですが2人ともパリアノの表舞台には出てきていません(レオヴォルドの調査網にも引っかかっていないくらいですから)。とはいえこの2人の行動がなければ今のパリアノの混乱はなかったと言っても過言ではありません。


■ ケイヤ


幽霊暗殺者、ケイヤ幽霊の掌握


 ソリンが石に閉じ込められたと思ったら新しい白黒プレインズウォーカーが登場しましたよ。《狂乱のサルカン》に続いて2人目の「+能力を持たないプレインズウォーカー」、とはいえ自身の能力で忠誠値をリセット可能。これはおもしろい。

 ブレイゴの暗殺が発表されたときに誰もがつっこんだ「何で幽霊が暗殺されるんだよ!」、ケイヤこそがその回答でした。


「ストーリー / プレインズウォーカー 幽霊暗殺者、ケイヤ」より引用

謎に包まれた過去を持つ大胆な無頼の決闘者、ケイヤは部分的に非物質となる能力を持っています。その力により彼女は固形の物体をすり抜け、幽霊や霊的世界へと物理的に干渉できるのです。
生命は生者のためのもの、ケイヤはそう強く信じています。生者はその人生に最善を尽くし、生きているうちに望むものを追い求め、そして死の前には安らぎを見出すべきなのだと。未練を残したまま死んだのなら、それは十中八九その者の過ちなのだと。もしそうでないなら、彼女は手を貸してくれるかもしれません……報酬と引き換えに。


 「幽霊や霊的世界へと物理的に干渉できる」→今回の物語の通りに「幽霊を殺せる」。実にピンポイントな能力ですが、これケイヤが行く次元によってはかなり大変なことになる可能性がありますよ。まあ、あくまで「仕事人」らしいので幽霊の根絶を誓って活動しているとかそういうわけではないようですが。でも例えば《幽霊の特使、テイサ》がケイヤの能力を知ったら絶対オブゼダートの始末を依頼するよなあ。

 ところで幽霊がありふれている世界といえばラヴニカ、イニストラード。フィオーラもそうですが、幽霊の存在感が大きい世界はどれも文明が結構進んでいますね。文明が進むということは未知のものが減るということ。第43回でも触れましたが、だからこそ解明できないものは恐ろしいということですか。


大逆


 あのブレイゴ暗殺のニュースに使用されていたアートはこのカードでした。コモンなのよね。つまり「君主殺しとかパリアノではよくあること」? コワイ!


■ ダレッティ


巧妙な偶像破壊者、ダレッティ


 『統率者(2014年版)』にて登場のダレッティ、このたび故郷フィオーラに凱旋しました。目的は自分の研究を奪ったアカデミーや自分を謀殺しようとした(らしい)弟子ムッツィオへの復讐。《狂乱のサルカン》以来久しぶりの赤黒プレインズウォーカー(ってなんで2連続で赤黒サルカン引き合いに出されてるんだ)、以前のダレッティよりもかなり攻撃的な能力がその「恨み」を感じさせます。どうやらグレンゾと意気投合&利害が一致したらしく、そちらの項目でも書きましたが彼と組んでゴブリンの暴動をけしかけつつ、アカデミー関係者を1人1人始末していっている模様です。


先見的設計家、ムッツィオ


 アカデミーはブレイゴ暗殺の少し前に閉鎖され(それもダレッティらの策略の賜物らしいのですが具体的な詳細は不明)、パリアノの至る所で働いていたアカデミー製歯車機械は違法なものとされました。あー、つまりそれによって様々なセキュリティが低下したこともパリアノの政情不安の一因なんでしょうね。やるじゃんダレッティ。

 そしてその標的ムッツィオも「追放された」以上のことは不明です。個人的にはかなり好きなキャラクターですので、生きていてくれるといいなあ。健気な弟子のイーリエ君とか元気にしているんでしょうか。



5. 次回予告


 もうすぐ第50回を迎えるこの連載……まあ番外編・出張編名義の回もあるので既に50本は越えているのですが……それでもまだメインで扱っていないプレインズウォーカーが大勢います。むしろメインで扱っていないプレインズウォーカーの方が多いかもしれませんね。ですので次回は久しぶりに「通常回」としてカラデシュの物語に登場の誰かを扱いたい、とはいえカラデシュ世界そのものが凄く魅力的なのでまずは概観を紹介するのも捨てがたい、ああどうしよう……


機械医学的召喚気宇壮大


《気宇壮大》フレイバーテキスト
「テゼレット審判長は博覧会の発明品すべてを自分で確かめるらしいんだ。だから目立つ物を作ったんだ。」
――バハダールの工匠、ジェバニー

公式記事「反逆の先導者」より引用

 リリアナはその男を掴んで振り返らせた。そしてチャンドラの知らない名前を、チャンドラの理解できない嫌気とともに呟いた。
「テゼレット」


そしてここで貴方が登場するとかー!

(終)



この記事内で掲載されたカード


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