はじめに
みなさん、こんにちは。
今週末からは、いよいよモダンの『地域チャンピオンシップ』も各地で開催され始め、『スポットライト・シリーズ』も2週連続で開催されるなど、モダンはいま最も熱いフォーマットのひとつです。
さて、今回は『マジック・スポットライト:ホビット – ブリスベン』と『マジック・スポットライト:ホビット – ダラス』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『マジック・スポットライト:ホビット – ブリスベン』 -優勝は環境の速攻デッキ-
開催日:2026年8月29-30日
優勝 イゼット果敢
準優勝 エスパーブリンク
3位 アゾリウスオズワルド
4位 繁殖鱗コンボ
5位 ボロスランデス
6位 繁殖鱗コンボ
7位 ピナクル親和
8位 ピナクル親和
9位 緑単エルドラージ
10位 リビングエンド
11位 エルドラージトロン
12位 繁殖鱗コンボ
13位 エスパー御霊
14位 イゼット果敢
15位 グリクシス眼魔
16位 繁殖鱗コンボ
先月末から、世界中でプロツアーの招待をかけたモダンのイベントが始まりました。今回は、シーズン最初のイベントであるブリスベンの『マジック・スポットライト』を取り挙げていきます。
プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』からメタが動き、Magic Online(以下、MO)のイベントでは、エスパー御霊、エスパーブリンク、イゼット果敢、エルドラージ、ドルイドコンボなど多様なデッキが活躍していました。
決勝戦まで残ったのは、最近行われたハイレベルなイベント『Modern Showcase Challenge』でも優勝していた「エスパーブリンク」と、コンスタントに結果を残し続けている環境の速攻デッキ「イゼット果敢」です。
イゼット果敢
モダンを代表する高速アグロデッキ。《火の怒りのタイタン、フレージ》が禁止になったことで相対的に強化されたデッキで、禁止改定後の環境で結果を残し続けています。
軽い火力スペルを多用するため、プロツアー後に台頭してきたクリーチャーコンボデッキのドルイドコンボにも強いデッキです。
一見すると序盤の爆発力を活かして速攻で相手のライフを削るアグロデッキの印象を受けますが、《表現の反復》や《コーリ鋼の短刀》といったカードにより、中盤以降も粘り強く戦うことができます。
☆注目ポイント
2ターン目に《コーリ鋼の短刀》を出し、《ミシュラのガラクタ》をプレイすることで、そのターンからモンク・トークンを展開することができます。軽いスペルが多く、大量のモンク・トークンを並べることができるので、単体除去が中心のデッキにとってプレッシャーになります。
また、装備したクリーチャーにトランプルを付与できるので、《変異原性の成長》と《暴力的衝動》を組み合わせることで瞬殺を狙うことも可能です。
《溶岩の投げ矢》はこのデッキで重要なカードの1枚です。「フラッシュバック」にマナがかからないため、果敢クリーチャーの強化や《コーリ鋼の短刀》の誘発など、スペルの回数を稼ぎたいターンで重宝します。
《ドラゴンの怒りの媒介者》の「諜報」であらかじめ墓地に落とせれば、勝負のターンにスペルの回数を稼ぎリーサルを狙いやすくなるなど、このスペルをいかに上手く使えるかが重要なポイントになります。
サイドはカウンターや追加の火力除去が中心になっています。
《呪文貫き》と《呪文嵌め》は、主にコンボデッキとのマッチアップでサイドインされます。
特に《呪文嵌め》は、《ルビーの大メダル》をはじめとしたルビーストームのキーカードや、《超能力蛙》《御霊の復讐》などモダンに多い2マナの脅威を1マナで弾ける優秀なカウンターです。
追加の除去は《邪悪な熱気》のみとなっており、《まどろみのトラッジ》《ロナスの狂信者》《量子の謎かけ屋》など、高タフネスのクリーチャーに対応できるようになっています。
エスパーブリンク
エスパーブリンクは、ここ最近で急激に勢力を伸ばしたアーキタイプのひとつです。
エスパー御霊とも似ていますが、リアニメイトパッケージの代わりに《溌剌の牧羊犬、フィリア》《ちらつき鬼火》《ベイルマークの大主》などのブリンク要素を採用し、よりフェアなミッドレンジ戦略に特化した構成になっています。
除去が多めで《孤独》などを使い回しながらクリーチャー主体で立ち回れるため、最近増えているドルイドコンボに強く、イゼット果敢と同様に現在良い立ち位置にあるデッキです。
☆注目ポイント
《溌剌の牧羊犬、フィリア》で「兆候」した《ベイルマークの大主》をブリンクする動きは、このデッキの最も強い動きのひとつです。
《ベイルマークの大主》は、能力で回収した《孤独》を構えたり、土地が必要な場合は《魔女の結界師》や《ボガートの獲物さらい》を加えたりと優秀な働きをしてくれます。
クリーチャー化したあとの5マナ5/5というスタッツも、《稲妻》や《致命的な一押し》など主要な除去に耐性があるのが良いですね。
《骨の皇帝》も《溌剌の牧羊犬、フィリア》と非常に相性が良いクリーチャーです。
メインから無理なく使える墓地対策で、「順応」で自分の墓地からリアニメイトしたクリーチャーを、《溌剌の牧羊犬、フィリア》でブリンクすることで戦場にキープすることができます。また、カウンターが置かれた《骨の皇帝》をブリンクすることで、再度「順応」できるようになります。
『マジック・スポットライト – ダラス』 -環境のトップメタのイゼット果敢-
開催日:2026年9月5-6日
優勝 イゼット果敢
準優勝 ベルチャー
3位 ドルイドコンボ
4位 イゼット果敢
5位 繁殖鱗コンボ
6位 ディミーアミッドレンジ
7位 ディミーアコントロール
8位 リビングエンド
9位 ゴルガリヨーグモス
10位 エルドラージトロン
11位 グリクシスミッドレンジ
12位 シミック出産の儀
13位 ジェスカイコントロール
14位 エスパー御霊
15位 ボロスランデス
16位 ネオブランド
アメリカ・ダラスで開催された『マジック・スポットライト』は、参加者900人以上と大盛況でした。
ブリスベンに引き続き、イゼット果敢が優勝していますが、なんとイゼット果敢を除きトップ16のアーキタイプがすべて異なる結果となりました。
現在のモダンは、多様なデッキが活躍できる良環境であることが確認できます。
ドルイドコンボ
ドルイドコンボは、《献身のドルイド》と《療治の侍臣》の2枚のクリーチャーカードを軸にしたコンボデッキです。
《献身のドルイド》+《療治の侍臣》によって無限マナを生み出すことができるため、そこから《薄暮見の徴募兵》でクリーチャーをすべて引きこみ、《孔蹄のビヒモス》をプレイするか、《豊穣の力線》で自軍のクリーチャーを無限に強化して勝利できます。
The Day 1 Modern metagame is here! 👀
— Star City Games (@StarCityGames) September 5, 2026
The top deck is under 11% and almost 33% of the field is 'other.'
Live now:
📺 YouTube: https://t.co/J5X5xP55LQ
🟣 Twitch: https://t.co/aKVXSyGGOb#SCGDALLAS #SpotlightTheHobbit pic.twitter.com/Y4L6KAXwaG
プロツアーではそれほど注目を集めていなかったデッキでしたが、プロツアー直後の『Modern Challenge』などで結果を残したことで数を増やし、今大会でも初日に参戦した4パーセント以上のプレイヤーがこのデッキを選択していました。
☆注目ポイント
《豊穣の力線》は、《アナグマモグラの仔》のようにマナクリーチャーのマナ加速をさらにブーストしてくれるエンチャントです。マナクリーチャーから出る大量のマナが余っても、無駄にすることなく全体強化に充てることができます。
このデッキには、《喜ぶハーフリング》《極楽鳥》《献身のドルイド》、そしてフェッチランドでサーチ可能な《ドライアドの東屋》といったマナクリーチャーが複数採用されているため、《豊穣の力線》を置いてゲームを開始できれば、爆発的なスタートを切ることができます。
《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》はマナクリーチャーに速攻を付与でき、コンボを決める助けになる重要なカードです。同じ能力を持つ《カンフーの達人、シャン・チー》は、追加の《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》として採用されています。
また、《緑の太陽の頂点》や《自然の律動》といったクリーチャーをサーチする手段が多く搭載されているため、再現性ある動きができるのが強みです。
サイド後は墓地対策の《鋭い目の管理者》や、置物対策の《再利用の賢者》、マナクリーチャーなどをまとめて無力化してくる《鳴り渡る龍哮の征服者》に対応可能な《クロールの銛撃ち》など、状況やマッチアップに応じて緑のクリーチャーをサーチするシルバーバレット戦略もとれます。
ディミーアコントロール
除去や打ち消しを構えて相手を捌く、ベーシックなコントロールデッキです。採用されているクリーチャーも《緻密》や《司書、ワン・シー・トン》など瞬速持ちなため、常にインスタントタイミングで動けるように構築されているのが特徴です。
イゼット果敢のように速攻でライフを詰めてくるマッチアップは不利ですが、モダンに多いコンボデッキに強く、《火の怒りのタイタン、フレージ》が禁止になったことでボロスエネルギーとの消耗戦にも挑みやすくなりました。
☆注目ポイント
モダンに存在するほとんどのデッキがフェッチランドを採用しているため、《司書、ワン・シー・トン》は序盤に展開しても十分なプレッシャーをかけられる脅威として活躍します。
また、モダンには《探検の地図》や《緑の太陽の頂点》など、ライブラリーをサーチするカードが多く存在するため、能力を誘発させる機会には事欠きません。
相手に強制的にライブラリーをサーチさせる《廃墟の地》との組み合わせが強力で、トロンランドや《ウルザの物語》などやっかいな土地を破壊しつつ、アドバンテージを得ることができます。
《オークの弓使い》はボロスエネルギーの序盤を凌ぎ、《量子の謎かけ屋》を使うエスパー御霊やブリンクデッキに対してもある程度の効果が期待できます。《極楽鳥》や《ドライアドの東屋》といったマナクリーチャーにも触りやすく、ドルイドコンボとのマッチアップでも有効です。
墓地対策しつつキャントリップできる《塵へのしがみつき》は、《火の怒りのタイタン、フレージ》こそ禁止になったものの、エスパー御霊など墓地を使うデッキは健在なので、メインから多めに採用されていました。
サイドの《仕組まれた爆薬》と《滅び》は、親和やボロスエネルギーなど主に横に並ぶデッキ対策です。《仕組まれた爆薬》はイゼット果敢にも有効で、このデッキにとって対処しづらい《コーリ鋼の短刀》にも対応できます。
《滅び》は、《溶接の壺》に守られた《河童の砲手》も流すことが可能なので、《仕組まれた爆薬》と使い分けていきたいところです。
サイドの《濁浪の執政》は大会直前に15枚目のサイドカードとして採用されたそうで、トップ8がかかったマッチアップでも活躍していました。
総括
ドルイドコンボやアゾリウスオズワルドなど新しいデッキやイノベーションが出てきており、プロツアー後もモダンの環境は変化し続けているようです。
ここ2週間の間に開催された『スポットライト・シリーズ』の結果からも、現在のモダンはあらゆるタイプのデッキで結果を出せる良環境といえます。
USA Modern Express vol.161は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいモダンライフを!
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